映画『パワープレイ』の概要:欧州の架空の国でクーデターが起きるという設定で、クーデターの計画から実行までを、かなりのリアリティを持って描いたクーデターものの傑作。ハラハラさせられる中盤から終盤のクライマックス、そして驚きの結末と、緊張感の続く脚本と演出が素晴らしい。
映画『パワープレイ』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:マーティン・バーク
キャスト:ピーター・オトゥール、デヴィッド・ヘミングス、バリー・モース、ドナルド・プレザンス etc
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映画『パワープレイ』の登場人物(キャスト)
- アンソニー・ナリマン(デヴィッド・ヘミングス)
- 陸軍大佐。妻を亡くし、幼い娘を男手ひとつで育てている。2週間後には退役して田舎暮らしをするつもりでいたが、ルソー教授に担がれ、国を良くするためにクーデターを起こす決意をする。
- ゼラー大佐(ピーター・オトゥール)
- 戦車部隊の隊長。冷酷な野心家で、クーデターに参加するのも私利私欲のため。
- ルソー教授(バリー・モース)
- 軍事戦略専門の大学教授。軍人たちとの強いパイプがある。20歳年下の妻がいる。
- ブレア(ドナルド・プレザンス)
- 国の秘密警察のボス。国家のためという名目で、冷酷に人を殺す。
映画『パワープレイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パワープレイ』のあらすじ【起】
ニューヨークでテレビショーに出演したカサイ大佐は、自国で起きたクーデターについて質問される。世間は、このクーデターを暴力的な革命だと非難していたが、カサイ大佐は“非暴力によるクーデターです”と説明する。そして、このクーデターについて語り始める。
欧州のとある国で、経済大臣が拉致されるというテロ事件が発生する。テロ集団は、山道でトラックを爆破して経済大臣が乗った車を止め、護衛の警官たちを殺害。経済大臣は殴られ、テロ集団に拉致される。
翌日、軍事戦略が専門分野のルソー教授の邸宅では、2週間後に退役する陸軍大佐アンソニーを囲んでお茶会が開かれる。妻を亡くしたアンソニーは、退役して幼い娘と静かな田舎で暮らすつもりでいた。その時、サッカーをしていた子供のひとりが悲鳴をあげる。アンソニーたちが駆けつけると、森の中に乱暴な殺され方をした経済大臣の死体があった。
大統領は緊急記者会見を開き、軍も全面協力してテロ集団に報復すると宣言する。アンソニーやカサイ大佐もその場にいたが、軍内部では腐敗し切った政府を嫌う軍人も多かった。
秘密警察のブレアは、テロ集団のアジトを突き止め、テロリストたちを一斉検挙する。逃げようとするものは、容赦なく射殺された。逮捕されたテロリストの中に、アンソニーの友人夫婦の娘ドナもいた。
ルソー教授はクーデターを起こして政府を倒すべきだと考えており、アンソニーを仲間に引き入れようとする。しかし退役するつもりのアンソニーは、首を縦に振らない。
友人夫婦から頼まれ、アンソニーはドナの面会へ行く。アンソニーは、幼い頃から知っているドナが、テロリストだとは思えなかった。しかしドナは、自分も仲間だと証言し、政府の腐敗から目を背けている軍や警察を非難する。ブレアは、ドナの釈放を約束したにも関わらず、彼女を拷問し、釈放したように見せかけて射殺してしまう。
映画『パワープレイ』のあらすじ【承】
ドナが殺されたことで、アンソニーは条件付きでクーデターを起こすことに賛同する。その条件とは、“大統領や閣僚は処刑せず、半年後に国民投票を行うこと”“無用な暴力は認めない”“カサイ大佐も仲間に入ること”というものだった。
カサイ大佐も仲間に加わり、アンソニーは士官学校の作戦室をクーデターの作戦本部に決める。アンソニーとルソー教授は緻密な作戦を立て、慎重に仲間集めを開始する。
戦車部隊は、ゼラー大佐に頼もうという話が出るが、彼の扱いにくい性格を知っているアンソニーは、難色を示す。そこで、カサイ大佐が友人のスタフェンバーグに声をかけてみることにする。
ところが、スタフェンバーグは予想以上に頑固で、ついには怒り出してしまう。スタフェンバーグは無線で本部に連絡し、極秘の作戦を密告しようとする。カサイ大佐は仕方なく、無線室のテントを戦車で潰し、スタフェンバーグを殺害する。
スタフェンバーグの死を受け、ブレアは捜査を開始する。録音された無線の音声は非常に状態が悪く、肝心な部分が聞き取れなかった。
カサイ大佐の判断は正しかったが、仲間を殺してしまう結果となり、アンソニーは苛立つ。それでも彼はスタフェンバーグの葬儀で、苦悩を隠して弔辞を述べる。
アンソニーは一抹の不安を抱えつつ、ゼラー大佐を仲間にする。ゼラー大佐は、軍の戦車部隊を“俺の戦車だ”と言うような人物だった。野心家のゼラー大佐は、アンソニーの話に乗ってくる。
空挺部隊のバリエントスや他にも数名の軍幹部が仲間に加わり、クーデターの実行は具体化していく。しかしブレアは密かに捜査を進めており、ルソー教授の妻について調べるよう、部下に指示を出していた。作戦本部には、何者かによって盗聴器が仕掛けられる。
映画『パワープレイ』のあらすじ【転】
大使を迎えるパーティーに出席したアンソニーたちは、現場にブレアがいるのを見て警戒を強める。ところが、ずっと断酒をしていたはずのバリエントスが酔いつぶれて暴れ出す。ブレアは、バリエントスが強烈なストレスを感じているのだと推測する。アンソニーもブレアの視線に気づいており、バリエントスの扱いを考えるようになる。
ルソー教授の妻は20歳も年下で、ゼラー大佐と不倫関係にあった。ルソー教授は全く気づいていなかったが、2人はかなり頻繁に逢瀬を重ねており、妻はゼラー大佐に夢中だった。
作戦本部に仲間たちが集まっている時、本部内に盗聴された音声が流れ始め、銃を持った男が乱入してくる。みんなは青ざめてしまうが、実はこの男は軍のヒルズマン大尉で、アンソニーの指示で動いていた。計画実行まであと10日になっており、アンソニーは仲間の緊張感を高めるためにヒルズマンを使ったのだ。
ルソー教授の妻とゼラー大佐の不倫の証拠をつかんだブレアは、証拠写真を教授に見せる。ブレアは写真をネタにルソー教授から秘密を聞き出そうとするが、教授は“何も知らん”とシラを切る。しかしルソー教授は、明らかに動揺していた。そして何となく危険を察したゼラー大佐は、一方的に教授の妻に別れを告げる。
アンソニーは具体的な作戦の内容をみんなに説明する。ところが、バリエントスが更迭され、空挺部隊が使えなくなるというハプニングが起こる。バリエントスは2週間前に辞令を受けていたが、その事実を隠していた。後任のキーロフは、仲間に入れられないタイプだった。
アンソニーは、バリエントスと2人だけで話をする。バリエントスは作戦から抜けると言い出すが、アンソニーはそれを許さない。バリエントスは身柄を拘束され、それを目撃した士官学校の管理人はヒルズマンに射殺される。管理人は、盗聴器を持っていた。
映画『パワープレイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
アンソニーは、バリエントスを使ってブレアを引きつけておき、その間に作戦を決行するという計画を立てる。ブレアはまんまとおとり作戦にはまり、バリエントスの拷問を始める。ブレアが食いついたという知らせを受け、アンソニーはそれぞれの部隊に“オーロラ”という作戦決行の暗号を送る。
ブレアのもとに“ゼラーの戦車が高速を走っている”という知らせが届く。バリエントスは隙を見てブレアを人質に取り、車に乗り込む。2人は車内でもみ合いとなり、ブレアは車外へ突き落とされる。
いよいよクーデターが始まった。ヒルズマンの部隊は秘密警察を皆殺しにし、ゼラー大佐の戦車部隊は街中に入る。通信網は遮断され、飛行場でも戦闘が始まる。キーロフの命令で空挺部隊が動き出すが、飛行場への着陸許可が出ない。管制塔はすでに占拠されており、着陸不可能と判断した空挺部隊は、基地へ引き返す。
バリエントスはキーロフのいる作戦本部へ乱入し、キーロフと部下を射殺する。しかしバリエントスも、外で待機していた兵士によって射殺される。
ゼラー大佐は大統領のいる宮殿を制圧し、カサイ大佐はテレビに出演する準備を始める。カサイ大佐はテレビ放送で大統領の身柄を拘束したことを告げ、国民にしばらく外へ出ないよう呼びかける。
道端にいたブレアは、ヒルズマンに身柄を拘束される。管理人がブレアの部下だと思い込んでいたヒルズマンは、“管理人は俺が殺した”と告げるが、ブレアは何の話かわからない。どうやら内部に裏切り者がいるようだった。
ゼラー大佐に呼ばれて宮殿に入ったアンソニーは、クーデターの成功に安堵し、大統領の椅子に座る。ところが、ゼラー大佐こそが裏切り者で、アンソニーは銃口を向けられ、投獄されてしまう。ゼラー大佐はルソー教授を呼び出し、自分に従うよう教授を脅す。
ゼラー大佐はマスコミを集めて記者会見を開く。大統領の席で演説をするゼラー大佐を、ヒルズマンやルソー教授の妻が見つめていた。
ブレアとアンソニーと大統領は処刑場へ運ばれる。ゼラーの権力に屈し、自分が生き残る道を選んだルソー教授は、アンソニーの処刑を見て、すぐにその場を立ち去る。目隠しをされ、銃殺されたアンソニーは、がっくりとうなだれてくずれ落ちる。
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