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映画『いしゃ先生』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『いしゃ先生』の概要:まだ医者という言葉が浸透していなかった時代、村の人々の健康を支え続けた1人の女性がいた。名は志田周子。当時26歳であった。昭和37年51歳で生涯をおえるまで現役の医師として奮闘した彼女の生き方とはどのようなものだったのか。

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映画『いしゃ先生』の作品情報

いしゃ先生

製作年:2015年
上映時間:106分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:永江二朗
キャスト:平山あや、榎木孝明、池田有希子、上野優華 etc

映画『いしゃ先生』の登場人物(キャスト)

志田周子(平山あや)
実家の山形から出て東京女子医専に通う26歳の学生。父の荘次郎に実家に呼び戻され、村の診療所の医者として3年間従事してくれと頼まれる。東京に好きな相手がいる。
志田荘次郎(槙本孝明)
周子の父親で、村長をしている。長年の夢である、村に診療所を開くことができ、東京で医学の勉強をしている周子を呼び戻す。
志田せい(池田有希子)
周子の優しい母親。周子を含め5人の母親でもある。6人目の出産時に身体を壊し他界してしまい、周子の生き方を大きく左右させる。
志田悌次郎(少年期:星野凱士 / 青年期:諒太郎)
周子の歳の離れた弟。医者として奮闘する周子を誇りに思い、憧れている。

映画『いしゃ先生』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『いしゃ先生』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『いしゃ先生』のあらすじ【起】

昭和10年の秋。山形県の大井沢村。ワインレッドのワンピースに身を包んだ1人の女性が村を見下ろせる丘の上に立っていた。名は志田周子、当時26歳の医者見習いであった。久しぶりの一家団欒の席で、村長をしている父、荘次郎実が、この村に戻って診療所を開いてほしい。着工式も済んだと言って周子を驚かせる。そして、3年だけお前の人生をくれ。それまでに代わりの医者を探すから、と強く頼まれてしまう。その夜、部屋の縁側で周子は1枚の写真をじっと見つめていた。

次の日の早朝、周子は荘次郎に3年間だけ頑張ると告げる。荘次郎は目が赤くなりながら、深くお辞儀をした。そして、大井澤診療所と書かれた立て看板が取り付けられ、周子の着任1日目が始まった。周子はその日の朝に、思いを寄せる男性、伊藤英俊に向かって手紙を綴っていた。しかし開院当日、待てど暮らせど患者は現れなかった。その次の日もまた次の日も患者は来ない。村の人間は東京帰りの周子のことを信用しておらず、病は神社の御札さえ貼っていれば治ると信じていた。周子は往診へと繰り出すも、医者に払う金などないと門前払いをされてしまう。

それからしばらくして、周子宛に伊藤から小包が届く。箱には柊子の好きな百合の球根が入っていた。周子が診療所脇の花壇に植えていると、村の人が老婆を負ぶって走って来るのが見えた。ベッドに寝かせ「信じて下さい」と胸を力一杯強く叩く。周子は何度も何度も老婆の胸を叩いた。すると次の瞬間、目をかっと見開いた老婆。周子は安どした。
その次の日、診療所に昨日助けてもらった2人がやってくる。心音に雑音がないかを診る周子に「いしゃ先生、この村に戻って来てくれてありがとう」と告げる。その様子をこっそり見ていた弟の悌次郎は、家への帰り道、患者がきたと嬉しそうに叫んで帰ったのだった。

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映画『いしゃ先生』のあらすじ【承】

次の日、周子が出勤すると、村の人達が待合室で待っていた。家に戻ると荘次郎とは嬉しそうにしている。集金の話になり、周子ができていないというと父はそうか、と呟く。夜にまだ患者が来るかもしれないということで診療所に戻って行く周子。母のせいが、診療所を建てるにあたって大金が必要だったこと、まだ小さい子を育てて行かなければならないことを漏らす。2人のやりとりを周子は外で聞いていた。

ある日の寒い晩、盲腸の疑いがある青年を診る周子。内科専門医の周子は、外科の手術を受けるために、左沢(あてらざわ)の病院まで担いで行こうと伝えた。最初は渋っていた父親も、男衆を集めて猛吹雪の中を進んで行く。もうすぐ峠というところで周子は青年の異変に気付く。「止めて」と大声を張り上げる周子。青年は息を引き取っていた。息子の亡骸を前に泣き崩れる父親に対し、男衆は、俺達は生きて行かなきゃならない、と肩を揺する。周子達は、また来た道を引き返すことしかできなかった。

昭和12年の秋、父親から村の産婆さんの引退を機に、診療所で産婦人科も兼ねることはできないかと相談を受ける。柊子は、妊婦と関わったら村を出られなくなると断る。そうは言った周子だが、その夜は病室で産科学の本を読んでいた。すると、母親が血相を変えて飛び込んで来た。急いで駆け付けると娘の小百合は肺結核の症状が表れていた。感染する恐れもあるため、左沢(あてらざわ)の病院まで連れて行こうと言うと、父親が怒鳴り込んでくる。肺病が周りに知られたら村八分に遭うと言われ、周子は家から放り出されてしまう。しかし、周子は諦めずに通い続けた。周子の熱意に負け、遂に父親が娘をおぶって病院へ向かったとのことだった。周子と母親は抱き合い喜んだ。

映画『いしゃ先生』のあらすじ【転】

さゆりは左沢(あてらざわ)の病院に入院しており、病状もかなり回復したという。周子は白い毛糸で赤ん坊の靴を作っていた。母親のせいが春に出産する予定だからだ。と同時に、周子の3年の任期も目前に迫っていた。靴も縫い終わりそうな頃、悌次郎が息を切らして診療所に走って来る。せいが出産予定より2か月も早く産気づいたというのだ。急いで駆け付けるも専門外の産科の知識は乏しく、せいはあの世へ旅立ってしまう。

せいが亡くなってから志田家には重い空気が漂っていた。周子は食事の際、せいの座席に座り、家族全員に向かって「今日から私がこの席に座る。お母さんなんて言ったら怒るから」と厳しく宣言する。大井沢村に着任してから、約束だった3年はとうに過ぎていた。ある日周子宛に速達が届く。そこには次の8月27日に山形駅まで迎えに行くと書かれていた。周子が驚きながら手紙の内容を読んでいると荘次郎が現れ、一杯やらないかと誘いを受ける。晩酌をしながら、3年の約束なのに嘘をついてしまったと詫びる荘次郎。周子は誰のせいでもない、と静かに言うのだった。

英俊が迎えに来る約束の日、荘次郎は「気をつけて」と柊子を送り出す。周子は少し緊張したように家を出て行った。診療所で旅行鞄に荷物を詰め込んでいると、以前息子を亡くしてしまった男が腰を痛めた友人を助けてやってくれ、と飛び込んで来る。周子は荷造りの手を止め、行きましょうと笑顔で答える。治療を終え、診療所に戻った周子。声にならない声でさようならと呟き、伊藤からの手紙を箱にしまい、蓋を閉じるのだった。

映画『いしゃ先生』の結末・ラスト(ネタバレ)

それから10年後、診療所の待合室は人でごった返していた。騒ぐ患者達に周子はうるさいと山形弁で叱り怒鳴る。周子は10年前に比べてたくましくなっていた。そこに1人の少女が訪ねて来る。名は幸子と言い、周子の助手を務めることになっていた。

周子は地元の小学校で予防接種をしていた。荘次郎と校長先生が周子を見ながら会話をする。荘次郎は、周子には好きな人がいるのを知っていて知らぬふりをしていた。ひどい父親だと告白していた。学校からの帰り道、周子と荘次郎は川縁を散歩している。柊子は「お父さんの娘で良かった。この村に残ったのは自分の意思だ」と告げる。荘次郎は昭和25年に他界する。

周子はよし婆を診療していた。よし婆は自分がいしゃ先生の患者第1号だと皆に自慢しており、この村に帰って来てくれて本当にありがとうと感謝される。笑顔で答える周子。しかし、周子の身体もまた病魔に侵されていた。柊子の異変に感づいた幸子が、先生も大きな病院へ行った方がいいと泣きながら訴える。それに対して、自分がいなくなったら村の人が大変だと答え、泣きじゃくる幸子を周子は抱き寄せた。その2人のやりとりを悌次郎が聞いていた。

周子と悌次郎は第10回保険文化賞贈呈式に赴いていた。壇上に上がり一礼する周子。周子はスピーチで、私の夢は何人も等しく医者にかかる世の中にすること。貧しくても僻地でも、安心して医療を受けられる世の中になるように、故郷の村で頑張ると誓った。周子は大井沢に着任してからのことを思い出していた。周子は誰もが等しく医療を受けられる世の中を願いながら、生涯独身のまま村の人々の健康を支え続けた。昭和36年に国民皆保険制度が制定されると、翌年天国へと旅立った。享年51、病名は食道癌、短すぎる生涯だった。

映画『いしゃ先生』の感想・評価・レビュー

医療が未知だった大井沢村で生涯独身を貫きながら村に命を捧げた女性。劇中で、結婚は諦めたけど、子供は産みたかったな、とこぼした言葉が印象的だった。伊藤が迎えに来る約束の日、行こうと思えば行けた状況。しかし、目の前の人が苦しんでいるならば行かなければならない。医者の常なのかもしれないが、1人の女性として生きることも可能であったろうに、涙が溢れた。小さな村の1人の医者の懸命な努力があってこそ今の医療がある、そう言っても過言ではないと思う。(MIHOシネマ編集部)


自分の人生を捧げて人に尽くし、後々その功績を高く評価される人は少なくありませんが、その人たちは皆、本当に人生を捧げたくて尽くしていたのでしょうか?やるしか無かった理由があったり、仕方ないきっかけがあってただ人生を「犠牲」にしていた人もいたのでは無いでしょうか。
この作品で描かれているのは、病院もない村で村民の理解もなかなか得られない中たった1人で頑張り続けた「女医」のお話。
こんな女性がいたからこそ、救われた人もいるんだと思いますが、なんだか居た堪れない気持ちになりました。尽くすというよりも、人生を犠牲にしているような気がして可哀想だと思ってしまいます。(女性 30代)

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