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映画『ブルゴーニュで会いましょう』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブルゴーニュで会いましょう』の概要:ワイン評論家として活躍していたシャルリは、嫌々ながら実家のワイナリーの新責任者として苦労する毎日を送る。しかし悪戦苦闘する中でもソリが合わなかった父親の本音、奥深いワインの世界を知り、次第にワイン経営者としての自覚が芽生えていく。

映画『ブルゴーニュで会いましょう』の作品情報

ブルゴーニュで会いましょう

製作年:2015年
上映時間:97分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジェローム・ル・メール
キャスト:ジェラール・ランヴァン、ジャリル・レスペール、アリス・タグリオーニ、ローラ・スメット etc

映画『ブルゴーニュで会いましょう』の登場人物(キャスト)

シャルリ・マレシャル(ジャリル・レスペール)
代々続くワイン農家を飛び出し、ワイン評論家として活躍している。自身が品評したガイド本が今年7年目と入り、評論家としての地位も確立している。
フランソワ・マレシャル(ジェラール・ランヴァン)
ブルゴーニュの歴史あるワイナリー「ドメーヌ・マレシャル」の経営者。5年前に離婚を経験してからワイン造りに打ち込めず、現実逃避からずっと趣味の船造りに精を出している。
マリー(ローラ・スメット)
シャルリの妹でレストランのシェフを務める。ずっと塞ぎ込んでいる父親が見てられず、実家のワイナリーを救うため、シャルリに新責任者になってほしいとお願いをする。
マルコ(ラニック・ゴートリー)
マリーの夫で結婚してからずっとフランソワの下で醸造家として働いている。シャルリが新責任者として就いてからは、良きパートナーとして一緒にワイン造りに奮闘する。
エディット・モービュイソン(フレデリック・ティルモン)
「ドメーヌ・マレシャル」の隣の畑でワイナリーを営む「ドメーヌ・モービュイソン」女主人。40年かけて作り上げたワインは毎年評判が良い。娘のブランシュにはまだワイナリーを任せられないと思っている。
ブランシュ・モービュイソン(アリス・タグリオーニ)
エディットの娘でマリーの中学同級生。オレゴン州で大きなワイナリーを営むアメリカ人男性クリストファーと結婚間近であるも、シャルリと恋に落ちてしまう。

映画『ブルゴーニュで会いましょう』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブルゴーニュで会いましょう』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブルゴーニュで会いましょう』のあらすじ【起】

その日のブルゴーニュは、これから雨が本格的に降り出そうとしていた。シャレルの父で、伝統あるワイナリー「ドメーヌ・マレシャル」を営んでいるフランソワは現在多額の負債を抱えており、裁判所から支払不能状態と判断され窮地に陥っていた。全てを売り払い清算する必要がある、と銀行からも強く言われてしまう。しかし、妻との離婚から今なお立ち直ることができず、八方塞がりの状態であった。

15年ほど前に家を飛び出したシャルリは、ワイン評論家として成功し、ワインガイド本も7 年目に入っていた。多忙な中で出席した自身の出版パーティーで、シャルリは1人の美しい女性と出会う。自分のことを何もかも知っているミステリアスな雰囲気の女性にシャルリは興味をそそられ、一夜の関係を持つ。そして朝早く、彼女をベッドに残したままシャルリは1人パリへと引き返す。

会計審査委員会での決定により、フランソワのワイナリーは今後法の監視下に置かれることとなった。再建を担う責任者を7日以内に提示できれば1年間の猶予を与えられるが、それが不可能な場合は買収手続きを行う。買収に際して名乗りを上げているのが日本の企業と、隣人の「ドメーヌ・モービュイソン」だと告げられる。その名前を聞いた途端フランソワは怒りのショックで立ち上がり部屋を後にする。フランソワは「ドメーヌ・モービュイソン」の経営者であるエディットの元を訪れる。自分の畑を奪う気か、と声を荒げるフランソワ。するとエディットからは、歴史ある畑を守るためにきちんと仕事をしろ、と逆に責められてしまう。

妹マリーがシェフを務めるレストランに顔を出したシャルリは、そこで初めて実家のワイナリーが窮地に陥っていると知らされる。急いで実家のフランソワに状況を聞くも、パリに帰れと言われてしまう。その夜、シャルリはマリーにコネを使って在庫を売り、時々顔を出してワイナリーを手伝ってほしいと頼まれ、その内に兄弟喧嘩へと発展してしまう。

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映画『ブルゴーニュで会いましょう』のあらすじ【承】

シャルリは自宅へと帰り、おもむろに1本のワインボトルを手に取る。コルトン・グラン・クリュ1945年と書かれたワイン、そのワインを造った男こそ、ジャック・フランソワ、つまりはマレシャルの祖父に当たる人物である。まだ幼かったシャルリはジャックと無限に広がる葡萄畑を眼下に見ながら、コルトン(特級畑)は王の中の王と教えられる。いつか僕のものになるか、と問うと、勇気があればなとジャックは笑いながら答えるのであった。

決心がついたシャルリはフランソワに新しい責任者となる旨を伝えに行く。しかし、ワイン造りは聖職であり、片手間にはできないと釘を刺される。それならば畑を手伝ってほしい、と誘うが、畑への興味は失せたと拒否されてしまう。現在「ドメーヌ・マレシャル」ではマリーの夫であるマルコが醸造を担当していた。シャルリはマルコと葡萄畑を歩きながら、今の技術には頼らず昔ながらの方法でワインを造ると突拍子もないアイデアを口にする。ワイン造りに関してはど素人のシャルリに嘆きながらも、成功したら唯一無二のワインになると言い、2人は固い握手を交わす。

シャルリはエディットの助言を求めに「ドメーヌ・モービュイソン」の家をノックする。出てきたのは先日マリーの紹介で会ったブランシュであった。実は彼女、以前シャルリの出版記念パーティーで一夜を共にしたその女性であった。また時を改めようとするシャルリに、婚約者のアメリカ人クリストファーを紹介する。彼もまたオレゴン州で巨大なワイナリーを営む一家の息子であった。

映画『ブルゴーニュで会いましょう』のあらすじ【転】

シャルリが他に頭を悩ませる問題として、ワイナリーに置かれた山のような在庫があった。これを全て売り切らないと今年の分が作れないとマルコに言われ、シャルリは作戦を練ることにする。つまり、彼がガイド本で点数を付けているワイナリーを言いくるめ、約3年分ある在庫を全て買ってもらうことにしたのだ。作戦は上手く行き、いよいよ本格的にワイン造りへと動こうとするシャルリ。しかし、今度は天候が彼の行く手を阻む。もうすぐ嵐が来ると言うのだ。できることは何もないとする農家のやり方にシャルリはコルトンの部分だけでもシートで覆うと宣言する。しかし頑張りも虚しく、葡萄の1/4は使い物にならなくなってしまった。畑を見にきたブランシュに、やはり自分にワイン造りは向いていないとこぼすシャルリ。その発言に対し、1年は頑張ってほしい、とブランシュは励ましの言葉を送る。彼女もまた、母親のエディットによそ者のクリストファーに彼女が40年かけて作りあげた畑を理解しているとは思えない、よって彼と結婚をするならば畑を継がすわけにはいかない、と言われ、頭を悩ませていた。

今回の嵐の1件で、シャルリは父親の言う通り、自分は収穫や醸造のやり方を何一つ知らないと自覚する。そんな彼に、帳簿は自分がつけようとマリーが力を貸してくれることになった。マリーが実家の離れで帳簿をつけていると、フランソワが樽を洗っている姿が目に入る。父親の変化を見て喜ぶマリー。しかしシャルリは、樽は使わず壺での貯蔵に挑戦したいと言い出し、フランソワはまたも引きこもってしまう

その夜、シャルリはフランソワに自分のどこが気に入らないかを直球で質問する。それに対して、父親と伝統に背いたからだという答えが返ってくる。自分も父親とソリが合わなかったが、家を出るという行動が起こせなかった。シャルリの成功を喜ぶべきであるのに、それができなかったのだと、初めて父親の本音を知った瞬間であった。

映画『ブルゴーニュで会いましょう』の結末・ラスト(ネタバレ)

シャルリはワインを貯蔵する樽を作る職人に、モービュイソン家のワインの秘密を聞き出す。それに対する答えは「収穫時期を同じにしてはどうか」というものだった。早速エディット達が収穫を開始し始めたところを狙ってシャルリ達も収穫を始めた。と、シャルリの携帯にブランシュから電話が入る。葡萄は区画によって収穫の時期が違う、種からリコリスの味がしたら収穫の時期だと貴重なアドバイスを受ける。そのためシャルリは2度も直前で収穫をキャンセルさせてしまう。収穫の先頭を切っていたフランソワは遂にはヘソを曲げ、船作りに戻ってしまった。それから毎日シャルリは葡萄を試食し続け、ある日ハッとする。深夜にフランソワを叩き起こし、1粒の葡萄を試食させる。深夜に起こされたことが不愉快なフランソワはそれでも葡萄を口に含み、リコリスの味がすると告げる。シャルリは満面の笑みで、明日収穫を行うと宣言する。

無事に収穫も終わり、マレシャル家ではパーティーが開かれ、そこにはブランシュの姿もあった。彼女は収穫が済んだらオレゴンへ旅立とうとしていた。彼女のことを愛していたシャルリは彼女を止めるも、意思は固かった。フランソワもまた自作の船が完成し、生まれ育った家を後にし、海へと漕ぎ出して行く。

ボトル詰めも滞りなく完了し、そのワインはアロース・コルトン・プルミエ・クリュと名付けられた。エディットは感想を求められ、かなり良い出来ただと評価をする。シャルリは1人浜辺近くの家に住んでいたフランソワのところへ会いに行く。シャルリは家に帰って一緒にワイン造りをしようとフランソワを誘い、2人は肩を組んで家へと戻る。

やってきたブドウ収穫の日、シャルリは父に代わって収穫の先頭を切っていた。とそこへオレゴンに行ったブランシュから電話が入る。急いで辺りを見回し、畑の中に彼女の姿を確認する。2人は黄金色に輝くブドウ畑の中、愛を確かめ合った。

映画『ブルゴーニュで会いましょう』の感想・評価・レビュー

絶体絶命のピンチをチャンスに変え、見事成功させたのが本作であるが、実際は買収されるワイナリーも多いと聞く。エディットにワイナリーの経営は任せられないと言われたブランシュが「よそでは生きられない、ここが私の場所」と呟く場面がある。生まれ育った場所から離れなければならないのはどれほどの胸の痛みを伴うだろう。これはワイン農家のみならず、どこにも当てはまることだと思う。薄利多売、M&Aがまかり通る世の中で、失ってはいけないものを私たちは今一度立ち止まって考えてみる必要がありそうだ。(MIHOシネマ編集部)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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