映画『リングサイド・ストーリー』の概要:売れない俳優を支え続けるヒロインが、ひょんなきっかけでプロレス事務所へ就職。格闘技の面白さを知って仕事を楽しみ始める。そんな恋人に焦った俳優は、嫉妬と僻み根性から仕事の邪魔をしてしまい、プロのK-1選手と戦うことになる。格闘技への愛を感じる作品。
映画『リングサイド・ストーリー』の作品情報
上映時間:104分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:武正晴
キャスト:佐藤江梨子、瑛太、有薗芳記、田中要次 etc
映画『リングサイド・ストーリー』の登場人物(キャスト)
- 江ノ島カナコ(佐藤江梨子)
- 元劇団員。恋人のヒデオの才能に魅了され、支え続ける。健気で一生懸命な女性。格闘技には全く興味がなかったが、プロレス事務所へ就職し格闘技の面白さを知る。ダメ男のヒデオを見捨てられずにいる。
- 村上ヒデオ(瑛太)
- 35歳の売れない俳優。演技に拘るあまり、仕事もせずカナコの稼ぎでぐうたら生活を送っているダメ男。良い仕事に恵まれず性根を腐らせてしまう。
- カズキ(武尊)
- プロのK-1選手で、密かにカナコへと思いを寄せている。身長は低いものの引き締まった体格をしており、シャープで重いパンチを放つ。礼儀正しくスマート。
- 梅宮健太(黒潮“イケメン”二郎)
- 体格が良く金髪の長髪でいかめしい容貌をしているが、カナコに仕事を教えるなど、性格はいたって温厚で好青年。試合になると豹変する。武藤敬司率いるプロレス団体『WRESTLE-1』所属。
映画『リングサイド・ストーリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『リングサイド・ストーリー』のあらすじ【起】
弁当屋で働いていた江ノ島カナコはある日、社長に呼ばれてクビを言い渡されてしまう。実家が近いのとどこでも生きられそうだというイメージのせいだった。
彼女の母親は地元の商店街で美容院を経営していたが、閉店を間近に控えており頼られても困ると言われている。恋人の村上ヒデオは売れない俳優だったが、過去の栄光に縋り驕った態度で、売れないくせに仕事を選んでばかりで一向に働かない。その上、カナコの稼ぎを食いつぶすヒモと化していた。
そんなある日、ヒデオが勝手に応募を出したせいで、カナコはプロレスの事務所へと就職する羽目に。そこは武藤敬司率いるプロレス団体『WRESTLE-1』。初日から訳も分からず若手プロレスラーたちに囲まれ、裏方として働き始めたカナコ。次の仕事が決まったらすぐに辞めるつもりだった。
そんな時、ヒデオにVシネマの大役の仕事が舞い込んでくる。だが、彼は演技に拘るあまり、その仕事を断ってしまう。
一方、カナコはイベントのチケットを置いてくれる店舗の挨拶回りや、雑誌掲載の記事チェック、対戦相手の事務所との打ち合わせなど、忙しく奔走中。
映画『リングサイド・ストーリー』のあらすじ【承】
自社イベントでは、若手プロレスラーたちがリング設立を行う。準備は着々と進んでいたが、イベント当日になって外国人レスラーが足を怪我したため、試合に出ないと言い出す。そのせいでカナコは先輩レスラーたちにどやされるも、イベントは無事に成功を収めるのだった。
プロレスには全く興味がなかったが、次第にプロレスの面白さを知り仕事を楽しみ始めたカナコ。逆に生き生きとしてきた彼女に対し、見向きもされなくなったヒデオは面白くない。
そんな折、北海道巡業から帰宅したカナコが土産にカニを持ち帰った。プロレスラーの梅宮健太の実家が北海道で水産業を営んでおり、今回の巡業に出資してくれた上に土産としてカニを配ったからだ。
だが、そのせいでヒデオが嫉妬してしまい挙句、カナコに仕事を辞めろとまで言い始める。うだつが上がらない上に勝手なことを言い出すヒデオ。そんな男にいい加減、頭にきたカナコは喧嘩の末に家を出て行ってしまうのであった。
腹の虫が治まらないヒデオは偽のパスにて会場へ入り込み、喧嘩の原因となった梅宮健太の試合で彼の実家のカニが腐っていると弾幕を張った。そのせいで、健太はショックを受けて試合放棄してしまいイベントは失敗。ヒデオは関係者に拘束され、早々にカナコが呼び出された。彼女はヒデオが行った行動で与えた損害の責任を取って、辞職することにした。
映画『リングサイド・ストーリー』のあらすじ【転】
事務員や若手レスラーたちから惜しまれつつ、事務所を去ることになったカナコだったが、若手レスラーの1人からK-1事務所への就職口を紹介される。彼女は新たにK-1事務所へと就職し広報を担当することになった。
一方、ヒデオは長年、自分の面倒をみてくれるマネージャーが仕事を辞めることになり、これまでの自分の姿勢や方向性を考えさせられる。自分も潮時なのかもしれないと思っていた矢先、カナコから武藤ベアの着ぐるみを着てイベントに出てくれないかと打診され、素直に応じることにした。
そうして、イベント当日。武藤ベアの着ぐるみを着ることになったヒデオは、空いているトレーニングルームで一服。そこへ人気K-1選手のカズキがやって来たため、咄嗟に奥へと隠れた。カズキはどうやら試合を前にして怖気づいている様子。更にそこへ、カズキを探してカナコが現れる。選手を励ますのも彼女の仕事の内である。
カズキは試合への覚悟を決めるため、カナコに拳のバンテージを巻いて欲しいと頼みその後、彼女を抱擁。
そんな場面を目撃してしまったヒデオ。カズキの登場時、彼へと危害を加えてしまい、またも問題を起こしてしまう。カナコは責任を取って辞職すると言い出すも、事務所の社長はそれを許さず。ヒデオの性根を叩き直すため、カズキと本気の勝負をしろと言うのであった。
売られた喧嘩は買ってやる。ヒデオは意気込んで練習に励むも、張り切っていたのは最初だけ。情けない男である。
それでもWRESTLE-1のレスラーたちの協力を経て、吐きながらでも諦めず練習に励むヒデオ。しかし、彼は試合を目前にして、自分には無理だと練習から逃げ出してしまう。
頑張っているヒデオを見直していたカナコだったが、逃げ出した彼を目にして落胆。とうとう別れを切り出すのであった。
映画『リングサイド・ストーリー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヒデオは確かに、俳優としての才能を持っていた。そんな彼の才能に魅入られ、今までヒデオを支えてきたカナコだったが、仕事に恵まれず腐りきってしまった彼を最早、救うことはできない。
カナコはK-1事務所の社長に頭を下げ、ヒデオが試合放棄する旨を告げた。
エキシビジョンマッチ試合当日、予定ではカズキの不戦勝となるはずだったが、ヒデオはタイガーマスクを被って派手に登場。歴代プロレスラーの決めポーズを演じ、会場を大いに沸かせた。
そして、いざ試合開始。当然、プロのカズキに俄か仕込みのヒデオが勝てるはずもなく。早々にワンパンチでダウン。だが、その代りに彼はカナコの心を取り戻すことに成功するのである。
強敵へと諦めずに挑んだヒデオは生まれ変わり、俳優として新たに再出発。オーディションを受けまくる日々を送り、カナコは以降もK-1事務所にて広報として仕事を続ける。2人の絆は更に強まり、支え合ってそれぞれに日々を送るのであった。
映画『リングサイド・ストーリー』の感想・評価・レビュー
格闘技に出会ったことで己の性根を叩き直し、夢に向かって再び進み始めるカップルの話。
とにかく、ヒロインの恋人である俳優がもうダメダメで、なぜヒロインが彼と別れないのかと思ってしまう。対してヒロインは頑張り屋さんでとっても健気。一生懸命に仕事をするので事務所でも可愛がられるのも頷ける。中盤までダメ男の様子を見せられるので辟易とするが、中盤以降は徐々に頑張り始めるので見直すポイントとなる。俄仕込みで負けると分かっていても、挑む姿勢を持つことは大事だと思うので、ヒロインの恋人には今後も頑張り続けて欲しいと思った。(女性 40代)
みんなの感想・レビュー