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映画『サカサマのパテマ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『サカサマのパテマ』の概要:居住地区が厳しく制限された社会。そんな抑圧された社会に、パテマは不満を感じていた。そんな時、パテマは上層部がひた隠しにしているある秘密を知ってしまう。パテマに襲いかかる壮大な運命とは?

映画『サカサマのパテマ』の作品情報

サカサマのパテマ

製作年:2013年
上映時間:99分
ジャンル:アニメ、ファンタジー、SF
監督:吉浦康裕
キャスト:藤井ゆきよ、岡本信彦、大畑伸太郎、ふくまつ進紗 etc

映画『サカサマのパテマ』の登場人物(キャスト)

パテマ(藤井ゆきよ)
地下施設に暮らす好奇心旺盛な少女。コウモリ男と出会った事で、足を滑らせアイガに「落ちて」しまう。
エイジ(岡本信彦)
アイガに暮らす少年。サカサマ人を絶対悪とみなすアイガの方針に疑問を覚えている。
ポルタ(大畑伸太郎)
地下施設でのパテマの友人。パテマに恋心を抱いている。
ジィ(ふくまつ進紗)
パテマの育ての親。パテマを心配している為に、ついつい口うるさくなってしまう。
イザムラ(土師孝也)
アイガのトップ。サカサマ人を絶対悪とみなし、自分たちを選ばれた人間と称している。
ラゴス(加藤将之)
パテマにとっての憧れの人物。冒険家で、少し前から行方不明になっている。

映画『サカサマのパテマ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サカサマのパテマ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サカサマのパテマ』のあらすじ【起】

パテマは、好奇心旺盛な女の子です。彼女が生活をするのは全ての施設が地下に隠された地下世界。その世界では居住区域と立ち入り禁止区域が細かく制限されており、人々の地下施設での動きには決まりがありました。

しかし、好奇心旺盛なパテマにとってはそんな決まりなど知った事ではありません。彼女は大人に怒られる事も厭わず、危険地域に入っていきます。危険地域では彼女が今まで見たことのない神秘的な景色が広がっており、彼女の心は益々危険地域に向かっていきます。彼女のこの好奇心は、ラゴスという友人に感化されたものでした。ラゴスという彼女よりも年上の男性は、地下施設ではない「別世界」に興味を持ち地下施設を飛び出たきり戻って来ません。

しかし、実はパテマはこの地下施設の長の娘でした。そんな彼女を危険な目に合わす訳にはいかず、世話役のジィが口を酸っぱくして彼女の行動を注意します。時には「コウモリ男」など危険地域に出るという恐ろしい存在の話をして、彼女を危険地域に近づかせないように努力しました。しかし、彼女は爺の目を盗み再び立ち入り禁止地域に向かうのでした。

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映画『サカサマのパテマ』のあらすじ【承】

彼女が今回足を踏み入れた立入禁止区域は、工事現場のような拙い足場があるだけで、その下には底が見えない深い闇が広がっていました。そんな、底知れない光景に恐怖を覚えるパテマでしたが、そんな時彼女はふと気配を感じます。

辺りを見渡すと、そこに一人のマスクをした謎の人物が立っていました。しかし立っているといっても、その人物は天井に立っている、つまりサカサマにぶら下がっていたのです。パテマはこの人物が仲間が噂していたコウモリ男に違いないと確信します。襲いかかってくるコウモリ男から必死に逃げるパテマでしたが、その弾みで足場から足を踏み外し、闇へと落ちてしまいました。

一方その頃、地下施設とは異なるアイガという場所では、エイジという少年が暮らしていました。彼がぼーっと空を見上げていると、何と空から女の子が降って来たのです。しかも不思議な事に、彼女は自分とは全てがサカサマなのです。手を離せば宙に浮かんで行ってしまいそうな少女を、エイジは天井のある小屋へと連れていきました。彼女は自分を、パテマと名乗りました。

映画『サカサマのパテマ』のあらすじ【転】

アイガでは、サカサマ人は悪という教育をしていました。しかし、エイジはそんなアイガの教育に疑問を覚えており、偏見なくパテマに接します。しかし、この国のトップであるイザムラが、サカサマ人がこの地に降り立った事を何処からか嗅ぎつけてきたのです。

政府の人間が小屋に押しかけ、エイジの必死の抵抗も虚しく、パテマとエイジはイザムラの住む屋敷まで連行されてしまいました。そこで、パテマは信じられないものを目にします。それは保存液に浸かった、ラゴスの遺体でした。そして、エイジの父親もまた、イザムラの息のかかったものによって殺されていたのです。実は研究者であったエイジの父親は、生前ラゴスと出会い、彼と友情を築いたのです。その為に国を裏切ったとしてラゴス共々政府に暗殺されてしまったのでした。

怒りを覚えるエイジですが、少年一人ではどうする術もありません。彼は尋問を受けたものの、その後元の生活に戻してもらえました。しかし、パテマは以前イザムラの元に捕まったママです。

映画『サカサマのパテマ』の結末・ラスト(ネタバレ)

呆然とするエイジの前に、何ともう一人のサカサマ人が姿を現しました。彼の名前はポルタ、地下施設でパテマの友人だった少年です。パテマを助けに来たという少年に対して、エイジはパテマを助ける為に手を貸す決意をします。

二人は何とかパテマが拘束されている管理棟まで忍び込みました。しかしパテマを助ける寸前イザムラに見つかってしまいます。万事休す、そんな時パテマがイザムラの手を振りほどきエイジの手を取りました。宙に向かって浮かんで行くパテマに引っ張られ、二人は宙に『落ちて』いきました。

どんどん落ちて行く二人は、やがてとある地に辿り着きました。そこにはエイジの亡くなった父親が乗っていた飛行機が停まっていました。パテマとエイジはその飛行機を操り、ポルタと共に地下施設へと戻ります。しかし、イザムラが彼らの後をついて来ていました。イザムラやエイジがサカサマになる地下施設にて、彼らの最後の戦いが始まります。そして激しい戦いの末、イザムラが地下施設の天井から更に上に「落ちて」いきました。

そこは、遠い昔滅びたとされる地上でした。実はアイガは、地上の下に広がる地下施設の、更に下部に作られた場所だったのです。パテマ達は、アイガの住民を見守るという役目を負った一族でした。エイジはパテマに捕まり、どこまでも広がる新しい世界を冒険する事にしました。

映画『サカサマのパテマ』の感想・評価・レビュー

異世界とか別の惑星とかではなく、サカサマな世界の二人が出会うという設定がおもしろいなと思った。好奇心旺盛で無邪気なパテマが可愛らしく、きらきらした目が印象に残っている。もっとポップな物語なのかと思いきや、サカサマ人は悪だと教えられていたり、エイジの父親やラゴスが殺されていたりと、重たい部分もあって衝撃を受けた。イザムラはなぜあんな凝り固まった考えになってしまったのか、理解に苦しむ。物語のラストから、エイジとパテマがどのような人生を歩んでいくのか気になった。(女性 30代)


サカサマなのはパテマでは無かったというオチがあまりにも見え見えで、そのオチに向かわせるために捻ったシナリオにしていたのだろうと感じました。とにかく分かりづらい設定で、パテマがいる世界とアイガが真逆の世界のように描かれていますが、その世界をもう少し分けるように描いた方が理解しやすかったと感じます。地上だと思っていた世界は地下の更に地下という設定は斬新でしたが、何故そうなってしまったのかなど、もっと知りたい部分が沢山ありました。(女性 30代)


まずこの映画を見て感じたのは既視感。それもそのはず『アップサイドダウン 重力の恋人(2012年・フランス・カナダ映画)』に設定が酷似していたからだ。制作時期が近いのでパクリという事ではないのだが、どうしても比較対象になってしまう。この為新鮮さが欠けてしまったのは不運としか言いようがない。

しかしあちらが恋愛に物語を振っていたのに対して、こちらは自分たちと相手の正体に仕掛けがあって面白かった。空を浮遊するシーンも見ていて気持ちいい。ただ、キャラクターが物語に動かされるために存在しているようで、造形が一人一人弱い気がした。(男性 30代)


あらゆる物質の重力が、上下サカサマにふるい分けされてしまった世界のお話です。
人類の歴史の設定はかなり雑だと感じました。戦争をしたわけでもなさそうなのに、どうしてお互いを嫌うのかが納得できません。まあでもそのおかげか、サカサマ人同士の感覚のずれから物を落としたり、目を輝かせながら抱き合ってフワフワと地上を跳ねる場面などは、観ていて童心に返ったようにワクワクしました。空の地上や、裏の地上など、後半にかけて重力の感覚がごちゃごちゃになっていくので、これを表現した製作陣方々の努力に感服です!(男性 20代)

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    この映画は良く出来ている。
    しかし説明不足で意味不明な箇所が多いのが欠点だ。
    地上に住んでいると思っていたアイガが実はエンディングではパテマ達よりも深い地下世界だと知ることになるのだが、全く説明が無いためわかりづらい。

    人がサカサマに出会うという、重力を題材にした面白い作品であることは間違い無く、最近見たアニメーション作品の中では群を抜いて興味深いものだ。
    もう少し簡単に見やすい作品になるよう心がけてもらえたらもっと良かった。

  2. 匿名 より:

    ジブリ映画が好きな監督なのか、その辺のことはわからないがラピュタのような印象を全体を通して受けた。
    最初のパテマとエイジの出会いや、一緒に空を飛んだり、飛行機を飛ばしたり。
    ラピュタでパズーとやっているようなことをしているように感じる。

  3. 匿名 より:

    最後が見物だ。
    戦い自分達を守り抜いたパテマが見た者は、まだ誰も見たことの無い世界。
    つまりアイガもまた地中に暮らしていた人種であり、空や太陽は作り物なのだ。
    この辺りの想像力は素晴らしく、大人は楽しめる細かさで作り込まれている。
    実は逆転だったというものは最後まで面白く、納得出来るから良いのだ。

  4. 匿名 より:

    最近見た日本アニメはどれもクオリティが高く、日本の技術力の高さを見せつけてくれる。
    特に本作品に関しては脚本力も凄まじく、何と想像力豊かなアイデが満載であるかを思い知らされた。

    サカサマのパテマ、実はサカサマなのはエイジの方であったというオチは中々想像がつかない。
    いや、というよりも想像を越える非凡なラストであったと言える。
    科学とファンタジーを融合させた見事な仕事は、日本映画の隠れた名作になること間違い無しである。

  5. 匿名 より:

    そういう設定なのだといってしまえばその通りなのだが、サカサマを描きすぎていて一体どっちがどうなのか瞬時に判断しづらい。
    恐らくラストのオチの意外性を求めているのだろうから、パテマ達があくまでイレギュラーな存在であるという風に見せないといけなかった。
    そこにまんまとはまってしまう。