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映画『ルーム』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ルーム』の概要:7年間監禁された女性とその息子が、外界へ脱出した後の成長と葛藤を描いた人間ドラマ。主演はブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ。アカデミー主演女優賞受賞作。レニー・アブラハムソン監督の2015年製作映画。

映画『ルーム』 作品情報

ルーム

  • 製作年:2015年
  • 上映時間:118分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:レニー・アブラハムソン
  • キャスト:ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョーン・アレン、ショーン・ブリジャース etc

映画『ルーム』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『ルーム』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ルーム』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ルーム』 あらすじ【起・承】

ママことジョイ・ニューサム(ブリー・ラーソン)は、5才になる息子ジャック(ジェイコム・トレンブレイ)と6畳1間の納屋に監禁されていた。

彼女が17才の時、誘拐されてから7年。天窓からしか外の様子を伺い知ることはできない。また暗証番号でロックされた扉から逃げることもできないのだ。

オールド・ニック(ショーン・ブリジャース)と呼ばれる犯人の男が毎週日曜日にやってきて、生活に必要な物を置いていく。そして、彼女への性的虐待も続いていた。

息子ジャックの5才の誕生日。ジャックは、ママとケーキを作るが、ケーキに飾るロウソクが欲しくてわがままを言ってしまう。

ママは、外の世界を知らず、テレビに映る世界が”宇宙”だと考える息子ジャックにいつか本物の世界を見せてやりたいと思う。これまでに何度も脱出を試みたが、全て失敗していた。

ある日、ジャックは、ママからこれまで話していたことは嘘で、この”部屋”を出たら、広い世界があるのだと聞く。しかし、信じることができない。

ジャックにとって、ママと一緒に過ごす、この”部屋”が世界の全てだったから。ママは、脱出するために息子ジャックを病気だと偽り、病院に駆け込むことを思いつく。

しかし、用心深いオールド・ニックは熱さましを持ってきてやるといって相手にしない。そこで、ジャックに死んだ振りをさせて外の世界へ連れ出してもらうことにした。

”不思議の国のアリスは、はじめから不思議の国にいた?””ううん、穴に落ちたんだよ。”

ジャックにとって、カーペットの中で死んだ振りをして巻かれるのは大変だったが、2人が助かるにはもうこの方法しかなかった。

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映画『ルーム』 結末・ラスト(ネタバレ)

日曜日。いつものようにオールド・ニックが”部屋”にやってきた。ジャックが死んだと泣き叫ぶママ。カーペットに包んだジャックを担ぎ、オールド・ニックは外に出た。

ママの奥歯をお守りにして、ジャックはママに言われた通り、逃げ出すチャンスを伺った。そして、初めて青空をトラックの上で体験した。

3つ目の交差点にトラックが入って一時停止した時、ジャックは勢いよくトラックを飛び出して(実際には落下して)、犬を散歩中の男性に助けを求めた。

しかし、オールド・ニックに見つかってまた”部屋”に引き戻されてしまいそうになった。オールド・ニックは殴った後、ジャックを置き去りにした。

犬を散歩中の男性が警察に通報し、ジャックは無事保護された。自分の名前は言えるが、ママの名前が分からない。優秀な婦人警官は、ジャックとの会話をヒントに監禁されていた場所を特定した。

こうして、監禁男は逮捕され、ジャックはママと再会した。検査のため、病院に入院するが、ママことジョイの両親がすぐに駆けつけてくれた。

退院後は、ばぁばことナンシー・ニューサム(ジョアン・アレン)と再婚した夫レオ(トム・マッカス)と同居することに。しかし、ママの時間は、まだ17才の高校生のまま止まってしまっていた。

ジャックは、だんだんと”世界”に適応してゆく。しかし、7年もの闇を家族で埋めるのは、容易なことではなかった。ジョイが誘拐された後、実母ナンシーと実父ロバートは離婚していた。

じぃじである、ロバート(ウィリアム・H・メイシー)は、孫のジャックをどうしても受け入れることができなかった。そんな家族の温度差やマスコミの心ない質問に傷つくジョイ。

そして、服毒自殺を図ってしまう。ジャックが発見したおかげで、助かったものの、心の傷は容易には治らなかった。そんなママに、ジャックは自分の髪を切って贈った。

ジャックの髪を受け取り、元気を取り戻してゆくジョイ。ジャックは、レオの犬とも仲良くなり、成長していった。

ある日、ママと共に”部屋”を見に行く。ジャックにとって、広い世界だと思っていた場所は、陰惨で狭い部屋だった。

ベッドや冷蔵庫など生活用品は全て、警察に押収されていた。もう、この”部屋”には2度と戻らない。

映画『ルーム』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ルーム』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

息子によって救われた親子の愛

この映画のような誘拐・監禁事件が2度と起きて欲しくないと思う。とても辛い気持ちで鑑賞したが、前半部分の”部屋”のシーンからその監禁生活のリアルさに驚いた。

朝起きると、息子ジャックは部屋にある電化製品などに挨拶して回るのだ。子供らしく無邪気な行動だが、同時に胸が痛む。またジャックは想像上の友だちやネズミとも仲がいい。

閉ざされた日々を母親は、息子ジャックの存在を支えに生きてきた。何度も脱出を試みるも、失敗していた母親は彼が5才を迎えた日、決意するのだ。

もし、この5才という時期に決断しなければ、一生出られなかったかもしれない。閉所恐怖症の人でなくても、”出して!”と叫びたくなるだろう。

怖さで息が詰まりそうな緊迫感。しかし、誘拐・監禁された過去は一切、説明されない。オールド・ニックと呼ばれた犯人の男も、本名やどんな性格の奴かも分からない。

脚本を書いたのは、原作者でもあるエマ・ドヒュナー。脚本の構成力が素晴らしい。後半では、”世界”に触れた息子ジャックの成長と母親の葛藤が描かれています。

”部屋”を出ても、失われた時間を、家族を取り戻すのは難しい。息子ジャックの成長には目を見張るが、17才から時間が止まっている母親の社会復帰がどうなるか気にかかります。

ジャックの視点、そして、決してハッピーエンドに持ってゆかない展開がいい。ただ、誘拐・監禁事件の全容が語られないことに少し不満が残っています。

ブリー・ラーソンの魅力

本作「ルーム」で、アカデミー主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンは26歳。一躍有名になったように見えますが、実は子役から活躍し、芸歴は20年にもなるそうです!

彼女の魅力に迫ってみましょう。今回、1番難しかったのは母親を演じることでした。撮影前の8ヶ月を通じて、徐々に母親としての気持ちや行動を掴んでいったようです。

特に彼女は、母親として息子を叱るシーンや薬を飲んでおかしくなるシーンが実に上手い。息子ジャックを演じる、ジェイコブ君との相性もばっちりです。

きっと子役として活動してきた経験が、ジェイコブ君との演技で生かされたのだと思います。

「ルーム」でファンになり、他の作品を観てみたいという方には、前作の「ショート・ターム」(13)がおすすめ。心に傷を抱えて生きる女性を繊細に演じ、悩める10代の少年少女と共に希望の種をまく物語です!


逆境を乗り越え生きることの素晴らしさを感じることができました。とにかく息子ジャック役のジェイコブ・トレンブレイくんの演技が素晴らしく、最高に可愛らしい。閉塞感を感じる前半と開放感のある後半は色彩やカメラワークからも違いを感じることができます。最後に、逃げ出した場所『ルーム』に二人は戻ります。過去にお別れするために、そして前へ歩き出すために。

広い世界でも大切な人がいれば大丈夫と背中を押してもらえるような作品です。何気ない日常に対して感謝の気持ちが沸き上がり、今いる自分の場所から少し勇気を出して広い世界を見てみようと思える作品でした。(女性 40代)

映画『ルーム』 まとめ

主演のブリー・ラーソンも魅力的だけど、息子ジャックを演じたジェイコブ君のかわいさにもう、メロメロです!

彼は8歳なんだけど、監禁された5歳の少年を演じるのは大変だったらしい。これからどんな俳優に成長するのか、とても楽しみです。

彼が、外の世界で”青空”を見るシーンに涙が溢れたけれど、後半でレオの犬に触れるシーンも心に残ります。

”子役は大成しない。”なんて言葉は過去のもの。ブリー・ラーソンでさえ、これまで知られていなかっただけで素晴らしい俳優です。

本作は、脚本の出来の良さだけでなく、子役出身者の繊細な演技に助けられました。
今、1番観るべき映画です!

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