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映画『あの夏の子供たち』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『あの夏の子供たち』の概要:映画プロデューサーとして多忙な日々を送っていた男がある日突然自殺する。娘たちはいつも笑顔で優しかった父の面影を追い求め、妻は夫の愛した映画と会社を守るため慣れない仕事に奔走する。第62回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員特別賞受賞作。2009年公開のフランス映画。

映画『あの夏の子供たち』の作品情報

あの夏の子供たち

製作年:2009年
上映時間:110分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ミア・ハンセン=ラヴ
キャスト:キアラ・カゼッリ、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、アリス・ドゥ・ランクザン、アリス・ゴーティエ etc

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映画『あの夏の子供たち』の登場人物(キャスト)

グレゴワール・カンヴェル(ルイ=ド・ドゥ・ランクザン)
自ら立ち上げた映画製作会社「ムーン・フィルム」のプロデューサー。多くの仕事を抱えて多忙な日々を送る。誰に対しても紳士的で優しい。
シルヴィア・カンヴェル(キアラ・カゼッリ)
グレゴールの妻。夫が多忙すぎることに多少の不満はあったが、基本的には夫の仕事を応援しながら家庭をしっかり守っている良き母親。イタリア出身。
クレマンス・カンヴェル(アリス・ドゥ・ランクザン)
カンヴェル家の長女。思春期を迎えて反抗的になっている。
ヴァランティーヌ・カンヴェル(アリス・ゴーティエ)
カンヴェル家の次女。明るいムードメーカー。
ビリー・カンヴェル(マネル・ドリス)
カンヴェル家の三女。まだ幼く、父親の死が理解できない。
セルジュ(エリック・エルモスニーノ)
映画プロデューサー。グレゴワールの友人であり、カンヴェル家の妻や娘たちとも親しい。

映画『あの夏の子供たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『あの夏の子供たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『あの夏の子供たち』のあらすじ【起】

パリにあるムーン・フィルムの経営者であり映画プロデューサーのグレゴワールは、常に複数の映画の企画を抱えて多忙な日々を送っている。現在彼が関わっている映画は、スウェーデンでスティーグ監督が撮影中の「サトゥルヌス」。コヴァ監督の「明日 同じ時間で」。ほぼ撮影が終了している「流血」。興行収入が期待できそうな「ジャックポット」。さらに韓国から「韓国の現代女性」の撮影隊がロケハンに来ており、新人監督のアルチュールが持ち込んできた「偶然の家族」の脚本も読まなければならなかった。しかし何より大変なのは資金集めで、ムーン・フィルムはすでに借金まみれだった。

そんな中でもグレゴワールは家族との時間も大切にしており、週末になるとパリ郊外の別荘で家族水入らずの静かな時間を過ごすことを決まりにしていた。先に到着している妻と娘たちに急かされ、急いで別荘へ向かっていたグレゴワールはスピード違反で警察に捕まる。グレゴワールは疲れていたが、愛する妻と娘たちに会って元気を取り戻す。

多くの悩みを抱えているグレゴワールだったが家族の前ではいつも優しく楽しい父親であり、暗い顔は見せない。妻のシルヴィアも3人の娘たちもそんなグレゴワールのことが大好きだった。

映画『あの夏の子供たち』のあらすじ【承】

グレゴワールは会社を経営する父親の反対を押し切って映画の世界へ入った。彼の映画に対する愛情は深く、興行収入が見込めそうにない芸術性の高い作品に対しても彼は寛容だった。しかしこだわりの強いスティーグ監督の撮影は遅々として進まず制作費は膨らむばかりで、現像所にも銀行にも負債を抱えるグレゴワールは徐々に追い詰められていく。

友人で同じく映画プロデューサーのセルジュや会社のスタッフは、グレゴワールに「サトゥルヌス」から手を引くよう忠告するが彼だけがスティーグ監督をかばっていた。グレゴワールはそんな中でもアルチュールの脚本を読んで製作を前向きに考えると約束する。しかし現実は八方塞がりで、さすがのグレゴワールもシルヴィアに弱音を漏らす。シルヴィアは優しく励ましてくれるが、グレゴワールの状況は切迫していた。

シルヴィアがイギリスへ出かけた日。銀行からは融資を断られ、社会保険組合から保険料の未納を理由に「ジャックポット」のネガが差し押さえられてしまう。1人で会社を出たグレワゴールは路上で手紙や書類を燃やし、用意していた拳銃で頭を撃ち抜いて自殺を図る。

映画『あの夏の子供たち』のあらすじ【転】

知らせを聞いて急遽パリへと帰って来たシルヴィアをセルジュが駅で待っていてくれた。自宅では長女のクレマンスと次女のヴァランティーヌがお葬式の段取りを進める親戚たちの隣で心細げに泣いており、末娘のビリーは事情が飲み込めないままベッドに潜り込んでいた。シルヴィアは混乱したままビリーに添い寝をし、セルジュは娘たちを慰める。グレゴワールは、まだ47歳だった。

会社の主導権を持つことになったシルヴィアはスタッフと今後の方針を話し合う。シルヴィアは夫が大事に育ててきた会社を守り抜き、撮影中の映画を完成させたいと考えていた。しかしその実現には現像所が会社の負債を一部免除し、「サトゥルヌス」の出資者が見つかり、銀行が全面的に協力し、司法管財人が支えてくれるという不可能に近い条件をクリアーしなければならない。シルヴィアは会社を守るため、セルジュと一緒に奔走する。

父親を失い母親まで多忙になって子供たちの環境も一変する。特にクレマンスはいつも孤独だった。そんな時、会社を訪ねたクレマンスは下のカフェで父には息子がいるという噂を耳にする。シルヴィアの留守中、クレマンスは両親の寝室を勝手に探り、父が書いた手紙や、父の子供を出産した女性からの手紙を見つける。

映画『あの夏の子供たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

「サトゥルヌス」の監督や出資者と今後のことを話し合うためスウェーデンを訪れていたシルヴィアが帰国する。シルヴィアはグレゴワールの息子のこともクレマンスに正直に話し、父の愛の深さを忘れないで欲しいと忠告する。しかしクレマンスは父が自殺したことをどのように受け止めていいかわからず、1人で苦しんでいた。

シルヴィアの努力も虚しく、会社が生き残る道は見つからない。「サトゥルヌス」の製作は絶望的となり、監督は会社を訴えると騒いでいた。現像所への負債も大きく、この20年で膨張した銀行からの借金も莫大な額だった。もはやどうにもならないとわかり、シルヴィアは会社を清算する。

先は見えないがシルヴィアには可愛い3人の娘がおり、グレゴワールの愛は今も彼女を支えてくれた。シルヴィアは娘たちと荷物整理が続いている会社を訪れ、スタッフたちに別れの挨拶をする。クリスマスをイタリアのボローニャで過ごすため、4人は慌ただしくタクシーに乗り込む。“さよならパリ”というビリーの無邪気な言葉を聞いて、クレマンスは涙が止まらなくなる。4人を乗せたタクシーは“ケ・セラ・セラ”の明るいメロディとともにパリの街を走り抜けていく。

映画『あの夏の子供たち』の感想・評価・レビュー

映画監督だった父親が、未完成の作品を残し自殺してしまい残された家族が乗り越えるようになるまでの物語だが、変に飾った演出もなく父親が亡くなってからの悲しみの日々を淡々と描いているのがよりリアルに観ることが出来た。
また前半では父親が生きていた頃の幸せな場面と後半亡くなってからの家族の様子を映す場面で別れていてその対極な見せ方でより悲しさが増していたと思う。

三姉妹の子どもたちの演技がとても素晴らしく、表情ひとつひとつに感情が乗せられていて、観ていて心が苦しくなるほどだった。(女性 20代)


とても「リアル」な作品で、そのリアルさがものすごく美しく表現されていました。映画プロデューサーだった父が、多額の借金と未完成の映画を残して自ら命を絶ってしまう。残された家族は、あんなにも自分たちを愛してくれていた父が何故命を絶ったのか、深い悲しみと疑問を感じながらもそれを乗り越えていくストーリー。
映画が世に出るまでには、たくさんの時間が費やされ、見えない努力をしている人がいるということ。ただ見ているだけの自分には、知らない世界のお話でした。(女性 30代)

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