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映画『戦場のメロディ(2015)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『戦場のメロディ(2015)』の概要:戦争により家族や戦友を次々と失った青年が、戦争孤児と出会い児童合唱団を結成する。子供たちの無垢な笑顔と、真っすぐな歌声を通じて心身共に回復していく様子を紡ぐ一作。

映画『戦場のメロディ』の作品情報

戦場のメロディ

製作年:2015年
上映時間:124分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:イ・ハン
キャスト:イム・シワン、コ・アソン、イ・ヒジュン、チョン・ジュノン etc

映画『戦場のメロディ』の登場人物(キャスト)

ハン・サンヨル(イム・シワン)
戦争の無意味さを目の当たりにし、人を信用できなくなってしまった青年。孤児院の管理を任され、合唱団を結成し指導を通じて自身の心の傷も癒していく。
パク・ジュミ(コ・アソン)
裕福な家庭に育ちながら戦争孤児の面倒を見る奉仕活動をしている。堅物だが優しいソンミンに惹かれながら、共に合唱団の子供たちを支えていく。
カルゴリ(イ・ヒジュン)
粗悪な環境の戦争孤児集落を管理している男。戦禍で片方の手を失い、町の有力者に媚びを売りながら何とか地位を保っている。
オ・ドング(チョン・ジュノン)
国家間のしがらみにより、父親を亡くし唯一の家族である妹・スニを必死に守る少年。ソンミンの合唱団に入り、守ってもらうありがたみを知る。

映画『戦場のメロディ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『戦場のメロディ(2015)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『戦場のメロディ』のあらすじ【起】

朝鮮戦争真只中の1951年、最前線での作戦を任された小隊長・サンヨル。あまりにも多くの命が目の前で終わりを迎え、抜け殻のようになってしまった。そんなサンヨルにドングとスニの兄弟が泣きながら助けを求めてきた。彼らの父親は、民主主義を重んじたがために村びとに袋叩きにされたのだ。その姿を見たサンヨルは、徴兵される直前に妹のサンミと別れるまでの厳しい経験を思い返し立ち尽くすのだった。

1952年、少佐となったサンヨルは釜山で孤児院の管理を任される。チョ上士に町を案内してもらったサンヨルはパク・ジュミという女性を紹介された。握手した二人は目が合い少し恥じらった。その矢先、子供にカバンをひったくられたジュミ。必死に追いかけたサンヨルがたどり着いた先は、戦争孤児が暮らす集落である。そこは決していい環境とは言えず、サンヨルは状況の酷さを痛感する。

歓迎も兼ねてチョ上士と飲みに行ったサンヨル。夜明けまで飲み明かしたサンヨルは、講堂にピアノを見つけ徐に演奏を始めた。大学では音楽を専攻していたサンヨルは、久しぶりに思う存分ピアノに触れることができた。その演奏を聞いていたジュミと孤児院の子供たち。拍手をして称賛し、ソンミンに挨拶するのだった。

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映画『戦場のメロディ』のあらすじ【承】

孤児となったドングとスニ。ドングは靴磨きをして、スニは花を売って何とか生きながらえていた。二人を気にかけていたチョ上士は、時折靴磨きを頼んでは食料を与えていた。その日も声をかけ食料の入った袋を渡したチョ上士。喜んだスニは仲間のイランに声をかけた。その時、イランは戦場で拾った不発弾から金属を取ろうと必死であった。その様子を見たソンミンは急いで止めに入るが、すでに遅く大きな爆発を起こしてしまうのだった。

子供たちのためにできることを探すソンミン。孤児で合唱団を結成したいとジュミを連れて連隊長に申し出た。同席した口達者なカルゴリのおかげで交渉は成功。早速カルゴリは自分が管理する孤児の集落から合唱団のメンバーを選抜した。

ソンミンとジュミによる選考会が開催される。父の死から歌を歌えなくなってしまったソミだが、父の言いつけを守りドングと離れないために一緒に参加した。ドングが歌った曲は子供たちに故郷を思い返させる。選考会に集まった子供たちは涙を浮かべながら大合唱するのだった。

カルゴリの監視下からソンミンの孤児院に移った子供たちは、満たされた環境に胸を躍らせる。しかしそれはカルゴリの思惑を叶えるための手段である。実は町の有力者からビジネスとして軍の石油を使いたいともちかけられていたのだ。戦争で左手を失ったカルゴリは、プライドと立場を守るために、ドングを送り込み石油を盗みだそうとしていたのだった。

映画『戦場のメロディ』のあらすじ【転】

合唱団の練習は順調に進んでいた。指導者としてまだ自信を持てないソンミンは、チョ上士に飲みながら相談をしていた。そこへジュミが参加する。途端にチョ上士は用事だとその場を離れ、二人きりの時間を作ってあげたのだ。チョ上士の思惑通りにはならなかったが、二人は飲みながら語り明かした。

夜な夜な寝床を抜け出すドングを、チュンシクは見張っていた。ドングの父親に裏切られ親と兄弟を失ったチュンシク。ドングが自分と同じ環境にいるのが許せないチュンシクは、石油を盗んでいることをソンミンに密告した。すぐにカルゴリの仕業だと気づいたソンミンは、軍需品の横流しなどを見逃す代わりに子供を巻き込まないよう警告するのだった。

ドングとチュンシクの仲が気になるソンミンは、二人に喧嘩をするように指示した。しかしお互いに手を出すことはなく黙っている。そこでソンミンは、違う課題曲を与え歌わせた。違う曲でもハーモニーは生まれることを体感させるのだった。より一体感が増した合唱団は、慰問公演当時を迎える。

大成功を収めた合唱団は、褒美の食事を囲んだ。ソンミンが子供たちを褒め称えた矢先、捕虜による暴動が起こってしまう。翌日、捕虜の銃殺を目の当たりにしたソンミンは、悪夢にうなされてしまった。その様子を見ていた子供たちとジュミはそっとソンミンを抱き締めるのだった。

穏やかな時間が流れる中、カルゴリが自分の管轄に居た子供たちを連れ戻してしまった。町で花を売っていたソミが、カルゴリが慕う有力者にイタズラされそうになっているところを見かけ、手を挙げたソンミン。思惑を邪魔されカルゴリはソンミンに殴り掛かる。乱闘の末、海に落ちたカルゴリが溺れている姿を見たソンミンは、迷いなく助け出すのだった。

映画『戦場のメロディ』の結末・ラスト(ネタバレ)

合唱団の評判は広まり、公演依頼が多くなった。その中で連隊長は白馬高地に行くようにソンミンへ命令をする。戦闘部隊への慰問公演は避けたいソンミン。独断で合唱団の解散を決めてしまう。その報告に納得がいかないドングが必死に食い下がる。ジュミもソンミンの意見に反対し、子供たちはどんな場所でも慰問公演に向かうと意思表示するのだった。

チョ上士も同行し、戦闘地区で多くの公演を行った合唱団。順調に回っていたが、ある日休憩中にドングとスニ、チュンシクが山で迷子になってしまった。すぐにチュンシクだけは見つかったが、ドングとスニは銃撃戦に巻き込まれてしまった。スニを守るため、ソンミンの方へ駆け寄ったドングは流れ弾を受けてしまう。ソンミンも脚に銃弾を受けながら二人を抱きかかえ救護室へ急ぐのだった。

最後の力を振り絞ってスニに声をかけるドンク。「歌ってほしい」というドングの願いを叶えるため、スニはトラウマを超えて父親との思い出の歌を聴かせるのだった。

1953年7月、戦争が終わった。スニはソンミンの指揮の元、天国にいる父親とドングに届くように精一杯歌い続けるのだった。

映画『戦場のメロディ』の感想・評価・レビュー

戦禍のたどり着いた安らぎは子供の声であった。吹き替えなしの歌声は劇中の大人たちだけでなく、観る者も癒してくれる。死と隣り合わせの環境の酷さを描きつつ、子供と傷心した大人の心情を丁寧に紡いでいく一作。韓国アイドルグループ「ZE:A」のイム・シワン主演という打ち出しに惹かれて鑑賞する方もいるだろうが、敵役の熱演には拍手を送りたい。子供達との距離感を大事にしたのが伝わる演出であった。(MIHOシネマ編集部)


ストーリーや世界観は物凄く良くて、主演のイム・シワンの演技も素晴らしかったのですが所々で雑な演出が入ってしまうのがすごく気になり、あまり入り込めませんでした。
それぞれのキャラクターについての描写があまり深くないので物語を見て観客が作りあげていくしかないのですが、ぼこぼこにされて腫れ上がっていても美しく見えてしまう整ったお顔はこの時代の作品には合っていないかなと思ってしまいました。
もう少し深いところまで掘り下げて欲しかったなと思います。(女性 30代)

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