映画『おっぱいとお月さま』の概要:お月さまに“僕だけのおっぱいが欲しい”とお願いした9歳のテテは、素晴らしいおっぱいを持った踊り子と出会い、彼女のおっぱいに恋をする。ユニークな少年の妄想と、風変わりな大人たちが繰り広げる恋愛模様がミックスされた個性的なファンタジー・コメディ。
映画『おっぱいとお月さま』の作品情報
上映時間:86分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ、ファンタジー
監督:ビガス・ルナ
キャスト:マチルダ・メイ、ピエル・ドゥーラン、ジェラール・ダルモン、ミゲル・ポベダ etc
映画『おっぱいとお月さま』の登場人物(キャスト)
- テテ(ビエル・ドゥラーン)
- スペインのカタロニア地方で暮らす9歳の少年。町の名物祭り「人間タワー」の登り手。最近生まれた弟が、ママのおっぱいを独占していることに腹を立てている。宝物はカエルのワリー。
- ミゲル(ミゲル・ポヴェダ)
- テテと同じ町で暮らす電気工の青年。親友は力持ちのスタローン。両親は南部の出身。歌が上手い。
- エストレリータ(マチルダ・メイ)
- パリからやってきた踊り子。夫のモーリスとともに旅回りの芸人をしている。素晴らしいおっぱいの持ち主で、テテやミゲルを虜にする。男性の足の匂いと涙が好きな変わった嗜好の持ち主。トレーラーハウスで暮らしている。
- モーリス(ジェラール・ダーモン)
- エストレリータの夫。オナラ名人として、オナラを使った芸を披露している。別名“炎の帝王”。髭面に銀髪のフランス男。
映画『おっぱいとお月さま』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『おっぱいとお月さま』のあらすじ【起】
スペインの海辺の町で暮らす9歳のテテは、町の名物祭り「人間タワー」の登り手をしている。パパはカタロニア人としての誇りにうるさい男で、タワーの下で興奮して騒ぎまくる。テテはタワーを登るのに失敗し、ママに助けてもらう。ママは現在妊娠中で、大きなお腹を抱えていた。テテは弟ができることが嫌でしょうがなかった。
テテはみんなから変人扱いされているおじいちゃんが大好きで、おじいちゃんには何でも話す。おじいちゃんは“弟なんかいらない”というテテを怒ったりしない。
ママは無事に元気な男の子を出産した。テテは生まれたての弟を見て、すごく醜い泣き虫の怪物だと感じる。自分は牛乳を飲まされるのに、弟はママのおっぱいを飲むと言うのが、テテには何より不満だった。テテは自分だけのおっぱいを見つけようと決意する。
おじいちゃんと月を眺めている時、テテは月に“僕だけのおっぱいが欲しい”とお願いする。願いが届いたのか、テテの町に素晴らしいおっぱいを持った踊り子のエストレリータがやってくる。
エストレリータは、夫のモーリスとパリからやってきた芸人だった。夫婦はこの町のテント小屋でショーをするため、海辺のキャンプ場に停めたトレーラーハウスで暮らし始める。キャンプ場で電気工事をしていたミゲルは、エストレリータを一目見て、身体中に電気が走る。ミゲルの初恋だった。
映画『おっぱいとお月さま』のあらすじ【承】
その日からミゲルは猛アタックを開始するが、エストレリータとモーリスは熱烈に愛し合っており、全く相手にしてもらえない。テテもテント小屋に潜り込み、エストレリータのおっぱいを見る。彼女のおっぱいはママのおっぱいよりも素敵で、テテも恋に落ちる。
エストレリータに愛を告白し、きっぱり振られてしまったミゲルは、突然情熱的な歌を歌い出す。エストレリータもミゲルの歌を気に入ったようで、彼女の心に変化が起こる。その様子を見ていたテテは、歌の練習を始める。
ミゲルは夜もキャンプ場へ行き、キャンピングカーの前で歌い続ける。モーリスは不愉快だったが、それほど深刻には受け止めていなかった。
ミゲルはエストレリータのパンツを盗み、それを頭にかぶって喜ぶ。テテも負けずとブラジャーを盗み、ミゲルに対抗する。テテはエストレリータにカエルのワリーを見せに行き、ちょっとだけおっぱいを触らせてもらう。テテは、エストレリータのおっぱいからミルクを飲ませてもらう妄想をする。
ミゲルは歌い続け、ついにエストレリータとキスをする。テテは彼女のそばで暮らそうと思い立ち、キャンピングカーの下に潜り込む。
映画『おっぱいとお月さま』のあらすじ【転】
バレエを踊るエストレリータとオナラを使った曲芸を披露するモーリスの芸は好評だった。モーリスは好きな時に好きなだけオナラをすることができたが、オナラにパワーを使いすぎて男性機能が不能になっていた。モーリスは、愛するエストレリータを満たしてやれず、感傷的になって涙を流す。モーリスの足の匂いと涙が大好きなエストレリータは、モーリスの涙を舐めて興奮する。
ミゲルは“君と会えないなら僕は死ぬ”とまで言って、エストレリータの後を追い回す。相変わらずキャンプ場で歌を歌い続け、モーリスを苛立たす。モーリスがステレオの音量を上げたので、ミゲルはキャンピングカーの下に潜り込んで、電気の配線を切る。キャンピングカーの下にいたテテは、ミゲルに追い払われてしまう。
家を抜け出していたテテは、パパに叱られる。エストレリータのおっぱいに恋をしたと正直に話すが、パパはテテの歯の心配しかしない。テテはおじいちゃんのところへ行き、オナラの練習も始める。
どうしてもエストレリータを自分のものにすることができず、ミゲルは落ち込んでいた。親友のスタローンは、ミゲルを励ますため、愛車のバイクに乗せてやる。その帰り、スタローンはバイク事故で死んでしまう。町中の人が嘆き悲しみ、涙にくれる。
大切な親友を失ったミゲルは、エストレリータの前で涙を流す。エストレリータはミゲルの涙に感動し、彼の涙を舐める。そして2人は情熱的なキスをする。
映画『おっぱいとお月さま』の結末・ラスト(ネタバレ)
モーリスが出かけた日。ミゲルとエストレリータは、キャンピングカーの中で一線を越える。モーリスは2人の関係に気づいて絶望するが、自分がエストレリータを満たしてやれない引け目があり、何も言えない。
しかしやはりモーリスは苛立ち、エストレリータをキャンピングカーの中に閉じ込めてしまう。テテは花束を持ってエストレリータを訪ね、屋根の上の窓から中へ入る。出先から帰宅したモーリスはミゲルと鉢合わせし、ミゲルに馬乗りになる。エストレリータは2人の男の間で苦しんでいた。
ミゲルはエストレリータが涙好きと知ってから泣きっぱなしだった。エストレリータはミゲルの足の匂いも気に入り、2人の関係は続く。ある日、キャンピングカーで2人が愛し合っていると、ウォーターベッドに刃物が刺さり、中の水が溢れ出してしまう。テテは、キャンピングカーから流れ出す水を見て、エストレリータのおっぱいが破裂したのだと思い込む。
モーリスはエストレリータを責めるようなことはしなかった。エストレリータもやはりモーリスを愛しており、自分のためだけにオナラショーをしてもらう。2人は互いの愛を確認し、町を去っていく。傷ついたミゲルは自殺しようとするができなかった。
また祭りの日が来た。テテは人間タワーを登っている時、建物のベランダにいるエストレリータの幻を見る。そしてママのおっぱいからミルクをもらう妄想をする。テテは見事タワーのてっぺんに立ち、パパに一人前の男と認めてもらう。みんなから祝福の胴上げをしてもらい、テテは最高の気分を味わう。
そしてミゲルにとっても今日は最高の日となる。エストレリータは彼を迎えに来てくれ、モーリスと3人でトリオを組んでくれる。ミゲルは、天使の格好をして、幸せそうに舞台に立つ。テテには大人の歯が生え始めていた。
映画『おっぱいとお月さま』の感想・評価・レビュー
この作品で描かれている「おっぱい」は性の象徴では無く、「母性」を感じさせるものでした。
弟が生まれたことで「おっぱい」を取られてしまった9歳の少年テテが自分だけの「おっぱい」を探す、とってもファンタジーなストーリー。お姉さんたちが何の躊躇もなくおっぱいを出すシーンは笑ってしまうほど唐突で、全くエロさはありません。
テテの夢を探すような温かいストーリーに、個性豊かで可愛らしいキャラクターたち。「おっぱい」がテーマですがとてもほっこりする作品でした。(女性 30代)
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