映画『レクイエム・フォー・ドリーム』の概要:テレビ出演のオファーを受けてダイエットピルを使用する女。恋人のために薬物の密売に手を出すその息子。恋人と共に薬物に手を出す女。友人と共に薬物に染まっていく男。薬物中毒に陥った4人の悲劇。
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ダーレン・アロノフスキー
キャスト:エレン・バースティン、ジャレッド・レトー、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンズ etc
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』の登場人物(キャスト)
- サラ・ゴールドフォード(エレン・バースティン)
- テレビを見ることにしか興味のない未亡人。テレビへの出演ファーを受け、ダイエットを決意する。ダイエットピルに頼り、薬物中毒になってしまう。病院に入院し、廃人のようになってしまう。息子を愛する気持ちが強い。
- ハリー・ゴールドフォード(ジャレッド・レト)
- サラの息子。サラの持ち物を売って薬物を買っている。恋人のマリオンのためにお金を稼ぐため、薬物の密売に手を染める。自らも薬物中毒になり、注射の打ちすぎで手が腐ってしまう。本当は母を愛する優しい男。
- マリオン・シルビア(ジェニファー・コネリー)
- ハリーの恋人。デザイナーで、ハリーと一緒に店をオープンさせることを目標にしている。ハリーと共に薬物中毒となり、体を売ってまで薬を手に入れようとする。危険なことが好きなところがある。
- タイロン(マーロン・ウェイアンズ)
- ハリーの友人。ハリーと共に薬物の密売に手を出し、警察に捕まってしまう。牢獄で禁断症状に苦しむ。後先を考えない性格。
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』のあらすじ【起】
ニューヨークのコニーアイランド。未亡人のサラと息子のハリーが口論し、サラは慌てて部屋に逃げ込む。サラを罵りながら、ハリーは自宅にあったテレビを運び出す。サラは、それは泥棒のすることだとハリーに言うが、ハリーはかまわずテレビを持って行ってしまうのだった。
ハリーはテレビを売り、薬物を手に入れていた。ハリーは友人のタイロンと薬物を使ってハイになり楽しむのだった
ハリーがテレビを売った先にサラがやってくる。店員は、あなたのテレビが欲しいのかと尋ねる。サラとハリーは何度も同じことを繰り返しており、サラは店員とも顔見知りになっていたのだ。なぜ警察に訴えないのかと店員はサラに言うが、息子にそんなことはできないとサラは答えるのだった。
サラは毎日同じテレビを観るだけの生活を送っていた。そんなある日、一本の電話がかかってくる。それは、そのテレビ番組の視聴者参加コーナーへの出演オファーを知らせる電話だった。サラは驚くが、後で詳細をメールすると言われ電話を切られてしまうのだった。
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』のあらすじ【承】
出演に戸惑いながらも内心は喜んでいたサラは、タンスの中から真っ赤なドレスを取り出す。それはサラにとっての一張羅だった。試しに着てみるが、背中のチャックが閉まらないのだった。
ハリーには、デザイナーであるマリオンという名前の恋人がいた。ハリーはマリオンに、この街を出ようと言う。どうやってと聞くマリオンに、服屋でも開こうと答えるのだった。
サラは一張羅を着るためにダイエットすることを決意する。髪も染め直し、テレビへの出演に前向きだった。その頃、ハリーはマリオンやタイロンと薬物を楽しいんでいた。さらに、ハリーはマリオンのために洋服店を開くための準備などを着々と進めていたのだった。
サラはまず食生活を見直した。ダイエット番組を見るようにもなった。しかし、食事制限すればするほど食べたくなる。サラは医者に行く決意する。
ハリーはタイロンと共に、薬物の密売に手を染める。ハリーはお店の出店資金を稼ごうと必死になっていたのだ。その頃、サラは医者にダイエットピルを処方してもらっていた。
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』のあらすじ【転】
サラはどんどんと痩せていくがそれでも満足せず、薬の量を増やしていった。その頃、ハリーがサラの家を訪れる。サラは痩せて気分が良く、ハリーの方も出店の準備や密売が上手くいっていて気分が良い。ハリーは過去の過ちをサラに謝罪し、幸せになって欲しいと語る。そんな幸せな時間を過ごす中、ハリーはサラの様子が変だと気づく。ダイエットピルを使用していると言うサラに、危険だとハリーは訴えかける。しかし、サラは大丈夫だと言ってそれを聞かないのだった。
ハリーもマリオンもサラも薬物中毒になってしまう。幻覚を見るようになり、だんだんとおかしくなっていく。
マリオンは薬欲しさに自分の体を売るようになる。ハリーとの関係もだんだんと悪化していく。その頃、ハリーはタイロンから大きな薬物取引の話をされるのだった。
マリオンとハリーが口論を始める。薬を持ってこなかったハリーにマリオンは、薬欲しさのあまり強く責める。ハリーは、ここに連絡して自分で薬を手に入れろと捨て台詞を吐き捨て、電話番号を書いた紙を置いて出て行ってしまうのだった。
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』の結末・ラスト(ネタバレ)
冬になり、サラの幻覚症状が酷くなっていく。それはまるで狂気の世界だった。サラは劇的に痩せ細り、廃人同然だった。その姿のままサラはテレビ局に乗り込む。何故連絡がないのかと受付で騒ぐサラ。そこへ警察がやってきて、サラを連行するのだった。
マリオンはついにハリーの残した電話番号に電話をかける。ハリーは薬物の打ちすぎで手が腐りかけていた。サラは病院に運ばれる。
サラは病院で様々な治療を受けるが効果が無い。そこで医師は電気ショックによる治療を決断する。
マリオンは体を売って薬を手に入れる。後悔しつつも後戻りできないマリオンは、お金を得るために裏組織のストリップ小屋へと向かうのだった。
強制労働所に連れて行かれたハリーとタイロン。タイロンはそこで薬物の禁断症状に苦しむ。ハリーは、腕が使い物にならないと判断され病院へ連れて行かれる。
マリオンの夢を見ていたハリーは病院のベッドの上で目を覚ます。彼の左腕は切断されていた。サラは治療後、廃人のようになってしまうのだった。
映画『レクイエム・フォー・ドリーム』の感想・評価・レビュー
観終わった後、落ち込むこと間違いなしの本作。その覚悟が出来ている方は、ぜひ見てみてください。ドラッグの沼に落ちていく人の描写が凄まじくさながらホラーのようである。そしてどんどんとどん底へ落ちていく人たちを我々は止めることができない。ジェットコースターに乗っているような気分が味わえる作品である。各々俳優陣の演技は素晴らしいが、大女優エレン・バースティンの体当たりな演技がやはり印象に残る。(男性 20代)
薬品に侵されて人生を失う不幸を4つの視点から描いた作品で、そのおぞましさは並みのホラーでは太刀打ちできない。20世紀のアメリカ映画を100本あげるとすれば間違いなく中位にはランクインする作品であり、独創的な映像とカッティング・演出が冴えわたっている。これは単なる化け物に襲われることと違って社会に根付いた危険性を描いたからであり、我々もゴジラに踏み潰されることはなくても、薬に身体を壊されるかもしれないことは否定できないという事が大きい。(男性 30代)
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