映画『先生を流産させる会』の概要:2009年、愛知県で中学生が妊娠した先生を流産させる衝撃的な事件が起きる。実話を元に制作された今作は、劇場公開初日から満員の大盛況。幼い少女から、妊娠できる身体に変化していく多感な時期の女生徒と向き合うサワコ先生。お腹に宿る命に、おぞましい悪意が忍び寄っていく。
映画『先生を流産させる会』の作品情報
上映時間:62分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:内藤瑛亮
キャスト:宮田亜紀、小林香織、高良弥夢、竹森菜々瀬 etc
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映画『先生を流産させる会』の登場人物(キャスト)
- サワコ先生(宮田亜紀)
- 中学1年生のクラスを受け持つ少し性格のキツイ女教師。妊娠4か月目になりながらも、教鞭を振るう一方で、生徒たちからの嫌がらせやモンスターペアレントに悩まされる。
- ミヅキ(小林香織)
- 不良グループのリーダー。妊娠したサワコ先生に異常なほどの嫌悪感を抱く。
- フミホ(高良弥夢)
- 不良グループの一員。口数は少なく大人しい性格のため、ミヅキのすることに反対ができない。母親がモンスターペアレント。
映画『先生を流産させる会』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『先生を流産させる会』のあらすじ【起】
中学校教師のサワコは、正義感が強くしっかり者だが少しだけ融通が利かない真っ直ぐな人物。生徒たちからは、怖いと思われる他にウザがられている面もある。
自分が担任をしているクラスの生徒、ミヅキたちに妊娠中か聞かれ、サワコはそうと答える。ミヅキは、サワコがセックスをして妊娠したことに対して嫌悪感を抱いた。
ミヅキたちは不良グループに分類され、人家から離れた場所にある潰れたラブホテルをたまり場にしていた。
グループ内のフミホは、ヒステリックで過干渉の母親を持つ。母親は連日サワコの妊娠について学校に電話を掛けクレームを入れ、更に手紙でも抗議する人物。ミヅキの家は、自宅の電話番号も緊急連絡先の携帯電話も不通で、ミヅキについては全くの無関心。彼女たちはどこか問題を抱える家庭に育っていた。
そしてある日、ミヅキたちはスーパーマーケットから5つの指輪を万引きし、ホテルで指輪をはめ合い「先生を流産させる会」を発足させる。
理科の時間、ミヅキたちは先生の目を盗んで薬品をいくつかくすねる。サワコの給食のスープに薬品を入れ、スープを飲んだサワコは生徒たちの前で嘔吐する。
保健室で休んでいるサワコを訪ねたミヅキは、サワコのお腹を触りながら、保健医にいつから人間になるのかと聞く。保健医は、8週間から胎児と呼ばれるよと答えた。
映画『先生を流産させる会』のあらすじ【承】
ホームルームの時間、サワコは給食に異物が混入されていたことを生徒たちに話す。そして、心当たりがある人は手紙を書いてと生徒に伝えると、ミヅキたちが容疑者として浮上する。
しらばっくれるミヅキたちに、サワコはもしも自分たちの赤ちゃんが、誰かのいたずらで死んでしまったらどうするかと問う。「訴える」や「分からない」と答える生徒たちに続いて、ミヅキは「生まれていなかったから、なかったことにする」と答えた。
困惑するサワコに、ミヅキが逆に先生ならどうするのか問い返すと、サワコは何の迷いもなく殺すよと答えた。
サワコたちが話している場に、他の先生の制止も聞かずフミホの母親が乱入してくる。有無も言わさずサワコにがなり立て、生徒を犯人にするサワコに恥を知れと怒鳴った。
ミヅキたちは懲りずにサワコのイスにいたずらを仕掛け、授業中、サワコは座っていたイスが壊れ転倒する。クラス中で笑い声が響き渡り、怒りが頂点に達したサワコはミヅキたち5人に平手をした。
教頭と学年主任たちと保護者が集まり、平手をしたことを保護者に謝罪する。フミホの母親は特にヒステリックに騒ぎ立てた。
平手をされたミヅキたちは、それでも次の策をどうしようか笑いながら話し合う。フミホがまだやるのと聞くと、ミヅキはまだ終わってないと笑う。
映画『先生を流産させる会』のあらすじ【転】
サワコはミヅキたちの根城のラブホテルを突き止め待ち伏せをし、今後一切こんな遊びをやめるようにと釘を刺す。しかしミヅキは、理科室から硫黄などの劇薬を盗み出した。
しかし次第に、他の友人たちはミヅキのやることに手を貸さなくなる。ミヅキは、平手の事件以来学校に来ていなかったフミホの家を訪問する。フミホの母親が、フミホを巻き込むなとミヅキを追い返すが、母親の隙を見てミヅキはフミホを呼び出す。
フミホがいなくなったことでパニックになった母親は、事情を話してサワコと一緒にフミホを探す。
ガスマスクをしながら劇薬を作り上げたミヅキとフミホは、フミホを呼ぶ母親の声でハッと顔を上げる。その瞬間、ミヅキはフミホのガスマスクを取り上げ、劇薬が充満する部屋にフミホを閉じ込める。
母親とサワコが駆けつけたとき、フミホの意識は朦朧としており、人工呼吸をしてようやく息を吹き返した。サワコがミヅキを探すと、ミヅキは武器を手にサワコに襲い掛かる。
なぜこんなことをするのかサワコが問うと、ミヅキは気持ち悪いからと答えた。お腹を殴られ、倒れたサワコの足の付け根から大量の血が流れ出す。満足したとミヅキに問い、サワコはミヅキの指輪を奪い取る。
そのとき、フミホの母親がミヅキに襲い掛かり、サワコは咄嗟にミヅキを庇う。意識を取り戻したフミホが母親を止め、母はフミホを抱きしめ涙を流した。
映画『先生を流産させる会』の結末・ラスト(ネタバレ)
学校では変わらず授業が進められ、サワコの代わりに新任の先生がミヅキたちのクラスを受け持っていた。
フミホはずっと学校へ行っておらず、心配する母親がフミホに新しい服を買い与える。フミホに着てみるよう勧めるが、フミホは自分で買うからと母親に服を突き返した。
ミヅキは児童相談所で、今回の件は殺人事件にならず、不同意堕胎罪と傷害罪だけだからと説明を受ける。児童相談所から外へ出ると、サワコが喪服を着てミヅキを迎えに来ていた。
2人は無言のまま一定の距離を開け川の近くまで歩く。サワコがミヅキに小さなスコップを渡し、地面に穴を掘るよう依頼する。なぜ自分が穴を掘るのかと問うミヅキに、親族が掘ってはいけないのとサワコは力なく答えた。
穴に胎児の入った木箱を埋め、サワコが手でゆっくりと土を被せると、それを見ていたミヅキもゆっくりと土を被せ始める。山になった土の周りに風車を飾り、花を供え、2人は手を合わせる。
サワコはミヅキと真っ直ぐ向かい合い、いなかったことになんてできないのと告げる。風が吹き、風車のカラカラと言う音が響いた。
映画『先生を流産させる会』の感想・評価・レビュー
2009年に愛知県半田市で起こった事件をモチーフとし、大幅に脚色したサスペンス作品。内藤監督のデビュー作。
とにかくタイトルの通りの衝撃的な内容で、不快感極まりなく観ていて怒りが込み上げてきた。先生を流産させようといたずらを仕掛ける生徒たちや、モンスターペアレントの登場で更にイライラした。
特に、「流産させる会」結成後の儀式など、中学生の描写にリアリティーがあった。
思春期の中学生たちの異常な思考や、性に対する嫌悪感には狂気を感じ、結末にもとても考えさせられた。(女性 20代)
多感な時期って大人には想像もできないようなことを考えていて、止めてくれる人がいなければ、善悪の判断も出来ないままそれを実行に移してしまうのかなと怖くなりました。
性に対して興味を持つ人もいれば、嫌悪感を持つ人もいるのは理解できます。しかし、それは自分が感じるものであって、他人のそれについてまるで八つ当たりのようなことをするのは絶対に間違っています。
全てを親のせいにするのは良くないと思いますが、中学生くらいの年頃の子供にはまだ親の支えや教えが必要なんだなと感じました。(女性 30代)
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