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映画『すばらしき映画音楽たち』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『すばらしき映画音楽たち』の概要:映像では伝えられない感覚に訴えるもの、それが映画音楽。映画音楽とはどのように生み出され、観客の耳へと届くのか。様々な作曲家達へのインタビューを通して秘密と魅力を探る。映画音楽ファンは必見、内容ではなく「音楽」に焦点を当てたドキュメンタリー映画。

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映画『すばらしき映画音楽たち』の作品情報

すばらしき映画音楽たち

製作年:2016年
上映時間:93分
ジャンル:ドキュメンタリー、音楽
監督:マット・シュレイダー
キャスト:ハンス・ジマー、ジェームズ・キャメロン、ダニー・エルフマン、ジョン・ウィリアムズ etc

映画『すばらしき映画音楽たち』の登場人物(キャスト)

ジョン・バーリンゲーム
映画音楽史研究者。The Los Angeles Timesやthe New York Timesの執筆、また数ある有名な新聞に記事を載せている。
レナード・マルティン
映画史研究者。1951年ニューヨーク生まれ。”Leonard Maltin’s Movie and Video Guide”は1988年から2016年まで毎年出版されていた。
マックス・スタイナー
1888年、オーストリア生まれ。主な作品に『キングコング』『風と共に去りぬ』『カサブランカ』などがある。第3回アカデミー作曲賞を受賞している。
デヴィッド・ニューマン
1954年アメリカ、ロサンゼルス生まれ。主な作品に『アイス・エイジ』『飛べないアヒル』『アナスタシア』がある。父親は『西部開拓史』などの作曲家として有名なアルフレッド・ニューマンである。
ジョン・デブニー
1956年アメリカ、カルフォルニア生まれ。主な作品に『パッション(2004)』『シン・シティ』『プリティ・プリンセス』がある。
ジェームズ・キャメロン
1954年カナダ生まれ。『ターミネーター』や『エイリアン2』などヒット作を次々と作り出し、『タイタニック』では第70回アカデミー賞を11部門で受賞した。
トレヴァー・ラビン
1954年南アフリカ共和国出身。ロックミュージシャンでもあり、マルチな才能で活躍している。主な作品に『タイタンズを忘れない』『アルマゲドン』『コン・エアー』がある。
マイケル・ダナ
1958年カナダ出身。『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』で第85回アカデミー作曲賞、第70回ゴールデングローブ作曲賞のW受賞を掴む。その他の作品に『マネーボール』『リトル・ミス・サンシャイン』などがある。
ハンス・ジマー
1957年フランクフルト出身。『ライオン・キング』で第67回アカデミー賞作曲賞、第52回ゴールデングローブ賞のW受賞に輝く。その他の作品に『グラディエーター』『ダークナイト』などを手掛けている。
ハワード・ショア
1946年カナダ出身。『ロード・オブ・ザ・リング』で第74回アカデミー賞作曲賞と歌曲賞を受賞する。その他の作品に『ホビット』『クラッシュ』を担当している。
アレックス・ノース
1910年アメリカ、ペンシルバニア生まれ。主な作品に『欲望という名の電車』『スパルタカス』『クレオパトラ』などがある。
ジョン・バリー
1933年イギリス生まれ。主な作品に『007 ドクター・ノオ』『ダンス・ウィズ・ウルブズ』『愛と哀しみの果て』があり、アカデミー賞とゴールデングローブ賞を5度受賞している。
デヴィッド・アーノルド
1962年イギリス生まれ。『007』シリーズの音楽で有名。その他の作品に『トゥモロー・ネバー・ダイ』『ダイ・アナザー・デイ』『カジノ・ロワイヤル』などがある。
バーナード・ハーマン
ラジオドラマ出身。『市民ケーン』『タクシードライバー』『北北西に進路を取れ』などの多くの映画作品に音楽を提供した。
タン・シウラン博士
カラマズー大学、心理学教授。
ジェリー・ゴールドスミス
1929年アメリカ、カリフォルニア生まれ。主な作品に『猿の惑星』『スター・トレック(1979)』『オーメン(1976)』『エイリアン』などがある。息子のジョエル・ゴールドスミスも作曲家である。
ジョン・ウィリアムズ
1932年アメリカ、ニューヨーク生まれ。『JAWS』で第48回アカデミー賞作曲賞を受賞する。それを皮切りに『スター・ウォーズ』や『E.T.』、また『シンドラーのリスト』などでもアカデミー賞作曲賞を受賞し、数多くの名曲を世に送り出している。
スティーブン・スピルバーグ
1946年アメリカ、オハイオ州生まれ。『JAWS』や『E.T.』などジョン・ウィリアムズとタッグを組みヒット作に恵まれる作品を多く作り出す。『シンドラーのリスト』で第66回アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞を含め、7部門を受賞した。
ダニー・エルフマン
1953年アメリカ、カリフォルニア州出身。ティム・バートン監督作品の音楽を殆ど手掛けているといっても過言ではない。主な作品に『バットマン(1989)』『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』などがある。
トレント・レズナー
1956年アメリカ、ペンシルベニア州出身。ナイン・インチ・ネイルズとして活躍。アンティカ・ロスと共に楽曲を提供した『ソーシャル・ネットワーク』が第83回アカデミー賞作曲賞、第68回ゴールデングローブ賞のW受賞に輝いた。

映画『すばらしき映画音楽たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『すばらしき映画音楽たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『すばらしき映画音楽たち』のあらすじ【起】

作曲家はつまり、映画における語り部である。映画史評論家のレナード・マルティンは、音楽次第で映画のメッセージが変わることもある、と証言する。また『パイレーツ・オブ・カリビアン』の作曲を担当したハンス・ジマーは「映像では伝えられない感覚に訴えるものである」と話す。

昔、映画館と音楽は共にあった。実際に音楽で映写機の騒音を誤魔化していた、と話すのは映画音楽史研究家のジョン・バーリンゲームである。どんなに小さな映画館にも1人はピアニストがおり、シアターオルガン奏者として活動していた。1つの転換点となった作品が1933年の『キング・コング』である。映画音楽にオーケストラが初めて起用されたのだ。もともとは作り物でつまらなく見える作品も、音楽が入ることで雰囲気が一変して恐ろしくなった、とデヴィッド・ニューマンは話す。バーリンゲームも、映画における音楽の力を見せつけた最初の作品と言える、と解説する。アルフレッド・ニューマンも映画音楽史を代表する作曲家だ。ニューマンは1930年にロサンゼルスに移住し、FOXに就職した。急にテンポを上げたり下げたりするのが彼の特徴で、それがハリウッド・サウンドの原型となった。

ジョン・デブニーは自身のスタジオで、音合わせのスポッティング作業を行っていた。映像のどこに音楽を入れるかを決める重要な打ち合わせである。映画監督のゲイリー・マーシャルは、映画冒頭は状況説明が多くスローになりがちなので、音楽で適度に盛り上げたい、とデブニーに要求していた。トレヴァー・ラビンもスポッティング作業は大切と力を込める。監督の視点や要望を掴めるからだ。マイケル・ダナは映画の世界に入り込めるまで時間をかける、と話す。作曲家は演出チームの1員なのだ。ジェームズ・キャメロン監督は、ほとんどの映画監督は感情を音楽に変換できないと話す。それゆえ作曲家は、監督の言葉から意図を掴む必要があるのだ。

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映画『すばらしき映画音楽たち』のあらすじ【承】

映画が発展するにつれて、作品の題材や意図も深みを増していった。映画音楽も変化し、ジャズ音楽を取り入れるモダンになっていったとジョン・バーリンゲームは話す。『欲望という名の電車』はアレックス・ノースにとって初めての作品。それまでバレエ音楽を手掛けていたノースは、初めて挑戦した映画音楽で業界に革新を巻き起こした。彼は映画音楽にジャズを組み入れたのだ。ジェリー・ゴールドスミスは新時代の到来を悟ったという。その後、ジョン・バリーはバンド出身者で、『007』を手掛け映画音楽にバンドという選択肢を与えた。確かにビッグバンドの音楽は勢いがあった。ボンドは無敵だと思えてくる。デヴィッド・アーノルドは、スパイ映画の中で『007』の影響を受けていない作品はないのではないか、と語る。

また映画音楽は、作った本人が興奮するような音楽でなければいけない。そうでないと、観客や人の心に届かないからだ。タン・シウラン博士は、「鳥肌が立つ」というのは体内の変化のサインでもあると解説する。音楽を聴くとドーパミンの放出がなされる。そこへ、さらに映画に音楽を加えることで観客の感情を高ぶらせ、観終わった後も記憶に残すことができるのだという。映画音楽やオーケストラ音楽は神経科学者にとっても興味深い対象である、と彼女は笑顔で話す。

1960年代半ばから1970年代初頭にかけて映画界に変革が起きた。その1つがオーケストラからの解放である。この頃原始的音楽が取り入れられ、フォークソングやシンプルな音楽が好まれた。60年代の有能な作曲家達は古い常識を打ち破り、その代表としてジェリー・ゴールドスミスは『猿の惑星』で金属のボールをゴムボールで叩くというような斬新な楽曲を作り上げた。

映画『すばらしき映画音楽たち』のあらすじ【転】

最高の作曲家だと言うミュージシャンも多いと称されたのはジョン・ウィリアムズである。彼はジャズピアニスト出身で、ゴールドスミス同様FOXで育てられた。『JAWS』ではたったの2音で獲物目がけて真っ直ぐに突き進む巨大サメの姿を印象付けた。スティーブン・スピルバーグは、ウィリアムズは音をあるべき場所に正しく配置することができた人物だと語る。『スター・ウォーズ』のインパクトは凄く、映画館を出た後もテーマ曲が耳に残る曲であり、レナード・マルティンは、『スター・ウォーズ』はウィリアムズあっての映画であり、オーケストラによる映画音楽の素晴らしさを再発見させられた作品だと語る。70年代はウィリアムズの時代だと言う者もいれば、神の域だと答える者もいる。スタジオ・ミュージシャンの中でも、ウィリアムズの作品に関われることを誇りに思っている者も多いという。

映画音楽は決して作曲家1人の力だけでは出来上がらない。マイクセットや段取りを決めるエンジニア、音楽の使用場面を決める編集者など、実に様々な役割を担ったスタッフやミュージシャンによって支えられている。以前は作曲家自身が指揮棒を振っていたが、最近はそれよりも実際に自分も聴き、監督の反応を確かめる方が大切と考える作曲家の方が多い。その中で、ジョン・デブニーは自ら指揮棒を振る作曲家でもある。ミュージシャンと音を奏でている瞬間を、「子供が生まれる瞬間に立ち会っている気分だ」と話す。

映画の制作方法が変わることで音楽も変化したとジョン・バーリンゲームは話す。時代の求めに応える中で、様々な作風が生まれた。1970年代後半にセンセサイザーが登場し、時を同じくしてパンク・ロックがブームとなる。そして枠にこだわらない新しい音楽の発掘が始まった。ダニー・エルフマンはパンクを始め、多種多様な形態の音楽を作っている中でティム・バートン監督に起用された作曲家である。彼は『バットマン(1989)』の曲作りで難航している中「映画音楽にルールはない」と言う言葉に救われたと言う。

映画『すばらしき映画音楽たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

ハンス・ジマーは革命児だと言う声も多い。それはジマーの作る曲はロックのように激しいからだ。彼が起こした革命の1つは『パイレーツ・オブ・カリビアン』でもお馴染みの、弦楽器をギターのように使いリズムを刻ませたことだ。また『ダークナイト』ではオーケストラと電子音楽の境目を消し、どこで入れ替わったかをわからなくさせる手法を用いた。

また、ここ5〜6年の間で監督が独創性を求めて、映画音楽が専門ではない人を起用し始めた。ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカス・ロスはロック歌手出身者である。20世紀FOXの関係者が「人間くさいが精巧」と彼らを評価し、『アナと雪の女王』の音楽を担当したクリストフ・ベックは「電子音楽系ミュージシャンに門戸が開かれた」と話す。「映画音楽の新しい転換」と考察するのはバーリンゲームである。テクノロジーが進化した今では作曲家自身もプロデューサーになれるとディズニー映画音楽部門代表のミッチェル・リーブは話す。しかし核となるのはやはりメロディーである。

映画の良し悪しは観客を見ればわかる、それが映画音楽の魅力でもある。最後にハンス・ジマーは「映画音楽の担い手は日常的にオーケストラを使っている最後の人種である」と話す。よってオーケストラが消滅すれば、文化に大きな亀裂を生み、人類にとって大きな損失になると断言する。意識していなくても映画は音楽に左右されている。音楽がダメならばどんな映画も台無しである、とキャメロン監督は話す。映画音楽は20〜21世紀が生んだ偉大な芸術であるのだ。

映画『すばらしき映画音楽たち』の感想・評価・レビュー

1小節口にするだけでジャックスパロウと一緒に航海に繰り出すこともできれば、オスカー・シンドラーの勇気ある行動を思い出して涙することもある。フレーズ1つでこれほど鮮明に映画を覚えていられるのは、映画音楽あってこそなのだ。映画は内容だけでは完成とは言えない。作曲家が苦しみながら作り上げた楽曲と一緒になってこそ1つの作品と言える。まさに貝殻の中のキラリと光る真珠のよう。観終わった後は「素晴らしき映画音楽」と、どの人も歓声を上げるのではないだろうか。(MIHOシネマ編集部)


タイトルの通り、映画音楽の素晴らしさ、ただただどれだけ映画にとって音楽が大事か、そして”映画音楽”というジャンルを作り出したか、どれだけの人がどのような方法で音楽を作り上げているか、そういったものを全て教えてくれます。赤裸々な部分まで多くの音楽家たちや映画に携わる人たちが語ってくれる熱いドキュメンタリーです。どれだけ映画音楽が映画において力を持っているか、こんな裏側を聞けるドキュメンタリー、待っていましたとしか言えないくらい、映画好きがもっと映画好きになる映画です。やっぱりジョン・ウィリアムスは天才でした!(女性 30代)


映画は目で見るものだと思っていた私に、耳で聴き、心で感じるものだと教えてくれた今作。本当に大好きな作品です。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』と言えばのあの曲も『ダークナイト』『ホリデイ』で流れる印象的なあの曲も「ハンス・ジマー」が作っているという事は知っている人も多いと思いますが、ハンス・ジマーがお肌つやつやのお茶目なおじさまで、カラフルな靴下を履いてリボン付きのティーカップを使っているなんて知っている人がいましたか?
映画好きにこそ知って欲しい世界がここにはあります。映画がより好きになる作品です。(女性 30代)

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