映画『世界一美しいボルドーの秘密』の概要:高級ワインの代名詞といわれているボルドーワイン。作り手と買い手の思惑の違いが生み出す価格高騰のからくりをえぐりだす。ボルドーワインは、相応しい人の手に届いているのか考えさせられるドキュメンタリー。
映画『世界一美しいボルドーの秘密』 作品情報
- 製作年:2013年
- 上映時間:78分
- ジャンル:ドキュメンタリー
- 監督:ワーウィック・ロス、デヴィッド・ローチ
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映画『世界一美しいボルドーの秘密』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『世界一美しいボルドーの秘密』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『世界一美しいボルドーの秘密』のあらすじを紹介します。
毎年4月に実施されるアン・プリメールにより、市場販売前のワインは先物取引として出品される。価格に影響力を持つのが、米国の批評家、ロバート・パーカーがつけるパーカー・ポイントだ。パーカー・ポイントが90%以上になるとワインの値段は跳ね上がり、オークション価格も高騰する。そんな現象に対しロバート・パーカーは嘆く。
ワインを広める目的で造ったポイント制が全く違う目的で使われている事だ。
今、ワインは成金の投資目的で爆買いされ、ワインの良さが判る人が購入しているわけではない。評論家やコンサルタントが懸念する中、ボルドーを生み出すシャトー主には危機感が全くない。
1855年のパリ万博からボルドーを生み出すワインシャトーの格付けは全く変わってない上、シャトーは金を出して買ってくれる客が上客だと勘違いしている。有名シャトーたちは、ワインが定着するのに半年かかった日本を見限り、中国富裕層にカートンで卸す様になる。しかし彼らは知らない。中国では高級ワインは、他一般の高級酒と同じ様に賄賂とみなされている事実を・・・。
映画『世界一美しいボルドーの秘密』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『世界一美しいボルドーの秘密』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ボルドーワインの現在のメイン購入層は?
ボルドーワインは、2011年には1本15万という高値になり、日本人では手の届く範囲ではなくなった。では誰が買っているのか。中国の富裕層なのである。
日本では安くてもおいしいワインが食卓やバルに積極的に取り入れられ、広く浅くワインの文化が広まった。その一方で、高級ワインをお金を出してまで買おうとは思わなくなったのも事実。
そんな日本に見切りをつけたボルドー5大シャトーの1つ、ラフィットが、2008年のワインに漢字の八を印字したボトルを売り出した。中国の富裕層の数は、米国のそれを追い抜き、オークションで最高値まで手を挙げているのは中国成金という有様だ。
それに対し、中国国内からも、一部の富裕層の爆買いに冷ややかな目線が注がれている様子がドキュメンタリーから垣間見える。好奇心だけで、ワインを買う人々の富裕層を疑問に思う人々、それと同時に、主要産地から爆買いすることなく、中国国内でワインを生産できないかとボルドーで修行するビジネスマンの姿もここでは紹介されている所が好ましい。
産地の人々、批評家はどう思っているのか
小ロットであまり市場に出回らない良質のボルドーワインを作る人々からは、この様な価格の高騰を嘆く声が聞こえる。自分たちは作ったワインの良さを世界の良識ある人々に飲んでもらい広めてもらう事が目的で作っていた。しかしいつの間にかワインは『人を上流階級に見せるための小道具』に使われている。
ワインが株券や小切手同様の扱いを受けている事を一番嘆いているのは、批評家やコンサルタント、一部の良心的な作り手たちである。それが判るだけでも、貴重な映画といえる。
お酒を一滴も飲めない人間が見ても、非常に興味深く面白い作品でした。ワインについての知識が乏しく知らないことだらけだったのでこの作品で描かれる全てのことが新鮮で新しい発見もありました。
中国の富裕層の高級品に対する執着は凄いですよね。ワインだけでなく日本のウイスキーなどもそのターゲットになっていて中には億単位の価格が付けられるものもあるのだとか。しかし、その裏には価格を高騰させるトリックがある事を私たちは忘れてはいけないな、知らなければいけないなと感じました。(女性 30代)
ワインそのものの秘密というよりは、商売としてそれが売られていくことにまつわる部分についてのドキュメンタリー。平たく言えば、中国が経済大国となり西欧のあれやこれやを買い出し、ごく一部の有名高級ワインの値段が高騰する一方、飲んで楽しむワインそのものに危機が訪れているのではないか、というお話。近年こんな風に中国の脅威について語られることは少なくなく、その度に日本も数十年前には欧米の色々なものを買い漁っていたことを思い出す。結局歴史は繰り返す、それだけのことかもしれない。(男性 40代)
映画『世界一美しいボルドーの秘密』 まとめ
いつぞや、スターバックスから、ショートサイズ1杯1000円以上、豆は200gで1万円近くするコーヒーが出た。豆は即日完売、コーヒーも瞬く間に完売した。
今回の映画はこの騒動を思い出す。この様な価格のからくりを知ると、現在の高級嗜好品は、高い=おいしい=価値があると簡単に言えない。
映画の中では、成金の中国富裕層が一番高級なボルドーワインを落札したと知った途端に、米国の長年の顧客が手を引くシーンも出てくるし、銘柄だけ指定して買いに来る客に辟易する高級ワインセラーのオーナーのインタビューmp出てくる。
価格や市場の評判に惑わされず、本物の良さを見分ける事とはどういう事なのかを思い出させてくれる映画でもある。
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