映画『サッド・ムービー』の概要:2005年の韓国映画。男女8人の4カップルが織りなすそれぞれの悲しみを描いた群像劇で、胸を打つ切ないエピソードをコンパクトにまとめて描いている話題作。
映画『サッド・ムービー』 作品情報
- 製作年:2005年
- 上映時間:109分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
- 監督:クォン・ジョングァン
- キャスト:チョン・ウソン、チャ・テヒョン、イム・スジョン、ヨム・ジョンア etc
映画『サッド・ムービー』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『サッド・ムービー』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『サッド・ムービー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『サッド・ムービー』 あらすじ【起・承】
ジヌとスジョンのストーリー
消防士として働くジヌは、ニュースの同時手話通訳士、スジョンに仕事を変えるようお願いされても「大丈夫だから」と真面目にとりあってくれない。
スジョンは昔家事にあい、火事の恐さを知っている。
結婚したいけど、問題はそこだけだった。
いよいよジヌに結婚を申し込もうと、指輪や花束を抱えビルの上のレストランでスジョンがくるのを待っているジヌ。
しかし運悪く火事現場が発生し、ジヌは軽い気持ちなのだろう手伝いにいってしまった。
しかしスジョンが担当するニュースを読んでいるとき、ソウル市内で消防士が火事に巻き込まれて二人死亡、そのうちの一人がジヌだった。
ある日消防署に呼ばれたスジョンは、ジヌの遺品とビデオテープをもらう。
遺品にはあの日渡そうと思っていた婚約指輪が。
そしてビデオテープをつけると事故現場にいるジヌの姿があった。
もうだめだと思って防犯テープに自分を映したのかもしれない。
ジヌは
愛していると手話で伝えた。
私もと見ながら泣き崩れるスジョン。
そうしてジヌは炎に巻き込まれてしまった。
スウンとサンギュのストーリー
スジョンの妹のスウンは昔火事に遭ったことで、現在姉の恋人になったジヌに助け出されたが顔に火傷の跡が残っている。
彼女は元々話すことも出来ない。
そんな彼女が恋をした。
それはバイト先の遊園地で絵を描く青年だった。
彼女の仕事は着ぐるみに入ること。
顔の火傷も隠せるし調度良いので着ぐるみを着ていつも会いに行っていた。
しかしあるとき彼女に顔が見たいと言い出す。
自分の顔に自信が無いスウンは中々受け入れることが出来ない。
バイト仲間に頼み説得をしてもらったサンギュ。
スウンはようやくぬいぐるみを取ってくれた。
あまりに美しいので驚いたサンギュだったが、似顔絵を完成させた後、そのままその関係は終わってしまう。
映画『サッド・ムービー』 結末・ラスト(ネタバレ)
ハソクとスッキョンのストーリー
3年間付き合っていたハソクとスッキョン。
しかしハソクが相変わらず無職でいることに嫌気が差したスッキョンは、別れを切り出した。
真剣に取り合わないハソクに困るスッキョン。
仕事をしたらまた元のように彼女の心を取り戻せると考えたハソクは、別れやという仕事を請け負うことにする。
勇気が無かったり、理由があって直接別れるが言えない人の代わりに別れを言う仕事だ。
すると依頼メールの中にスッキョンの名前があることに気がつく。
相手はハソクだった。
それを見て泣きながら彼女を諦めることにしたハソクだった。
ジュヨンとフィチャンのストーリー
フィチャンはまだ小さい男の子。
毎日仕事が忙しい母に中々甘えられず、問題行動を起こしてしまった。
そんな時担任の先生から連絡があり、フィチャンが日記に母の悪口を書いていると言われる。
その一件で自分の彼への態度を改めるジュヨン。
しかしある日交通事故で入院した病院で、ジュヨンはガンが発見される。
母を元気づけるため毎日病院に行くフィチャン、しかし母は日に日に弱っていく。
母はフィチャンに日記を書いて毎日見せるようにお願いする。
家で母の日記を見つけたフィチャンは、母がどれだけ自分を愛しているのかを思い知った。
そして死期せまる時。
偶然会った『別れさせ屋』をしている青年に、母に伝えて欲しいと頼んだ。
早く良くなって欲しい。
自分を残して死なないで欲しいと。
泣きながら聞く母だった。
映画『サッド・ムービー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『サッド・ムービー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
それぞれ内容が薄め
どの内容も確かにサッドムービーというだけあって悲しい物語ばかり。
消防士の話だけはありきたりだがきちんとドラマになっていた。
しかし他は繋がりも薄く、群像劇というのにもほど遠い作りで驚かされる。
親子の物語に関しては、もっと悲しい奥行きのある物語を期待していたのだが母親の症状が酷すぎて、その病状の演技ばかりが気になりドラマの内容も頭に入ってこない。
そればかりか、父親都のやり取りも描かれていなからかリアリティーすら感じない。
死がせまったらもう少し違う気がするのだ。
それならば完全にフィクションらしく大袈裟に盛り上げ、感動させてしまえば良いのにと思う。
別れさせ屋に関しては群像劇の意味合いさえ成していない。
彼女は全く必要なく、一人劇のようなものである。
唯一少年と心を通わし、病気の母にコメントを届けにいくがそれも大して感動しない。
全体的に薄っぺらく、映画としても完成されていない。
日本の当時の韓流ブームに乗っかったインスタント映画の印象が払拭できない。
似顔絵のラストシーン
このラストシーンが一番わからない。
全編に渡り、ぬいぐるみと会話する絵描きの青年を見せられているだけでこれといって心温まるエピソードも無ければ、悲しむエピソードもない。
見ていて何が言いたいのか全く謎が残る作品である。
最後も言葉にしなくても何か結末が描けそうなものではあるが、細かいエピソーも無く一緒に出てくるこびとも全く意味がわからない。
酷く不愉快になるエピソードであった。
確かに悲しくて切ない物語を映し出した作品ではありますが、そこにはストーリーが無く、物語の導入から二人の関係を少し見せて急に悲しい結末がやってくるので共感も感情移入も出来ません。
特に別れさせ屋になった男のストーリーは悲しいと言うよりも『世にも奇妙な物語』のようななんとも言えないモヤっとした気持ちになるので純粋に悲しむことが出来ませんでした。
どのストーリーも内容が浅いので深く感動したい方にはおすすめ出来ません。(女性 30代)
映画『サッド・ムービー』 まとめ
全体的に荒く、内容が全く頭に入らない眠くなる作品である。
物語も人物も丁寧に描けていなく、話がとびとびで作り手だけが納得しているような作品である。
独りよがりであまり楽しめない。
ありがちなエピソードを4作品詰め込んだ割には、どれにも共感出来ず現実的でも無い。
どれもふわっとしていて輪郭があやふやなのだ。
群像劇は注意しないと全くうまくまとまらないだろう。
脚本もさることながら、構成力が必要とされる。
もう少し実力のあるスタッフに製作して欲しいものだ。
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