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映画『バットマン(1989)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『バットマン(1989)』の概要:犯罪者が蔓延る大都市、ゴッサム・シティ。正義感に溢れる新任検事を迎え入れて犯罪の撲滅を図るが成果は中々上がらない。一方で、近頃になって犯罪者たちの間には、仲間が次々とコウモリ男に襲われたという噂が流れていた。

映画『バットマン』の作品情報

バットマン

製作年:1989年
上映時間:127分
ジャンル:SF、アクション、ファンタジー
監督:ティム・バートン
キャスト:マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー、ジャック・パランス etc

映画『バットマン』の登場人物(キャスト)

ブルース・ウェイン / バットマン(マイケル・キートン)
ゴッサム・シティに住む大富豪の青年。幼い頃に目の前で両親を殺され、悪を憎んでいる。
ジャック・ネーピア / ジョーカー(ジャック・ニコルソン)
グリソムの右腕を自負するマフィアの幹部。グリソムの愛人に手を出してしまったせいで、彼に裏切られる。辛くも命だけは助かったものの、その際に酸性の薬品を浴びて全身が白色に。顔面の神経もやられ、笑顔を崩せなくなってしまった。
ビッキー・ベール(キム・ベイシンガー)
カメラマン。戦場の写真を撮って一躍有名になった。ノックスの記事を読んでコウモリ男に興味を持ち、ゴッサム・シティにやってきた。
アレクサンダー・ノックス(ロバート・ウール)
コウモリ男を追う新聞記者。特ダネだと息巻いているが、周囲の反応は冷ややか。
アルフレッド・ペニーワース(マイケル・ガフ)
ウェイン家の執事。両親を亡くしたブルースを育てた。彼の良き理解者として信頼が厚い。
カール・グリソム(ジャック・パランス)
ゴッサム・シティを牛耳るマフィアのボス。あらゆる所に部下を潜り込ませていて、彼の支配力は警察にまで及ぶ。
エクハート警部補(ウィリアム・フットキンス)
グリソムに買われた警察。自信満々で偉そうなジャックのことを嫌っている。

映画『バットマン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『バットマン(1989)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『バットマン』のあらすじ【起】

ゴッサム・シティに観光に来ていた親子が家に帰るため、タクシーをさがしている。しかし、中々止まってくれない。仕方なく歩いていたところ、路地裏で二人組の物盗りに襲われてしまう。ビルの屋上で収穫を確かめながら、巷で話題になっているコウモリ男の話をする物盗りたち。彼らの背後から影が忍び寄る。姿を見せたその影は、噂のコウモリ男だった。バットマンと名乗るその男は、物盗りを懲らしめるとビルから飛び降り、姿を消した。

新任の地方検事就任挨拶の会場で、市長は犯罪者が蔓延る現状を打開するため、マフィアのボスであるグリソムを摘発すると宣言する。テレビ中継でその様子を見ていたジャックは、密かに関係を持っていたグリソムの愛人に「ボスに手を出すやつはおれが始末する」と言う。気楽に構えるジャックに対し、グリソムの愛人は自分たちの関係がグリソムにばれたときのことを危惧する。自分は彼の右腕であり、愛人との関係も隠し通せると言い切り、ジャックは身形を整えてから部屋を出る。

バットマンが暴れた現場の後処理をする警察たち。エクハート刑事は物盗りの証言を信用しない。怪我をした物盗りを搬送中に、ノックスという名の記者が現れる。コウモリ男を追っている彼は警察から証言を得ようとするが軽くあしらわれる。ノックスをかわしたエクハートはその足でジャックと密会した。ジャックから金を受け取り、新任検事の始末を約束するエクハート。それから、二人は互いの立場のことで揉めるが、ジャックの方が一枚上手でエクハートはジャックに銃で脅される。勝ち誇りながら去ろうとするエクハートは「女のことをばらしてやる」と呟く。

街を活気づけるため、市政祭を盛り上げたい市長だが、資金難で苦心する。

成果のないまま出版社に戻ったノックス。コウモリ男は特ダネになると自信満々な彼に対し、同僚の目は冷ややかだった。ノックスが自分のデスクに向かうと、彼の席を一人の女性が占領していた。ビッキーという名のそのカメラマンは、ノックスの書いたコウモリ男の記事に興味を持ってやってきたと言う。仲間ができたことに喜ぶノックスはビッキーに「資料は全て署長が握っている」と話す。ビッキーは署長ならウェイン邸のパーティに出席予定だと彼に教える。

自分を追いつめようとする新任検事に苛立つグリソム。彼は、検事が自分とアクシス化学の関係を突き止めるのではと心配していた。アクシス化学のオフィスに残る資料の始末を任されたジャック。化学工場の臭いが嫌だと愚痴を言うジャックをグリソムはお前にしか頼めないと説得する。ジャックが部屋を出るとグリソムはエクハートに電話をかけた。

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映画『バットマン』のあらすじ【承】

市政祭の資金集めのために開かれたパーティ会場。ウェイン邸に潜入したノックスとビッキーは、ゴードン署長に近づく。ビッキーに気づいたブルースは彼女に見惚れて後を追う。ノックスはコウモリ男についてゴードンに詰め寄るが、ゴードンはしらを切る。そこにゴードンの部下がやって来て、ジャックがアクシス化学に向かっていることを報告した。エクハートが現場に急行していると知らされるが、彼のことを信用していないゴードンは、会場を抜け出してアクシス化学に向かう。ゴードンを追ったつもりで邸宅の美術品室に迷い込んだノックスとビッキー。ブルースはその機に乗じてビッキーに挨拶をする。そこにアルフレッドが現れて、署長の動きをブルースに報告した。監視カメラが記録していた映像からゴードンの目的地を突き止めたブルースもアクシス化学に向かう。

アクシス化学の前。ジャックを見つけたら殺せと部下に命じ、エクハートは突入を始めた。オフィスで証拠隠滅を部下に指示していたジャックは、書類を保管していたはずの金庫が既に空になっているのを見つけ、グリソムにハメられたと気づく。ジャックとエクハートの攻防の最中に駆けつけたゴードンは、エクハートの部下にジャックを生け捕りにしろと命じ、グリソムの企みを阻止しようとする。ゴードンの隙を突いて単独でジャックを追うエクハート。ジャックは併設された工場内の制御機器を弄り、警察を撹乱する。警察が逃したジャックの部下の前にバットマンが現れる。彼がジャックの部下を取り押さえるところを目撃したゴードンは驚く。逃走を続けるジャックを、バットマンとゴードンが追い詰める。ジャックを捕らえたバットマンだが、ゴードンがジャックの部下に人質として捕まってしまう。ゴードンを助けるため、ジャックを解放したバットマン。勝ち誇ったジャックは彼に銃を向けようとしたが、バットマンは既に姿を消していた。バットマンを探すジャックは、代わりに見つけたエクハートを始末する。そこに再び姿を現したバットマン。驚いたジャックは発砲するが、彼の弾はバットマンのスーツに跳ね返され、逆に彼の顔に命中してしまう。激痛に悶えるジャックは足を踏み外し、強酸性の薬品で満たされたタンクへと落ちそうになる。ジャックは足場の縁に掴まった。バットマンはそれを助けようとする。しかし、ジャックが手を滑らせ、彼は薬品の中に落ちてしまった。

ジャックが強酸性の薬品の中に落ちたのはバットマンの仕業だと睨んだノックスとビッキー。ノックスは電話で警察を問い詰める。しかし、ゴードンに他言を禁じられていた警察はジャックが自殺を図ったのだと嘘を吐く。独自捜査をしようとビッキーにもちかけるノックス。しかし、これからブルースとデートの予定だと断られてしまう。

ウェイン邸で食事をするブルースとビッキー。会話を重ねる内に、二人は次第に惹かれあっていった。

映画『バットマン』のあらすじ【転】

ジャックは生きていた。闇医者に自分の怪我を治療させた彼は、顔を覆う包帯を剥がし、鏡を見た。自分の顔を見て大笑いをするジャック。彼は大笑いを続けながら外へと消えていく。グリソムの前に姿を現したジャックは、自分は一度死んだと言い、ジョーカーを名乗る。グリソムを銃撃したジョーカーは彼の椅子の座り心地を堪能するが、卓上にあった新聞記事を見て、復讐すべき相手がもう一人いることを思い出す。

組織を手中に収めたジョーカーはコウモリ男の記事を書いているノックスからバットマンの情報を手に入れろと命じた。

アクシス化学の工場で薬品を量産したジョーカーは、その薬品を市販の化粧品に混入させ、街を混乱に陥れる。そんな状況でも市長は市政祭の開催に固執していた。

ノックスと行動を共にするビッキーは、バットマンの情報を握っていると疑われ、ジョーカーに襲われる。バットマンの助けを得て難を逃れたビッキーは、そのままバットマンの基地へと連れて行かれ、そこでジョーカーの薬の正体を知らされる。マスコミはその情報を元に市民に注意を促す。バットマンに計画を阻止されたジョーカーは怒る。

騒動が終息しつつあるゴッサム・シティ。市政祭の準備に活気付くが、ジョーカーがテレビを電波ジャックして、バットマンに決闘を申し込む。テレビに映った顔に既視感を覚えるブルース。ジョーカーはかつて自分の両親を殺した重宝人だった。

映画『バットマン』の結末・ラスト(ネタバレ)

テレビで大枚をばら撒くと市民に宣言したジョーカーは、街の大通りでそれを実行する。ジョーカーのパレードに群がる人々。ジョーカーは集まった市民に毒ガスを浴びせた。バットウイングに乗って駆けつけたバットマンは毒ガスの散布を阻止するも、ジョーカーに乗機を撃ち落とされてしまう。ノックスと共に現場に居合わせたビッキーを教会へと連れ去るジョーカー。後を追うバットマン。バットマンは教会の屋上でジョーカーを殴りつけ、外に突き落とそうとするが逆に突き落とされてしまう。縁にしがみつくバットマンを見て笑うジョーカー。部下の操縦するヘリコプターに乗って脱出しようとするが、バットマンの策にハマり、彼は真っ逆さまに地上へと落ちてしまう。縁をよじ登ったバットマンは下を見下ろす。地面に叩きつけられたジョーカーは笑いながら絶命していた。

「暗黒時代は終わった」と宣言する市長。彼はバットマンから受け取った手紙を読んだ。そこには市民への協力の誓いが書かれていた。市長たちはバットマンへの救援要請の合図のために用意したサーチライトを雲に向かって照射した。空に浮かび上がるバットシグナル。建設途中のビルを囲う工事用の足場に立つバットマンはそれを見上げた。

映画『バットマン』の感想・評価・レビュー

このシリーズがバットマンではなく、仇役にスポットをあてる事になるのを決定づけた作品で、むしろバットマンはジョーカーを邪魔するような役割で出てくる。ティム・バートンははぐれモノに対する好意に満ちた作風の監督であり、はぐれモノと言えばニコルソンほどうまく出来るものはいない。素晴らしいタッグだったといえるだろう。ヒーロー映画を作るにあたって奇抜すぎる発想をまとめきった両者に敬礼。(男性 30代)


ノーラン監督のバットマンと、ティムバートン監督のバットマン、どちらも観て比較する楽しさがあります。
ジョーカーの魅力がそれぞれ全く違うのですが、ティムバートン版のジョーカーのほうが、衣装も可愛いし、悪を分かりやすく体現している気がします。クレイジーな悪役、という言葉がしっくりきます。
シリーズや監督によって、バットマンもジョーカーも雰囲気が全く違うので、それぞれ観てみると、自分好みのキャラクターやストーリー展開が見つけられると思います。(女性 20代)


ティム・バートン監督は彼の世界観が評価されることが多いが、特にうまいのはホラー作品である。彼の世界観をホラーに埋め込めば、独特な恐怖を与えるホラー作品が誕生する。今作は特にその色が強く出ている。
ティム・バートン監督がこの作品で評価されている理由は、バットマンよりもジョーカーにおり注目させた演出である。悪役を単なる悪として描くのではなく、悪の中にもドラマを入れることによって、ヒーローと悪役という構図により深みが生まれるのだ。(男性 20代)


幾度となく映画化されていくバットマンシリーズの先がけ。バットマン映画で重要なのは間違いなくジョーカー。後のバットマン映画においても、あまたの名優がジョーカーを演じている。そしてこの作品のジョーカーは、ジャック・ニコルソン。面白くないわけがない。狂気に満ちつつ時にコミカルな「リアル・バイキンマン」的ニコルソン・ジョーカーを楽しめる1本だ。他のジョーカーと比べて悲哀を感じさせる部分は少ないが、その分他のバットマンよりもカジュアルな気持ちで観れた。(男性 40代)

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前作 バットマン リターンズ

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