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映画『流浪の月』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『流浪の月』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『流浪の月』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『流浪の月』の結末までのストーリー
  • 『流浪の月』を見た感想・レビュー
  • 『流浪の月』を見た人におすすめの映画5選

映画『流浪の月』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 218分
ジャンル サスペンス
ヒューマンドラマ
ミステリー
監督 李相日
キャスト 広瀬すず
松坂桃李
横浜流星
多部未華子
製作国 日本

映画『流浪の月』の登場人物(キャスト)

家内更紗(広瀬すず)
10歳の時に文と知り合い、一緒に暮らした。誘拐事件の被害者として知られている。現在はレストランのアルバイト。
佐伯文(松坂桃李)
大学生の時、更紗を自宅に連れて帰った。「誘拐犯」として逮捕された。深夜営業のカフェをやっている。
中瀬亮(横浜流星)
更紗と同棲している恋人。上場企業のサラリーマンで実家は土地持ちの農家。
谷あゆみ(多部未華子)
現在の文の恋人。看護師をしている。

映画『流浪の月』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『流浪の月』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『流浪の月』のあらすじ【起】

公園のブランコに乗る少女。その視線の先にはベンチに座る青年がいる。
雨が降り出しても、帰らない少女に青年は傘を差しだし、ふたりは一緒に公園を出た。

ファミリーレストランで高校生が、動画を見ている。その横を更紗が料理を持って歩いて行く。動画からは「ふみぃ、ふみぃ」と女の子の声が聞こえていた。

更紗は同棲している亮に、一緒に実家に行こうと誘われるが、断った。その夜、更紗は文と過ごした日々を思い出していた。

10歳の更紗は、叔母の家で暮らしていた。その家の中二の息子に体を触られるのが嫌で、家に帰ることができなかった。
公園で時間をつぶす更紗を大学生の文は部屋に連れて帰った。几帳面で物静かな文の部屋で更紗はぐっすりと眠ることができた。

自由な更紗に文は心惹かれ、更紗は優しい文に癒やされ、ふたりはしばらく一緒に暮らした。それはのちに、少女誘拐事件となり、文は逮捕される。「死んでも知られたくないことがある」と言っていた文。更紗はそれを小児性愛だと思い込んでいた。

映画『流浪の月』のあらすじ【承】

ある夜、シングルマザーの安西佳菜子に誘われ、深夜営業カフェに行った更紗は、文と再会した。文に会うためカフェに通いつめる更紗。そこへ突然亮が現れる。驚いて不平を言うと「更紗は変わった」といらつく。その夜、更紗は亮に体を求められるが拒否する。

文の店を訪ねた更紗は、文が恋人のあゆみと一緒に出てくるのを目撃した。文が大人の女性を愛せるようになったことを更紗は喜んだ。

ある日、更紗は同僚からネットに上がった文の画像を見せられる。ネットの写真を撮ったのが亮だと気づき、更紗は彼を責める。怒った亮は更紗を殴り飛ばし、蹴りつけた。

血だらけになった顔で文のもとへ向かう更紗。店で治療してもらい、やっと話をすることができたふたり。更紗は事件のこと、ネットのことを謝る。文は更紗に再び会えたことを感謝していた。

映画『流浪の月』のあらすじ【転】

更紗は文の隣の部屋に移り住んだ。
ベランダから文をのぞき、こっそり楽しむ更紗。
文と一緒に過ごし、心から笑ってはしゃぐ更紗はあれからの自分を語る。
性行為がいやなのだと話すと、文は真剣に「わかるよ」と言った。文も恋人のあゆみと繋がれないでいた。

亮が更紗を見つけた。やつれた表情で、文との関係を責める。更紗は亮への感謝の気持ちから好きになろうとしたと言い、謝った。絶望して亮は立ち去った。

誘拐犯と被害者が付き合っているとして、更紗と文が雑誌に載った。更紗は亮の行動をやめさせようと会いに行った。すさんだ生活をしている亮。立ち去ろうとする更紗を引き留めるため亮は自分をナイフで刺した。

雑誌を見たあゆみが文に会いに来た。自分を受け入れなかった文を責めるあゆみ。一度もあゆみとしなかったのは、小さい女の子が好きだからと真剣な目で文は答えた。

映画『流浪の月』の結末・ラスト(ネタバレ)

更紗が預かった佳菜子の娘と一緒にいた文は、警察に連行されそうになった。過去がよみがえり、激しく抵抗する文。
「成長が止まる異常は、産んだ私のせいなの?」母の言葉を思い出して苦しむ。

カフェの隅にうずくまる文に更紗は「文の人生を壊した」と謝る。それでも文のそばにいたいと告白する更紗。
突然、全裸になる文。振り返り、すべてを見せると「更紗は大人になったのに、いつまでも俺だけ大人になれない。誰とも繋がれない。」と告白する。
文は小児性愛者ではなかった。性的に成長しない病気になっていたのだった。泣きじゃくる文を更紗は強く抱きしめた。
「更紗に知ってほしかった」
泣きながら文は更紗にすがりついた。
泣き疲れ、眠り込む文を更紗は愛おしく見つめた。

真実が明らかになり、更紗は文と生きていくことを決めた。
「またなにか言われるよ」
そういう文に
「そしたらまたどこかに移ればいい」と更紗は笑って答えるのだった。

映画『流浪の月』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

『流浪の月』は、ただの被害者と加害者の物語ではなく、社会が決めた“正しさ”の外にある感情を真正面から描いた作品でした。更紗と文の関係は一見すると異質ですが、二人だけに通じる救いがあり、それが終始美しくて切なかったです。文が罪を背負いながらも更紗の心に寄り添い続ける姿が静かに沁みました。(20代 男性)


『流浪の月』は、広瀬すずさんと松坂桃李さんの演技力に完全に引き込まれました。特に、更紗の“被害者らしく”あれと求められる苦しさに共感。社会の目と、自分の本当の思いの間で揺れる姿がリアルでした。文が更紗と再会し、再び支え合おうとする終盤は静かな感動がありました。重たいけれど必要な物語です。(30代 女性)


この映画は、世間が決めた枠組みに疑問を投げかける作品でした。文と更紗の関係は、一言では説明できない複雑なもので、観る側に考えさせる余白が多かったです。過去の出来事や記憶に縛られる中で、ふたりが少しずつ前を向く過程が美しく、静かに心に響きました。見終わったあと、長く余韻が残ります。(40代 男性)


『流浪の月』は、苦しくて、でもどこか優しさに包まれている映画でした。特に、文の「守るために、悪者になった」選択に涙が出ました。更紗が抱える心の傷が、誰にも理解されない孤独に繋がっているのがリアルで辛かったです。でも、文との再会が彼女の人生を少し変える希望になったことに救われました。(20代 女性)


社会的に“正しさ”を演じなければならない被害者、更紗の姿に胸が締め付けられました。彼女が本当に望んでいたのは、“忘れること”でも“憎むこと”でもなく、ただ理解されることだったのだと思います。文との再会は、その願いに対するひとつの答えでした。演出も抑えめで、登場人物の感情を丁寧に伝えてくれました。(50代 男性)


松坂桃李さん演じる文が抱える苦しみと静けさが印象的でした。彼が更紗を守るために取った行動は、誰もが理解できるものではないけれど、深く優しいものでした。社会の目線がいかに当事者を追い詰めるかを描いたこの作品は、ホラーよりも怖くて、生々しくて、それでもどこか温かい。素晴らしい演技と演出でした。(30代 男性)


広瀬すずさんの演技に完全に心を奪われました。更紗が本音を言えない苦しさ、自分でも気づかなかった感情が爆発する瞬間は、観ていて息が詰まるようでした。彼女と文の再会は“救い”というにはあまりにも静かだけど、それでもその時間がふたりにとって確かに必要だったことが伝わってきました。(20代 女性)


『流浪の月』は、自分の信じる“真実”を守り通すことの難しさを教えてくれる映画でした。更紗が自分の人生を取り戻すために再び文と向き合う姿勢が印象的で、終盤にかけての感情の流れが本当に美しかったです。特に、二人で何も言わずに月を見上げるラストシーンは静かで、でも確かな温度を感じました。(40代 女性)


非常に繊細で、観る側にも覚悟を求める作品でした。加害と被害、正義と悪、それらが一切単純ではない現実を突きつけてくれました。更紗が社会からの期待に応えるように振る舞いながらも、本音を抱え続ける姿が切なかったです。そして、文の沈黙の中に込められた優しさが、作品全体を静かに支えていました。(50代 女性)


一言で言えば“ただ優しい映画ではない”、でも“だからこそ優しい映画”でした。更紗と文は、誰にも理解されなくてもいいから、ただ一緒にいられる場所を探していた。そんなふたりの旅路が静かに描かれた物語。感情を抑えた演技と音楽の少なさが、逆に心の動きを際立たせていて、とても心に残る作品でした。(30代 女性)

映画『流浪の月』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『流浪の月』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

誰も知らない

この映画を一言で表すと?

静かに心をえぐる、子どもたちだけが知る孤独の記録。

どんな話?

母に捨てられ、社会からも見放された4人の兄弟姉妹が、ひっそりとアパートで暮らしながら自立していく実話ベースの物語。特に長男・明の成長と孤独が心に刺さる。

ここがおすすめ!

『流浪の月』と同様に、社会の“目”から取り残された存在に寄り添った作品です。静かな演出とリアルな描写が、観る者の胸を締め付けます。是枝裕和監督の傑作です。

そして父になる

この映画を一言で表すと?

血か、時間か──家族を構成する“絆”の正体に迫る。

どんな話?

生まれてから6年間育てた息子が、取り違えだったと告げられた二組の夫婦が、「本当の家族とは何か」を模索しながら葛藤する感動のドラマ。

ここがおすすめ!

“正しさ”とは何かという問いかけが、『流浪の月』と共通しています。価値観のぶつかり合い、感情の衝突、そして揺るがぬ愛の描写が心に深く残る作品です。

ミスミソウ

この映画を一言で表すと?

美しい雪景色の中で繰り広げられる、復讐と哀しみの青春劇。

どんな話?

転校先で壮絶ないじめを受けた少女が、家族を殺され、自らの手で復讐を果たすまでを描いた衝撃作。暴力の中に見える彼女の心の叫びが重くのしかかる。

ここがおすすめ!

理不尽な環境に置かれた少女の心情を丁寧に描いており、『流浪の月』に通じる“傷ついた心の居場所”を探す物語です。過激でありながら、深い人間描写が光る作品。

この映画を一言で表すと?

見えることと見えないことの狭間で交わる、静謐なラブストーリー。

どんな話?

視覚障がい者向け映画の音声ガイド制作に携わる女性が、盲目のカメラマンと出会い、互いに理解し合いながら少しずつ心を通わせていく物語。

ここがおすすめ!

『流浪の月』と同じく“言葉にできない感情”が作品全体を包み込むような雰囲気。河瀨直美監督の美しい映像と、心に静かに波紋を広げる演出が魅力です。

悪人

この映画を一言で表すと?

人は本当に“悪人”になれるのか──哀しき逃避行の果てにあるもの。

どんな話?

殺人犯として追われる男と、彼に心を許してしまった女の逃避行。事件を通じて浮かび上がる人間の孤独や葛藤、報道や世間の視線の暴力性を描いた重厚なドラマ。

ここがおすすめ!

“加害者と被害者の関係を超えて寄り添う”というテーマが、『流浪の月』と非常に近いです。深津絵里と妻夫木聡の迫真の演技も見どころ。心に残る一作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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