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映画『特捜部Q カルテ番号64』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『特捜部Q カルテ番号64』の概要:コペンハーゲン警察・特捜部Qに所属するアサドは、1週間後に別部署への異動が決まっていた。そんな時、マンションの隠し部屋からミイラ化した3体の遺体が発見される。アサドと上司のカールは事件の捜査に乗り出した。

映画『特捜部Q カルテ番号64』の作品情報

特捜部Q カルテ番号64

製作年:2018年
上映時間:118分
ジャンル:サスペンス
監督:クリストファー・ボー
キャスト:ニコライ・リー・コス、ファレス・ファレス、ヨハンネ・ルイーズ・スミット、ソーレン・ピルマーク etc

映画『特捜部Q カルテ番号64』の登場人物(キャスト)

カール・マーク(ニコライ・リー・コス)
コペンハーゲン警察・特捜部Q所属の刑事、警部補。人付き合いが下手で、自分の気持ちを素直に話すことができない。頭が切れる。
アサド(ファレス・ファレス)
コペンハーゲン警察・特捜部Q所属の刑事。カールの部下。移民者。心優しい人物。素っ気ない態度を取り続けるカールとの関係を悩んでいる。1週間後に別部署に異動する予定。
ニーデ・ヘアマンスン(少女:ファニー・ボールネダル / 老婦:ビルテ・ノイマン)
従兄のテーイと愛し合ったために、父によって女子収容所に入れられてしまう。そこで、悲惨な目に遭う。
クアト・ヴァズ(青年:エリオット・クロスセット・ホーブ / 老人:アンダース・ホヴ)
医師。かつては女子収容所で働いていた。現在は不妊治療の名医として名を馳せている。

映画『特捜部Q カルテ番号64』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『特捜部Q カルテ番号64』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『特捜部Q カルテ番号64』のあらすじ【起】

コペンハーゲン警察・特捜部Qは、過去の未解決事件を扱っていた。そこに所属するアサドは、1週間後に別部署へ異動する予定だった。上司のカールは引き止める気はなく、異動を後押しした。その時、不用意な発言でアサドを傷つけ、怒らせてしまう。カールは自他ともに認めるほど、人付き合いが下手な男だった。

マンションの隠し部屋から、ミイラ化した3体の遺体が発見された。そのことを知ったカールとアサドは現場に向かった。遺体は椅子に座った状態のまま亡くなっており、食器がテーブルの上に置かれていた。そして、テーブルの上には瓶詰された人間の生殖器があった。カール達は1体の遺体の首に、ハート型の鍵のネックレスが着いていることに気づく。さらに、カールは一脚の椅子が倒れていることに気づき、1人足りないのではないかと予測した。

死因はヒヨスチアムス・ニジェール、通称ヒヨスと呼ばれる毒によるものだった。中東では麻酔として使われていたこともあった。少量だと酩酊状態で済むが、大量に摂取すると中枢神経が麻痺して死に至る毒だった。

カール達は遺体があった部屋の住民であるギデ・チャールズに目をつける。彼女は元看護士で、攻撃的な言動で病院をクビになっていた。そして、葬儀社で働いていたこともあったので、遺体の保存法も詳しかった。ギデの消息は不明だが、なぜか家賃は支払われていた。

遺体の傍には社会保障カードや免許証があったため、身元が判明した。ニーデ・ヘアマンスンは2005年に行方不明になり、フィリップ・ナアヴィーは2006年に行方不明になっていた。残りの1体の身元は、免許が不鮮明だったため解析中だった。フィリップの失踪事件が起きた際、あとになってから妻のナアヴィーから「夫は愛人と逃げた」と連絡があった。カール達はナアヴィーに話を聞きに行くことにした。

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映画『特捜部Q カルテ番号64』のあらすじ【承】

ナアヴィーは夫が亡くなっていたと知り、激しく動揺した。失踪願いを取り下げたのは、夫から愛人と一緒だと書かれたメールを受け取ったからだった。メールはスペインのネットカフェから送られていた。カール達はギデとフィリップの接点をナアヴィーに尋ねた。すると、ギデが3年間勤務していたスプロー島の女子収容所が関係していたことが分かった。収容所が閉鎖されたあと、収容所に対して多くの訴訟が起きた。その時、フィリップが被告側の弁護士を務めていた。

3人目の身元が分かった。娼婦のリタ・ニルスンで、2006年に行方不明になっていた。カールはギデがいた当時、スプロー島にいた人を調べるよう部下のローセに指示を出した。スプロー島の女子収容所は、非行少女の収容所だった。

ギデはスペインに住み、銀行口座から年2回あの部屋の家賃を支払っていた。現地の警察に捜査を依頼するが、ギデは行方を眩ませ口座も解約されていた。捜査に気づき、逃亡したものと見られた。カール達はギデが犯人ではないかと怪しむが、3人を殺害する動機が分からなかった。

過去。ニーデは従兄のテーイと愛し合っていた。しかし、そのことに激怒した父によって収容所に入れられてしまう。ニーデはリタと同室になった。リタはヒヨスを飲みながら、ギデと体の関係を楽しんでいた。ニーデもリタに行為を強要される。

全員の接点は、やはりスプロー島の女子収容所にあった。1960年にニーデとリタは収容され、ギデは職員として働いていた。しかし、ギデとフィリップの接点はなかった。カール達は女子収容所の跡地を見に行った。そこには、ヒヨスが生えていた。しかも、少量ならマリファナのようにハイになれるため、収容所に入っていた少女達はヒヨスを摂取していた。

収容所に対しての訴訟は、裁判になる前に全て却下されていた。カール達は事件の資料を見に行くため、公文書館に向かった。それにより、スプロー島の医師であるクアト・ヴァズへの訴訟があったことが分かった。弁護士はフィリップで、証拠不十分で裁判に至っていなかった。訴訟内容はクアトによる強制不妊手術だった。原告の名前は書かれていなかった。

映画『特捜部Q カルテ番号64』のあらすじ【転】

現在。クアトはデンマークで有名な不妊治療医だった。カール達はクアトに話を聞きに行くが、たいした情報は得られなかった。訴訟についても、法的に認められた手術をしたに過ぎないと反論される。しかし、カール達は原告者の少女のことを覚えていないというクアトの態度を怪しむ。

スプロー島の管理者ブラントは、情報があるとローセに連絡をいれた。カール達はローセに代わり、ブラントに会いに行った。ブラントの叔母はスプロー島で不妊手術を受けており、それを苦に自殺していた。政府に何度も苦情を申し立てるが、聞き入れられなかった。手術をしたのは、クアトだった。ブラントは現在もクアトが本人に知らせずに、強制不妊手術をしているようだと話した。クアトは健康な北欧の女性の出産を推奨し、移民の娘に産ませないようにしていた。そして、クアトの他にも、その考えに賛同する医師がいた。

ブラントは若い女性が1人でクアトの病院に向かった映像を撮っており、それをカール達に見せた。クアトの病院では匿名での手術が可能だった。その映像を見たアサドは、知り合いの少女ヌールが写っていることに気づく。アサドはヌールを病院に連れて行き、検査を受けさせた。その結果、ヌール本人が知らない間に、不妊手術が行われていることが分かった。

ブラントはクアトの仲間の医師のリストを警察に送った。そのリストにあった医師達は皆フィリップを雇っていた。カール達は再びナアヴィーに話を聞きに行った。ナアヴィーは家の地下にフィリップの仕事の資料があることを教え、カール達を招き入れた。一方、ブラントから助けを求める連絡を受けたローセは、家に向かった。そこで、ブラントの遺体を見つけ、黒い服を着た怪しい人物に襲われてしまう。ローセは必死に抵抗した。すると、怪しい人物は逃げていった。

映画『特捜部Q カルテ番号64』の結末・ラスト(ネタバレ)

資料を手に入れたカール達は車に乗って移動するが、バイクに乗った人物に爆薬を投げられ攻撃される。カール達が乗った車は事故を起こし、横転した。カール達は無事に脱出するが、資料は燃えてしまう。手元に残ったのは、カールが掴んだ「カルテ番号64」の資料だけだった。そこに書かれていたのは、ニーデのことだった。

過去。ニーデはテーイの子を妊娠していた。リタの手引きによって脱走を図るが、それは罠だった。ニーデは捕まり、収容所に連れ戻された。そして、クアトに襲われそうになる。ニーデはクアトの耳を噛みちぎって抵抗した。すると、無理矢理手術室に運ばれた。クアトは中絶と不妊手術を行った。助手を務めたのは、ギデだった。

カールはギデのことで情報を掴んだ様子だったが、アサドに何も告げぬまま立ち去ってしまう。その後、カールは生きているニーデに会いに行き、フィリップ、リタ、ギデの殺害について尋ねた。ニーデが口を割ろうとしなかったため、彼女が飲んでいるヒヨス入りの飲み物を口に入れた。ニーデは3人を殺し、IDと鍵のネックレスを残してギデに成り代わったことを認めた。倒れていた椅子は、クアトのために用意した物だった。

アサドはヌールがクアトの元に向かったことを知り、救出に向かった。しかし、クアトに追い返されてしまう。アサドは病院に忍び込んだ。一方、カールはニーデから話を聞いていた。ニーデは施設を出た後、テーイの元へと戻った。しかし、子供を産むことができなくなったニーデは、彼の元を去ることにした。そして、自分の人生を台無しにした連中に復讐するため、行動を起こした。

一番初めに殺したのはギデだった。ニーデは6年かけてギデとの信頼関係を築き、許したと信じさせた。彼らをテーブルを囲うように座らせたのは、クアトが持っている「死んだ家族の写真」を模したからだった。クアトを殺す前に、ニーデの元にテーイが訪ねてきた。テーイには子供はおらず、船乗りになって世界を回っていた。彼と楽しいひと時を過ごしたニーデは無駄なことをしてきたことに気づき、憎しみを手放したのだった。カールはニーデを見逃し、クアトを必ず逮捕することを約束した。ニーデはテーイの遺骨と共に、船の上から姿を消した。

カールはローサからアサドとの連絡が途絶えたとの知らせを受ける。一方、病院に侵入していたアサドは、眠らされているヌールを見つけた。しかし、自分の同僚でありクアトの仲間である警官に撃たれてしまう。病院に到着したカールは、警官とクアトを倒し瀕死のアサドに駆け寄った。

クアトが所属する組織「寒い冬」のメンバーは、医師に限らず政府組織の職員も含まれていた。彼らが外国人女性に対して強制不妊手術が行っていたことが、ニュースで報道された。クアトは逮捕された。無実を主張するが、被害者の1人であるヌールが事件について語った。60人以上の女性から警察に連絡が入り、さらに4人の医師が逮捕された。

手術を受けたアサドが目を覚ました。カールはローセにも自分にも必要なので、特捜部Qに残って欲しいと思いを伝えた。アサドは承諾し、カールと握手を交わした。

映画『特捜部Q カルテ番号64』の感想・評価・レビュー

ニーデを始めとした女性に対して行われた強制不妊手術はあまりにも酷くて、犯人に対してムカムカとした怒りを感じた。若かりし頃のニーデを演じたファニー・ボールネダルの演技が上手くて、テーイに対しての愛やクアトに対しての怒りの感情が物凄くダイレクトに伝わってきた。事件についてだけではなく、カール達の人間関係についてもさりげなく描かれているのが良いと思う。原作の小説は続編もあるため、ぜひ映画化も続いて欲しいなと思う。(MIHOシネマ編集部)

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