この記事では、映画『ショーシャンクの空に』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
- 映画『ショーシャンクの空に』の作品情報
- 映画『ショーシャンクの空に』の登場人物(キャスト)
- 映画『ショーシャンクの空に』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
- 映画『ショーシャンクの空に』の考察・解説(ネタバレ)
- 映画『ショーシャンクの空に』は後味が悪いという声がある理由は?
- 映画『ショーシャンクの空に』は実話をもとにしている?
- 映画『ショーシャンクの空に』はなぜ名作と評価されている?
- 映画『ショーシャンクの空に』にはどんな名言が登場する?
- 映画『ショーシャンクの空に』に登場するキャストの中に死亡した俳優はいる?
- 映画『ショーシャンクの空に』でアンディの妻と愛人を殺した真犯人は誰?
- 映画『ショーシャンクの空に』でのアンディ役、ティム・ロビンスの主な出演作品は?
- 映画『ショーシャンクの空に』にサイコパスな人物は出てくる?
- 映画『ショーシャンクの空に』に張られている伏線について解説
- 映画『ショーシャンクの空に』で無実のアンディが投獄されたのはなぜ?
- 映画『ショーシャンクの空に』はどこで見れる?フルで無料視聴する方法は?
映画『ショーシャンクの空に』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 1994年 |
---|---|
上映時間 | 143分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | フランク・ダラボン |
キャスト | ティム・ロビンス モーガン・フリーマン ウィリアム・サドラー ボブ・ガントン |
製作国 | アメリカ |
映画『ショーシャンクの空に』の登場人物(キャスト)
- アンドリュー・デュフレーン(ティム・ロビンス)
- 通称:アンディ。大手銀行の副頭取というエリートだったが、妻とその愛人を殺害した容疑をかけられ、無実の罪でショーシャンク刑務所に収監される。刑務所内でも心の豊かさと希望を失わず、常に新しいことへ挑戦する。
- エリス・ボイド・レディング(モーガン・フリーマン)
- 通称:レッド。殺人の罪で終身刑を言い渡され、ショーシャンク刑務所に20年服役している受刑者。刑務所内では調達屋をしており、囚人仲間に信頼されている。物静かなアンディと気が合い、友情を育んでいく。
- ノートン所長(ボブ・ガントン)
- ショーシャンク刑務所の刑務所長。表向きは規律と聖書を重んじる厳格な所長を演じているが、裏では不正な賄賂で私腹を肥やし、囚人を虐待する冷酷非道な男。アンディの能力を見込んで、自分のお抱え会計士にする。
- ハドリー刑務主任(クランシー・ブラウン)
- ショーシャンク刑務所の刑務主任。限度知らずの暴力を振るうので、囚人たちから「鬼主任」と恐れられている。ノートン所長の忠実な犬。
- ブルックス(ジェームズ・ホイットモア)
- ショーシャンク刑務所に50年もいる老受刑者。ずっと図書係をしており、ひな鳥の時から育てたカラスを相棒にしている。
- ボグズ(マーク・ロルストン)
- ショーシャンク刑務所の囚人の中でも、最低レベルの人間のクズ。新人を犯すのを楽しみにしており、アンディを執拗に追い回す。
- トミー(ギル・ベローズ)
- アンディが服役して18年目に、ショーシャンク刑務所へ収監されてきた若い窃盗犯。別の刑務所で、アンディの妻とその愛人を殺した真犯人から事件の話を聞いていた。
映画『ショーシャンクの空に』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『ショーシャンクの空に』のあらすじ【起】
メイン州の大手銀行で副頭取をしていたアンディは、妻とその愛人を殺害した容疑者として法廷に立っていた。事件のあった夜、妻は離婚話をして家を出て行き、アンディはバーで酒を飲んで妻の愛人宅の前まで行く。しかし愛人宅に乗り込むことはせず、自殺用に準備していた銃も川へ捨て、家に帰る。ところが、妻と愛人はその夜何者かに射殺され、アンディが逮捕されてしまう。アンディは無実を主張するが聞き入れられず、終身刑の判決を受ける。
1947年、アンディはショーシャンク刑務所に収監される。新人がやってくる日、囚人たちは誰が1番最初に泣くかで賭けをするのが恒例だった。その日も賭けが行われ、消灯後に泣き出した新人は、ハドリー刑務主任に激しい暴力を受けて死亡する。それがこの刑務所の現実だった。
殺人の罪で終身刑を言い渡され、この刑務所に20年も服役している古株のレッドは、囚人たちの調達屋をしている。レッドに手数料さえ払えば、タバコや酒など、ほとんどのものは調達してくれた。収監されてから1ヶ月が過ぎた頃、アンディはレッドにロックハンマーの調達を頼む。レッドは凶器にもなりうると警戒するが、アンディの人柄を信用して、ロックハンマーを調達する。それはとても小さなツルハシのようなもので、アンディは趣味の鉱物集めに使うのだと言っていた。
レッドたち囚人からも「人間のクズ」と呼ばれているホモのボグズは、上品なアンディに目をつける。洗濯係に配属されたアンディは、ボグズ一味につけ狙われ、無理やり犯されてしまう。アンディはそれから2年間、ボグズに追い回され、生傷の絶えない日々を送る。
映画『ショーシャンクの空に』のあらすじ【承】
1949年の春。レッドの仲間たちとアンディは、屋上の修理作業をする係に選ばれる。そこでハドリー刑務主任が相続税の愚痴をこぼしているのを聞いたアンディは、非課税で遺産を相続できる方法を教え、「無料で書類も作成するので、仲間にビールを飲ませてくれ」と頼んでみる。ハドリー刑務主任はその取引に応じ、冷えたビールを用意してくれる。アンディのおかげで、レッドたちはシャバにいるような開放感を味わう。
刑務所での有り余る時間を有効に使うため、アンディは拾った鉱物でチェスの駒を掘り始める。その時、独房の壁がもろいことを発見し、レッドにリタ・ヘイワーズという女優のポスターを頼む。
映画鑑賞の日、映写室でボグズに犯されそうになったアンディは、抵抗して半殺しの目に遭わされる。アンディはひどい怪我で1ヶ月も診療室で過ごすことになり、ボグズは懲罰房に入れられる。アンディを重宝がっていたハドリー刑務主任は、障害が残るまでボグズを痛めつけ、病院送りにしてしまう。レッドたちは、診療室から戻ったアンディを温かく迎える。
ハドリー刑務主任からアンディの話を聞いたノートン所長は、抜き打ち検査を装ってアンディの独房を訪れる。ノートン所長はアンディを使えると判断し、図書係に任命する。50年近くも1人で図書係をしてきた老人のブルックスは、話し相手ができたことを喜ぶ。アンディは図書室で刑務官たちの資金運用の相談に乗り、便利な無料会計士として重宝がられる。
仮釈放されることになったブルックスは、刑務所の外へ出ることを恐れ、仲間をナイフで刺そうとする。刑務所暮らしの長いレッドには、ブルックスの気持ちが痛いほどわかった。刑務所を出されたブルックスは、塀の外での暮らしに馴染めず、結局自殺を図る。
アンディは、毎週州議会に手紙を出し、刑務所の図書室への予算を求め続ける。そして6年後、アンディの要望が聞き入れられ、200ドルの小切手と古本やレコードが送られてくる。その中にオペラのレコードを見つけたアンディは、刑務官の制止を無視して、館内放送でオペラを流す。アンディはそのせいで懲罰房に入れられてしまうが、囚人たちは美しい歌声に癒される。アンディはどんな状況の中でも希望を失ってはいけないと考えていた。しかしレッドは「ここで希望を持つことは危険だ」と忠告する。
映画『ショーシャンクの空に』のあらすじ【転】
1959年、アンディの努力が実り、州議会からの予算はさらに増える。1963年頃には、図書室で音楽まで聴けるようになっていた。
ノートン所長もアンディを信用し、自分のお抱え会計士にする。ノートン所長は、社会奉仕という名目で、刑務所の外での仕事を安く受注し始める。ノートン所長の狙いは、その収益をピンハネすることと、仕事を回して欲しい業者から賄賂を受け取ることにあった。アンディは、不正な収入を架空の口座に小分けで入金し、所長の隠し財産を守ってやる。
1965年、刑務所にトミーという青年が入所してくる。トミーはあちこちで盗みを繰り返し、様々な刑務所を渡り歩いてきた。しかし結婚して子供もできたため、高卒の資格を取りたいのだとアンディに相談する。アンディは、1年間トミーに根気よく勉強を教え、高卒資格の試験を受けさせる。
アンディが妻と愛人のプロゴルファーを殺した罪で服役していると知ったトミーは、別の刑務所で一緒だった男の話を思い出す。その男は何百件もの盗みを重ねている凶悪な強盗犯で、逢引中の人妻とプロゴルファーを殺したと話していた。そして、自分の代わりに人妻の亭主が捕まったのだと笑っていた。
トミーの話を聞いたアンディは「真犯人が見つかったので再審請求したい」とノートン所長に訴える。しかしアンディを手放したくない所長は、アンディを懲罰房に入れてしまう。そしてトミーを呼び出してハドリー刑務主任に射殺させ、彼が脱獄しようとしたと嘘の話をでっち上げる。トミーが高卒資格試験に受かった直後のことだった。
懲罰房から戻ったアンディは、何かを思い悩んでいるようだった。アンディはレッドに「ジワタネホというメキシコの町へ行き、海沿いでホテルを経営したい」と夢を語る。アンディは「必死に生きるか、必死に死ぬかの二択しかない」とも語っており、レッドはアンディが自殺をするのではないかと不安になる。その日アンディは「もし仮釈放になったら、バクストンという牧草地を訪れ、目印となる樫の木の近くにある黒曜石の下を掘り返せ」とレッドに伝えておく。
映画『ショーシャンクの空に』の結末・ラスト(ネタバレ)
その夜、レッドは不安で眠れなかった。そして翌朝、朝食前の点呼にアンディが現れない。昨夜の消灯時には独房にいたアンディが、忽然と姿を消していた。アンディの独房を訪れたノートン所長は、ポスターの裏の壁に大きな穴があるのを見つけ、呆然とする。
1966年、アンディは長い時間をかけて計画してきた脱獄を決行する。アンディは、ポスターで隠した壁に、小さなロックハンマーでコツコツと穴を掘り続けていた。そして昨夜、その穴を抜けて下水管の通る場所まで行き、下水管の中を460メートルも這って刑務所の外へ出たのだ。
外へ出たアンディは、ビニール袋に入れて持ち出したノートン所長の靴とスーツに着替え、町の銀行を回って、ノートン所長の架空口座を解約していく。アンディは、架空口座の名義人の出生証明や免許証も用意しており、疑われることなく37万ドル以上の大金を手にする。さらにアンディは、ノートン所長の不正と刑務所内での殺人を告発する書類を新聞社に送っておく。
この事実はすぐに新聞の一面で報道され、刑務所には警察がやってくる。トミーを殺害したハドリー刑務主任は逮捕され、追い詰められたノートン所長は頭を撃ち抜いて自殺を図る。アンディから無記名の絵葉書を受け取ったレッドは、自由の身となったアンディの姿を想像して、爽快な気分を味わう。しかし、やはり彼のいない日々は空虚だった。
仮釈放委員会の審判を受けたレッドは、自分の気持ちを正直に語り、仮釈放を許可される。40年ぶりに外の世界へ出たレッドは、ブルックスと同じ道を辿りそうになるが、アンディとの約束を思い出し、バクストンの牧草地へ向かう。
牧草地の先には、アンディが言った通りの場所があり、黒曜石の下には古いクッキーの缶が埋まっていた。中には「私のところへ来て、仕事を手伝って欲しい」と書かれたアンディからの手紙とお金が入っていた。ずっと孤独だったレッドは、胸が熱くなる。
レッドはアンディと同じく必死で生きる道を選び、仮釈放の規則を破って町を出る。そしてバスを乗り継いで国境を超え、アンディが暮らしたいと言っていたジワタネホの町を目指す。ジワタネホの砂浜にたどり着いたレッドは、ボートの修理をしていたアンディと再会し、抱擁を交わす。
映画『ショーシャンクの空に』の考察・解説(ネタバレ)
映画『ショーシャンクの空に』は後味が悪いという声がある理由は?
映画『ショーシャンクの空に』は、希望、友情、自由といったテーマを感動的に描いた作品ですが、一方で後味の悪さを感じる人もいます。その理由の一つは、主人公アンディが無実の罪で投獄され、20年もの長きにわたって過酷な刑務所生活を送らなければならなかったことです。アンディは知性と冷静さを武器に仲間たちを勇気づけ続けますが、彼が直面する不当な扱いや暴力、孤独は観る者の心に深い影を落とします。
特に、所長ノートンや看守ハドリーなどの権力者が私利私欲のためにアンディを利用し、彼の無実を証明する機会を奪ってしまう様子は、強い憤りと不快感を覚えさせます。彼らの行動は、観客の正義感を大きく揺さぶり、もどかしさを感じさせるのです。
さらに、長年の獄中生活になじんでしまったブルックスが、出所後の社会に適応できずに自ら命を絶ってしまうシーンも、胸を締め付けられる思いがします。この悲劇は、刑務所という環境が人間の心にいかに深い傷を残すかを物語っており、深い悲しみをもたらします。
こうした要素が複合的に絡み合い、この映画が持つ前向きなメッセージと同時に、社会の不条理や人間の弱さをも浮き彫りにしているのです。それゆえ、一部の観客には後味の悪さが残ってしまうのでしょう。
映画『ショーシャンクの空に』は実話をもとにしている?
映画『ショーシャンクの空に』は、実際の出来事に基づいた物語ではありません。この作品は、ホラー作家として知られるスティーヴン・キングの中編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』を原作としています。キングがこの小説で描いたのは、刑務所を舞台にした人間ドラマであり、ホラー色は薄めです。
映画に登場するアンディ・デュフレーンや、舞台となるショーシャンク刑務所、そこに集う人々はすべて架空の存在です。しかし、物語の背景となる刑務所の環境や状況は、現実の刑務所を強く意識して描かれています。刑務所内の不正や腐敗、無実の罪で服役を強いられる苦しみ、囚人同士の友情など、リアリティを追求した描写が随所に見られます。
また、登場人物たちの心の機微や葛藤が丁寧に描写されているため、まるで実在の人物の物語であるかのような錯覚を覚えるかもしれません。それほどまでに、彼らの人間性が説得力を持って表現されているのです。
作品が持つリアリティと、登場人物への深い共感が相まって、この映画が実話だと思い込んでしまう人がいるのも無理はありません。しかし、あくまでもフィクションであり、その普遍的なテーマ性と感動が多くの人々の心を捉えて離さないのです。実話か否かに関わらず、この作品が持つ感動と希望のメッセージは、多くの観客に強く響き続けているのです。
映画『ショーシャンクの空に』はなぜ名作と評価されている?
映画『ショーシャンクの空に』が名作と称えられる理由は、作品が持つ深遠なテーマ、丁寧に練り上げられた脚本、そして魅力的な登場人物たちにあります。この映画は「希望」と「自由」をテーマに掲げ、絶望的な環境の中でも希望を失わずに生きる主人公アンディの姿を通して、人間の尊厳と可能性を力強く描き出しています。
脚本の緻密さも特筆すべき点です。物語が進むにつれ、アンディが過酷な現実の中でいかにして希望を持ち続け、自由を夢見ていたかが丁寧に描かれていきます。彼の冷静沈着な計画と行動が、最終的に大きな感動をもたらす脱獄シーンへと結実するのです。観客はアンディとともに困難を乗り越え、達成感を味わうことができるのです。
さらに、登場人物たちの個性的で魅力的な描写も欠かせません。特に、モーガン・フリーマン演じるレッドは、アンディとの友情を軸に物語を進行させる重要な存在です。彼の穏やかで包み込むような語り口は、重苦しい刑務所の雰囲気に温かな光を投げかけ、観る者の心を和ませてくれます。
こうした要素が絶妙に組み合わさり、『ショーシャンクの空に』は観る者の心に深く染み入る感動作となっているのです。普遍的なテーマ、練り上げられた脚本、キャラクターたちの魅力が一体となって生み出される感動が、この映画を不朽の名作たらしめているのです。
映画『ショーシャンクの空に』にはどんな名言が登場する?
映画『ショーシャンクの空に』には、心に残る印象的な名言が数多く登場します。中でも有名なのが、アンディがレッドに語りかける「希望はいいものだ。たぶん、最高のものだ。そして、いいものは決して滅びない」というセリフです。絶望的な状況下にあっても希望を見失わないことの大切さを説く、この言葉は多くの観客の心を打ちます。
また、レッドがアンディとの絆を振り返る場面での「生きるか、死ぬか。それが問題だ」というセリフも印象深いです。シェイクスピアの名作『ハムレット』を引用しつつ、刑務所という極限状態で希望を持って生きるか、絶望に身を任せるかという人生の岐路に立たされたレッド自身の心情を表しています。この言葉は、人生の選択について深く考えさせられるものです。
さらに、レッドが仮釈放の審査会で語る「制度の中に染まりすぎると、自由が怖くなる」という趣旨の発言も重要です。長年の刑務所生活に適応してしまい、自由を失うことへの恐怖を抱く人々の心理を鋭く突いたこの言葉は、社会や環境に束縛されることなく生きることの難しさを物語っています。
これらの名言は「希望」「自由」「友情」といった映画のテーマを的確に表現しており、観る者の心に強く訴えかけます。登場人物たちが経験する苦難や葛藤、そして希望を失わない強さが、これらの言葉に凝縮されているのです。
映画『ショーシャンクの空に』に登場するキャストの中に死亡した俳優はいる?
『ショーシャンクの空に』に出演したキャストの中で、すでに他界しているのはブルックス役を演じたジェームズ・ホイットモアです。1921年生まれの彼は、2009年に88歳で亡くなりました。作中でホイットモアが演じたブルックスは、長年刑務所の図書館で働く老人囚人でした。獄中生活に institutionalized(制度化)されたブルックスは、仮釈放後の社会に順応できず、悲しい最期を遂げてしまいます。
一方、ウィリアム・サドラー演じるヘイウッド、クランシー・ブラウン演じるハドリーなどの俳優たちは現在も健在で、現役で活躍を続けています。特に主演のティム・ロビンス(アンディ役)とモーガン・フリーマン(レッド役)は、今なお映画界を代表するベテラン俳優として知られています。
1994年の映画公開から30年近くが経過し、出演者の高齢化に伴い健康上の問題を抱える人も少なくありませんが、多くのキャストがいまだ現役で活躍しているのは喜ばしいことです。
ジェームズ・ホイットモアが演じたブルックスは、映画の中でも特に印象的な存在でした。彼の繊細な演技は作品に深みをもたらし、観る者の心に強く訴えかけます。彼の訃報はファンにとって悲しいものでしたが、スクリーンに残した彼の演技は、今もなお多くの人々の記憶に刻まれ続けているのです。
映画『ショーシャンクの空に』でアンディの妻と愛人を殺した真犯人は誰?
映画『ショーシャンクの空に』で、主人公アンディが終身刑に処された妻と愛人の殺人事件。実はその犯行の真相は、物語の後半で明らかになります。
ある日、新たに入監してきた若い囚人トミーが、アンディに衝撃の事実を告げます。トミーの話によれば、彼が以前服役していた別の刑務所で、エルモ・ブラッチという男が自分こそがアンディの妻とその愛人を殺害した真犯人だと自慢げに話していたというのです。犯行時、ブラッチは強盗目的で家に侵入し、そこで出くわした二人を殺害。その後、別の罪で捕まり服役していたのでした。
この真実を知ったアンディは、無実を晴らすべく所長ノートンに事情を説明します。しかし、ノートンはアンディの有能さを利用していたため、彼を出所させたくありません。ノートンはトミーを唆して口封じのために殺害し、アンディの冤罪を晴らす証拠を闇に葬ってしまうのです。
この衝撃の事実は、アンディが置かれた不条理な状況を浮き彫りにし、彼を絶望の淵に突き落とします。同時に、彼が脱獄を決意する大きなきっかけともなりました。エルモ・ブラッチの存在は、物語にさらなる緊張感を与え、観客に強い印象を残します。真犯人の存在が明らかになることで、アンディの無実がより際立ち、彼の苦難に一層の深みが加わるのです。
映画『ショーシャンクの空に』でのアンディ役、ティム・ロビンスの主な出演作品は?
『ショーシャンクの空に』でアンディ・デュフレーン役を演じたティム・ロビンスは、多彩な作品で活躍する実力派俳優として知られています。彼の主要な出演作品の一つに、1992年の『プレイヤー』があります。この映画で彼は、ハリウッドの映画プロデューサーを演じ、皮肉とブラックユーモアに満ちたエンターテイメント業界の内幕を見事に表現しました。
1995年には、『デッドマン・ウォーキング』で死刑囚の役を演じ、共演のスーザン・サランドンとともに高い評価を得ました。ロビンスは、罪を犯した男の複雑な心理を深く掘り下げ、観客に強い感銘を与えました。彼は本作で監督も務め、作品全体の完成度の高さが注目されました。
2003年の『ミスティック・リバー』では、幼少期に深い傷を負った男を好演し、アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。繊細かつ重厚な演技が高く評価され、彼の俳優人生の大きな転機となった作品です。
ロビンスは社会派の作品によく出演し、監督やプロデューサーとしても活動の幅を広げています。彼の出演作には、観客に強いメッセージを投げかけるものが多く、『ショーシャンクの空に』を含め、彼のフィルモグラフィーを代表する重要な作品となっています。俳優としての深い洞察力と表現力が、彼の演じるキャラクターに説得力と深みを与えているのです。
映画『ショーシャンクの空に』にサイコパスな人物は出てくる?
『ショーシャンクの空に』には、臨床的に「サイコパス」と診断されるキャラクターは登場しませんが、いくつかの人物には冷酷非情な一面が見られます。特に、刑務所長のサミュエル・ノートンと看守のバイロン・ハドリーの非道ぶりが際立っています。
ノートン所長は表向きは信心深い人物を装っていますが、内面は自己中心的で腐敗しきっています。刑務所内で不正な取引を行い、囚人を私利私欲のために利用します。アンディが彼の犯罪を知ってしまった時、ノートンは容赦なくアンディを抑圧し、無実を晴らそうとする彼の試みを徹底的に妨害します。自分の地位と権力を守るためなら、他人の命さえも危険に晒すことを厭わない冷酷さを持っているのです。
一方、看守のハドリーは残虐な性格の持ち主で、囚人たちに恐怖政治を敷いています。感情の赴くままに囚人に暴力を振るい、新入りの囚人を殴り殺すほどの非情さを見せつけます。他者の苦痛に一切の共感を示さず、自制心を欠いた危険な人物だと言えるでしょう。
これらの人物はサイコパス的な特徴を備えていますが、作中ではむしろ、アンディたち囚人が直面する過酷な現実を象徴する存在として機能しています。彼らの非道さは、アンディの自由と希望への想いをかえって引き立てる効果を生み、物語に緊迫感を与えているのです。
映画『ショーシャンクの空に』に張られている伏線について解説
『ショーシャンクの空に』には、物語後半で明らかになるいくつもの伏線が巧みに張り巡らされています。中でも重要なのが、アンディの脱獄計画とそれに関連する小道具の数々です。
まず、映画序盤でアンディがレッドに頼んで入手した小さな岩石彫刻用のハンマー。当初レッドは「チェスの駒を作るのだろう」と思っていましたが、実はアンディはこれを壁に穴を開けるために使っていたのです。このハンマーは、アンディが長年かけて脱獄を準備していたことを示唆する重要な伏線となります。
また、アンディの独房の壁に貼られたポスターにも注目です。リタ・ヘイワースやマリリン・モンローなど、時代とともに貼り替えられるそのポスターの裏で、アンディは密かに壁を掘り進めていました。ポスターは掘った穴を隠すためのカモフラージュだったのです。そしてついに、その穴を通って下水道へと脱出することに成功します。
さらに、アンディがノートン所長のために行っていた「マネーロンダリング」も重要な伏線です。アンディは偽名で口座を開設し、所長の不正資金を管理していました。脱獄後、その金を全て引き出し、所長の犯罪を告発する手紙を警察に送ります。これが発覚し、所長は追い詰められ自ら命を絶つことになるのです。
これらの伏線が物語のクライマックスで一斉に回収されることで、観客は大きな衝撃と感動を味わうことになります。アンディの周到な計画の見事さが浮き彫りになると同時に、希望と自由を求める彼の不屈の精神に深く共感するのです。
映画『ショーシャンクの空に』で無実のアンディが投獄されたのはなぜ?
『ショーシャンクの空に』で、主人公アンディ・デュフレーンは妻とその愛人を殺害した罪で終身刑を宣告され、ショーシャンク刑務所に収監されます。しかし実際のところ、アンディに殺意はなく、彼は無実の罪で投獄されたのです。
物語の冒頭、アンディは妻の不貞を知り、怒りと嘆きから一瞬殺意を抱きますが、最終的には理性を保ち、その場を立ち去ります。ところがその夜、アンディの妻とその愛人が射殺されるという事件が発生します。現場からはアンディの弾薬箱やビール瓶、タバコの吸殻などが発見され、警察はアンディを犯人と断定します。加えて、アンディがその日夜に現場付近を車で走行していたこと、犯行への動機を持っていたこと、感情を表に出さない彼の性格なども、有罪を決定づける材料とされてしまったのです。
裁判でアンディは無実を訴えますが、状況証拠の前に彼の主張は認められません。冷静沈着な態度が却って裁判官の反感を買い、アンディには終身刑が言い渡されます。
服役中、ある囚人からアンディの妻を殺害した真犯人の情報がもたらされます。エルモ・ブラッチという男が、強盗の最中に妻とその愛人を射殺し、別の罪で服役していたというのです。アンディはこれを所長に告げ、無実を晴らそうとしますが、所長はアンディの能力を利用したいがために真実を隠蔽し、情報を漏らした囚人を殺害してしまいます。
結局のところ、アンディを不利な立場に追いやったのは、彼の感情を押し殺す性格、状況証拠の不運な積み重なり、そして真実を葬り去ろうとする悪意ある権力者の存在でした。この不条理な状況こそが、アンディをして自由を求め続ける強い意志を持たせ、壮大な脱獄計画を企てるに至らせたのです。
映画『ショーシャンクの空に』はどこで見れる?フルで無料視聴する方法は?
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みんなの感想・レビュー
アンディ以外の人達は皆、罪を犯した囚人なのにここまで優しい気持ちになれて、応援してしまうのは何故なのでしょう。刑務所内の生活は想像もつきませんが、囚人を見下すような看守の姿や自分のことしか考えていない所長。彼らのように正義であるはずの人間が、とても汚く醜く描かれているのが、囚人への感情移入の理由かなと思いました。
アンディの脱獄からの展開が非常にテンポがよく、ハッピーエンドすぎるので呆気にとられてしまいましたが、レッドを迎え入れた時の表情はたまらないものがありました。
洋画好きでこの作品を知らない人はおそらくいないだろう。今更説明するまでもない名作。“洋画 名作”で検索したら絶対出てくる。観たことがない人はとりあえず観るべき。
これは私の場合だが、本当に好きだなと思える映画を観た時の感情は、大体この作品を初めて観た時の感情と似ている。
すべてのシーンがひどく印象的で、写真のように心に焼き付く。ラストでどうしようもなく胸に湧き上がる喜びと、美しい青が忘れられない。
出来ることなら記憶を消してもう一度観たい作品。
冤罪で何十年も拘束され、本来ならば必要のない刑務所生活を送らされる残酷な環境。その中でも暴力を振るわれ、同じ囚人にも強姦を受け、真実を知る人は力で揉み消され、そして閉じ込められ、と散々な扱いを受ける。
普通であれば精神をおかしくしてしまうんじゃないかと思ってしまうようなドン底でもこのアンディは必死で生きるのである。希望を持ち、自らの最悪な運命に立ち向かう姿は勇気をもらえた。6年もの間手紙を送り続けたり、コツコツ小さな金槌で穴を掘り続けたり、とにかく執念がすごく、しつこい人であることが分かる。彼の賢さだけでなく、諦めない力が状況を打破し、夢を叶えたんだなと幸せな気持ちになった。アンディの脱走からのシーンは良くやった!と思ったし、テンポも良く、とにかく気分爽快だった。
無実の罪で投獄されてしまったアンディ、牢獄の中で数々の絶望を味わいながらも「希望」を捨てずに堪え抜いた先に待つのは最高のラスト。結構、苦しかったり辛いシーンが続くこともありますが、このラストで全て帳消しになります。映画史上最も爽快なラストと言っても過言ではありません。「希望」を持ちそれに向けて走り続ける事が、人生の中で大切なこと、そして知性を磨き、活用することの凄さを感じれました。まさに名作中の名作、死ぬまでに一度は見て頂きたい作品です。
20年間希望を捨てなかった男名大脱走劇です。主人公アンディは知的で、人を引き付ける魅力があります。アンディの人柄に囚人も看守も影響を受け、刑務所内の雰囲気も和やかで、クスクス笑いたくなるシーンもちらほら。その代わりに冷酷な現実を突きつけるシーンは重く、非常に緩急のある物語です。
ラストシーンが最高です。囚人仲間も看守も全員ハメて、一人刑務所から脱出する爽快感は凄いです。悪徳所長に制裁を加え、図書館を改善し教育水準を上げ、無実の男は刑務所を去ります。脱帽です。
まさか本当にアンディの脱獄が成功し、ノートン所長の悪事も表沙汰になり、レッドが仮釈放されたあと無事にアンディと再会するとは思わなかったので、一番理想的なハッピーエンドでした。レッドが仮釈放されたときは一瞬ブルックスと同じ道を辿るのではとハラハラしましたが、Brooks was here.のあと「,so was red.」と書き記した瞬間、レッドの覚悟の強さを信じることができ、もう大丈夫だと感じました。そしてこれからまたやって来るであろう仲間たちは、この文章を見て何を思い何を感じるのでしょうか。短い一文ながら、2人の正反対の生き様を表す素晴らしいシーンでした。この映画は一つ一つのエピソードが印象深く、そして様々なことを考えさせてくれました。冤罪の重さ、労働の喜び、自由とは何か、人間はどうして生きるのか…など一見重いテーマですしすぐに答えの出る内容ではありませんが、アンディ、レッド、ブルックス、トミーらの生き方を見ていると今までの自分には無かった答えが見つかると思います。
本編中、2回ほどレッドが仮釈放審査されるシーンがあります。その2回ともレッドの答えは「もう大丈夫です」「更生しました」「これからは真面目な人間になります」等の通り一遍なものばかり。本当に仮釈放されたくて反省の言葉を述べているのか、それともこう答えれば仮釈放されないと分かっていてわざとなのか、判断は個人の解釈もありますし難しいところです。しかし、ブルックス老人の話やアンディに対する態度からいって、これらの言葉は演技であり本心ではないと私は思います。もしかしたら初めての仮釈放審査でこう述べたにも関わらず許可が下りなかったことが、レッドが夢や希望を持つことを諦めたきっかけになったかもしれません。そして誰にでも言えるような薄っぺらい言葉では、到底許されないことを悟ったのでしょう。アンディが脱獄したのちの審査で、レッドは初めて「更生とは何か?」「自らの罪は一生消えない」「仮釈放など自分には何も意味がない」と自分の本心を口にします。早く仮釈放不可のハンコを押してくれというレッドですが、押されたハンコは「Approved(許可)」。レッドは自分と向き合う覚悟をしたことで、希望を持つチャンスを与えられたのです。
アメリカのモダンホラー小説家であるキングが書いた原作のタイトルは『刑務所のリタ・ヘイワース』で、本編にも実際の彼女の映画やポスターが男性ばかりの刑務所に色鮮やかな刺激をもたらしています。製作当初はタイトルも原作通りの予定だったため、リタ・ヘイワースのドキュメンタリーだと勘違いし、彼女役のオーディションを熱望する者まで現れたらしいです。このためタイトルから名前は消され、映像内のみの出演となりました。キングは同じく刑務所内の物語として『グリーンマイル』を記しています。これは看守と受刑者の話なので今作とはまた視点が違いますが、刑務所内の抗争や葛藤、中の人間たちの心の通わせ方など非常に似通った部分もあり、その描写は常に私たちに問いかけをくれるようです。そしてアンディの妻と愛人を射殺した真犯人は『スタンド・バイ・ミー』で主人公の親友クリスを殺害した犯人と同一人物だと原作では描かれています。同じ作者ならではの衝撃の展開です。