映画『シークレット ウインドウ』の概要:スパイダーマンやパニックルームの脚本を手がけたデヴィット・コープ監督、ジョニー・デップ主演の2004年のアメリカの映画。主人公レイニーと同じ、売れっ子作家のスティーヴン・キング原作。
映画『シークレット ウインドウ』 作品情報
- 製作年:2004年
- 上映時間:96分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー
- 監督:デビッド・コープ
- キャスト:ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロ、マリア・ベロ、ティモシー・ハットン、チャールズ・ダットン etc…
映画『シークレット ウインドウ』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『シークレット ウインドウ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『シークレット ウインドウ』のあらすじを紹介します。
小説家モート・レイニーの前に、小説を盗まれたと言い張る一人の男が訪れる。
男の名前はジョン・シューター。
彼が盗作だと言い張る、レイニーが書いた小説は「シークレット・ウィンドウ」といい、窓から見える庭を愛する妻をシャベルで殴って埋める夫の話だ。
シューターはしつこく、盗んでないなら証拠を出せと言ってくる。
レイニーは、小説がはじめて掲載された雑誌を証拠として渡す約束をする。
そして、その雑誌は離婚調停中の妻の家にあるはずだった。
シューターに愛犬チコを殺され、懇意にしている護士に相談する。
その夜、突然シューターが現れ、レイニーの盗作と決め付け、小説の結末を変えろと脅してくる。
そして、エイミーの家が放火され、シューターに渡すはずの雑誌も灰になる。
弁護士の計らいで、雑誌は出版社から在庫を送ってもらうことになる。
だが、その弁護士とシューターを目撃したはずの老人が殺害される。
そして、シューターに脅されて死体を隠したレイニー。
ようやく届いた雑誌には、レイニーの作品だけが切り抜かれていた。
それがきっかけで、パニックに陥るレイニー。
ジョン・シューターは、モート・レイニーの別人格だったのだ。
そして、モート・レイニーの人格は消え、ジョン・シューターの人格が残った。
やがて、離婚届にサインを求めてエイミーがレイニーの元を訪れ、彼女の恋人テッドも後を追ってくる。
その2人を殺めたジョン・シューターは、思い描いた通りの「シークレット・ウィンドウ」の結末の生活を送るのだった。
映画『シークレット ウインドウ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『シークレット ウインドウ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
面白いけれど物足りない
数多くのヒット作の脚本を手がけたデヴィット・コープが脚本と監督、売れっ子作家のスティーヴン・キングの中編小説が原作、人気俳優ジョニー・デップ主演という、申し分ない人気どころを集めたにもかかわらず、どこか物足りなさを感じる作品だ。
それは、デヴィット・スコープの映画監督経験が少なく、脚本を専門にしているために感じるものだろう。
ストーリー、レイニーの別人格ジョン・シューターにつながるフラグなど、ストーリーに関しては文句なしだが、ストーリーの要である小説に頼りすぎている節が感じられる。
そして、肝心のジョン・シューターの言う盗作問題、レイニーの作品のほうが2年早く発表されている事実が、最後にはどうでもよい扱いになっているのには、とても不満を感じてしまう。
ジョン・シューターの正体にたどり着くまで
チコを失ったレイニーが警察に駆け込むと、ジョン・シューターを「熱狂的ファンでストーカーで、しかも頭のネジが抜けたような人物」と告げ、やる気のない対応をする地元警察。
相談した弁護士は、「警察が言うよりも危険な人物」と想像する。
離婚調停中のエイミーの恋人テッドの出身がシューターズ・ベイという場所だとわかると、話が複雑になってくる。
レイニーと結婚していた頃、エイミーはテッドと不倫してそのまま現在に至るので、レイニーとテッドの仲は最悪なのだ。
テッドが雇った嫌がらせ犯に、わざわざ自分の出身地の名前を名乗らせたものの暴走し始めた、それがジョン・シューターだという結論に至る弁護士とレイニー。
だが、彼女を撃てという意味の「Shoot Her」を文字ってシューターになった、レイニーの別人格だとわかる。
シューターの帽子を被ってから、何人もの自分との会話を始めるレイニーの自我が、家の亀裂と鏡によって表現されているのは面白い。
何より、ジョン・シューターを演じる役者が存在し、その威圧感を見せながらも、実は誰にも見えていなかったというオチは、別人格が犯人だったという種類の映画の筋書きとしては巧妙に作られている。
ミステリー作品の中でも、大好きな作品。ジョニー・デップ×ミステリー作品で面白くないわけがない。今となっては、日本のドラマや映画含め同じような結末の作品も多く、途中で勘づいてしまう方も少なくないのかもしれない。しかし当時、初めて観たときの私は深い衝撃を受けた。ジョニー・デップの演技に魅せられ、最後の最後まで気付くことが出来なかった。物語は終始哀愁漂っており、明るい作品ではないものの、ミステリーといえばこの作品が思い浮かぶ程大好きな作品の一つである。(女性 20代)
数多くの作品に出演しているジョニー・デップですが、個人的にはこの『シークレット ウィンドウ』の時のビジュアルが彼のイメージにピッタリはまっていて大好きです。決して清潔そうな見た目ではありませんが、ボサボサの頭にだらしのない服、そして太いフレームのメガネを掛けた姿に魅了されてしまう人も少なくないでしょう。
そうなると、ストーリーの方も魅力的に思えてくるんです。全体的に暗い雰囲気で謎が深まっていく感じはドキドキさせてくれますが、物足りなさはあります。しかし、ジョニー・デップが演じているから許される所もあるのではないでしょうか。(女性 30代)
映画『シークレット ウインドウ』 まとめ
小説家スティーヴン・キングが書いた、自分と同じ小説家を主人公にした映画は数本あり、バッドエンドの「シークレット・ウィンドウ」はその意外性が面白いです。
ミステリーで用いられる事が多い、シャイニングの「REDRAM」(レッドラムと読むが、逆にすると殺人鬼という意味)と同じく、「SHOOT HER」をもじった言葉を使っているのも、原作から引き継がれた面白さです。
ジョニー・デップは、この作品でメガネを気に入り、最近でも作中でレイニーがかけているようなウェリントン型のメガネを愛用しているのを見かけます。
別人格が存在する多重人格は、正式には解離性同一性障害と呼ばれる病気ですが、名前からしてエイミーの不倫現場を見たからか、彼女の流産かもしれませんが、それによってレイニーは心を病んだと想像でき、悲しくなります。
未公開映像の中には、行方不明になったエイミーとテッドの行方を描いた別のラストシーンも存在しますが、ゾッとする内容です。
みんなの感想・レビュー