映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の概要:前作「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の前日譚となる続編が登場。ロックンロールに魅了された吸血鬼レスタトの歌声が、封印された最凶のヴァンパイア女王、アカーシャを目覚めさせる。吸血鬼レスタトの誕生秘話に迫る、ヴァンパイア・ホラー映画。
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:ファンタジー、ホラー
監督:マイケル・ライマー
キャスト:スチュアート・タウンゼント、アリーヤ、マーガリート・モロー、ヴァンサン・ペレーズ etc
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の登場人物(キャスト)
- レスタト(スチュアート・タウンゼント)
- 100年の眠りから目を覚まし、ロック・スターとなった吸血鬼。孤独を恐れ、永遠を共にする伴侶を探している。
- ジェシー(マーガリート・モロー)
- 超常研究所タマラスカの研究生。レスタトに興味を抱き、彼を追い続ける。
- アカーシャ(アリーヤ)
- 全ての吸血鬼の母にして、最凶のヴァンパイア。レスタトの歌に触発されて復活する。人間を滅ぼし、ヴァンパイアの理想郷を作ろうとレスタトを誘う。
- マリウス(ヴァンサン・ペレーズ)
- レスタトを吸血鬼にした最古の吸血鬼。
- マハレット(レナ・オリン)
- ジェシーの伯母。アカーシャに吸血鬼にされてからは、自らの子孫たちを守るために生き、アカーシャと対立する。
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』のあらすじ【起】
ニューオリンズの地下墓地。薄暗く、数々の墓石が並ぶ中で、100年の眠りについていたレスタトは、これまでに聞いたこともない音を聞き、目を覚ます。レスタトのかつての家には、ティーンエージャーのパンクロックバンドが練習をしていた。レスタトも思わず曲に合わせて鼻歌を歌う。
レスタトの突然の登場に驚くメンバーに、レスタトは吸血鬼だと名乗り、バンドの仲間入りをする。瞬く間に世界中を熱狂させるパンクロックバンドになった。歌詞には、吸血鬼を思わせる要素を盛り込み、それは、これまで闇に生きる他の吸血鬼たちの顰蹙を買った。
イギリス、ロンドンで朝食のコーヒーを飲んでいたジェシーは、テレビニュースでレスタトの新曲を耳にする。興味を引かれたジェシーは、レスタトの歌詞を要約し、ヴァンパイアが集うと言われているバーを突き止める。
ジェシーが所属している超常現象研究所タマラスカの教授デイビッドは、ジェシーが吸血鬼にのめり込むことに難色を示し、自身が研究している最古の吸血鬼マリウスの話をジェシーに聞かせる。そして、秘密裏に所持していたレスタトの日記をジェシーに渡した。
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』のあらすじ【承】
マリウスはその昔、病に侵されていたレスタトを領地から攫い、自身の城に連れてくると血を与え吸血鬼に変えた。吸血鬼となったレスタトに、マリウスは様々な知識を授け、闇に生きることの大切さを説く。
しかし、その教えに反発し堂々と生きることを望むレスタトは、ある日一人の女性に惹かれる。ところが女性は、レスタトの正体を知ると逃げ出し、レスタトは思わず女性を殺してしまう。
あっさりと死んでしまう人間に、レスタトは深い悲しみを覚える。レスタトは、やり場のない怒りや悲しみをヴァイオリンにぶつけた。マリウスの城でヴァイオリンを弾くレスタトは、思わぬ拍子に地下へ続く階段を見つける。階段を降りると、目の前に祭壇が現れ、玉座には男女の石像が座っていた。
レスタトは、石像に向かってヴァイオリンを弾く。すると、女性像の手が動き、レスタトはその手を取りゆっくりと噛みつく。体内に流れてくる血は、これまで味わったものとは全く違い、レスタトは気を失う。ベッドに運ばれたレスタトは、飲んだ血が古代の純潔の血を持つ女王、アカーシャのもとだと知る。アカーシャは他の吸血鬼と違って、人間も吸血鬼も見境なく襲う危険な存在。マリウスは、これ以上レスタトがアカーシャに関わらないよう、アカーシャの石像を持ってレスタトの前から姿を消した。
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』のあらすじ【転】
日記を読み終えたジェシーは、デイビッドの言いつけを破り、単身吸血鬼の集まるバーへ赴く。数いる吸血鬼に絡まれバーから逃げ出したジェシーを、傍から観察していたレスタトが助ける。レスタトはジェシーが何者か問いただし、ジェシーはマリウスのこともレスタト自身のこともよく知っていると話す。だが、ジェシーがタマラスカに関係している人間だと知ると、レスタトはすぐに姿を消してしまう。
ジェシーはレスタトを追って、レスタトのコンサートへ行くためロンドンから渡米する。
コンサート数日前、レスタトの城へマリウスが姿を現す。レスタトと同じく100年間眠っていたマリウスは、自身の目覚めと同じくして、最凶の女王アカーシャも眠りから覚めたことを告げる。
目覚めたアカーシャは、レスタトがいたロンドンのバーに現れる。既にレスタトがいないことを悟ると、サイコキネシスを使ってその場の吸血鬼たちを火だるまにする。バーを火の海にし、アカーシャはレスタトを追った。
コンサート前夜、ロサンゼルスにやってきたジェシーは、レスタトの付き人に連れられてレスタトの城へ赴く。そこでジェシーは、仲間にして欲しいとレスタトに懇願するも、人間は儚い故に美しいと囁くレスタト。
どれだけ断られても諦めないジェシーに、レスタトは夜の公園へ一緒に赴き、ジェシーの目の前で1人の女性を襲って見せた。口の周りを血だらけにするレスタトに、ジェシーは言葉を失い、レスタトは呆れた表情を見せジェシーの前から姿を消す。
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の結末・ラスト(ネタバレ)
カルフォルニア州デスバレーのコンサート会場に、ジェシーはレスタトを追ってやってくる。会場内には観客の他に多くの吸血鬼が来ていた。吸血鬼の掟を破り、更に挑発してくるレスタトに、コンサート中にも関わらず吸血鬼たちが次々と襲い掛かる。ステージは一時騒然となり、駆け付けたマリウスもレスタトに加勢し、吸血鬼たちを退けていく。
そのとき、突然ステージの中央が爆発し、爆炎の中からアカーシャが姿を現した。アカーシャはレスタトを抱えると、夜空の中を飛んでいき、人気のない島で2人だけの甘い夜を過ごす。
明朝、レスタトはアカーシャの血のおかげで、日光の下を歩けるようになっていた。アカーシャから、レスタトをヴァンパイアだけの新たな理想郷の王に選んだことを告げられる。
騒然としたコンサート会場から、ジェシーはとある場所に来ていた。小さいころから何度も夢の中で見てきた伯母の屋敷。伯母マハレットは、アカーシャによって吸血鬼とされており、
人間の滅亡を目論むアカーシャを阻止するべく生きていた。
ジェシーに自身とアカーシャの関係性について話しをしていると、アカーシャがレスタトを連れてマハレットの屋敷へやってきた。人類滅亡の協力を要請するアカーシャの申し出をマハレットやマリウス、子孫たちも拒否する。
アカーシャは、見せしめとしてレスタトにジェシーを殺すよう命じる。狼狽えながらも、レスタトはジェシーの胸元に食らいついた。血を吸われたジェシーは倒れ、満足げなアカーシャは褒美に自身の血をレスタトに吸わせる。
レスタトがアカーシャの血を大量に吸い、アカーシャがよろめくと、子孫たちが一斉にアカーシャに牙を向いた。そして、最後の一滴をマハレットが吸いつくすと、アカーシャの体は黒く変色し次第にチリとなり消えた。
レスタトのバンド脱退の新聞を読んでいたデイビッドは、ふと人の気配を感じて顔を上げる。いつの間にかレスタトとジェシーが来ていた。ジェシーはデイビッドに満ち足りた笑顔を向け、別れを告げる。2人は夜のロンドンに消えていった。
映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の感想・評価・レビュー
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の続編だが、まるで別物の映画。続きと言う感じは全くない。
アリーヤは存在感にあふれ、歌声には貫禄があり素晴らしい。もっと沢山の映画で観たかった。
ヴァンパイア映画は数多くあるが、映像的に観ていて美しいヴァンパイア達だった。
ラストのロンドンの街を歩いていくシーンも好き。
レスタトがロックスターになったので、随所で流れるパンクロックが嬉しかった。(女性 40代)
ヴァンパイア映画としては美しさと不気味さを兼ね備えていて、興味深い作品だと思う。でも、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の続編として期待して見ると、ガッカリしてしまう部分が多々あった。一番不満点として大きいのは、前作でレスタトを演じていたトム・クルーズからスチュアート・タウンゼントに変わったことだと思う。スチュアート・タウンゼントが悪いわけではないが、レスタトはトム・クルーズのイメージが強いので、見ていて違和感を抱いた。(女性 30代)
ロックとヴァンパイアと言う異色のコラボが描かれる今作は『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の前日譚という設定ですが、あまり繋がりは感じないのでどちらも単体として見る方が良さそうです。
ヴァンパイアを恐怖では無く「美しい」と思わせる描写は流石だなと感じます。美しい歌声や心に響くロックミュージックが作品の世界観をさらに盛り上げていて、終始楽しむことが出来ました。
1つだけ残念な点はレスタトがトム・クルーズでは無くなってしまったこと。彼を期待して見る人もいると思うので、やはり別物として考えることをオススメします。(女性 30代)
ロックミュージックとヴァンパイアの融合が見事で、気分が高揚します。もっとミュージカルのようにしたらどうだろうと、ふと思いました。2000年代前半特有の雰囲気が、よく出ていますね。挿入歌が全て最高でした。音楽で吸血鬼が蘇る話の筋も、意表を突いています。しかし、やはりファッションや音楽を堪能する作品だろうなと推察します。アリーヤが急逝する直前の映画なんですね。彼女の瑞々しく妖艶な姿が、目に焼き付いて離れません。できれば歌声も拝聴したかったです。(女性 30代)
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