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映画『パリの大晦日』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『パリの大晦日』の概要:「ドイツに来たら美味しいコーヒーを淹れてあげる」その一言だけでドイツへ向かうリンデン。全ては彼女のために。しかしドイツに着いても、フランスに着いても、彼女には一向に会える気配がない。慣れない他言語を話しながらリンデンは現地の人と交流を交わす。

映画『パリの大晦日』の作品情報

パリの大晦日

製作年:2016年
上映時間:71分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:リンデン・ジャング、曽根剛
キャスト:カタリナ・ルナ、リンデン・ジャング etc

映画『パリの大晦日』の登場人物(キャスト)

リンデン・ジャング
タップダンサー。気になる彼女を追って最初はドイツ、フランス、最後にスペインの3カ国を周る。

映画『パリの大晦日』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『パリの大晦日』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パリの大晦日』のあらすじ【起】

ドイツへと向かう景色が車窓の中から映し出される。彼女は、ドイツに来たら美味しいコーヒーを淹れてあげる、とリンデンに言う。するとタップダンサーであるリンデンは、近々公演ツアーに出て、各国のレストランやバーで踊って周ろうと思っていると彼女に告げた。

リンデンはドイツのあるアパートでドイツ人女性と会話をしていた。慣れないドイツ語に苦戦しながらも平然を装って、必死に彼女達との会話を続けようとするリンデン。しかしそのアパートを追い出させてしまう。その上、タップシューズは無くして公演ツアーは中止になる。そして、今度はクリスマスマーケット近くで知り合った別のドイツ人女性、フィリズのところに厄介になる。フィリズとその女友達タバコを吸いながら会話をしていた。友人が1晩だけ泊めるのか、と聞く。すると、フィリズは深い意味はないと涼しい顔で答える。すると女友達が、確かに、いつか助けてもらう時が来るかもしれないと納得する。リンデンは、アパートの台所を借りてイタリアンを作り振る舞う。何の話をしていたか、と話に加わり、彼の昔の彼女の話だと言われ、膝を叩く。彼女とは2ヶ月会ってない、と答える。2人から、人生には、家族や親友、恋愛など色々な柱があり、柱が1本だと身動きとれない、もっと多くの柱を持った方がいいとアドバイスされる。女友達が化粧室に行ったところで、男はフィリズ、と声を掛ける。君と話していると楽しい、君に特別な思いを感じると率直に述べ、テーブルから身を乗り出してキスをしようとする。しかし、冗談はよして、と拒絶されてしまう。

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映画『パリの大晦日』のあらすじ【承】

電車は遅れるし、携帯の充電は壊れているし、仕事もクビになるし、と彼女はリンデンに言った。お気の毒に、と声を掛けるリンデン。彼女はウキウキした声で、既に次の仕事を見つけている。場所はパリで、オレンジジュースを売るのだと揚々と答えた。自分より先に次の場所に行くんなんて、と焦りながらもリンデンは彼女を追って今度はフランスへと上陸する。彼らの会話もいつの間にかドイツ語からフランス語へと変わっていた。

再びリンデンは彼女と話す機会に恵まれた。彼女はまたしても遅刻をし言い訳をする。彼女は現在とあるバーで働いていた。リンデンは、せっかく大晦日はパリにいるのだからエッフェル塔で新年を迎えるのはどうか、と提案する。彼女はいい案だと言って笑った。

トルコの国旗が飾られた部屋でトランプゲームに興じる男達。その中にリンデンの姿もあった。リンデンは、突然カードをテーブルに投げ出し、彼女のせいで気が荒れている、と苛立った声を出す。すると、メガネのトルコ人が、全てはちょっとしたすれ違いから起こるがそれが人生だと諭す。しかし、煮えくりかえる腹をどうしようもできずにリンデンはビールを買いに外に出かけて行く。残されたメンバーは思い思いに持論を述べ、しかし、自由に色々な恋愛をしていくよりも、彼女と真剣に向き合った方がいいと話し合う。それからさらに議論は発展し、リンデンがビールを買って帰ってくると、家族が欲しい者と、家族なんて要らないという者とで意見が衝突していた。

映画『パリの大晦日』のあらすじ【転】

実は、彼女はエッフェル塔に行かなかったのではなく、行けなかったのだとその後に聞かされる。それはもういい、というリンデン。彼は大晦日の日に写真家に会い、仕事を貰ったのだと彼女に話す。いいね、と彼女は喜んだ。リンデンは写真家に呼ばれて中国人女性、フォイと出会う。写真家はリンデンとフォイに夫婦役を演じてもらうと発表し、リンデンは緊張する。ぎこちない動きに対して写真家は、中国人は写真を沢山撮るだろう、と話しかける。それでも要領を掴めないリンデンに笑顔は忘れないで、と忠告し、写真撮影はずっと続いた。

車窓が映し出される。再び彼女と話すリンデン。彼女は明日スペイン、バルセロナへ旅立つと言ってのけた。しかもパリで働いていたバーの店長と一緒に。慌てふためきつつも、いいねと返答するリンデン。彼らの会話はいつの間にかスペイン語へとシフトしていた。フラメンコはタップダンスと似ているところがある。完璧な音を求められる、とスペイン語で説明するリンデン。

リンデンはバルセロナの地で1軒の靴屋に立ち寄る。スタイル抜群なスペイン女性に靴を選んでもらいながらもリンデンは下心丸出しであった。色々言い訳しながらも彼女に近付き、翌日に彼女の両親と面会する。昨日観た映画のこと、食事のことなど他愛もない会話が続く。しかし最後に彼女は一言、私達付き合っていない、と告げ一同を仰天させる。

大晦日に出会えなかった彼女は、一緒にバルセロナへ行った彼が突然出て行ったのだと聞かされる。もしかしたらマドリッドへ行ったかもしれないので探してみる、と彼女は続けた。そして、リンデンもまたカーシェアをしてマドリッドへ車を走らせていた。リンデンはその車内でも彼女のことを話に持ち出す。彼女に会いたいのに会えず、最悪な気分になる自分にびっくりだ、と身振り手振りのスペイン語で話す。すると、一緒に乗り込んだ男性は、人を信じるのは難しいけれど、この世の中は信頼で成り立っている。彼女のことを信じなければ、と持論を述べる。そして、運転している女性に対して、運転が下手すぎて疲れてしまう、とケチを付ける。車内の雰囲気が悪くなってきたので、リンデンは気分転換に3人分のビールを買いに走る。ビール瓶を持ってストアを出ると、彼らの姿はなかった。置いて行かれてしまったのだ。

映画『パリの大晦日』の結末・ラスト(ネタバレ)

リンデンは彼女に今年の冬は寒い。春が待ち遠しいと電話する。すると彼女は、こちらの日差しは強くて皆陽気だと声が弾んでいる。電話口からは波の音が聞こえていた。そして、ここに来て泳いだらいい、とリンデンを誘う。彼女はマドリッドにはいなかった。

リンデンはゴツゴツした岩肌が見える自然多き場所にいた。そこでリンデンは赤髪のスペイン女性に話しかけられるも、話し掛けられたことに気付かない様子で通り過ぎる。彼女は再びリンデンに話しかけ、ガイド本を指差しながら、この山に行きたいと告げる。しかし、リンデンもまた初めて訪れた場所であった。リンデンの疲れを察した女性は、一緒に休もうと提案する。水を飲み、寒いからもう行くとリンデンは立ち上がろうとする。それに対し、女性は日差しもあるし、リンデンともう少し話をしていたいと言った。リンデンは、人と話すのはうんざりだ、と吐き捨てる。それには動じず、自分の名前はデヴォラだと告げ、リンデンの後を付いて行きたいと申し出る。

髪を切り、全体的に白いシャツを身につけたリンデンが、緑が生い茂る芝生に横たわっている。そこへ1人女性がやってくる。すると、リンデンは急にタップダンスを踊り出す。軽快なステップで踊る彼の顔には笑顔が溢れていた。タップの音につられて次から次に人が集まってくる。大きな木の下、リンデンのダンスは光り輝いていた。

映画『パリの大晦日』の感想・評価・レビュー

女性の恋愛観がたっぷり詰まった映画は何度も観たことがあるけれど、これぞ男の恋愛観という作品のような気がした。好きな女性がいるけれど、グラマラスな女性に鼻の下を伸ばしてしまったり、良いムードになったかなと思って行動を早まったり。ずっと自由な身で痛い人もいれば、家族を持って安定が欲しい人もいる。女性よりも、もっとずっと人間臭い生き物であり、年を取ってもずっと少年なのだ、とクスッと笑えた。(MIHOシネマ編集部)

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