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映画『レールズ&タイズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『レールズ&タイズ』の概要:“妻の余命宣告”という重たい事情を抱えた夫婦と心に傷を負った少年が出会い、様々な葛藤をしながら強い絆で結ばれていく。不器用な夫婦を好演したケヴィン・ベーコンとマーシャ・ゲイ・ハーデンに加えて、繊細な少年を演じたマイルズ・ハイザーの熱演も光る。

映画『レールズ&タイズ』の作品情報

レールズ&タイズ

製作年:2007年
上映時間:101分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:アリソン・イーストウッド
キャスト:ケヴィン・ベーコン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、マイルズ・ハイザー、マリン・ヒンクル etc

映画『レールズ&タイズ』の登場人物(キャスト)

トム・スターク(ケヴィン・ベーコン)
鉄道技師。妻のメーガンとの間に子供はいない。仕事一筋の不器用な男で、妻の死と向き合うことを恐れている。30歳で運転士となり、15年間で10回も転勤を繰り返してきた。鉄道模型を作るのが趣味。
メーガン・スターク(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
トムの妻。乳がんを患い、片方の乳房を摘出して治療を続けてきたが、ガンが再発してしまい、42歳の若さで余命宣告を受ける。看護師なので自分の病状を把握しており、残された時間は好きなことをして過ごしたいと願っている。
デイビー・ダナー(マイルズ・ハイザー)
11歳の少年。酒乱気味の情緒不安定な母親と2人暮らしをしていたが、母親がトムの運転していた電車に轢かれて死亡し、ひとりぼっちになってしまう。里親のところから逃亡し、トム夫婦と暮らすようになる。

映画『レールズ&タイズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『レールズ&タイズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『レールズ&タイズ』のあらすじ【起】

鉄道技師のトム・スタークは、“妻の看病をしてやれ”という同僚や上司の忠告を無視して、特急電車に乗り込む。トムの妻のメーガンは末期ガンを患っており、病状は悪化していた。看護師をしているメーガンは、主治医から余命宣告を受け、病院を退職する。トムは現実と向き合うことを恐れており、メーガンを避けていた。

トムが運転する特急電車は、オークランド経由でシアトルへ向かう。シミ・バレーに差し掛かったあたりで、トムは踏切内に侵入している車を発見する。同乗していた同僚のオーティスは、ブレーキをかけるように言うが、トムはカーブで急ブレーキをかけると脱線の危険があると言い張り、電車は車と衝突する。

車の運転手は27歳の母親で、11歳になる息子のデイビーを道連れに、親子心中を図ろうとしていた。異変に気付いたデイビーは、必死で母親を車内から連れ出そうとするが、母親は強い睡眠薬を飲んでおり、救い出すことはできなかった。車ごと電車に跳ね飛ばされた母親は死亡し、デイビーはブレーキをかけなかったトムを恨む。

トムは“あれは自殺で、自分の対応は正しかった”と主張するが、会社側はトムに謹慎を命じる。トムは今後の処遇が決まる審問会の日まで、自宅でメーガンと過ごすことになる。

身寄りのないデイビーは児童家庭局に保護され、局員のレニーによって里親の元へ連れていかれる。里親は、娘を亡くした中年女性で、男の子のデイビーを一面ピンクの部屋に閉じ込めてしまう。デイビーは窓を壊し、里親の家から逃亡する。

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映画『レールズ&タイズ』のあらすじ【承】

メーガンは、自分と向き合おうとしてくれないトムの態度に傷ついていた。メーガンは、死ぬことよりも自分の人生を後悔することの方が怖かった。

事故のニュースを見たメーガンは、トムに内緒でデイビーの家を訪ねてみる。散らかり放題の室内から、親子の悲惨な生活ぶりが容易に想像できた。

トムはオーティスと酒を飲む。オーティスはあの事故のことを後悔しており、会社を辞職するつもりでいた。しかしトムは頑なに“あれは自殺だ”と言い張り、オーティスと喧嘩になる。オーティスはトムのことを“心が死んだ人間だ”と表現する。

メーガンはサンフランシスコへ行きたがっていたが、トムは審問が終わるまでこの町を離れられないと言う。こんな時まで会社を優先するトムに、メーガンは失望する。メーガンはひとりで行くことに決め、荷造りをする。トムは心からメーガンを愛しているのに、それをうまく表現することができない。トムはその苛立ちを大切な鉄道模型にぶつける。

メーガンが家を出ようとした矢先、夫婦の家にデイビーがやってくる。デイビーは“あんたがママを殺した!”とトムを責める。メーガンはデイビーを落ち着かせ、つらい思いをしてきたデイビーを優しく受け入れる。

メーガンはデイビーの家を訪ねたことをトムに打ち明け、デイビーを家に置いてやってほしいと頼む。しかし、事故の関係者と接触することは会社で禁じられており、もしデイビーが家にいるとわかったら、トムはクビになってしまう。それでも、トムは1日だけの約束でデイビーを泊めることを許す。

子供が欲しかったメーガンは、デイビーとの時間を楽しむ。親の愛情に飢えていたデイビーも、すぐメーガンに懐く。トムは2人の願いを聞き入れ、しばらくデイビーを家に置いてやることにする。しかし児童家庭局のレニーは、警察にデイビーの捜索願を出していた。

映画『レールズ&タイズ』のあらすじ【転】

デイビーが来てから家庭内に笑顔が戻る。デイビーは電車が大好きで、トムの仕事や鉄道模型にも興味を示す。トムも、そんなデイビーがだんだん可愛くなってくる。

デイビーの世話をすることに、メーガンは今まで経験してことのない幸せを感じていた。トムも、デイビーの洋服や日用品を買い出しに行き、鉄道模型を一緒に修復する。デイビーは、“ママはメーガンみたいにとてもいいママだった”と嘘をつく。

デイビーは生まれて初めて海を見せてもらい、嬉しそうにはしゃぐ。デイビーのおかげでメーガンとトムも素直に愛情表現ができるようになり、夫婦の空気も和らぐ。

夫婦の愛情に包まれ、傷ついていたデイビーの心も癒されていく。デイビーはメーガンに、“ママがいいママだっていうのは全部嘘だ”と泣きながら告白する。メーガンはそんなデイビーに黙って寄り添ってやる。デイビーと似たような環境で育ったトムには、メーガンを必要とするデイビーの気持ちがよくわかった。

トムの予備審問の日程が決まる。デイビーはトムに気を使い、“僕は許すよ”と声をかける。しかしトムは、その言葉を素直に受け止められない。以前のトムはもっと単純に何でも割り切れたが、今は白黒がはっきりしないこともあるのだと感じていた。

そんな中、デイビーの行方を捜していたレニーが、トムの家にやってくる。疑いの眼差しを向けるレニーに対し、メーガンは、自分は末期ガンなのだと打ち明け、レニーを帰らせる。後日、レニーはデイビーとトムが一緒にいるところを目撃するが、幸せそうなデイビーの様子を見て、警察に知らせるのをやめる。

映画『レールズ&タイズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

予備審問の日。メーガンはどうしても一緒に行くと言って聞かず、トムはメーガンとデイビーを車で待たせて、審問会へ出る。この予備審問で、トムの今後の処遇が決まる。トムの取った行動は規定通りと認められ、罪には問われないことが決定する。

審問を終え、トムが車へ戻ると、メーガンは意識を失っていた。トムは、困惑するデイビーを落ち着かせ、病院へ急ぐ。

病院の待合室で、トムはデイビーにメーガンの病気のことを話す。メーガンがもうすぐ死んでしまうと知り、デイビーは強いショックを受ける。メーガンは家に帰ることを希望しており、親友で看護師のスーザンの助けを借りて、メーガンは帰宅する。

その夜、デイビーがパニック状態になる。事故の日、デイビーは学校の先生に“母が死んだ”と嘘をつき、具合の悪そうな母親に付き添っていた。そのせいで母親が死んだと思い込んでおり、“僕が悪い子だからメーガンまで死ぬんだ”と泣き叫ぶ。トムはデイビーを強く抱きしめ、“お前のせいなんかじゃない”と何度も言ってやる。

メーガンに最期の時が迫っていた。枕元へ来たデイビーに、メーガンは“私はずっと一緒にいるから”と優しく語りかける。そしてトムに、デイビーの養育権を勝ち取って欲しいと頼む。トムはメーガンに“望む通りにする”と約束する。その晩、メーガンは静かに天国へ召される。

メーガンの葬儀を終え、トムはデイビーの養育権を勝ち取るために動き出す。2人はしっかりと手をつなぎ、児童家庭局へと入っていく。

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