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映画『カサブランカ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『カサブランカ』の概要:第二次世界大戦中のフランス領モロッコ・カサブランカを舞台にしたラブストーリー。アカデミー賞作品賞を始め、多数の賞を受賞した。「君の瞳に乾杯」などの名台詞もこの映画から生まれた。

映画『カサブランカ』 作品情報

カサブランカ

  • 製作年:1942年
  • 上映時間:103分
  • ジャンル:ラブストーリー、戦争
  • 監督:マイケル・カーティス
  • キャスト:ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリード、クロード・レインズ etc

映画『カサブランカ』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『カサブランカ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『カサブランカ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『カサブランカ』 あらすじ【起・承】

第二次世界大戦中のヨーロッパでは、ナチスドイツの侵略による戦火から逃れようと人々はアメリカを目指していた。まだドイツの侵略下にないフランス領モロッコのカサブランカから、中立国であるポルトガルのリスボンを経由してアメリカへ渡ることができる。
カサブランカには、亡命しようとする人でごった返していた。ある者は金で、またある者は伝手を頼って旅券を手にした。

カサブランカで酒場を経営するアメリカ人のリックは、ウガーテという男からリスボンへ渡るための旅券を預かるように頼まれ、それをピアノの中に隠す。
実は、ドイツ人から旅券を奪って殺害する事件が起こっていたのだが、その犯人がウガーテだったのだ。
ドイツ軍の将校シュトラッサーは、カサブランカの警察署長ルノーと共に酒場を訪ね、ウガーテを逮捕した。

そのすぐ後、反ドイツのレジスタンスの一員であるラズロと妻のイルザが来店する。この二人はウガーテから旅券を買うためにやってきたのだった。
イルザは、リックがパリにいた頃に愛し合った女性だった。お互いに偶然の再会を驚く。

パリで恋に落ちた二人は、ドイツ軍侵略の前に一緒に逃げることを約束したが、約束の場所へイルザはやってこなかった。それきり会うこともないと思っていた女性が現れ、リックは回想にふける。

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映画『カサブランカ』 結末・ラスト(ネタバレ)

商人のフェラーリからリックが旅券を持っていることを聞いたラズロは、どうにか譲ってほしいと頼むが、リックは頷かなかった。
これを見ていたイルザは、夜夫に気付かれないようにリックに会いに行く。

約束を破った理由を尋ねたリックに、イルザは真実を話す。リックと出会った時、夫のラズロは収容所に入れられて死んだと聞かされていたのだ。悲しみの淵にいたイルザを救ったのがリックとの愛だった。しかし、一緒に逃亡しようとする暫く前にラズロが生きていることを知り、夫の元へ戻ることを選んだのだ。
しかし、イルザが愛しているのはリックだけだった。イルザが望むのは、夫一人の旅券だった。

翌日、リックはラズロを逮捕する計画をルノーに持ち掛ける。旅券を取りに来るタイミングで逮捕しろと言ってルノーを物陰に隠した。計画通りラズロがやってきて、ルノーはラズロを逮捕しようとするが、そんな彼にリックは銃を突きつける。そのままラズロに旅券を渡し、ルノーには飛行場へ電話するように命令する。ルノーは咄嗟にシュトラッサーに電話し、ラズロの逃亡を知らせる。

飛行場に着くと、リックは共に残ろうとするイルザを説得し、ラズロと一緒にリスボン行の飛行機に乗せる。
シュトラッサーはあと一歩というところで間に合わなかった。それでも飛行機を止めようとするシュトラッサーを、リックは射殺する。
一部始終を目撃していたはずのルノーは、「何者かが」シュトラッサーを撃って逃走したと証言。実はルノーは反ドイツレジスタンスのシンパだった。奇妙な友情で結ばれた二人は、これからドイツと戦おうと誓い合う。

映画『カサブランカ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『カサブランカ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

戦時中に公開された反・ナチスドイツ映画

メインとなるのはラブ・ロマンスであるが、舞台は戦時中のカサブランカで、戦争の色が濃い。反ドイツ表現も随所に見られる。リックが親ドイツ派と思われる、元ドイツ銀行の頭取という男を店から締め出すシーンや、ルノーが「ヴィシー水」と書かれたミネラルウォーターのボトルを投げ捨てるシーン(ヴィシー政権が親ドイツなため)など。また、酒場で親ドイツ派の人々が「ラインの守り」というドイツの歌を歌う中、それをかき消すようにフランスの国家「ラ・マルセイエーズ」を歌うシーンは特にこの作品の精神をよく表していると思う。
ラブ・ロマンス映画として、娯楽作品としての性格が強いが、反枢軸国プロパガンダ作品としても見られる。
戦時中に制作・公開された作品だからか、侵略に対する人々の姿は血気盛んで、愛情表現もより激しいように感じられる。

この映画から生まれた名言がたくさん

「君の瞳に乾杯」というセリフ、日本でもドラマなどで使い古され、今ではちょっと寒いセリフか笑えないギャグか……という感じだが、元ネタはこの映画である。知らない人も多いのではないだろうか。
他にも、「ルイ、これが俺たちの美しい友情の始まりだな」や、「世界に星の数ほど店はあるのに、彼女はおれの店にやってきた」など、名言が満載なのである。
こういうキザなセリフは、日本の映画やドラマでやられると鳥肌が立つこと間違いなしだが、不思議と洋画、この映画でやられるといい。ただ、「君の瞳に乾杯」はあまりにも知られた文句なので、リックがこのセリフを言う度に笑ってしまいそうになる。


「君の瞳に乾杯」という名台詞を生み出した今作。日本人がそんな言葉を使ったらクサいとかキザだなんて思われてしまうのでしょうが、リックが言うと本当にかっこいいんです。イルザが惚れてしまうのが分かります。
イルザの愛や自分の気持ちを知ってからもリックの行動や志は変わることなく、最後の最後までかっこ良い姿を見せてくれるのもポイントが高いです。
多くの名言、名台詞が登場するので昔の作品を見るのもすごく面白いなと感じました。(女性 30代)


舞台も時代も自分の今いる場所から遠いからこそ、ファンタジーもキザな台詞も映画として楽しめる、そんな1本。そもそもカサブランカという場所が異国情緒を呼び起こす。(ハリウッドのスタジオで撮影されたとしても)リアリティなんてものは、作品に没入するのに必要な程度あれば良い。うまく自分を酔わせて「ラ・マルセイエーズ」を歌う人々に気持ちを重ねるのだ。そして最後のリックの自己犠牲的選択は、日本人にも案外しっくりくるのではなかろうか。というわけで、今日本人が観ても楽しみようがあるモノクロ洋画なのだ。(男性 40代)


モロッコ、カサブランカにて、第二次世界大戦中の恋と友情の物語。戦時中の状況について、奥深く学べます。さらに、粋な名言や美しいピアノに酔いしれてしまいました。とりわけ「君の瞳に乾杯」という余りにも有名なセリフは、4度も聞けて大いに感動しました。男性達が愛する女性のために、幸せを願って行動する所作一つ一つが切なく、美しいと感じます。フランスの国歌、ラ・マルセイエーズを皆で斉唱するシーンが大変凛々しく、鳥肌が立ちました。(女性 30代)


恋愛映画でもあり、戦争のプロパガンダとしての側面も持ち合わせた古典映画の名作で、観た後は”良い映画だった”という満足感があった。曲も素晴らしい。情熱的な恋愛に心揺さぶられた。

ハンフリー・ボガートの渋さと、あの有名なセリフ「君の瞳に乾杯」は正にこの映画の醍醐味で見る価値あり。この映画が公開された時代背景も考えると、リアルタイムだった当時の色んな感情が垣間見えて何とも言えない気持ちになる。(女性 20代)

映画『カサブランカ』 まとめ

典型的な反枢軸国映画であり、しかも戦時中に作られたということもあり、ナチスに対する嫌悪感は露骨に表現されている作品である。反ナチスドイツ作品は現在に至るまでたくさん作られてきたが、この映画は主軸をラブ・ロマンスに置きながら、舞台を戦時中にすることで、反枢軸国のプロパガンダ作品にもなっている。戦時中の緊迫した雰囲気を盛り込むことで、ラブストーリーにも深みが増している。
実は、ラズロとイルザが結ばれることになったラストシーンは、二つ作られる予定だったという。リックと結ばれる可能性もあった。しかし、愛する人と離れながらも、これから意気揚々と戦いに向かおうとするリックとルノーのラストシーンだからこそ素晴らしかったと思う。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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