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映画『ハナ 奇跡の46日間』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ハナ 奇跡の46日間』の概要:1991年に開催された世界卓球選手権にむけて史上初めて結成された、朝鮮半島南北統一チーム「コリア」。ライバル同士だった選手が対立しながらも互いに心を交わしていく様子を紡いだ一作。

映画『ハナ 奇跡の46日間』の作品情報

ハナ 奇跡の46日間

製作年:2012年
上映時間:127分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ムン・ヒョンソン
キャスト:ハ・ジウォン、ペ・ドゥナ、ハン・イェリ、チェ・ユニョン etc

映画『ハナ 奇跡の46日間』の登場人物(キャスト)

ヒョン・ジョンファ(ハ・ジウォン)
韓国のエース選手。闘病中の父親と、支えてくれる母親のためにも世界選手権で金メダルを取りたいと練習に没頭している。統一チームで北朝鮮選手・プニとペアを組み成長していく。
リ・プニ(ペ・ドゥナ)
北朝鮮のエース選手。祖国の規律を守りながらも、卓球を通じてジョンファと心を通わせていく。誰よりも努力家だが、体調を崩し苦戦してしまう。
チェ・ヨンジョン(チェ・ユニョン)
韓国の選手であり、ジョンファのダブルスのペア。統一チームでチェ・ギョンソプと初めて会い、一目惚れしてしまう。お転婆だが、根気のある女性。
ユ・スンボク(ハン・イェリ)
北朝鮮の選手であり、プニのダブルスのペア。プニも認めるほどの実力者だが、緊張に弱く初めての世界選手権では苦戦を強いられる。
チェ・ギョンソプ(イ・ジョンソク)
北朝鮮の男子選手。真面目で祖国の規律に従順な分、韓国選手の冗談に慣れるまで時間を強いられる。ヨンジョンに想いを寄せられ、動揺するが不器用ながらに気持ちを伝えていく。

映画『ハナ 奇跡の46日間』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ハナ 奇跡の46日間』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ハナ 奇跡の46日間』のあらすじ【起】

朝鮮戦争休戦後も分裂している韓国と北朝鮮。両国ともに卓球がブームとなっている1961年、ジョンファとプニは北京で行われたアジア大会でメダルを賭けて戦っていた。中国選手の壁は厚く、ジョンファは銀メダル、リは銅メダルを獲得する。韓国の卓球ブームは拍車がかかり、代表選手であるヒョンには国中が注目していた。そんな中、次の世界選手権は韓国と北朝鮮の統一チームで出場することが決まる。反論したいジョンファだったが、代表を外される恐怖から何も言えなくなってしまった。

初めての日本に浮かれる韓国の選手たち。相反して北朝鮮の選手たちは軍の練習のように規律を保って行動していた。場を和ませようとジョークを言う韓国の選手だが、北朝鮮の選手には通じない。ピリピリとした選手団の空気を察した両国の監督は、まず指揮者から打ち解け合おうと酒を酌み交わすのだった。

指導者の苦悩を知らず、選手たちの溝は深くなるばかりだった。ある日の夕食時には暴力騒ぎを起こしてしまう。報道陣に写真を撮られてしまいこっぴどく絞られた監督2人。翌日から「心を一つ」にするトレーニングや指導に熱を入れ始める。そんな中、韓国選手のヨンジョンは一目惚れした北朝鮮選手のギョンソプに手紙でアプローチをかけようとした。しかし男子選手のイタズラにより、全員の前でラブレターを読み上げられてしまう。さらに二人きりになることができても「国に妻がいる」とフラれてしまうのだった。

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映画『ハナ 奇跡の46日間』のあらすじ【承】

朝の走り込みで偶然一緒になったジョンファとプニ。「中国には勝てない」と報道されているのを見た二人は、同じ目標を定めプレーでチームを引っ張り始める。

初めての公式戦は千葉で開催された。世界中の注目を集める統一チーム、プニと互角の実力を持つスンボクは初めての国際試合に緊張し実力を出せずにいた。格下の相手に苦戦しながらも、プニのサポートで何とか初戦を突破する。隠れて練習するスンボクにジョンファは声をかけ練習に付き合った。しかし、その翌日も大事な局面でミスをしてしまったスンボクは、自らプニのペアを辞退しジョンファを推薦するのだった。

不安を母親にぶつけたジョンファは初心を思い返し、プニとペアを決心する。息の合ったジョンファとプニのペアはチームにもいい影響を与え、どんどん団結力が高まっていく。順調に勝ち進むジョンファ・プニペア。ギョンソプもシングルスで銀メダルを獲得し、他の国の監督から声をかけられるようになっていた。

ベスト4戦を控え、ご褒美に外出許可をもらった選手たち。日本観光をしようと浮かれる選手たちだが、ジョンファは中国選手を想定し対策を練っていた。その時、体調を崩していたプニ。ジョンファが発見し、病院へ連れていったおかげで一大事は免れることができた。

遊びに行った選手たちは、本当はギョンソプが独身だと知りヨンジョンとの仲を取り持とうとしていた。統一チームが解散すれば会うこともままならない二人は、互いに気持ちを通じ合わせながらも関係を深められずにいる。その頃、宿舎では北朝鮮の国交員たちがギョンソプの荷物を調べ上げているのだった。

映画『ハナ 奇跡の46日間』のあらすじ【転】

病院から戻ったプニとジョンファはロビーに集められた選手たちの姿に動揺する。北朝鮮の規律を破ったとして統一チームは解散させられてしまった。練習以外での選手の交流は禁止されていたのだ。韓国の食べ物を持っていることや選手間での恋愛、さらにはギョンソプが他国のコーチの名刺を持っていたことが引き金になっていた。

亡命を疑われた北朝鮮の選手たちは試合に出してはもらえなかった。プニたちの分まで勝ちたいと願うジョンファは、韓国の選手を率いて勝利を掴んでいく。ヨンジョン会心の一打で決勝の切符を掴み取った選手たち。

決勝は全員で臨みたいと、大雨の中ジョンファたちは監督に頭を下げた。党の命令に背いてでも選手たちを勝たせてあげたいと行動に移したナンプン監督。北朝鮮の選手たちを連れて、韓国の選手たちの元へ駆けつけるのだった。一つになった統一チームは、決勝戦へと向かう。

対戦相手は強豪中国。初戦を制したジョンファ。18年ぶりに中国から勝ち星を取ったジョンファの姿に国中が盛り上がる。プニはライバル選手のトンとの激しいラリーの末負けてしまい、ヨンジョンも準決勝での負傷が響き負けてしまう。緊張に押しつぶされそうになりながらも、声援を力に本来の実力を発揮したスンボクはジョンファとプニのダブルスに全てを託すのだった。

映画『ハナ 奇跡の46日間』の結末・ラスト(ネタバレ)

統一チームの運命を託されたプニとジョンファ。順調に点を重ねていくが、突如プニが倒れてしまった。プニの体調を踏まえて辞退しようとするジョンファだが、プニは絶対に諦めなかった。しかし、マッチポイントを迎え審判の判定が中国側に寄ったものになる。審議を訴えるナンプン監督はレッドカードを出され、退場させられてしまった。

窮地に立たされてもプニとジョンファは諦めることを知らない。最後の一球は、プニが攻撃すべきだとジョンファは手を取る。二人の作戦は見事に当たり、ライバルの中国から王座を奪還するのだった。

念願の金メダルを見つめ、余韻に浸るジョンファ。しかし別れは突然訪れた。北朝鮮の選手たちにこれ以上の交流は許されず、強制的に帰国が決まったのだ。信じてくれたヨンジョンに感謝を伝えるスンボク。気持ちを交わしながらも別れなければならないヨンジョンとギョンソプ。そして共に戦ったプニとジョンファは何度も手を取り合って「また会おう」と誓うのだった。

2年後の世界選手権、プニとジョンファは対戦相手として同じ試合に挑むのだった。

映画『ハナ 奇跡の46日間』の感想・評価・レビュー

突如結成された南北統一チーム「コリア」は実在した。エンドロールと共に流れる写真が物語る2国の絆は、涙を呼ぶこと間違いないだろう。スポーツを介して国家間の課題に向き合うというため、説教クサくなく感情が乗りやすいのだ。勝負の世界ゆえにライバル関係は欠かせない。対立する相手ながらに心を寄せていく様子が秀逸であった。日本の「ピンポン」には劣るが、試合のシーンも臨場感があり演者の表情は見どころの一つである。(MIHOシネマ編集部)

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