この記事では、映画『貞子3D』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『貞子3D』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『貞子3D』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:96分
- ジャンル:ホラー
- 監督:英勉
- キャスト:石原さとみ、瀬戸康史、高橋努、染谷将太 etc
映画『貞子3D』 評価
- 点数:20点/100点
- オススメ度:★☆☆☆☆
- ストーリー:★☆☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★☆☆☆☆
[miho21]
映画『貞子3D』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『貞子3D』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『貞子3D』 あらすじ【起・承】
主人公の鮎川茜は、高校の教師である。安藤孝則という恋人と同棲している。ある日授業中に、森崎という生徒が携帯電話を触っているのを見つけ、没収する。森崎は「呪いの動画を探している」というのだが、携帯電話には「Not found」と表示されるだけである。茜は帰宅した後、孝則の友人の榎木が来ていたのでネット事情に詳しそうな彼に呪いの動画について聞いた。榎木が言うには、呪いの動画とは男が自分の自殺を生中継した動画のことを指し、それを見たものもまた自殺してしまうという噂があった。ただ、すぐに削除されてはまたどこかでアップされる、ということを繰り返しているため、根気よく自分も探しているとのことだった。
その夜に、森崎が自殺したことを聞いた茜。事情聴取にきた小磯刑事に変わったことはなかったかと聞かれた茜だが、クラスの人気者だった森崎が自殺する理由は思い当たらない。刑事が去った後、森崎の親友の北山が「典子が死んだのは呪いの動画のせいだ」と騒ぐ。それが聞こえていた小磯は、実は呪いの動画に関連したと思われる自殺が相次いでいたこともあり、部下に呪いの動画の調査を命じる。茜もまた、より詳しく呪いの動画のことを調べ始めるのだった。

映画『貞子3D』 結末・ラスト(ネタバレ)
北山が部活を休んでいると聞いた茜は、北山を探し自習室を訪れる。北山は削除されているはずの呪いの動画を見つけてしまっていた。気味の悪い映像だけでなく、画面からは大量の髪の毛が噴出している。茜は北山のもとに駆け寄り、悲鳴を上げるとパソコンのモニタは割れて、動画が止まった。しかし、茜の耳には「お前だ」という声がはっきりと聞こえたのだった。
実は幼いころから特殊な能力が自分にあることを知っていた茜は、その能力をわかってくれる孝則を大切に思っていたのだった。帰宅後、孝則にパソコンを使わないでくれと頼む茜。孝則もまた新情報を得ており、それは動画の再生のあと「お前じゃない」という言葉が聞こえるというものだった。しかし茜の聞いた言葉は「お前だ」である。不審に思う茜。
翌日学校で生徒たちがパソコンを使っていることにパニックを起こした茜は、休職することをすすめられてしまう。帰宅後、孝則のパソコンに例の動画が流れ、二人は家を飛び出すが、街にある大量のスクリーンに女が映る。そしてしまいには、孝則が連れ去られてしまった。
小磯刑事と協力し、茜は孝則を探し始める。その最中、柏田が貞子と呼ばれる昔いた人を呪い殺す力を持った女性を復活させるために動画を作ったことを知る。超能力を持った茜が、その器に選ばれてしまったのである。柏田が貞子復活のために複数の女性を殺して落とした井戸がある建物についた二人は、女の顔を持つ怪物に襲われる。小磯刑事は命を落とすが、茜はなんとか抗いながら孝則を探した。貞子に一度は身体を乗っ取られる茜だが「私の力は人助けのためにある」と抵抗。目覚めた孝則が、貞子が映るスマートフォンを粉砕し、茜と共に助かることができたのだった。
映画『貞子3D』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『貞子3D』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
『リング』だと思って観ない方がいい
映画『リング』の良さと言えば、あの湿っぽい空気間、謎に迫っていくにつれて追い詰められていくような逼迫感、タイムリミットに追い立てられる圧迫感、そして最後まで姿を現さない貞子への恐怖など挙げればきりがないが、見事にそれらすべてが踏襲されていない。今どきの若者に受けの良いホラーを狙ったのかもしれないが、それなら貞子である必要はあったのだろうかと疑問を抱いてしまう。貞子の復活を願う男が起こした事件という設定だけはなんとか理解できるが、その後まず恋人が連れ去られる意味がわからない。
中でも、最も許せないポイントは終盤にわんさか出てくる謎の怪物だ。髪の長い女のような顔をしているが口元しか見えず、身体は暗い緑色で四つん這い、後ろ足がバッタのように長く歪んでおり、ヒロインの茜に襲い掛かってくる。物理的に小磯を殺害したにも関わらず、物に挟まれて消えたり、羽虫の集合のようになったり、あれだけ大量にいるのに全く茜を捕まえられなかったりと、あのシーンだけ取り上げたらもはや何の映画なのかさっぱりとわからない。ホラーというよりモンスターパニック映画になってしまっている。貞子を使うならああいう描き方はしてほしくなかった。一番の落胆ポイントである。恐らく最大の恐怖の見せ場なのかもしれないが、個人的にはあの怪物が現れた瞬間、興ざめしてしまいあとはもう義務感で観たようなものだ。日本のホラー映画にモンスターを出してはいけない。
石原さとみは文句なし
いいところのない映画だけれど、強いてあげるとするなら石原さとみの演技である。かわいらしいヒロインとして様々な映画やドラマ、CMで不動の地位を築いている彼女だが、この映画の中では半狂乱になるシーンが多く、石原さとみであることを忘れるくらい大いに喚き散らしてくれている。その点に関しては、かわいいだけではない、実力派女優だと思わせてくれるものだった。
人気アニメ『呪術廻戦』のチープ版のようなストーリーでなんだこれと笑ってしまいました。シリーズ5作目ということですが、当初の『リング』のようなじわじわと迫り来る恐怖は無く、そんな事しなければいいのにとか、馬鹿だなあと感じる設定ばかり。
終いには、石原さとみは貞子の器となりつつも、そのパワーに打ち勝つというストーリーなのでジャパニーズホラーというジャンルからは外れてしまっているような気がしました。(女性 30代)
『リング』シリーズの新たな展開として期待して観たが、正直なところホラーというよりアクション寄りの展開に驚いた。映像から飛び出してくる貞子はインパクトがあったものの、恐怖感よりも「どうやって出てきたの?」という疑問が先に立つ。ラストでは複数の貞子が登場し、「貞子軍団」に思わず笑ってしまった。ホラー好きとしては少し物足りなさを感じた。(20代 男性)
3D演出に期待して劇場で鑑賞。たしかに飛び出す演出はあったが、それが恐怖に直結するかというと疑問。ストーリーは過去の『リング』とは大きく異なり、貞子の怨念というよりも「ネットの呪い」的なテーマに。キャストは良かったが、恐怖を感じる前に展開が早すぎて置いていかれた印象。シリーズのファンとしてはちょっと残念。(30代 女性)
原作ファンとして観たが、完全に別物。ホラーというよりアクションスリラーといった印象。ヒロインが貞子と戦う場面などは、もはや呪いではなく肉弾戦。とはいえ、これはこれで現代的なホラー表現として面白く観れた。3Dによる驚かせ演出もある種のエンタメとして成立していた。怖さを求めずに観れば楽しめるかも。(40代 男性)
貞子がネットを通じて呪いを拡散させるという設定に時代を感じた。映像から這い出てくるというより「飛び出てくる」貞子には驚かされたが、怖さより笑いが先にくる演出も多かった。過去作のようなじわじわと来る恐怖を期待すると肩透かしだが、ホラー初心者にはちょうどいい入門作品かもしれない。(20代 女性)
シリーズの中では異色作。ホラーの定番「見てはいけないもの」を現代のデジタル社会に落とし込んだ点は面白い。ただ、演出が過剰で、特に後半の貞子の増殖シーンは恐怖というよりパロディ的。登場人物たちのリアクションもやや大げさで、シリアスな怖さが薄れていた。3Dを活かしたスプラッター演出として観れば楽しめるかも。(30代 男性)
怖いのが苦手な私でもなんとか観られたくらい、意外とマイルドなホラー。音と3Dで驚かせるシーンはあるけれど、精神的に追い詰められる感じは少なかった。主演の石原さとみさんが綺麗で強いヒロインを演じていたのが印象的。原作とは全然違うけど、Jホラーが苦手な人にもおすすめできそう。(20代 女性)
貞子の「呪い」という抽象的な存在を、物理的に具現化してしまったことが、恐怖の薄さにつながっていたと感じる。かつての『リング』が見せた“見えない恐怖”はもうない。貞子が量産されて迫ってくる展開には苦笑い。けれど、B級映画として観ればツッコミどころ満載で、逆に楽しめた。(50代 男性)
3Dで飛び出してくる貞子にびっくり!……と思いきや、怖いというより派手な演出という印象。ホラーよりファンタジーに近く、途中から「これは別ジャンルの映画だ」と割り切って観たら楽しかった。石原さとみさんのヒロインはかっこよくて、若い女性にも人気が出そう。怖いのが苦手な人向きかも。(10代 女性)
ネットで呪いの動画が拡散するというアイデアは面白かったが、それが貞子の恐怖にうまく結びついていなかった印象。CGや演出に頼りすぎていて、恐怖の“間”が感じられなかった。原点である『リング』の怖さを求めて観ると、かなり方向性の違いに戸惑う。派手なJホラーを観たい人には合うと思う。(40代 女性)
映画『貞子3D』を見た人におすすめの映画5選
呪怨
この映画を一言で表すと?
視覚と音でじわじわと襲う、日本ホラーの金字塔的存在。
どんな話?
一軒家に巣食う呪いが、訪れる者すべてに死の連鎖をもたらす。過去の惨劇に端を発した恐怖が、時間軸を飛び越えて容赦なく襲いかかる。断片的に語られるエピソードが徐々に繋がり、全体像が明らかになっていく構成が見どころ。
ここがおすすめ!
『貞子3D』のような呪いと怪異をテーマにした作品だが、より陰湿で視覚的恐怖に満ちている。家の中の物音や気配など、“日常の隙間”に潜む恐怖を描く演出は秀逸で、Jホラーの真骨頂を味わえる作品です。
着信アリ
この映画を一言で表すと?
「死の予告電話」が若者を襲う、現代テクノロジー×ホラーの代表作。
どんな話?
ある日、携帯電話に未来の自分の死の瞬間が録音された着信が届く。そしてその通りに次々と人々が命を落としていく。一見、日常の延長にあるツールが恐怖の媒介となる展開に、現代人だからこその恐怖が走る。
ここがおすすめ!
『貞子3D』と同様、メディア(電話やネット)が呪いの媒介となる点が共通。身近なデバイスが恐怖と結びつくことで、よりリアルな恐怖体験が味わえる。スリルとサスペンスのバランスも良く、エンタメ性も高い。
仄暗い水の底から
この映画を一言で表すと?
じわじわと心を蝕む“水”の恐怖が沁みてくる、日本的ホラーの逸品。
どんな話?
離婚後の新生活を始めた母娘が住む古い団地で、天井から水が染み出し、不可解な現象が起こり始める。失踪した少女の霊が引き起こす恐怖と、それに向き合う母の強さが切なく描かれる。
ここがおすすめ!
恐怖演出の中に哀しみや情感がしっかり描かれており、単なる心霊ホラーにとどまらない深みがある。『貞子3D』よりも静かな怖さを求めている方にはぴったりで、余韻の残る秀作です。
リング
この映画を一言で表すと?
すべての“貞子伝説”の原点にして、Jホラーの金字塔。
どんな話?
謎のビデオテープを観た者が7日後に死ぬという都市伝説を追う記者が、真相に近づくにつれて自身も呪いに巻き込まれていく。貞子という存在の恐怖と、そのルーツに迫るストーリーが緊張感を持って進行。
ここがおすすめ!
『貞子3D』を観たなら、ぜひ原点であるこの作品を体験してほしい。静寂と不気味な間で構築された恐怖は、CGに頼らない演出だからこそリアルに感じられる。シリーズ初心者には必見の一作です。
THE JUON/呪怨(アメリカ版)
この映画を一言で表すと?
Jホラーの恐怖を世界に広めた、ハリウッドリメイク成功例。
どんな話?
日本の呪われた家に引っ越してきた外国人女性が、次々と怪異に遭遇し、逃げ場のない恐怖に巻き込まれていく。オリジナルの空気感を残しつつ、ハリウッドらしいテンポと映像で新たな恐怖体験を提供。
ここがおすすめ!
Jホラー特有のじわじわと迫る不気味さに、海外製作ならではのダイナミズムが加わった一本。『貞子3D』のように視覚に訴えるホラー演出が好きな人には、より強い刺激を得られるはずです。
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