この記事では、映画『リピーテッド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『リピーテッド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『リピーテッド』の作品情報

上映時間:92分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:ローワン・ジョフィ
キャスト:ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、アンヌ=マリー・ダフ etc
映画『リピーテッド』の登場人物(キャスト)
- クリスティーン(ニコール・キッドマン)
- 脳の損傷により、1日分の記憶しか保てなくなった40代女性。夜眠ると記憶がリセットされ、翌朝には20代前半までの記憶しか残っていない。夫に内緒で、治療セラピーとして動画で日記を撮り始める。
- ベン(コリン・ファース)
- クリスティーンの夫。記憶障害になった彼女と一度離婚したが、今は戻ってきて献身的に支えている。クリスティーンはベンの事に関する記憶も失くしている。クリスティーンが治療を受けることを嫌がっているがその真意は……。
- ナッシュ医師(マーク・ストロング)
- クリスティーンが夫に内緒で治療セラピーを受けている医師。彼女に動画で日記を撮ることを勧める。クリスティーンと不倫関係に陥りかけている。
- クレア(アンヌ=マリー・ダフ)
- クリスティーンの大学時代からの親友。ベンによると、記憶障害になったクリスティーンに耐えられず音信不通になったと言う話だったが、実はずっと連絡を取ろうと彼女のゆくえを探していた。ベンと一度だけ肉体関係をもっている。
- アダム(ディーン=チャールズ・チャップマン)
- クリスティーンの息子。クリスティーンは治療セラピーを受けるまで、彼が生まれたことすら覚えていなかった。ベンによるとアダムはすでに病死しているらしい。
映画『リピーテッド』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『リピーテッド』のあらすじ【起】
クリスティーンはある朝目覚めて、自分の顔にショックを受ける。彼女には脳の損傷により記憶障害があり、20代前半までの記憶しか残っておらず、それ以降の記憶は1日しかもたなくなっていたのだ。夫だと名乗るベンは、彼女の記憶障害は事故が原因だと説明し、結婚式などの写真をクリスティーンに見せる。ベンは「今夜サプライズである場所に出かけよう」と言って、仕事に出た。ベンの出社後家に電話がかかってきた。相手はクリスティーンの医師だと名乗り、引き出しからカメラを取り出させる。そこにはクリスティーンの自撮り動画が残されていた……。
時間はその2週間前にさかのぼる。クリスティーンはベンに内緒で治療セラピーを始めていた。担当のナッシュ医師は、カメラの動画で日記をつけるよう指示する。そうすれば前の日に起こったことがわかるからだ。
次の日。クリスティーンは記憶障害の原因が事故ではなく傷害事件だったことを知る。彼女は半殺しの状態で、裸で放置されていたのだ。性交の跡もあったという。ナッシュ医師はクリスティーンを発見現場に連れていく。少しずつクリスティーンの脳裏には過去の断片的なイメージが浮かび上がるようになっていた。

映画『リピーテッド』のあらすじ【承】
次の日。ナッシュ医師のセラピーで、クリスティーンは1人の女性を思い出しかける。彼女は大学からの親友、クレアだった。クリスティーンはベンにクレアについて聞いてみるが、ベンは話したがらない。クレアはクリスティーンの記憶障害に耐えられず、関係を断ち音信不通になったのだという。ベンはクリスティーンを気遣いながらもいらだちを見せる。クリスティーンはカメラに「ベンはクレアを遠ざけようとしている、ベンを信じるな」と記録する。
次の日。前日の動画を見たクリスティーンは、ベンがクレアの写真をまた隠したことに気づく。写真を探すうち、自分が妊娠していた記憶がフラッシュバックする。クレアの頭に息子とのお決まりの会話が浮かび、自分に息子のアダムがいたことを思い出した。ベンを問い詰めると、アダムは8歳の時に病死したのだという答えが返ってきた。ベンは彼女がショックを受けないように写真を隠していたのだ。クリスティーンは息子の死を知った悲しみをカメラに記録する。
次の日。クリスティーンは夢で「マイク」という名前、襲われた時の記憶、そして顔に傷のある男など、断片的な映像を見る。クリスティーンは犯人の名が「マイク」なのではとナッシュ医師に相談する。2人は抱き合うが、名札からナッシュ医師の名前がマイクだと気付く。クリスティーンは怯えて逃げ出したが、ナッシュ医師に追いつかれてしまった。
映画『リピーテッド』のあらすじ【転】
数時間後。クリスティーンは家のソファで目が覚める。ナッシュ医師は犯人とは無関係だった。ナッシュ医師はベンに関する重要な事実を伝えるため、クリスティーンを呼び出す。数年前、ベンはクリスティーンを病院からケアセンターに転院させていた。ナッシュ医師がそのセンターに連絡すると、2つのことが分かった。1つはクレアからセンターに連絡があったこと、もう1つはベンとクリスティーンは数年前に離婚していることだった。
クリスティーンはベンを問いただすが、もう二度とはなれないと誓うベンを見て、2人は抱き合った。
連絡を受けたクレアから、クリスティーンに電話がきた。クレアはベンの話とは違い、ずっとクリスティーンのゆくえを探していたのだ。クリスティーンはクレアと再会し、彼女の事を思い出した。クレアは事件当時、クリスティーンが不倫していたことを語る。事件後、ベンもクリスティーンの愛人の存在を知らされたのだと言う。ベンとその時肉体関係を持ってしまったクレアは、クリスティーンのもとを去ったのだ。離婚当時のベンからの自分宛の手紙を読んだクリスティーンは、離婚の理由が母親に覚えてもらえないアダムの気持ちを思っての事だったと知る。クリスティーンはカメラにベンへの愛情を記録し、医師にかかっていたことをベンに告白した。しかしベンは浮気を疑って、クリスティーンを殴り出て行ってしまう。
クレアから電話がかかってきた。クレアはベンに連絡をとったが、ベンは「クリスティーンとは4年会っていない」と言っていたというのだ。本物のベンには顔に傷があるはずだった。しかし今クリスティーンと暮らしているベンには傷がない。彼はベンの偽物だったのだ。
映画『リピーテッド』の結末・ラスト(ネタバレ)
誰かが階段を上がる音がする。クリスティーンの脳裏に「偽ベン」に襲われた記憶がフラッシュバックする。クレアはそっちに向かうから、住所がわかるものを探すように言い、電話を切る。クリスティーンは暗い家内で武器を探すが、そこで記憶が途切れてしまう。
次の日の朝。これが冒頭のシーンの日だった。昨日の記憶がないクリスティーンは、夫(偽ベン)を送り出し、ナッシュ医師から電話を受ける。カメラには前々日のベンへの愛情が記録されているのに、なぜ顔に殴られた跡があるのかわからない。クレアから電話がかかってきたが、偽ベンとの電話中で出られなかった。
ナッシュ医師を脅した偽ベンは、クリスティーンをホテルに連れていく。そこはクリスティーンが半殺しにされたホテルだった。偽ベンの正体は、クリスティーンの不倫相手だったマイクだったのだ。マイクは不倫を夫に話せないというクリスティーンを殺そうとしたのだった。そして今、彼はもう一度クリスティーンを殺そうとしていた。マイクの言葉でクリスティーンは息子のアダムがまだ生きていることを知る。クリスティーンは反撃し、非常ベルを押して逃げ出した。
助けられ救急車に乗ったクリスティーンは、「もう息子が死んでいるなんて話を信じたりしない」と記録する。マイクは逮捕された。入院したクリスティーンを、ナッシュ、そして本物のベンが見舞いに来ていた。しかしクリスティーンは昨夜の事件を覚えていない。ベンはアダムを連れてきていた。クリスティーンは、彼とのお決まりだった言葉をかける。彼女はアダムの事を思い出し、愛する息子をきつく抱きしめるのだった。
映画『リピーテッド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
本作は、事故の後遺症による記憶障害によって、毎朝目覚める度に万次爪出に記憶を喪失してしまう主人公を描いたサスペンス作品。
毎晩ビデオメッセージに記録を撮って、徐々に過去の記憶を思い出せるようになるも、明らかになった真実に驚愕した。
92分という短さの中で起承転結がコンパクトにまとめられていて面白かったけど、予測範囲内の展開ばかりだった気がする。
しかし、ラストのアダムと主人公のハッピーエンドな再会シーンは感動した。(女性 20代)
事件の後遺症で翌日には記憶を失ってしまう女性の役をニコール・キッドマン、その夫として生活を共にしている男性をコリン・ファースが演じています。記憶を呼び覚ますために、医師の手を借りて毎日の記録を残し、少しずつ状況がわかっていくのですが…。
コリン・ファースはどちらかというと優しい男性役の作品を多く観ていたるので、ちょっと印象が違いました。幅の広い役者さんだなと改めて感じました。最後は予想外の展開になり、恐怖を感じるシーンもあるのですが、前半部分の展開とスピード感に比べて少しだけ物足りない感じで終わったのが残念でした。(女性 40代)
目覚めるたびに記憶を失う主人公という設定だけでも十分に惹かれるが、物語が進むにつれて“夫”の存在が怪しくなっていく展開に引き込まれた。ニコール・キッドマンの繊細な演技が光り、彼女の不安と恐怖がリアルに伝わる。真実が明かされる瞬間、すべての伏線が繋がる快感がある。静かなサスペンスでありながら、心理的スリルが際立つ一本。(30代 男性)
毎朝記憶を失う女性が、少しずつ自分の過去を取り戻していくという構成が秀逸。最初は夫の支えに感動していたのに、真実が見えてくると一気に恐怖へ変わる。コリン・ファースが演じる“夫”の二面性が見事で、終盤の暴露シーンには鳥肌が立った。夫婦という最も近い関係が最も危険な存在になるという皮肉が印象的だった。(40代 女性)
この映画は単なるミステリーではなく、記憶とアイデンティティの物語。主人公が「真実を知ること」より「自分を取り戻すこと」に向かう流れが美しい。毎日リセットされる人生の中で、自分を信じられない恐怖が見事に描かれている。映像のトーンも冷たく、夢と現実の境界が曖昧になる感覚が怖くも心地よかった。(20代 女性)
記憶喪失という古典的な題材をここまで緻密に組み立てたのは見事。映像日記を使って真実に近づいていく構成がスリリングで、観客も一緒に謎を解く感覚を味わえる。特に「彼が本当に夫なのか?」と気づくあたりから一気に緊張感が高まる。終盤の真実は予想外だが納得感があり、最後の涙がすべてを浄化してくれた。(50代 男性)
ニコール・キッドマンの演技力がこの映画の全てを支えている。恐怖と混乱、そして少しずつ戻る希望を繊細に表現していて、彼女の表情ひとつひとつに引き込まれた。終盤の対決シーンでは「記憶を取り戻すこと=自分を取り戻すこと」というテーマが強く響く。静かな緊張感がずっと続く上質な心理サスペンスだった。(30代 女性)
観る側も記憶喪失に陥ったような感覚になる映画。主人公と同じように何が本当か分からず、常に疑いながら進む。ラストの真相は衝撃的だが、同時に納得できる人間ドラマになっている。信頼していた相手が一番の敵だったという構図が怖すぎる。まるで『メメント』の逆バージョンのような秀作。(20代 男性)
序盤は淡々としているが、情報が少しずつ重なっていくにつれ、恐怖が増していく演出が素晴らしい。夫の優しさが違和感へと変わり、そこからの崩壊はまさに地獄。心理スリラーとしての完成度が高く、映像の冷たさが作品全体のトーンを引き締めている。観終わった後、もう一度最初から観返したくなる映画。(40代 女性)
終盤の展開は衝撃的で、思わず息を呑んだ。まさか“夫”がそこまで恐ろしい人物だったとは。記憶を失うたびに同じ悪夢を繰り返すという構造が、まるで永遠に続く罰のよう。サスペンスでありながら、どこか悲しみを帯びた物語だった。最後に彼女が涙ながらに自分を思い出すシーンは感動的。(50代 女性)
映画『リピーテッド』を見た人におすすめの映画5選
メメント(Memento)
この映画を一言で表すと?
記憶を失った男が復讐のために真実を追う、衝撃のノンリニア・サスペンス。
どんな話?
主人公レナードは、妻を殺されたショックで新しい記憶を作れなくなった男。彼はポラロイド写真やメモ、タトゥーに頼りながら、妻の死の真相と犯人を追う。時間軸が逆行と順行で交錯する構成により、観客も混乱と真実の狭間に引き込まれていく。
ここがおすすめ!
『リピーテッド』と同様に「記憶」を軸にした心理スリラー。時間構成のトリックと、主人公の不安定な精神状態が観る者を翻弄する。観るたびに新しい意味が見える構成美は、映画史に残る傑作といえる。
ゴーン・ガール(Gone Girl)
この映画を一言で表すと?
愛と狂気が紙一重――結婚の裏に潜む恐怖の真実。
どんな話?
結婚5周年の朝、妻エイミーが失踪。世間の注目が集まる中、夫ニックは次第に妻殺害の容疑者として追い詰められる。しかし、真実は想像を超える方向へと進んでいく。
ここがおすすめ!
「信頼していた相手が恐ろしい秘密を持っている」という点で『リピーテッド』と通じる。デヴィッド・フィンチャー監督ならではの冷徹な映像美と、ロザムンド・パイクの狂気的な演技が圧巻。愛と嘘のサスペンスとして最高峰。
シャッター アイランド(Shutter Island)
この映画を一言で表すと?
真実を知る覚悟はあるか――記憶と狂気の果てにある衝撃の結末。
どんな話?
連邦保安官テディが、孤島の精神病院で患者失踪事件を捜査する。しかし、調べを進めるうちに、彼自身の記憶と現実の境界が崩れていく。すべての謎が明らかになるラストには息を呑む。
ここがおすすめ!
『リピーテッド』のように、観る者の“認識”を揺さぶる心理サスペンス。レオナルド・ディカプリオの演技が圧巻で、ラストの真実を知った瞬間、世界が一変する。記憶と罪をめぐる傑作スリラー。
ブラック・スワン(Black Swan)
この映画を一言で表すと?
完璧を求めたバレリーナの心が崩壊していく、美しくも狂気の物語。
どんな話?
プリマを目指すニナは、バレエ『白鳥の湖』の主役に抜擢される。しかし、完璧を求めるあまり、次第に精神が壊れていく。現実と幻想の区別がつかなくなる中、彼女は究極の舞台へと挑む。
ここがおすすめ!
『リピーテッド』と同じく、精神的崩壊と現実の曖昧さを描いた心理スリラー。ナタリー・ポートマンの鬼気迫る演技が圧倒的で、心の闇と芸術の境界を描く映像表現が美しい。
インセプション(Inception)
この映画を一言で表すと?
夢の中の夢で真実を追う、究極の記憶と意識の迷宮。
どんな話?
人の夢に潜り込み、潜在意識にアイデアを植え付ける特殊な仕事をするコブ。彼は失った家族を取り戻すため、最後の任務に挑む。しかし、夢と現実が交錯する中で、彼自身の記憶に隠された秘密が明らかになっていく。
ここがおすすめ!
『リピーテッド』のように“記憶と現実の曖昧さ”をテーマにしたSFスリラー。映像美、哲学的テーマ、そして緻密な構成が見事。観るたびに違う解釈が生まれる“思考型エンタメ”として必見。






みんなの感想・レビュー
ただ事件の犯人を探っていくのではなく、主人公の記憶が1日しか持たない、自分の顔にすら違和感を持つ(40歳という記憶すらない)という設定をうまく利用したミステリーサスペンス映画。
事件を事故と偽ったり、子供や友人の事に関して嘘をつく夫のベンが怪しく思えるが、名前がマイクだと判明して、注射器を持って追いかけてきたり記憶違いを指摘すりナッシュが怪しく見えたり。
名前は隠せても頬の傷跡は隠せないと思って画面をよく見るが、そんな人物は出てこないので、見ている側も犯人探しに躍起になってしまう。
夫と思っていたのは不倫相手だったという大どんでん返しは驚きだが、そこからまた日付が変わって、記憶が最初からになるのはガッカリさせられる。
その日の朝が映画本編のスタート部分につながっているのは面白いが、そこからストーリーがダレてしまい、犯人のマイクがクリス殺害に行き着くという当たり前の展開に。
しかもマイクが最初にクリスを殺害しようとした動機も、2回目の動機も意味がわかりにくい。
息子と再会できて記憶も戻ってハッピーエンドなのは良いが、すべてはクリスの不倫が原因なので、共感は全くできない。
有名なハリウッド女優ニコール・キッドマンが主演、「英国王のスピーチ」のヒットも記憶に新しいコリン・ファース。
悪役が多いが「記憶探偵と鍵のかかった少女」で主演を演じたばかりのマーク・ストロングといった有名俳優がキャスティングされた、豪華な作品。
コリン・ファースとマーク・ストロングは、怪しいけれど犯人という確証もないベン(マイク)、ドクターナッシュをそれぞれ演じた。
ニコール・キッドマンの、記憶が1日しか持たない主人公の演技も、引き込まれるものがあり、さすがは大物女優といったところ。
中盤までは、クリスティーンを襲った犯人は誰なのかが気になり、夫ベンも怪しいが主治医ナッシュも怪しくハラハラドキドキの展開。
明日になれば全て忘れるクリスティーンという設定だからこそできるミスリードもあり、誰もかれもが怪しく見えてくる。
しかし不倫が明らかになると、クリスティーンの愛の告白もどこか白けて見えてくるから不思議。
大どんでん返しがあまりにも早い段階で繰り広げられるのがもったいない作品で、もう少し記憶に翻弄されるクリスティーンを見たかった作品でもある。