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映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』の概要:南仏に建てられた「E.1027」この設計者は長年「近代建築の父」ル・コルビュジエが設計したものと考えられていた。しかし、実際はある女性デザイナーによるものだった。名はアイリーン・グレイ。あのコルビュジエが尊敬し、嫉妬するほどの才能とは。

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映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』の作品情報

ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ

製作年:2014年
上映時間:108分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、歴史
監督:メアリー・マクガキアン
キャスト:オーラ・ブラディ、ヴァンサン・ペレーズ、フランチェスコ・シャンナ、アラニス・モリセット etc

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』の登場人物(キャスト)

アイリーン・グレイ(オーラ・ブラディ)
アイルランドに生まれる。ロンドン、パリで美術を学び工房で働いた後、デザイナーとなる。最初はアール・デコ調の作風が次第にモダンなものへとシフトする。機能性高くシンプルなデザインのインテリアが評判を呼び、インテリア・デザイナーの地位を確固たるものにする。
ル・コルビュジエ(ヴァンサン・ペレーズ)
本名はシャルル=エドゥアール・ジャングレ。幼い頃は父親と同じ時計職人を目指していたが、次第に建築に興味を示すようになる。「近代建築の5原則」を掲げ、機能主義を提唱した。日本では国立西洋美術館の建築が有名。
ジャン・バドヴィッチ(フランチェスコ・シャンナ)
建築家、兼ジャーナリスト。アイリーンからはジャン、コルビュジエからはバドと呼ばれている。彼が編集している建築雑誌でアイリーンを特集したことがきっかけで恋人となる。

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』のあらすじ【起】

2009年2月。オークション会場ではアイリーン・グレイ作の肘掛け椅子が紹介されていた。別名「竜の肘掛け椅子」と名付けられたこの品は220万ユーロから遂には、1950万ユーロで落札となった。20世紀の家具の中では最高額。アイリーン・グレイとは一体誰か。白髪が混ざった髪を結った女性が、かすかに目に涙を浮かべながらスライドを1枚1枚見つめている。スライドには建物が映し出されていた。40年ぶりねと答える女性。世間ではル・コルビュジエが設計したとされていると説明を受ける。最後に映った壁画について、今度は彼女がどう思うかと質問する。すると侵略的、あの家の真意に反すると言う答えが返ってきた。

黒縁眼鏡の男がスクリーンに語りかける。建築家は単なる知識の人間ではない。情に満ちた科学者でありアーティストなのだ。アイリーンは彼が掲げた「近代建築の5原則」に従わなかった声を荒げる。この男こそ、近代建築の父、ル・コルビュジエである。コルビュジエは知人の女性に頼んで自分が壁画を描いた南仏の古びた白い家を購入してもらう。

1923年、まだ駆け出しだったコルビュジエが初めてアイリーン・グレイの展示を見た時、その革新性に嫉妬し、恐れをも感じたという。アイリーンは既に豪華な家具で成功していた。装飾が一切なく、機能的な家具に対して「未知の生活だ」と周りの人からも大絶賛だった。「真のモダニスト」とも称された。

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映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』のあらすじ【承】

コルビュジエの友人で近代建築に関する雑誌を発行しているジャン・バドヴィッチはアイリーンの事務所を尋ねる。アイリーンは建築の専門知識を教わる代わりに彼の記事に協力することにした。ジャンはたちまちアイリーンに魅了され、男性との結婚に興味はないかと問う。同性愛者であったアイリーンは、自分には自由が必要だと答える。しかし、建築の指導を受ける中でジャンとアイリーンは愛を育んでいく。

アイリーンは陽光が美しいコートダジュールのカップ・マルタンでジャンと共に休養を取っていた。ジャンは隣で「モダンな生活の勝利である」とアイリーンについて記した自筆の記事を読み上げる。「彼女の芸術は知的であり、激しい情熱の表れでもある。理想的な生活への意欲に満ちている」と彼女を大絶賛した。そして、ジャンはアイリーンに、家具だけでは勿体ない、家など作ってみてはどうか、と提案する。アイリーンは、私達のためにこの地に建てようと決心する。

コルビュジエはジャンを介してアイリーンと食事をする機会に恵まれた。完璧な建物に完璧な土地が見つかったと興奮気味のアイリーン。コルビュジエは自身の提唱する「近代建築の5原則」に倣って構造は環境に左右されてはならない、と断言する。それに対しアイリーンは、室内は外観の付随ではなく屋外と完全に調和するものだと反論する。形式など無意味、生き方が全て、というのがアイリーンの考え方だった。コルビュジエからは、アイリーンは人生と芸術が共存しているように見えた。アイリーンはジャンにこれから設計する家を連名で出そうと提案する。2人で色々案を出し合った結果、アイリーンの頭文字と、それぞれの苗字を数字の順番に置き換えた名前に決定した。後の「E.1027」のタイトルである。

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』のあらすじ【転】

コルビュジエはアイリーンと意見が度々ぶつかった。家は機械ではなく人を包み込む殻であると主張するアイリーンと、住宅は人が住む機械である、と意見するコルビュジエ。さらには、恋人のジャンまでも完全に1人になれる空間が欲しい、と言い出す。アイリーンの考え方とは否なるジャンの申し出にアイリーンは渋々承諾するのだった。

カップ・マルタンでは穏やかな日差しの中で施工が始まった。白を基調とする家の中、アイリーンがデザインした「トランザット」の長椅子、「ビバンダム」の1人掛けのチェア、全てにアイリーンの心が通っていた。同席していた友人からも「ミニマルな空間に最大限の快適さがある」と賞される。フランスのアート誌「カイエ・ダール」の特集にぴったりだろう、と言われ喜ぶアイリーン。しかしその矢先、ジャンが自分の雑誌の特集に取り上げる、と言い出しその話はなくなってしまった。

「高い感性と知性を持った現代人のための邸宅」と評した「E.1027」特集号の記事打ち合わせをするアイリーンとジャン。しかし、発行者の部分で意見が割れる。そのまま、発行者はジャン・ジャコビッチとなり、なんと彼は設計者を明記しないままに出版をしたのだ。その上、アイリーンは知らない間にジャンにより近代建築国際会議を欠席扱いにされ、2人の間には亀裂が生じてしまう。

アイリーンは新しく自分のための家「テンペ・ア・パイヤ」を設計する。フランスの古い諺である「藁の中のイチジク」から着想を得ている。彼女は夏の休暇、ジャンとは過ごさずに女友達と過ごすことにした。「E.1027」では壁が殺風景だからという理由で、コルビュジエがまさに壁にペインティングを始めようとしていた。

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』の結末・ラスト(ネタバレ)

新しい家で過ごしていると、ドイツ軍の侵略が迫っており、退去せよと指示を受ける。第二次世界大戦が勃発し、しばらくの留守の後、終戦を迎えてからアイリーンとジャンは再会する。再び都市の復興というテーマで動き出した2人。視力が低下してきたアイリーンは、ジャンにもう一度「E.1027」をこの目で見たいとお願いをする。壁画のことが気になったジャンはアイリーンより一足先に浜辺の家を訪ねる。そこでジャンは、コルビュジエが壁画に色を付け加えているのを目にする。そして、そのことをアイリーンは新聞で知ることになり激怒する。さらに悪いことに、ペインティングのせいもあり、世間からも「E.1027」はコルビュジエが設計したものと誤解されてしまう。

時が経ち、アイリーンの視力は使用人に手紙の代読を任せるほどに落ちていた。手紙にはジャンが肝臓がんで治療の前に会いたいと記してあった。病院へ向かうとジャンは虫の息であった。「E.1027」の名義をアイリーンに変えようと言うジャンに対し、いずれしよう、と涙ぐむアイリーン。ジャンからの頼みで「E.1027」へ立ち寄ると、そこにはコルビュジエが我が物顔で暮らしていた。コルビュジエは「E.1027」と自身の建てた休暇小屋を行き来しながら生活を送っていた。そして「E.1027」から見下ろせる海で心臓発作のため、水死することになる。アイリーンはコルビュジエの死後から約10年後の1976年11月5日に死去し、今もパリの共同墓地に眠っている。「E.1027」は修復工事が執り行われ、国家遺産に指定された。アイリーンは語る。「物の価値はその創造に込められた愛の深さで決まる」と。

映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』の感想・評価・レビュー

コルビュジエが描いた「E.1027」の壁画。彼はどのような思いでペイントしたのだろうか。嫉妬か、出来心か、インスピレーションからか。本当に自分が描くことでアイリーンがデザインした家が良くなると思ったのだろうか。真意は定かではないが、コルビュジエの壁画による誤解が注目を浴び、紆余曲折あれど国家遺産とまでなった。相容れない2人の巨匠による浜辺の白い家。壊してくれればよかったのに、とアイリーンはまだなおご立腹かもしれないが、後世に残って良かったと皆が思っている。(MIHOシネマ編集部)

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