映画『パンチドランク・ラブ』の概要:バリー・イーガンは気の強い7人の姉に苦手意識があり、女性と上手く話せなくなっていた。姉達はそんな弟の心情を気にせず、お節介を焼き、私生活について介入しようとした。そんなある日、姉の同僚であるリナが、写真を見てバリーに好意を抱く。
映画『パンチドランク・ラブ』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
キャスト:アダム・サンドラー、ジェイソン・アンドリュース、ドン・マクマナス、エミリー・ワトソン etc
映画『パンチドランク・ラブ』の登場人物(キャスト)
- バリー・イーガン(アダム・サンドラー)
- ラバーカップを販売する会社の経営者。7人の姉がいる。姉達にからかわれ、私生活をしつこく質問されることにウンザリしている。情緒不安定で、突然泣き出したり暴れたりする。
- リナ・レナード(エミリー・ワトソン)
- バリーの姉のエリザベスの同僚。写真を見てバリーを気に入り、好意を抱く。不安定なバリーを包み込む、懐の深い優しい女性。出張のため、世界各国を飛び回っている。
- ディーン(フィリップ・シーモア・ホフマン)
- 家具屋の経営者。裏で、テレフォン・セックスサービスを利用した客をゆすっている。
映画『パンチドランク・ラブ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パンチドランク・ラブ』のあらすじ【起】
バリーは仕事をした後、外に出て休息を取っていた。すると、1人の女性が車に乗って現れる。バリーの仕事場の隣にある自動車修理工場に、車の修理を依頼しに来たのだ。だが、時間が早すぎて工場は開いていなかった。女性はバリーに車の鍵を渡し、預かって欲しいと頼んだ。バリーは快く鍵を受け取り女性を見送るが、実は酷く緊張していた。女性が去った後、職場に戻って緊張を解放させた。
バリーは“ツマリトール”という名の、ラバーカップを販売する会社を経営していた。顧客に商品を説明して売り込んでいると、姉から電話が掛かってきて邪魔をされる。バリーには7人の姉がいた。皆バリーの口答えを許さない強気な女性ばかりで、バリーが仕事中であることを配慮してはくれなかった。
バリーが実家に帰ると、姉達は自分のことをゲイだとからかって馬鹿にしていた。帰りたい気持ちを抱きつつも、頑張って家の中に入った。しかし、姉達のからかいは止まらなかった。バリーは苛立ちを我慢することができず、部屋の窓ガラスを手で叩き割ってしまう。バリーは歯科医である義兄に、精神科医を相談して欲しいと頼んだ。時々精神が不安定になり、泣きたくなるときがあるのだ。
バリーはスーパーの食品売り場で、ヘルシー・チョイス食品がマイレージ・キャンペーンを行っていることを知る。“お好きな商品10点で500マイルをゲット”と書かれており、バリーは値段の安いプリンを買って応募することにした。
映画『パンチドランク・ラブ』のあらすじ【承】
バリーは新聞の広告を見て、テレフォン・セックスサービスを利用することを思い立つ。受付の女性に個人情報が守られるのか確認した後、聞かれるままクレジット番号や住所などを教えた。バリーは部屋をうろうろしながら、落ち着かない様子で、担当になったジョージアという女性と電話で会話をした。ジョージアは性的なことを言い、バリーの妄想を掻き立てるような話をした。
次の日、バリーの家にジョージアから電話が掛かってくる。750ドルの家賃が払えなくて困っており、助けて欲しいと言うのだ。バリーは余裕がないと断るが、ジョージアは個人情報を立てに脅してきた。バリーは対処しきれず、電話を切った。そして、クレジットカードを破棄した。
バリーの職場に姉のエリザベスと同僚のリナが訪ねて来る。リナはバリーに車を預けた女性だった。エリザベスはバリーにリナを紹介するため食事に誘うが、バリーは姉達にからかわれるのが嫌で、仕事があると言って断った。エリザベスはそんなバリーを非難した。バリーが姉達と話していると、ジョージアから電話が掛かってくる。クレジットカードを解約したことについて非難されるが、バリーは上手く言い返すことができず、電話を切った。エリザベス達はバリーを食事に誘うことを諦めて帰ることにした。だが、リナはやはりバリーのことが気になり、1人で戻ってバリーを食事に誘った。バリーはリナの誘いに応じ、リナが書いた電話番号を受け取った。
映画『パンチドランク・ラブ』のあらすじ【転】
バリーとリナはディナーデートに出かけた。そこで、リナはバリーが写っている写真を見て興味を持ち、バリーに会うために修理工場を利用したことを打ち明けた。リナはバリーと真剣に付き合いたかったため、隠し事をしたくなかったのだ。バリーは突然のことに驚きながらも、リナとの会話を楽しんだ。だが、リナはエリザベスから、バリーが子供の頃に暴れ、窓ガラスを粉々した話を聞いていた。バリーはそのことに苛立ち、男子トイレで暴れてしまう。店員に手の怪我を見られたバリーは、店を追い出されることになった。
バリーはリナを、部屋の中まで送り届けた。姉達とは違い自分のことを詮索してこないリナに好意を抱くが、上手く会話ができないまま部屋を出た。すると、管理人から電話だと呼び止められる。電話の相手はリナで、バリーがどんな人物でも構わないから、帰り際にキスをして欲しかったと言われる。バリーはリナの元に戻りキスをした。そして、次に会う約束をした。
バリーはジョージアの知り合いの男達に脅され、500ドルを渡した。殴られたため逃げるが、男達は再び来ることを叫んで去って行った。バリーはプリンを買い込み、マイルをゲットして、ハワイに出張に行ったリナを追いかけることにした。だが、マイルを振り込むには、手続きのため2か月かかると言われる。バリーは暴れて泣き叫んだ。どうすることもできなかったため、バリーは自費でハワイに行くことにした。
映画『パンチドランク・ラブ』の結末・ラスト(ネタバレ)
バリーはリナのハワイでの宿泊先を、エリザベスに電話を掛けて聞くことにした。だが、エリザベスはリナに気があるのかとからかい、中々話そうとはしなかった。バリーはそのことにウンザリし、エリザベスのことを罵りながら教えろと怒鳴った。バリーはエリザベスから聞いたホテルに電話を掛けるが、なぜか男性が出た。再度電話を掛け直すと、リナが出た。バリーはリナに恋人がいるのか心配するが、リナは否定し、バリーと会う約束をした。
バリーとリナは夕暮れを眺めながらお酒を飲んだ。部屋に戻った2人は、ベッドの上でキスをした。そこで、バリーはトイレで暴れたことを打ち明けた。リナは静かにバリーを抱きしめた。次の日、リナはエリザベスと電話で話をするが、バリーが来ていることは話さなかった。バリーは嬉しそうにリナの顔を見ていた。
バリーが車に乗ってリナと自宅に帰っていると、突然車に追突される。やったのはジョージアの知人男性達だった。リナが怪我をしたのを見たバリーは激しく怒り、男達を次々殴りつけていった。リナを病院に連れて行った後、バリーはジョージアに電話を掛け、責任者を出せと脅した。そして、電話に出た責任者のディーンを怒鳴りつけるが、ディーンは開き直った態度で言い返してくるだけだった。その後、バリーはリナの元に戻るが、既に退院していた。
バリーは番号案内サービスからディーンの居場所を見つけ、会いに行った。ディーンはバリーが警察に言っていないことを知り、白旗を上げて降参することにした。帰って来たバリーはリナに会いに行き、全ての経緯を説明して謝罪し、君なしでは生きていけないと告白した。リナは病院に置き去りにされたことを怒っていたが、バリーの思いを受け入れ、キスをして抱きしめた。
映画『パンチドランク・ラブ』の感想・評価・レビュー
ポール・トーマス・アンダーソン監督作品だなぁ、という感じ。何も起こらなさそうな静かなごく普通の日常の風景が始まるのかと思いきや我が目を疑うシーンが展開されていく。なんというか、中国雑技団の人が体を普通では考えられない角度に曲げていくのを見た時のような気分になっていくのだ。主人公の行動も穏やかな天気だったのに突如ゲリラ豪雨来ました、みたいな感じで見ていて油断ができない。こんなシュールなエキセントリックさを持って描かれるのがささやかな恋の話というのがニヤリとせずにいられない。(男性 40代)
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