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映画『リバースダイアリー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『リバースダイアリー』の概要:ある日、突然に現れた沙紀という女性と知り合った理人。最初は戸惑ったが、次第に二人は付き合いだし、距離を縮めていった。だが、ある時、沙紀は自殺未遂を起こす。動揺する理人は沙紀の部屋で一冊の日記を見つけるのだが……。

映画『リバースダイアリー』の作品情報

リバースダイアリー

製作年:2017年
上映時間:99分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:園田新
キャスト:小川ゲン、新井郁、小野まりえ、赤染萌 etc

映画『リバースダイアリー』の登場人物(キャスト)

白石理人(小川ゲン)
若き小説家。才能はあるが、有名作家からの代筆の仕事ばかりをさせられて自作はまだ一冊も書いたことがない。美優という恋人がいたが、一年前に別れた。
本田沙紀(新井郁)
駆け出しの役者。カメラマンの桐島という婚約者がいたが、飛行機事故で亡くしている。ある目的のために理人に近づく。
本田綾(小野まりえ)
沙紀の妹。血は繋がっておらず、父の再婚で突然に姉妹になった。暗い自分とは対照的な姉を羨ましく思っている。桐島とは沙紀よりも前に知り合っており、恋心を抱いていた。
市川(赤染萌)
綾のストーカー。ストーカー行為が綾に知られたことで、彼女に桐島殺害をお願いされる。

映画『リバースダイアリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『リバースダイアリー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『リバースダイアリー』のあらすじ【起】

白石理人は小説家だったが、その才能ゆえに有名作家のゴーストライターの仕事ばかりを振られ、自分の名前で作品を書かせてもらえない日々が続いていた。彼には美優という名の恋人がいたのだが、彼女は一年前に旅行に行くと言ってどこかに行ってしまった。

ある日、喫茶店で新作の構想を練っている時、突然に一人の女性が隣に座りメモを置いてきた。そのメモには“ストーカーにあっている、恋人のふりをしてほしい”と書かれていた。人が良い理人は、機転を利かせて一芝居うってあげることにした。店の外に出ると女性は礼を言い、二人はそのまま何事もなく別れた。

数日後、ビデオショップで偶然にあの女性と再会した理人。女性は親しげに話しかけてきて、一緒にビデオを見ようと言いだす。理人は面食らったが、彼女の不思議な雰囲気に興味を持った。彼女は本田沙紀と言い、駆け出しの役者だという。明日は映画の日だから、映画を観に行かないかと誘われた理人は、その誘いを受けた。

翌日は1日では無かったので映画の日ではなかったが、沙紀は映画の日だと表現した。その後も、スケートの日、遊園地の日、海の日だと表現しては理人を連れ出した。

ゴーストライターとして書いた原稿を呼んだ沙紀は、それをとても褒めてくれた。自分の名前で書けないことに理人は落ち込んでいたが、別の名前であってもあなたの思いが世に残って伝わっていくのはすごいことだと沙紀は言ってくれた。

運命を信じるかと沙紀に聞かれた理人は、信じると答えた。理由を聞かれた彼は語りだした。一年前に父親が倒れたため、福岡に帰省した時があった。容体が安定し、帰ろうと空港に向かう途中、父が危篤になったために病院にとんぼ返り。帰りの飛行機に乗ることができず、キャンセルしたのだが、その飛行機は離陸後に事故を起こして墜落した。乗客は全員死亡。理人はそのことで“俺は生かされた。もっとちゃんと生きよう”と考えを改めたという。

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映画『リバースダイアリー』のあらすじ【承】

沙紀の部屋に遊びに行った時、沙紀の妹の綾と遭遇した理人。綾は人懐っこく笑ったが、あなたと姉が分かり合える時は決してこないと意味深な言葉を呟かれる。理人は不安な気持ちを抱くが、沙紀に対しての思いは本物だった。

理人は沙紀に結婚を前提に付き合ってほしいと指輪をプレゼントするが、沙紀は戸惑いを見せ、嬉しいが少し待ってほしいと返事を返された。理人は沙紀に自分と同じような空白を感じていた。沙紀は近づこうとすると離れてしまう。いつかその空白を埋めることができたらと理人は願っていた。その気持ちを知った沙紀は、理人と初めて関係を持つ。

しかし、翌朝、目覚めた理人が見たのは、睡眠薬を多量に摂取して自殺を図った沙紀の姿だった。発見が早かったために一命は取り留めたが、昏睡状態になってしまう。理人は沙紀が死のうとした理由がさっぱり分からなかったが、綾はその気持ちを理解できると言い、ひとつの鍵を渡してきた。

沙紀の部屋で小さな小箱を発見した理人は、綾からの鍵でそれを開けた。中には沙紀がつけていた日記が入っていた。そこには理人と過ごした日々が書かれていたのだが、昔の日付に戻って読んでいくと驚くべきことが書かれていた。

沙紀には桐島という婚約者がいたのだが、一年前に亡くなっていた。しかも、その理由は飛行機事故だった。理人がキャンセルしたため、その席に桐島が座り死亡したのだ。悲しみの底に落ちた沙紀は、あることを決意する。桐島の代わりに生き残った理人がどんな人物なのか知り、桐島よりも生きる価値があるのかを見極めようと考えたのだ。興信所に理人を調べさせた沙紀は、喫茶店で理人に近づいていった。その後も映画の日、遊園地の日とデートをしたが、それは全て桐島と過ごしたデートコースの追体験だった。

理人と付き合ううちに沙紀は次第に後ろめたさを感じるようになる。悪人だったならばよかったが、理人は善人で自分を大切に思ってくれる。自分がしていることの罪悪感に耐えられなくなった挙句、自殺を図ったのだ。

日記を読んだ理人は驚愕し、病院にいる綾を問い詰めにいく。綾は全てを知っていたのだ。理人は、自分は沙紀について何も知らず、心の中も知ろうとしなかったと落胆し、病院を後にしていった。

映画『リバースダイアリー』のあらすじ【転】

実は、桐島を忘れられないのは綾も同じだった。一年前、沙紀が桐島と遭遇したのは、綾がきっかけだった。カメラマンをしている桐島のスタジオに綾が沙紀を連れて行ったことで二人は知り合ったのだ。だが、桐島は綾の気持ちを知らずに沙紀と恋仲になってしまった。そのことは綾を大いに落胆させ、苛立たせた。

綾は一人暮らしをしていたのだが、ある日、隣の部屋に市川という男が引っ越してきて挨拶をされる。料理を作りすぎた綾は、市川にあげようとチャイムを鳴らしたが出てこない。玄関の鍵がかかっていなかったので中を覗いた綾は絶句した。市川は綾のストーカーだったのだ。壁やPCには綾の写真や画像ばかりが並んでいた。

部屋に綾が来ていることに気がついた市川は驚いたが、彼は自分が犯罪行為を行っていることを自覚していた。警察に電話してくださいと彼は言ったが、綾はそれを制し、自分のことが好きかと市川に尋ねた。頷く市川に、私のために何でもしてくれるかと続けた綾は、桐島を殺してほしいと市川にお願いした。

殺す理由を市川に問われた綾は、姉とは血が繋がっておらず、ある日、突然に姉妹になった。明るい姉は全てを私から奪い、今度は私の一番大切な人までも奪ってしまう。幸せそうな二人を見ていくことなどできないと答えた。桐島は仕事で福岡に行っていた。綾から桐島の情報と薬学部の友人から得たという毒物を渡された市川は、桐島を殺すために福岡へと飛んでいった。

市川は桐島を発見するが、なかなか毒物を飲ませるタイミングがやってこない。帰りの飛行機で実行すると綾に告げる市川。しかし、桐島はキャンセルが出た便に乗り換えてしまい、それもできなくなってしまう。そうこうしているうちに、桐島の乗った飛行機は事故で炎上し、毒を盛るまでもなく彼は死亡してしまった。

その後、沙紀は綾が企てたことなど何も知らず、理人に近づいていく。綾はその様子をずっと監視していた。次第に理人に心を動かされていく沙紀の姿を見た綾は、市川に連絡し、今度は理人を殺してくれないかとお願いした。市川は協力を拒んだが、綾は彼を誘惑し、強引に行動を起こすように仕向けた。

映画『リバースダイアリー』の結末・ラスト(ネタバレ)

日記を読んだ理人が病院に来たタイミングを狙って、市川は車に細工をするように言われた。だが、彼は綾の命令を実行することができなかった。もうやめようと言う市川に落胆した綾は彼を罵倒し、自分でやると言いだす。だが、自分を愛してくれない綾の態度に市川は激情し、衝動的に綾を刺してしまう。うずくまる綾の姿に我に返った市川は、逃げようとして車にはねられてしまった。

悩んだ末、沙紀の所に戻ることにした理人。病室で目覚めた沙紀に、日記を読んだことを告げる。沙紀は自分の気持ちを吐露しようとするが、今は安静にしたほうがいいと制し、理人は病院を後にしていった。

理人の元に、またゴーストライターの仕事がやってきたが、彼はそれを断り、自分の作品を書くことを決意した。自分自身の声と本気で向き合うことに決めたのである。

沙紀と入れ違いで綾が入院した。あれ以来、沙紀は理人と会っていなかった。沙紀は理人に惹かれていくのが怖かったのだ。しかし、今回のことで、過去に囚われずに自分から変わらなければいけないと彼女は気づくことができた。その顔は晴れ晴れとしたものだった。去り際、市川も一命と取り留めたと聞かされた綾は、静かに涙を流した。

沙紀は桐島がプロポーズしてくれた思い出の海岸へとやってきた。その場所で沙紀は桐島に別れを告げる決意をする。彼女の携帯には、生前の桐島からの音声メッセージが残されていたが、沙紀はそれを削除し、振り返ることなくその場を去って行った。

オーディションを受けに行った沙紀は泣く演技を要求された。今まで、沙紀は桐島を失った悲しみが強すぎて、泣くことができなかったのだが、前に進むことができた彼女は再び泣けるようになった。

理人は苦戦しながらも、初めて自作の小説を書き上げる。それは『リバース・ダイアリー』というタイトルで出版された。サイン会の情報を綾から知らされた沙紀は、会場を訪れた。そこにはかつての理人の恋人、美優も来ていた。だが、理人はもう美優に未練はなかった。二人はお互いを励まし合い、別れていった。

サイン会後、喫茶店で時間を潰す理人の前に一枚のメモが置かれた。そこには“ストーカーにあっている、恋人のふりをしてほしい”と書かれていた。向かいの席に座った沙紀を見て、理人は優しく恋人のふりをし始めた。言葉に詰まった時、理人は“今日は何の日だっけ”と沙紀に問いかけた。沙紀は驚いたが、すぐに“今日は何の日でもない、新しい日”だと笑顔で返事をした。

映画『リバースダイアリー』の感想・評価・レビュー

低予算ながら脚本の面白さで最後まで見せきる。半分まで行ったところで日記に辿り着き、そこから第二部が始まるのは面白い。地味に作られていることが良い効果を出しており、大物俳優を使っていないのもプラスになっている。心理面では少し表現が足りなく、少し残念な感じもしなくもない。ストーカーを瞬時に抱き込む綾の狡猾さや美優の心理などは伝わりにくかったが、沙紀には十分な時間と表現が与えられ、最後の泣きはとても良かったと思う。(MIHOシネマ編集部)

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