映画『リベリオン』の概要:低予算で製作された映画にも関わらず、様々な工夫や役者陣の演技により、そのことを感じさせない近未来SFガンアクション映画。作中のテーマは「無感覚」と「検閲」であり、銃撃戦や特殊な武闘が用いられる、別名『厨二病の為の映画』。
映画『リベリオン』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:SF、アクション
監督:カート・ウィマー
キャスト:クリスチャン・ベイル、エミリー・ワトソン、テイ・ディグス、アンガス・マクファーデン etc
映画『リベリオン』の登場人物(キャスト)
- ジョン・プレストン(クリスチャン・ベール)
- 国家が統治する特殊操作官の中でもトップレベルの成績を誇る逸材。とある事件をきっかけに、独裁国家のありかたに疑問を感じ始める。
- エロール・パートリッジ(ショーン・ビーン)
- ジョンの元相方。特殊操作官ながらも国家にとって反逆となる行為を行っている犯罪者。
映画『リベリオン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『リベリオン』のあらすじ【起】
時は第三次世界大戦後、都市国家リブリアは党首ファーザーが統治する独裁国家であった。リブリアでは感情など不安定なものは新たな戦争の引き金になるとされ、感情を含めた全てがファーザー達の支配下に置かれていた。また、感情を揺り動かすとされる絵本や聖書などの書物、映画などを個人が所持することは一切禁止され、万が一それが発覚した場合、国家が組織する特殊捜査官によって身柄を捕らえられた。
特殊捜査官達はガン=カタという武術と拳銃を組み合わせる特殊な武闘を用いる存在で、その圧倒的な強さから、テロリスト達も一切敵わないのであった。また、服薬を中断したものに関しては、発覚次第即処刑という厳罰な処分が下されるのであった。娯楽を失った大衆は、毎日をただただ機械的に享受していたが、しかし戦争が起きないのであれば、と現状に何も疑問を抱いていなかった。
主人公、ジョン・プレストンはその特殊捜査官の中でも数多くの実績を残し、一番上のランクに身を置く敏腕捜査官であった。
映画『リベリオン』のあらすじ【承】
特殊捜査官達は、万が一テロリスト達に襲われた時のことも配慮し基本的には二人一組で行動をするルールとなっていた。ジョンのパートナーはエロールという、寡黙なベテラン捜査官であった。
口数は少ないものの捜査官としての働きは申し分ないエロールに信頼を置いていたジョンであったが、エロールが自分達が取り締まった犯罪者から押収した証拠を提出していない、という事を耳にし、彼に嫌疑の目を向けるようになる。
そして、ある夜彼を尾行した結果、人気の少ない廃墟の中で一人、その証拠品である書物を穏やかな顔で読み込むエロールの姿を見つけるのであった。実はエロールは特殊捜査官でありながら、禁止物品に手をつけるだけでなく、既に薬の服用もやめていた犯罪者であったのである。自分を見ているジョンの姿に気がついたエロールは、抵抗をする事もなく諦めたように目を閉じた。そして国家の法律通りに、ジョンは自分の相棒をその場で処刑したのであった。
映画『リベリオン』のあらすじ【転】
エロールの始末や日々の業務で忙殺されていたジョンは、定期的に施設でもらうはずの薬を新しく処方してもらう事を忘れていた。そして最後の一錠を誤って捨ててしまったジョンは、不本意ながら一時的に薬の服用が途絶えてしまった。
そんな『感情が不安定』な時期に、ジョンは1人の感情異端者と出会う。彼女とのやりとりの中で、感情を持つことの意義、そしてこの国家の違和感に気がついたジョンは、今度は自分の意思で薬の服用を中止するのであった。
自ら犯罪者となったジョンであったが、その事を悟られないよう、今まで通り特殊捜査官としての業務を続けていた。ジョンは、現在の自分とかつてのエロールの姿を重ねていたのである。しかしとある任務中、人の感情にとって悪影響と見なされ大量虐殺された犬の生き残りを見つけた。その助けを請うような声に突き動かされ、殺されそうになった犬を助けようと、その場にいた捜査官を仕方なく一掃してしまうのであった。
映画『リベリオン』の結末・ラスト(ネタバレ)
エロールの代わりにジョンの新しい相棒となったのは、ブランドという若い男であった。ブラントは最近のジョンの行動に違和感を覚え、最終的に彼が感情を取り戻した犯罪者であるという事実に行き着く。
ブラントはエリート捜査官であるジョンの身柄を抑える事で自らの出世に繋がると思い、彼を嵌め党首ファーザーのもとへ連行した。途中、嵌められたことに気がついたジョンは、この組織を壊滅し、国家に感情を取り戻す決意をする。そして次々と刺客を倒していったジョンは、最終的に、党首ファーザーは既に失命しており、彼の名を語りデュポンという男が国を掌握しているという事実に辿り着く。そして2人は自分達のスキル、ガン=カタを用い死闘を繰り広げる。
しかし長年影で暗躍していたデュポンと現役のエリート捜査官であるジョンでは相手になるわけもなく、ジョンが勝利を収める。統治者が死んだ事で今まで抑圧されていた住民達が一斉に蜂起、街は変化の時を迎えるのであった。
映画『リベリオン』の感想・評価・レビュー
本作は「感情」を排除した管理された閉鎖的な社会が舞台。
主人公は感情を持った人間の取締をするが、次第に自身も感情を持っていく。
本作で訴える「感情」の大切さがよく分かります。
確かに感情を排除すれば、合理的な社会が形成できる一方、人間が持つ人間らしい一面が著しく失われ、まさにロボットのような存在になってしまう。
だからこそ「感情」を持った人間は必死に抵抗し、人間らしい生き方に命をかける。
そこに突き動かされた主人公が彼らの味方となる展開が静かながら熱いです。
そして、なんと言っても本作最大の魅力である「ガン=カタ」のアクションが素晴らしい。
何度観ても惚れ惚れとする一連のアクションに美しさすら感じさせる衝撃度である。(男性 30代)
どちらかと言うとSFアクションはあまり見ないのですが、本作は何度も観ています。
とにかく、作中に出てくるガン=カタは必見です。きっと観ながら真似したくなると思います。
内容としては感情を排除して統制を図ろうとする世界の話です。倫理的に現実ではありえ無いであろう設定なのに、昨今の世界情勢を見ているとそんなこともないように思えて恐怖です。
主演のクリスチャン・ベールのアクションシーンだけでも見る価値あります。
スカッと爽快になりたいときにオススメです。(女性 20代)
感情の無い社会で、感情を取り締まる主人公の物語。幾何学に包まれた社会は、見ているだけでも居心地が悪く感じます。抑え付けられるほど力強くはねのけるという、人間の性質が良く描かれた作品です。
ガン=カタのアクションが有名な作品です。主人公が無敵と呼べるほど強く、次々と敵を倒すアクションは爽快です。剣道の防具や日本刀など、随所に日本文化へのリスペクトも感じられます。感情の無い世界も、日本人に対するイメージから創り出したものではないかと思いました。(男性 20代)
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