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映画『スキャナーズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スキャナーズ』の概要:超能力を有するスキャナーが産まれた理由と、その驚異的な能力を描いた作品。当時の技術としては、かなりのリアルさを追求しており、傑作と言われ多方面へと影響を与えたことも頷ける。正念場であるサイキックバトルは必見。

映画『スキャナーズ』の作品情報

スキャナーズ

製作年:1981年
上映時間:104分
ジャンル:SF、ホラー
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:スティーヴン・ラック、ジェニファー・オニール、マイケル・アイアンサイド、パトリック・マクグーハン etc

映画『スキャナーズ』の登場人物(キャスト)

ベイル(スティーヴン・ラック)
ホームレスの35歳。ルース博士に見出され、レボック捕縛の任を課せられる。捕縛の過程で驚異的な能力に目覚めていく。正義感の強い人物。
ルース博士(パトリック・マクグーハン)
超能力者であるスキャナーの研究者であり、理解者。コンサック社所属の精神薬理学者。エフェメロルの効能に目を付け、ライプ・プロジェクトによりスキャナーを輩出した過去を持つ。
レボック(マイケル・アイアンサイド)
スキャナーの地下組織を指揮する人物。眉間に自らで開けた穴の痕がある。スキャナーであるが故に精神異常をきたし、破壊衝動に駆られている。実はルース博士によって作られたベイルの兄。
キム(ジェニファー・オニール)
レボックの手から逃れたスキャナーを集め、救済している女性。彼女自身も強力な力を有したスキャナー。相手の記憶をスキャンし、幻覚を見せることもできる。

映画『スキャナーズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スキャナーズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スキャナーズ』のあらすじ【起】

ホームレスのベイルは、持って生まれた不思議な能力に人生を苛まれていた。そのせいで普通の生活を送ることができずにいる。いわゆる超能力と言われる能力だが、彼自身にすら使い方が分からずにいた。

そんな時、デパートで残飯漁りをしていた彼は、客の女性へ力を使ったことでVIPの警護を主とする警備会社コンセックに捕縛される。
コンセック社では超能力を持つスキャナーを集め、精神薬理学者であるルース博士が中心となって研究していた。

ルース博士はスキャナーのリストを作成、研究を行っていたが、その中に強い破壊的衝動を持ち、強力な能力を持つレボックという男がいた。しかし、彼は精神に異常をきたし、コンセック社へと反旗を翻す。スキャナーのリストを入手したレボックは、次々と仲間を増やし組織を形成。仲間にならないスキャナーは容赦なく殺した。

会社としてはレボックを捕まえ、事の終息を図りたいところだが、普通の人間では太刀打ちできない。そこで、新たに拾ったスキャナーのベイルを起用しようということになる。
ベイルはルース博士によって力の使い方を学び、そしてエフェメロルというスキャナーのみに効果を与える薬剤でもって、完全に力の抑制に成功。彼はコンセック社からの命により、レボック捕縛へと乗り出すことになるのだった。

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映画『スキャナーズ』のあらすじ【承】

レボックへの足掛かりとして、同じスキャナーである彫刻家と接触しようとするベイル。彼は画廊の職員をスキャニングし、彫刻家の居場所を探り当てる。
しかし、彫刻家はベイルのことを信用できずに協力を拒否。ベイルは仕方なく彼をスキャンしようとするも、どこからかそれを聞きつけたレボックが追手を放ち、彫刻家が銃撃されてしまう。死ぬ間際に彼をスキャンしたベイルは、次の手がかりとしてキムという女性の情報を入手するのだった。

キムの居場所を探し出したベイルは、彼女が身を潜める家へ。そこにはレボックの追跡から逃れたスキャナー達が身を寄せて合って暮らしていた。
彼女に協力を要請しようとしたベイル。キムはベイルの説得により力を貸してくれることになる。だが、そこへも追手が襲撃し、大勢のスキャナーが命を落とすのだった。

キムと共に逃れたベイルは更に彼女を説得。レボックがいる生化学研究所へ。
潜入したベイルは、その研究所でレボックがエフェメロルを製造し、タンカーで他国へ輸出していることを知る。更にコンピューターからライプ・プロジェクトという怪しげな計画を発見。しかし、記録へはアクセスできずに断念する。彼はキムを連れて一旦、博士の元へ戻ることにした。

映画『スキャナーズ』のあらすじ【転】

ルース博士はベイルからの連絡を受け、すぐさま帰還の手配をする。だが、その知らせを聞いたレボック捜索指揮をする上司が、横やりを入れてくる。キムの尋問は自分がすると言うため、博士はベイルからの報告を聞くことにした。

レボックがエフェメロルを製造する生科学研究所は、元々ルース博士が立ち上げた研究所だった。彼は研究所をコンセック社へと売り、自らも会社へ入社したと言う。ベイルはコンセック社にレボックと通じている内通者がいることと、ライプ・プロジェクトの件について報告。ルース博士の手配にてライプ・プロジェクトへのアクセスをしようとした。

だが、そこでキムが逃亡したと警報が鳴り響く。会社内は騒然とし、ベイルは彼女の救出へ向かい、ルース博士とははぐれてしまう。
キムを救出したベイルは無事に会社から逃亡するも、残ったルース博士は捜索指揮をする上司によって殺害されてしまうのだった。

キムとベイルはその後、車にて逃亡。給油所へ立ち寄った際、ベイルが電話回線からコンセック社へとアクセスを試みる。彼の能力は次第に強力なものへと成長しつつあった。
超能力により、記録へアクセスすることに成功したベイル。彼はそこで驚くべき実験の事実を知ることになる。

プロジェクトの記録が真実かどうか確かめるため、研究に関わっていた医師の元へ向かうことにした2人。医院に着いたベイルは医師の元へ事情を聞きに向かい、キムは待合室で待つことにする。待合室には妊婦がいたが、腹の子からスキャンされるキム。
その頃、ベイルは医師から研究の詳細を聞き出していた。

ライプ・プロジェクトとは、妊婦へエフェメロルを投入しスキャナーを作り出すという恐ろしい計画だった。真実を知った2人が次の行動へ出ようとした矢先、キムが麻酔銃で撃たれる。医院の外へ彼女を連れ出したベイルもまた、外で待っていたレボックにより意識を奪われてしまうのだった。

映画『スキャナーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

生化学研究所へ連れて来られたベイルとキム。レボックと対面したベイルは自分達が兄弟であることを知らされ、茫然とする。更にエフェメロルが元は妊婦用の睡眠薬であったこと、服用した妊婦の赤ん坊に副作用があったこと、それがスキャナーであることを知らされる。

この副作用に目を付けたコンセック社は、ルース博士へ研究費を出す代わりに研究所を買い取ったのである。そして、スキャナーを作り出すのがエフェメロルであれば、それ鎮めるのもまたエフェメロルなのであった。全てはこの薬1つによって、現在の状況が作り出されたのである。

レボックは超能力を利用し、世界を牛耳ろうとしている。仲間になれと誘われるも、ベイルはそれを断った。
画して、兄弟による超能力対決へと突入するのである。レボックの力は驚異的なものだった。しかし、短期間ではあるもののこれまでの経緯で急成長を遂げたベイルも負けてはいない。
それでも能力の差は歴然だった。ベイルは自らに火を放ち、命を懸けてレボックをスキャンする。

隣室で目覚めたキム。部屋から出て灰と化した遺体を発見する。遺体は恐らくベイルのものだが、部屋の隅から彼女へと声をかける者がいる。姿はレボックだったが、瞳の色はベイルであった。ベイルは自らの肉体を犠牲にし、レボックの肉体を乗っ取って奴を倒したのであった。

映画『スキャナーズ』の感想・評価・レビュー

CG技術がなかった時代の映画では最大限の表現力を持った作品。映像技術は現代と比べるまでもないが、その分サスペンスフルな展開が用意されていて高い緊張感が維持される。
主人公がヒーローではなく、たまたま強い超能力を持った善良な人間という設定がシナリオに上手く組み込まれていて、共感しやすいのも魅力的な点。特撮技術が注目されがちだが脚本部分もかなりレベルの高い作品。(男性 30代)


特殊メイクのみでの表現力の高さに見入ってしまった。
超能力を使って戦う時の睨み合いは結構地味だけれども、緊張感があって狂気じみていて、心底ザワザワした。
何と言っても、頭部が破裂するシーンが脳裏に焼き付いて離れない。
とんでもないものを見てしまった感があるが、それほど強烈なインパクトが残る。
CGを使わない特殊メイクのクオリティーの高さだけでなく、脚本や演出も含めて素晴らしい作品なので、もっと注目されるべきだと思う。(女性 20代)


超能力者達の戦いを描いたSFホラー映画であるが、1981年公開当時としてはかなりの力作。低予算でCG合成以前の作品で、今作での特殊メイクは各方面で称賛されている。
低予算と聞いてチープなものかと思いきや、ストーリー展開がしっかりしていて超能力者同士の戦いはかなりの見物。作り込まれた脚本で、かつ作品を通しての編集や展開が非常に秀逸。主人公がホームレスという点からも身近な存在として共感しやすい。そして、物語が進むにつれて能力が強まるという演出もラストに向けて気分を盛り上げている。終盤の兄弟対決が一番、面白く炎に巻かれ皮膚が溶ける演出もリアルでぞっとしたし、印象深かった。(女性 40代)


不穏な空気が流れる中で繰り広げられる超能力バトルは40年前の作品とは思えないほど新鮮でこんな映画他にはないと感じるでしょう。
パッケージの独特な雰囲気に惹かれて鑑賞しましたが、正直序盤はどんな展開が待っているのか読めず不安です。登場人物が皆怪しく見えてしまいます。しかし、レボックの能力が凄いものだと分かると一気に盛り上がりが来るので、見ていて本当に楽しかったです。
続編も鑑賞してみようと思います。(女性 30代)

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