映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』の概要:近年、AR(拡張現実)型情報端末「オーグマー」を使ったゲーム「オーディナル・スケール」が人気を集めていた。そんなある日、「オーディナル・スケール」にSAOのボスモンスターが出現するという噂が流れる。
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:SF、ファンタジー、アニメ
監督:伊藤智彦
キャスト:松岡禎丞、戸松遥、伊藤かな恵、竹達彩奈 etc
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』の登場人物(キャスト)
- キリト / 桐ヶ谷和人(松岡禎丞)
- 「ソードアート・オンライン」通称SAOの生還者。SAOクリアの立役者。フルダイブをしない最新ゲーム「オーディナル・スケール」での戦闘に苦戦する。
- アスナ / 結城明日奈(戸松遥)
- SAOの生還者。SAO内で桐ヶ谷和人と出会い、恋人となる。ギルド「血盟騎士団」の副団長だった。
- ユイ(伊藤かな恵)
- 人工知能。SAO内で、桐ヶ谷和人と結城明日奈に出会う。2人のことを両親のように慕っている。
- ユナ / 重村悠那(神田沙也加)
- 悠那は歌が大好きな少女。SAOで命を落とす。父・重村徹大の企みを阻止するため、桐ヶ谷和人に助けを求める。ユナはARアイドルで、多くのファンがいる歌姫。知識が乏しく、エイジ達が何をしているのか分かっていない。
- エイジ / 後沢鋭二(井上芳雄)
- SAOの生還者。SAO時代はノーチラスという名前で、ギルド「血盟騎士団」に所属していた。しかし、恐怖心から、ボス攻略戦に参加することはなかった。最新ゲーム「オーディナル・スケール」内では、ランク2位の実力を誇る。ユナに思いを寄せている。
- 重村徹大(鹿賀丈史)
- 重村悠那の父親。娘の死を受け入れることができず、人工知能として蘇らせようと画策する。AR(拡張現実)型情報端末「オーグマー」の設計者。
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』のあらすじ【起】
2022年11月6日、フルダイブ型仮想現実ゲーム機ナーヴギア専用ソフト「ソードアート・オンライン」(通称SAO)。そのゲームのプレーヤー1万人は、サービス開始初日に開発者の茅場晶彦の手によってゲームからログアウトすることができなくなった。プレーヤー達はゲームオーバーすれば「現実の自分も死ぬ」という過酷なデスゲームに参加することになった。仮想現実の世界から抜け出す方法は、ただ1つ。舞台「浮遊城アインクラッド」の最上部第100層のボスを倒してクリアすることだった。
2024年11月7日、プレーヤー・キリトの英雄的な行動により、ゲームはクリアされ人々は解放された。最終的に4000人もの人々が犠牲となり、首謀者である茅場晶彦の死でその事件は幕を閉じた。生き残ったプレーヤー達は「SAO生還者」と呼ばれ、今は現実世界での普通の生活を取り戻している。
近年、AR(拡張現実)型情報端末「オーグマー」が人気を集めていた。フルダイブ機能がなく、覚醒状態のまま仮想空間を楽しむことができた。「オーグマー」を使った最新ゲーム「オーディナル・スケール」が発売された。「オーディナル・スケール」の特徴は、ランキング・システムが採用されていることだった。プレーヤーには順位を表すナンバーが与えられ、ゲームをプレイすることでランキングが上がるシステムになっていた。このナンバーが上位になると、ゲームの枠を超えて協賛企業から様々なサービスを受けることができた。そして、世界初のARアイドル・ユナが「オーディナル・スケール」のイメージキャラクターを務めていた。
桐ヶ谷和人(キリト)、恋人の結城明日奈(アスナ)、友人の綾野珪子(シリカ)と篠崎里香(リズベット)は「SAO生還者」だった。明日奈達は「オーグマー」を気に入り、日常生活に積極的に取り入れていた。しかし、キリトはフルダイブできない「オーグマー」に、あまり興味を抱けなかった。
「オーディナル・スケール」にSAOのボスモンスターが出現するという噂が流れる。明日奈は和人を連れ、モンスターの出現場所に向かった。現れたモンスターは、「浮遊城アインクラッド」第10層ボスモンスターのカガチ・ザ・サムライロードだった。戦おうとしたとき、ユナが現れる。ゲーム内でユナが出現すると、プレーヤーはボーナスを得ることができた。プレーヤー達は歓喜しながら、カガチ・ザ・サムライロードと戦った。その中で、あるプレーヤーの攻撃がユナに当たりそうになる。すると、ランク2位の男(エイジ)が現れ、ユナを守った。明日奈達はエイジと共に戦い、カガチ・ザ・サムライロードを倒した。
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』のあらすじ【承】
明日奈はモンスターが出現するとの情報を得て、戦闘場所に向かった。ユナが出現する中、激しい戦いが繰り広げられた。一方、ギルド「風林火山」は連絡がつかない仲間の1人を待っていた。すると、エイジが現れ、襲撃される。「風林火山」のメンバーはやられてしまう。
「オーディナル・スケール」にSAOのボスモンスターが出現するという情報は、多くの人に広まりつつあった。先月出版された『SAO事件記録全集』の影響もあり、人々はSAOを追体験しようとしていた。「オーグマー」のユーザーの増加に合わせ、主だったVRゲームのログイン数が減少傾向にあった。
和人は「オーグマー」起動時に、奇妙な少女と遭遇する。そのフードを被った少女は触れることができず、目の前で突然消失した。NPCでもプレーヤーでもなさそうだった。少女は「探して」という言葉を残していた。
明日奈はエイジが「SAO生還者」であるかもしれないことを和人に話した。エイジはギルド「血盟騎士団」に所属していた。だが、その頃とは雰囲気が異なっていた。「血盟騎士団」の頃はノーチラスという名前で、死の恐怖を克服できず一度もボス攻略戦に参加したことはなかった。しかし、「オーディナル・スケール」では機敏に動き、ボスと戦っていた。「血盟騎士団」の元副団長だった明日奈は、エイジの変わりようを気にしていた。
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』のあらすじ【転】
人工知能のユイは気づいたことを和人達に話した。それは、「オーディナル・スケール」のボスが出現した場所と「浮遊城アインクラッド」の迷宮区がピッタリと重なることだった。それを元に、次のボスの出現場所を予測することが可能だった。明日奈や里香達は喜ぶが、和人は奇妙に思う。
和人の前に再びフードを被った少女が現れる。少女はある方向を指差し、突然消失した。その時、和人の携帯に友人から連絡が入り、「風林火山」のリーダー・クラインが病院に入院していることを教えられる。
明日奈達はボス攻略戦に参加した。すると、「浮遊城アインクラッド」の第91層のボスに予定されていたモンスター、ドルゼル・ザ・カオスドレイクが新たに出現する。2体のモンスターを前に、プレーヤー達は混乱した。明日奈は珪子を守り、モンスターの攻撃を受けてしまう。すると、明日奈の「オーグマー」から光る球が出現し、ドローンへと吸い込まれていった。エイジが何か知っている様子だった。和人はエイジに詰め寄るが、逃げられてしまう。
明日奈は「ソードアート・オンライン」で体験した記憶を失いつつあった。病院で診察を受けた結果、限定的な記憶スキャンが行われたことが分かった。SAO時代の記憶を強く想起させることによって記憶のキーとなっている単一ニューロンを特定し、そこに電子パルスを集中させて強制的にイメージを読み取っていた。ここ数日で同様の症例が都内で数件発見されていた。クラインもSAOで体験した記憶を失っていた。
和人はSNSを使い、「オーグマー」を使うのは危険だと知らせた。しかし、誰も聞く耳を持たなかった。和人はエイジに会うため、ボス攻略戦に参加した。だが、そこにエイジの姿はなかった。代わりに、フードを被った少女の姿を見かける。少女はユナに顔が似ていた。
和人はユイの助けを借り、フードを被った少女が指差していた場所を割り出した。そこは、東都工業大学だった。ユイは東都工業大学と関連付けてエイジのことを検索した。すると、「オーグマー」の設計をした重村徹大教授の存在が浮かび上がった。
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』の結末・ラスト(ネタバレ)
エイジは徹大教授の研究室にいた生徒で、茅場晶彦は元教え子だった。和人は徹大教授に会いに行くが、話をはぐらかされ何の情報も得られなかった。しかし、教授室に飾ってあった少女の写真を見て、ユナに似ていることに気づく。徹大教授の娘である悠那は、2年前に亡くなっていた。SAO事件の被害者だった。
フードを被った少女は和人に接触し、明日奈を助けるには今のプレーヤーランクでは無理だと警告した。和人はボス攻略戦に参加し、ランクを上げていった。ユナのライブ当日、和人はエイジからの呼び出しを受け戦うことになる。エイジはSAOで悠那と一緒にいたことを話した。しかし、恐怖心から助けることができず、後悔の念を抱いていた。
徹大教授は悠那にSAOをプレゼントしたことを後悔していた。彼女の脳は修復できないほど損傷していたため、他のプレーヤーから記憶を集め人工知能として悠那を蘇らせようとしていた。「オーディナル・スケール」のランクナンバーは絶対で、1位を与えられた者は不死となる。1位はユナだった。
和人はエイジを倒した。その頃、ユナのライブ会場にいた観客の「オーグマー」が勝手に動き、「オーディナル・スケール」が起動していた。ライブ会場にはSAO生還者が集められており、一気に記憶をスキャンするつもりだった。スタジアム内を飛んでいるドローンには、オーグマー自体の出力をブーストするワイヤレス給電機能が実装されていた。もし、スキャニングが行われれば、記憶の欠損だけではなく死ぬ危険もあった。和人が会場に向かった後、エイジは徹大教授に裏切られ記憶を奪われる。
和人が会場でモンスターと戦っていると、フードを被った少女・悠那が助けに現れる。悠那は蘇ることを望んでおらず、皆のことを救いたいと願っていた。この戦いを終わらせるためには、「浮遊城アインクラッド」の第100層でボスモンスターを倒す必要があった。悠那は和人や彼の仲間のオーグマーのフルダイブ機能をアンロックした。和人は明日奈に必ず戻って来ることを約束し、戦いの場に向かった。
和人達はボスモンスターと戦うが、苦戦する。窮地に陥ったとき、明日奈が助けに現れる。明日奈は和人達と戦うことを心に決めていた。さらに、他の仲間と共にユイが助けに現れる。ユイはSAOサーバーに残っていたセーブデーターをロードし、和人達の戦闘能力を上げた。和人達は皆で戦い、ボスモンスターを倒した。
和人はライブ会場に戻り、モンスターを倒した。和人のランクが1位になった。悠那は歌を歌い、皆の恐怖心を取り除いた。徹大教授の企みは阻止された。悠那は明日奈に記憶を返し、完全に消えた。エイジはそれを見て、涙を流した。その後、和人は明日奈、ユイと一緒に星を見に行った。
『SAO事件記録全集』の第二版からは、「戦いに赴く剣士達を勇気づけてくれた歌姫がいた…名も無きプレーヤー達一人一人を我々は忘れてはならない…」という一文が加筆された。
映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』の感想・評価・レビュー
「ソードアート・オンライン」シリーズは見たことがなかったのだが、過去の出来事について冒頭で説明がきちんとあったのでとても分かりやすかった。戦闘シーンは迫力があり、カッコ良かったと思う。特に、第100層ボスモンスターとの戦闘シーンは、流れている曲も良くて感動したし圧巻だった。重村徹大教授の行いは許されるものではないが、娘に会いたいと願う父親の気持ちが痛いほど伝わってきて悲しくなった。(MIHOシネマ編集部)
当たり前だが、劇場版クオリティなのでアニメーション、音響は迫力があった。とくにラストに戦闘シーンの作画の良さと言ったらなかった。
今回の事件の首謀者は、TV版の最初の事件の被害者のひとりで行動や動機はまあ納得できる。しかし、今回はVRではなくAR。現実世界の延長ということでゲームをプレイすることになるのだが、プレーヤーは理不尽な敵と出会っても誰一人ゲームから離脱しようとしない。「ゲーム機を外してしまえばいいのでは?」とも思ったが、何か自分の知らない設定があるのかも知れない。(男性 30代)
この作品で入門する初心者の方には少しわかりづらい設定になっているので、過去のアニメシリーズなどを鑑賞してから見てほしい作品です。
一応、過去のストーリーの説明はありますがそれだけではかなり不十分でしょう。
今作はARなのでギアをつけて生身で戦います。仮想世界での死は現実世界での死にも繋がり、仮想世界から戻ってこられなくなってしまった人達の物語が「ソードアート・オンライン」でした。
今作で見られるのはそこから生還した黒の剣士・キリトたちが立ち向かう新たなゲーム。別の仮想世界での仲間が登場したりとファンにはたまらないストーリーとなっていました。
過去作を見ている人はかなり楽しめる作品では無いでしょうか。(女性 30代)
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