映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』の概要:緋村剣心は友人達と横浜に旅行に出かけた。そこで、女性を守るために外国の水兵と戦う、時雨滝魅と出会う。剣心と時雨はお互い剣客として友愛の感情を抱くが、時雨は裏で明治政府を討とうと暗躍していた。
映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:アクション、時代劇、アニメ
監督:辻初樹
キャスト:涼風真世、藤谷美紀、宮村優子、井上和彦 etc
映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』の登場人物(キャスト)
- 緋村剣心(涼風真世)
- 幕末の頃、“人斬り抜刀斎”と呼ばれ人々から恐れられていた。現在は「二度と人を斬らない」誓いを立てており、人を殺さないよう、刃が峰側に付いている逆刃刀を帯刀している。剣道場を開いている、神谷薫の家に居候している。
- 高槻朱鷺(宮村優子)
- 元会津藩主の娘。4歳の頃に兄の厳達を亡くしてから、時雨滝魅の家に居候している。時雨に思いを寄せている。
- 時雨滝魅(井上和彦)
- 元会津藩藩士。厳達が亡くなったのは自分のせいだと、己を責め続けている。腐敗しきった現在の明治政府を憂いており、反乱軍を率いて新たな維新を起こそうと目論む。
- 明神弥彦(冨永みーな)
- 神谷薫の家に居候しながら、剣術の指導を受けている。父は彰義隊の一員として戦い、亡くなっている。
- 相楽佐之助(上田祐司)
- 緋村剣心の友人。常に金欠で、ツケでご飯を食べている。喧嘩が強く、いつも拳1つで戦っている。熱血漢。
- 斎藤一(鈴置洋孝)
- 元新撰組の隊長。緋村剣心とは旧知の間柄。「悪・即・斬」を唯一の正義と掲げている。現在は警官として働いている。
- 田母野鋭敏(小杉十郎太)
- 男爵。陸軍隊長。陸軍卿の山県の失脚を狙っており、暗躍する。
- 加治木貞史郎(子安武人)
- 元会津藩士。時雨の旧友。時雨を裏切り、裏で田母野と繋がっている。
映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』のあらすじ【起】
明治十一年・横浜。緋村剣心は知り合いの神谷薫・明神弥彦・相楽佐之助と、陸蒸気(列車)に乗って旅行に出かけた。横浜では洋館が建っていたり西洋風の洋服を着た人がいるなど、日本が幕末から明治にかけて、大きく移り変わろうとしていることが顕著に表れていた。
剣心達は1人の剣客(時雨滝魅)が、女性(高槻朱鷺)を守るために他国の水兵達と戦っている場面に遭遇する。時雨は素早い動きで相手を翻弄しており、助太刀の必要はなかった。だが、剣心は兵達の仲間が鉄砲を持ち出そうとしているのに気づき、密かに止めに入った。剣心の持っている刀は逆刃刀と言い、刃が峰側に付いているため、人を気絶させることはできても殺すことはできないようになっていた。その後、警官が現れたため、剣心達は散り散りになって逃げることにした。
剣心は時雨と共に逃げていた。時雨は幕末の頃を生きた剣士で、現在の腐敗した明治政府を憂いていた。しばらく2人で話した後、時雨は朱鷺を迎えに行くために去って行った。剣心が1人で歩いていると、知り合いの斉藤一が現れる。斉藤は時雨が危険な男のため、近づかないよう剣心に忠告した。
剣心達が合流した後歩いていると、建物が襲撃されている現場に遭遇する。爆弾を使って建物は壊されていたが、中にいた人達は峰打ちだったため、気絶しているだけだった。すぐに、陸軍隊長の田母野が現れ、警備や犯人の追跡など、部下に指示を出した。弥彦は田母野に憧れを抱く。
映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』のあらすじ【承】
東京。朱鷺は4歳の頃に兄の厳達が亡くなってから、時雨の家の世話になっていた。時雨は縁側に座り、牡丹の花が落ちたのを見て、怖い顔で何かを考え込んでいた。それに気づいた朱鷺は何を考えているのか問い掛けるが、時雨は何も話そうとはしなかった。
加治木貞史郎と時雨は、イギリスからの国賓の襲撃の計画を立てていた。それは、亡くなった厳達のためでもあった。会津藩の武士である時雨、厳達、加治木は仲間と共に、薩摩と長州の極秘会談を阻止しようとしていた。薩摩と長州は倒幕のために、手を結ぼうとしていたのだ。極秘会談場所の候補は鈴屋と箕田の2つあり、どちらを襲撃するか皆で話し合った。厳達は鈴屋を押したが、奥まっていて逃げ場がないため、時雨はそんな場所で会談が行われているわけがないと箕田を押した。時雨達は箕田に行くことにしたが、厳達は鈴屋の案を捨てきれず、数人の仲間と共に鈴屋に向かうことにした。結局、箕田は会談場所ではなかった。時雨は急いで戻るが、目の前で厳達は剣客に殺されてしまう。時雨達は厳達を死なせたことと、薩長同盟を阻止できなかったことを悔やんでいた。
剣心が買い物から帰ると、朱鷺が待っていた。朱鷺は物思いに耽ることが多くなった時雨のことを心配しており、剣心に時雨が何を考えているのか、聞き出して欲しいと頼んだ。時雨は横浜で出会ってから剣心のことを褒めていたため、自分に話さなくても剣心になら何か話すのではないかと思ったのだ。剣心は朱鷺が厳達の妹であると知り、過去に思いを馳せた。薩長と長州の会談場所に、剣心も護衛として傍にいた。厳達を切り殺したのは、剣心だったのだ。
弥彦は朱鷺を自宅まで送って行った。そこで、自分と同じように、父が彰義隊に参加して亡くなった、武蔵野泰春に出会う。それから、弥彦は時雨の元を通い、武蔵野に剣の稽古をつけてもらうようなった。
映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』のあらすじ【転】
時雨、加治木、武蔵野は仲間と共に武器を集め、襲撃の準備を備えた。時雨は自宅に帰り、最後の晩餐として朱鷺の手料理を美味しそうに食べた。その姿を見て、朱鷺は一層不安を抱く。その後、剣心は時雨と会い何を考えているのか聞き出そうとするが、時雨は朱鷺のことを頼み、いつの間にか姿を消してしまう。一方、左之助は友人に頼み、時雨のことを探っていた。それにより、時雨の周りに危険な連中が集まっていることが分かる。その連中とは、彰義隊の関係者や会津戦争・函館戦争の生き残り、今の政府に不満を持つ輩達ばかりだった。
弥彦は厳しい顔をして歩いている武蔵野のことが気になり、後をつけた。そして、時雨達のアジトを発見してしまう。時雨は仲間達に、現在の腐敗しきった政府の現状を嘆き、維新のやり直しを呼びかけていた。弥彦は見つかってしまい殺されそうになるが、彰義隊として散った父のためにも、仲間に入れてくれと頼んだ。
剣心達は弥彦と時雨がいなくなったことを知り、探すことにした。時雨達は武器を運び、既に行動を起こしていた。だが、時雨は子供である弥彦を巻き沿いにしたくなかったため、気絶させて小屋に眠らせた。一方、加治木は田母野と会っていた。田母野は時雨の襲撃に陸軍の武器を使わせ、陸軍卿の山県を失脚させようとしていた。それに手を貸した加治木は、政府の高官の一員になることを約束されていた。加治木は自分が良い思いをするために、かつての仲間である時雨を利用しているのだ。
映画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』の結末・ラスト(ネタバレ)
剣心達は戻って来た弥彦の話で、イギリスの国賓が出席するパレードが襲撃場所であることを知る。パレードが終わり、国賓達が迎賓館に入って行った後、警備員達の気が緩んだ隙を狙い大砲が打ち込まれた。警備の者達は必死に国賓を守って戦った。時雨が国賓を殺そうとしたとき、現れたのは剣心だった。剣心は時雨と戦い、左之助は時雨の仲間の反乱軍と戦った。その時、剣心の太刀筋を見た時雨は、厳達を殺したのが剣心だと気づく。時雨は剣心と戦うが、陸軍兵士達が反乱軍を撃ち殺そうとしていた。武蔵野は撃たれそうになった時雨を庇って亡くなってしまう。時雨は一時撤退を余儀なくされる。
山県は反乱軍達が山に立て籠もっているとの報告を受ける。田母野は自分との繋がりを隠すため、反乱軍達の制圧に名乗りを上げるが、そこに剣心が現れ待って欲しいと頼まれる。山県は旧知の剣心の頼みに、一時だけ待つことを約束した。
剣心と左之助は時雨達が立て籠もっているアジトに向かった。反乱軍に撃たれそうになるが、それを止めたのは時雨だった。時雨は剣心と一対一で相対した。時雨は厳達を切った剣心のことを恨んではいなかった。だが、命を懸けて戦った武士達を蔑ろにしている、現在の政府の腐敗ぶりに腹を立てていた。しかし、剣心はまた新たな若者達の命を蔑ろにしている、時雨のやり方を良しとしなかった。
剣心は切られてもなお立ち上がり、逆刃刀のまま時雨を倒した。“二度と人を殺さない”ことが、剣心なりの幕末の頃殺した者達への償いだった。時雨は厳達のためにも戦おうとするが、それを止めたのは朱鷺だった。朱鷺の涙を見た時雨は、家族を大切にしていた厳達を思い出す。時雨は戦うことを止めた。一方、警官の斉藤一は陸軍の武器倉庫係を取り調べ、田母野が黒幕であることを知り、上司に報告した。
時雨は出頭を心に決めるが、そこに田母野が現れ、部下に一斉射撃を指示した。時雨は朱鷺を庇って亡くなってしまう。怒った剣心は田母野を討つが、傷のせいでそれ以上立ち上がれず膝をついてしまう。田母野の部下に取り囲まれるが、それを止めたのは山県だった。一方、斉藤は1人逃げた加治木を追い、刺殺した。
剣心は朱鷺に会いに行き、厳達を斬ったのが自分であることを打ち明けた。朱鷺は涙ながらにその話を受け止めた。その後、朱鷺は剣心達に見送られながら、時雨の遺品を兄達が眠る故郷の丘に埋めるため、旅立った。
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