映画『リディバイダー』の概要:エネルギー不足に陥った近未来。ある電力会社が画期的なエネルギー供給方法を開発し、施工する。それは、現世界をコピーしたエコー世界を作り出し、そこからエネルギーを得ようとするものだった。主人公は任務にてエコー世界へ向かうが、そこで衝撃の事実を知る。
映画『リディバイダー』の作品情報
上映時間:91分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス
監督:ティム・スミット
キャスト:ダン・スティーヴンス、ベレニス・マルロー、ティゴ・ヘルナント、チャリティー・ウェイクフィールド etc
映画『リディバイダー』の登場人物(キャスト)
- ウィリアム・ポーター(ダン・スティーヴンス)
- 通称ウィル。NASAで宇宙にも行ったことのある物理学者。妹ミアとその息子のために苦心している。アルタプレックス電力の任務を得ることで、世界中の人々を助けることを目標としている。ミアと甥をとても愛している。
- アビゲイル・ヴォス(ベレニス・マーロウ)
- アルタプレックス電力会社、運用部長。通称アビー。黒髪の女性でアルタプレックス電力の社長を信奉しており、エコー世界を消滅させまいとする。ウィルを見出し、任務を与える。
- マイケル(ティゴ・ヘルナント)
- 元アルタプレックス電力会社の防衛隊隊員。エコー世界では、環境団体レベルズへ入ってアルタプレックス電力へ抵抗しているが、ウィルと行動することで命を懸けて手助けをするようになる。
- ミア(チャリティー・ウェイクフィールド)
- ウィルの妹。幼い息子がトラウマのせいで話せなくなり、とても心配している。無理をする兄をも心配する金髪の優し気な女性。
映画『リディバイダー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『リディバイダー』のあらすじ【起】
エネルギー不足に陥った世界。質量をエネルギーに変換する技術を開発した、アルタプレックス電力会社が電力を供給する塔の建築を行い稼働。これにより世界はエネルギー不足から解放されると思われた。
元宇宙飛行士でNASAに所属していたこともある物理学者ウィリアム・ポーター、通称ウィルは妹ミアと幼い甥の生活の面倒を見ている。彼はアルタプレックス電力からの任務を得て、妹と甥の2人と一緒に暮らせることに。新居へ引っ越したばかりの3人は、その家で塔の稼働を見守った。
ところが、塔の稼働直後に過激な環境団体レベルズが、1週間後に塔を破壊すると声明を発表する。アルタプレックス電力は襲撃に備え防衛ドローンを設置することにし、ウィルには任務開始を急がせた。
そうして、任務に就いたウィル。彼の任務は塔の稼働により作り上げられたエコー世界に向かい、ラボにある箱を塔に設置することだった。しかし、エコー世界へ向かった彼は、襲撃され無数の遺体が転がるラボの様子を目にする。とにかく、箱を入手し状況把握と位置情報を確認。任務記録をしながら外へ。そこにも遺体が転がっていたが、塔は変わらずに稼働している様子。箱には修復中と表示が出ており、塔との距離を示していた。
町へ出たウィルはそこで、またも信じ難い現象を目撃する。当初の理論上ではエコー世界には有機物の生存はなくエネルギーを無像に生み出すものと考えられ、塔を通じて現世界へと供給できる安全なものだった。ところが、実際はエコー世界がエネルギー供給に反発し、逆に現世界から船や電車を吸い出している。そのポータルが空に発生しているのだった。故に、均衡を保つとされる箱を塔に設置しなければならない。
映画『リディバイダー』のあらすじ【承】
ポータルの衝撃波によって怪我をしてしまったウィルだったが、そこで環境団体レベルズに発見され、追いかけられる羽目に。だが、追手はアルタプレックス電力の防衛隊に所属していたマイケルだった。どうやら彼は会社を裏切ってレベルズへ入った様子。しかし、そこへドローンが現れ2人は一緒に逃走。どうにか安全な場所へ逃げたところで、箱の修復が完了する。すると、表示された文字は再分割機。崩壊まで20時間と表示され、意味が分からない。このことに関して、運用部長のアビゲイル・ヴォス、通称アビーから何も説明されていないからだ。
だが、そこへウィルの位置情報を得たアビーが現れ、社長の元へ来いと言われる。しかし、ドローンはウィルをすでに敵と認知しており、アビーを含めた3人は共に逃げることになる。執拗に追って来るドローンから車に乗って逃げ回った3人。ウィルがドローンの破壊に成功したが、爆発に巻き込まれてしまう。どうにか無事だったため、とにかく塔へ向かうために道を進むことにした。町は酷い有様で生存者は皆無に等しい。こんな状況では、ミアと甥の身も案じられる。ウィルは妹へ何度も連絡を入れたが、返事はない。アビーによると安全な場所へ避難させたと言うため、ひとまずはそれを信じることにする。
ドローンの脅威を避けつつ、建物内へ。しかし、そこでもまた無数の遺体を発見。塔が稼働してからエコー世界では人が死ぬばかり。マイケルはそれが嫌になり、レベルズへ入ることにしたと言う。現世界ではそういったことはなく、ただ乗り物が行方不明になるだけだったが、搾取されるエコー世界では悲惨なことになっていた。追手に発見された3人は撃退した後、再び外へ。しかし、そこにもまたドローンが現れどうにか破壊したウィルだったが、爆発に巻き込まれ右足に重傷を負ってしまうのだった。
映画『リディバイダー』のあらすじ【転】
マイケルの助けにより、レベルズの潜伏場所へ。そこで傷の治療をしてもらったウィル。最先端医療によって、重傷でもたちまち回復させることができる。意識を取り戻したウィルは、レベルズのリーダーと対面。だが、リーダーはウィルを不審者扱いし簡単に解放してくれそうにない。奴は箱が何なのかを強く問い詰めるも、ドローンの襲撃のせいで命を落としてしまう。騒乱に紛れて逃走に成功した3人。結局、箱は何なのか。
地下鉄へ逃げ込んだウィルはアビーに箱の正体を問い詰める。すると、彼女は仕方なく明かした。箱は最終プロトコルであり、現世界とエコー世界の均衡が保てなくなった時、片方を無効にするものであるらしい。つまり、箱は1つの世界を無効にし、もう1つの世界を救うための鍵なのであった。
ということは、アルタプレックス電力はウィルに自滅任務を与えたことになる。彼は心底怒りを爆発させ、任務を放棄すると言い出したがその時、外から轟音が響き地下鉄内も崩壊の危機に。外へ出た3人はエコー世界が徐々に崩壊を進める様子を目撃する。そこで、ウィルは急いで自宅へ向かった。案じられるのはこの世界の妹と甥のことである。アビーは避難させたと言っていたが、彼女のことは最早、信じられない。
だが、ウィルは家に瓦礫が落下し崩壊した姿を目にし、更にその瓦礫の中から小さな手が出ているのを発見してしまう。エコー世界の妹と甥は避難もできず命を落としてしまったのだ。愕然としたウィルはアビーを責めたが、そこへアルタプレックス電力の部隊が現れる。マイケルとウィルは酷く痛めつけられ、箱を奪われた挙句、捕縛されてしまうのだった。
映画『リディバイダー』の結末・ラスト(ネタバレ)
軍用の貨物機に乗せられたマイケルとウィル。そこには、アルタプレックス電力の社長もおり、対面した。現世界の社長はどうか知らないが、エコー世界の社長は現世界を崩壊させエコー世界を残そうと考えているらしい。その考えに賛同できないウィルは、隙を突いて貨物機を墜落させることに成功させる。
墜落の衝撃で意識を失っていたが、外に投げ出されていたところで意識を取り戻す。近くに転がっていた箱を再び手に入れ歩を進めると、マイケルが捕まっているのを発見。物陰に身を隠し彼を助けた。
マイケルと車に乗り込んだウィルは、塔へ向かって突き進む。追手もまたしつこく襲って来る。マイケルが被弾したため、運転を交代したが、ウィルもまた被弾。追いかけて来る車の破壊に成功した後はドローンが襲って来る。それもどうにか撃退し、とうとう塔へと辿り着いた。
だが、中へ入る前にまたもドローンが現れマイケルが命を落としてしまう。光り輝く塔の中へ這う這うの体で入り込んだウィル。最深部へ向かい、箱を設置した。
崩壊まで6分。設置した箱が変形しボタンとなる。ウィルは妹と甥のことを思い出しながら、ボタンを押そうとしたが、背後から銃撃され倒れてしまう。襲って来たのはアビーだった。彼女はエコー世界を崩壊させまいとしていたが、ウィルは隙を突いてボタンを押してしまう。最終プロトコルは無事に起動し、塔とエコー世界の消滅を実行。
ウィルは今わの際で甥からもらった小さな宇宙船を握り締め、崩壊する様を眺めつつ息を引き取るのであった。
映画『リディバイダー』の感想・評価・レビュー
エコー世界での行動全てが主人公の視点で描かれている。まるでゲームをそのまま映画にしたような作品で、意識が途切れると画面も暗転し時間も経過する。回想シーンでは第三者の視点で描かれ、主人公が抱える家庭の事情を描く。
作中では、主人公しかエコー世界と現世界の行き来ができないらしいが、その辺の詳細は描かれず、ひたすら目的を遂行するために奮闘する姿が描かれている。説明はほとんどなく序盤はまったく意味不明の状態だが、ストーリーが進むにつれ実は非常に切迫した状態であることが分かる。ホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を彷彿とさせる作品。(MIHOシネマ編集部)
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