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映画『スコルピオンの恋まじない』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スコルピオンの恋まじない』の概要:ウディ・アレンの脚本・監督・主演作品。趣味ギャンブル特技セクハラのベテラン保険調査員と、彼を目の敵にする合理主義の女役員の運命が、エセ魔術師の手によって回りだす。マシンガンのように繰り広げられる男女の嫌味合戦が軽快な、ロマンティック・ミステリー。

映画『スコルピオンの恋まじない』の作品情報

スコルピオンの恋まじない

製作年:2001年
上映時間:101分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ミステリー
監督:ウディ・アレン
キャスト:ウディ・アレン、ヘレン・ハント、シャーリーズ・セロン、ダン・エイクロイド etc

映画『スコルピオンの恋まじない』の登場人物(キャスト)

C・W・ブリッグス(ウディ・アレン)
ノースコート保険会社に勤める、保険調査員。最終学歴は自動車学校。鼻が利き、足を使った捜査が得意で、会社に貢献している。賭け事と、下品な冗談が好き。なぜか女性には好かれやすい。
ベティ・アン・フィッツジェラルド(ヘレン・ハント)
ノースコート保険会社に現れた、女性役員。通称フィッツ。切れ者で、無駄を嫌う。仕事の効率化や最新化を目指した改革を担っている。男運が悪く、バツイチ。現在は会社の社長と不倫中。
クリス・マグルーダー(ダン・エイクロイド)
ノースコート保険会社社長。フィッツの恋人。妻との仲は冷め、離婚を計画中。職場では平和を好み、ブリッグスとフィッツの口喧嘩には辟易している。
ヴォルタン(デヴィッド・オグデン・スティアーズ)
エセ魔術師。ショーレストランなどで、マジックや催眠術を披露する。催眠を利用し、宝石泥棒を目論む悪党。しかし、殺人を犯すほどの度胸は無い。
ローラ・ケンジントン(シャーリーズ・セロン)
ノースコート保険会社のVIP顧客・ケンジントン邸の娘。ブロンドの美女で、目立ちたがり。公共の場で騒ぎを起こしては、ニュースに名を載せる。体格の良い色男が好みだが、なぜかブリッグスに惹かれる。

映画『スコルピオンの恋まじない』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スコルピオンの恋まじない』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スコルピオンの恋まじない』のあらすじ【起】

1940年のニューヨーク。ノースコート保険会社のC・W・ブリッグスは、社員達から一目置かれるベテランの保険調査員だ。学歴は無く、バツイチで趣味は賭け事の小男だが、遺失物調査や防犯システムの設置に関しては数多くの武勇伝を持っている。そんなブリッグスが最近頭を悩ませているのが、半年ほど前に突然現れた女性幹部のベティ・アン・フィッツジェラルドだ。

フィッツはやり手のキャリアウーマンで、社長のマグルーダーと組んで社内改革を進めていた。昔ながらの手法を好むブリッグスにとっては、天敵だ。しかも、セクハラまがいの軽口を叩くブリッグスに対し、フィッツは心を許さない。二人が顔を合わせると、いつも辛辣な言い合いになる。フィッツが先輩で実績もあるブリッグスに対し強く出られるのには、理由があった。彼女は、マグルーダーの恋人なのだ。家庭のあるマグルーダーはフィッツに離婚を匂わせ、関係を続けていた。

ある日、社員の誕生会で訪れたレストランで、魔術師ヴォルタンのショーに付き合わされるフィッツとブリッグス。演目は催眠術だ。「コンスタンティノープル」「マダガスカル」の合図で、犬猿の仲の二人はハネムーンに訪れた新婚カップルに早変わり。あっさりと催眠にかかる二人に、社員達も大盛り上がりだ。ヴォルタンが指を鳴らせば、催眠術にかけられた事すら忘れてしまう。

その夜、ブリッグスのアパートに一本の電話がかかって来る。受話器を取って聞こえてきた第一声は、「コンスタンティノープル」。受話器の向こうのヴォルタンに命じられるがまま、ブリッグスは部屋を出て、ケンジントン邸に向かう。そこは、ブリッグスが防犯システムを設置した大豪邸だ。彼は屋敷から宝石を盗み出すと、盗品を自宅の本棚に隠し、眠りについた。

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映画『スコルピオンの恋まじない』のあらすじ【承】

翌朝、いつも通りに出勤したブリッグスは、ケンジントン邸で起きた宝石泥棒の話を聞いて驚いた。あの防犯システムが破られるなんて。張り切って調査に出かけ、内部犯の仕業ではないかと推理する。そして女主人のクローゼットを調べに行き、屋敷の娘・ローラに出会った。ブロンド美女のローラはお騒がせセレブとして有名で、同じく名物調査員のブリッグスとはお互い名前を知る存在だった。口達者の小男に、興味を抱くローラ。

高級な宝石が盗まれたこの事件は、保険会社にとっては一大事だ。マグルーダーは、フィッツの提言でプロの探偵を雇う事に決めた。最新の科学調査で、宝石の行方を探るのだ。しかし、それに反発するブリッグス。彼は、いつも通りの聞き込み調査に出かけ、飼い慣らしたホームレスに情報提供を呼び掛ける。

一日調査に出かけたブリッグスが社に戻ったのは、施錠時刻も間近の夜更けだった。オフィスに残っていたのは、フィッツ一人。それも、何だか焦った様子で早くブリッグスを追い出そうとする。それもそのはず、彼女はマグルーダーとの逢瀬の最中だったのだ。

不思議に思いながらも帰宅したブリッグスを待っていたのは、素肌にコート一枚だけを身に着け、ウォッカを手土産に持ったローラだった。彼女は、今まで相手にしたことが無いタイプのブリッグスにすっかり夢中になっていた。戸惑いながらも、誘いに応じようとするブリッグス。しかし、そこへ再び電話がかかって来る。「コンスタンティノープル」。ブリッグスは丁重にローラを追い払い、今度はティルズワース邸の宝石を盗みに出かけて行くのだった。そして翌朝、身に覚えのない酒瓶や女物のストッキングが部屋にある事に驚いた。

映画『スコルピオンの恋まじない』のあらすじ【転】

再び自分が防犯対策をした屋敷で盗難が起こり、ムキになるブリッグス。彼は、昨夜フィッツが一人オフィスに残り、挙動不審だったことを思い出した。デスクを探り、彼女の部屋の合鍵を作る。その夜、早速フィッツの部屋に忍び込んだブリッグスだが、調査を始めて早々にフィッツが帰宅してしまった。それも、マグルーダー付きだ。二人は、マグルーダーの離婚話がダメになり、別れ話の最中だった。

仲違いをしたままマグルーダーが去り、フィッツは酒をあおって窓から飛び降りようとする。それを見たブリッグスは隠れていられなくなり、彼女を引き止め部屋に来た経緯を明かした。当然フィッツは怒り狂うが、酒が回り、ソファで寝入ってしまう。仕方なく、朝まで彼女を見守るブリッグス。

翌朝、出勤したブリッグスは、連続強盗の容疑者となっていた。探偵が現場の指紋や遺留品を調べ、それらがブリッグスのものと完全一致したのだ。事件の夜、彼が出歩いていたことはローラが証言した。次々出てくる証拠に、社員達も彼を疑いの目で見るしかない。しかし、フィッツは自分を見守ってくれていたブリッグスの無罪を信じたい気持ちになっていた。話し合う為、彼のアパートを訪れたフィッツだが、そこで目にしたのは隠された大量の宝石だった。さらに、釈明している最中に電話に出たかと思うと、態度を一変させフィッツを部屋から追い払うブリッグス。彼は宝石を空きロッカーへ移動させる為に持ち出し、そして逮捕された。

一度は拘留されたブリッグスだが、証人として呼ばれていたローラの助けを得て、まんまと逃げだした。あえて犬猿の仲のフィッツの部屋へ行き、休みだす。あまりに無防備な彼の様子に、フィッツも通報する気を無くしてしまった。そこへ、電話がかかって来る。「マダガスカル」。ブリッグス逮捕のニュースが流れ、ヴォルタンが標的を変えたのだ。フィッツはケンジントン邸で盗みをして帰って来ると、ブリッグスに愛を囁き、甘えながら眠りについた。

映画『スコルピオンの恋まじない』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、すっかり元に戻ったフィッツに部屋を追い出されるブリッグス。フィッツを疑いながらも、聞き込みを再開する。「エディ・ポルガー」という名が挙がるが、心当たりはなく、犯人が取りこぼしたイヤリングは、フィッツの部屋に落ちていた物と同じだった。フィッツを真犯人だと信じ、証拠探しの為、ブリッグスは社に戻る。

同僚達は、ブリッグスに優しかった。彼らとの会話で、レストランで出会った魔術師の名がポルガーと知る。ブリッグスは、真相に辿り着いた。手品好きの同僚が、試しにあの言葉を口にする。「コンスタンティノープル」。ブリッグスは催眠状態となり、同僚の導きで失われた記憶を取り戻し、この呪いから解放された。

その頃、フィッツの元には再び電話がかかって来ていた。宝石を、直接チャイナタウンのアジトに運べという指示だ。車に乗り、言われた住所を目指すフィッツ。少し遅れて、ブリッグスがフィッツの部屋を訪れた。彼は住所のメモを見つけ、フィッツの後を追う。

チャイナタウンでは、ヴォルタンが女と共にフィッツを待ち構えていた。フィッツは、宝石を渡してしまう。しかし、そこへブリッグスが乱入した。彼は銃を向けられても得意の口八丁で時間を稼ぎ、無事、事件の真犯人は逮捕される。そして、未だ催眠状態にあるフィッツと、一度だけ熱いキスを楽しむブリッグス。

ブリッグスの名誉は回復したが、彼は転職し、会社を去ると決めた。フィッツはマグルーダーとよりを戻し、直に挙式をする予定だ。ブリッグスは、催眠が解けたにもかかわらず、フィッツの事が気になって仕方がない。マグルーダーとバカンスに出かけようとするフィッツを引き止め、玉砕覚悟で愛の告白をする。それでも相手にされず、思わず口にしたのは「マダガスカル」。フィッツは、うっとりとブリッグスを見つめ、彼こそが理想の男だと言った。もう催眠は解いてやったのに、と不思議がる同僚。フィッツは、いたずらな笑みを浮かべ、ブリッグスの肩に腕を回した。

映画『スコルピオンの恋まじない』の感想・評価・レビュー

犬猿の仲だった男女が催眠術にかけられて恋に落ちてしまうなんて、なんともウディ・アレンらしい物語。しかも、主人公はウディ・アレン本人なのでかなりやりたい放題です。
催眠術にかかるストーリー自体はくだらないと思ってしまうような単純なものなのに、ウディ・アレンが描くとこんなにもオシャレでちょっぴり理屈っぽくて皮肉の効いたラブストーリーになるのだなと、改めて彼らしさを感じられる作品でした。
彼の作品の中でも可愛らしくてキュートな作品なので、ウディ・アレン初心者の方にもオススメしたいです。(女性 30代)

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