映画『白雪姫』の概要:ある所に白雪姫という美しい姫がいました。継母の女王はうぬぼれが強く白雪姫の美しさに嫉妬し、彼女を殺させようとする。白雪姫は7人のこびと達の家へと逃れて、こびと達と生活をするが、継母が姿を変えて白雪姫に毒りんごを渡す。
映画『白雪姫』の作品情報
上映時間:86分
ジャンル:アニメ、ファンタジー
監督:デヴィッド・ハンド
キャスト:ハリー・ストックウェル、エイドリアーナ・カセロッティ、ビリー・ギルバート、ルシル・ラ・ヴァーン etc
映画『白雪姫』の登場人物(キャスト)
- 白雪姫(アドリアナ・カセロッティ)
- 雪の様に美しい姫。その美しさから女王に妬まれて城を追われ、森へと逃げる。こびと達と暮らすも変装した女王に毒リンゴを食べさせられてしまう。
- 女王(ルシル・ラ・ヴァーン)
- 城に住む女王。魔法の鏡を持っており、美しさで一番でいる為に白雪姫を殺そうとする。魔法を使う事ができ、変身したり毒リンゴを作ったりする。
- 王子(ハリー・ストックウェル)
- 白雪姫が憧れる存在であり王子自身も白雪姫と結ばれたいと思っている。棺に眠る白雪姫にキスし、目覚めさせる。
- 狩人(スチュアート・ブキャナン)
- 女王に白雪姫を殺すように命じられるが、その美しさから殺す事が出来なかった。女王に背いて白雪姫を逃がし、代わりにブタの心臓を持ち帰って女王を騙す。
- こびと達<先生(ロイ・アトウェル)、おこりんぼ(ピント・コルヴィッグ)、ねぼすけ(ピント・コルヴィッグ)、くしゃみ(ビリー・ギルバート)、てれすけ(スコッティ・マットロー)、ごきげん(オースティン・ハーラン)、おとぼけ(エディ・コリンズ)>
- 森の奥の小屋で暮らす7人。普段は鉱山へ行ってダイヤモンドを採掘している。白雪姫が女王に追われている事を知り、匿う。しかし姫が殺されると女王を倒そうと岩山まで追い詰める。
映画『白雪姫』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『白雪姫』のあらすじ【起】
ある所に白雪姫という美しい姫がいた。うぬぼれの強い継母の女王は白雪姫の美しさがいつか自分を越えるのではないかと考えていた。そして魔法の鏡に毎日世界で一番美しいのは誰かを問いていました。そしてその日が突然訪れます。白雪姫の美しさが自分を越えてしまったのだ。女王は世界で一番美しいのは自分でなければならないと考えて、白雪姫を何としても殺す事を考える。
白雪姫は城の階段の掃除をしていた。ボロを着ていてもその美しさが薄れる事はなかった。動物達にも親しまれる彼女。そこへ憧れの王子が現れた。白雪姫はボロを着ていた為、思わず城の中へ入ってしまったが、2人の気持ちは通じ合っていた。その様子を女王が眺めていた。
女王は狩人を呼び出し、白雪姫を人里離れた森へ連れて行くように命じた。そして時を見計らって白雪姫を殺すようにと話す。しかし狩人はそれを拒む。女王は狩人の拒みを黙らせて殺した証拠に白雪姫の心臓を箱に入れて持ち帰って来るように告げた。
映画『白雪姫』のあらすじ【承】
森に花を摘みに来た白雪姫。彼女が小鳥と戯れる様子を見た狩人はどうしても白雪姫を殺す事が出来ず、彼女に森の奥へ逃げる様に指示をする。
森の奥へと逃げてきた白雪姫は動物達に導かれて小さな家に辿り着く。中には誰もいなかった。住んでいる様子はあり、あちらこちらに物が散乱し、埃だらけだった。白雪姫は早速動物達と小屋の掃除を始める。徐々に綺麗になっていく小屋。夕食の支度も終えた白雪姫は寝室へと向かい、住人の名前を目にする。そして疲れからそのまま眠りに落ちてしまう。
近くの鉱山では家の住人である7人のこびとである「先生」、「おこりんぼ」、「てれすけ」、「くしゃみ」、「ごきげん」、「ねぼすけ」、そして「おとぼけ」が陽気に歌を唄いながらダイヤモンドを採掘していた。彼らは朝から鉱山で仕事をしており、日没になると家に帰るのだ。
家に戻るとこびと達は驚いた。誰もいない筈の小屋に灯りがついているのだ。何者かが居ると察した彼らは家の中を手分けして見回す。すると更に驚く事に家中が綺麗なのだ。こびと達は怪物が寝室にいると睨み、2階へと行く。しかしそこには美しい白雪姫だった。白雪姫はこびと達に気が付くと挨拶をし、夕飯の準備を始めた。こびと達は白雪姫の事情を聞き、彼女が良ければ何時までもいても良いと話す。しかし、おこりんぼだけは面倒事は勘弁してほしいと反抗的だった。
夜が更け、城では女王が再び魔法の鏡に問いていた。そしてそこで白雪姫がまだ生きている事を知る。女王は自分で白雪姫を殺しに行く事を決めて、魔法でその姿を醜い物売りの老婆に変えた。そして白雪姫を殺す方法を考えて毒リンゴを作る事にした。
小屋ではこびと達が賑やかに音楽を奏でていた。音楽に合わせてダンスをし、とても楽しそうだ。ダンスを終えた後はみんなで白雪姫の歌声と王子様との話に心を奪われる。話が終わると、それぞれの寝床についた。
映画『白雪姫』のあらすじ【転】
一方、城では女王が毒リンゴを作っていた。リンゴに永遠の眠りの毒をしみ込ませて完成。リンゴは真っ赤に染まり、誰でもその色に惹かれて食べたくなるような色だった。女王は念の為にどうしたら生き返るのかも調べた。毒リンゴを食べた者は恋人の初めてのキスで蘇るというのだ。しかし女王は白雪姫が生き埋めにされると考え気にも留めなかった。そして闇夜と霧に紛れて森を目指す。
翌日、こびと達は白雪姫に女王に気を付ける事を告げて仕事へ向かう。一人になった白雪姫はこびと達の為にイチゴのパイを作っていた。そこへ物売りに化けた女王がやってきた。動物達は変装した女王に気付き、追い払おうとする。しかし白雪姫は分からず女王を家の中へ入れてしまう。動物達は大急ぎでこびと達の元へ向かい、こびと達を連れ戻そうとする。こびと達も動物達の知らせに気が付き、大急ぎで小屋へと戻った。
小屋では女王が新切の礼に願いの叶う魔法のリンゴを白雪姫に渡そうとしている。白雪姫は最初拒むも女王の厚意で受け取ってしまう。そして願いを言い、リンゴをかじる。リンゴを食べた白雪姫の呼吸は急に激しくなり、次第に弱くなり血も凍りついて、彼女は倒れてしまった。
映画『白雪姫』の結末・ラスト(ネタバレ)
白雪姫を殺した女王は再び自分が一番であると歓喜する。そして小屋を出るとこびと達がやって来る。それを見た女王は急いでその場から立ち去る。こびと達は女王に気が付き追いかける。女王は岩山へと逃げ、登って行く。しかしその先は行き止まりだった。女王は大きな岩を落として追いかけて来たこびと達を殺そうと考えた。ところが目の前に雷が落ち、足場が崩れ、女王は谷底へと落ちてしまったのだった。
小屋に戻ったこびと達は悲しみにくれていた。死んでしまった白雪姫の周りは綺麗な花で飾られた。こびと達は死んでも美しい彼女を冷たく暗い土の中へ埋める事ができず、代わりに彼女の為にガラスの棺を作った。そしてある日、王子が棺に眠る美しい姫の噂を耳にし、彼女の元を訪れた。
白雪姫の棺は森の美しい場所に置かれており、こびと達は毎日花を添えたり祈りを捧げたりしていた。そこへ王子が現れ、棺の上で眠っている白雪姫にキスをした。すると白雪姫は目を覚まし、こびと達や森の動物達は大喜びした。王子は白雪姫を抱えて馬に乗せた。白雪姫はこびと達に礼と別れのキスをし、憧れの王子と共に城へと向かった。
映画『白雪姫』の感想・評価・レビュー
何度見ても幸せな気持ちになれるディズニー作品の代表作の一つ。ディズニー特有のハッピーエンドは当然期待を裏切らないし、出てくる小人達も楽しそうに描かれているのがとても良い。白雪姫は、他のディズニープリンセスに比べるとおっとりしており、あまり自発的に行動するようなタイプではないので、王子様や小人達ありきな所が、ある意味スタンダードなお姫様といえるのだろうか。いわゆる夢物語としての世界観が、最初から最後まで表現されているような作品である。(男性 30代)
小さい頃にこの映画を観て、白雪姫に毒リンゴを食べさせた魔女が怖くて仕方なかったのを覚えています。シンデレラに続くディズニー映画の王道といっても過言ではないと思います。今では、子供から大人までだった一度は観たことや読んだことのある作品です。
7人の小人達が可愛くて仕方なく、本当に白雪姫が大好きなんだなというのが伝わってきました。眠りについたら、本当に王子様が迎えにと小さい時は信じてました。(女性 30代)
諸説あるが、世界初の長編アニメーション映画といわれる白雪姫。当時の時代背景を考えるともちろん、今の時代においても十分に通用する信じられないクオリティ。間違いなくディズニー史上でも傑作であるし、アニメ界でも同じである。
この映画からは名曲も複数生まれていて、ドワーフたちの「ハイホー」は軽快な音楽で小さい頃からよく聴いていたものである。基本的に現代でも通用する技術とストーリー、音楽だが、今では考えられないような、受け身で弱々しく、家事だけやっていればチヤホヤされる女性がヒロイン、といった時代を感じられるところもある。また、全体的に静かで少し暗さも感じられる雰囲気はなんとも言えない。(女性 20代)
世界初の長編カラーアニメーション映画とは思えないほど、綺麗だしダメなところが見当たらないほど完成されている作品。今見ても全然古臭くなく、可愛い白雪姫の姿にうっとりするし、小人達の動きが可愛くて微笑ましく思える。子供の頃にも見た作品だが結構忘れているところも多かったので、改めて見ると新鮮な気持ちで楽しめた。子供はもちろんのこと、大人にもおすすめしたい作品。登場人物の滑らかな動きが凄くて、終始感動しながら見ていた。(女性 30代)
これをあらずして、ディズニー長編の歴史なしといえる作品であり、美しい絵や今でも歌い継がれる名曲。まさにアニメーション黎明期における、一つの到達点といえる名作。
特に注目したいのが、主人公の白雪姫のデザインと動き。本作を制作するにあたって、その前身となる短編『春の女神』における、失敗を経て、白雪姫のデザインや動きは、当時のアニメにはないリアルかつ洗練されたものとなり、新しい愛らしさと、美しさを与えられ、後世まで愛されるキャラクターとなった。(男性 20代)
ディズニー作品の中でも特に人気の高い今作。幅広い年代の方に愛され、多くの人が鑑賞したことのある作品だと思います。
この作品のVHSを擦り切れるほど見ていた私。子供の頃は明るくて可愛らしいアニメーションや小人たちのにぎやかな姿が楽しくてみていましたが、大人になって見返してみるとそのクオリティの高さに本当に驚かされます。
映像自体は絵本のようなタッチの温かみがありますが、その動きはとても繊細で細かいところまでこだわって作り込まれているのが本当によく分かります。
白雪姫の美しい歌声も相まって、心が安らぐような何度も見たくなる作品です。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
本作はディズニーの高い技術力もさることながら、脚本が非常に優れていると思います。原作があまりにも有名で、素晴らしい物語ですから、脚本に起こすのは簡単だったでしょう。
しかし、映像化するにあたっての独自のアイデアが素晴らしいですね。王女が鏡に問いかけるシーンや白雪姫と小人たちが楽しそうに過ごす家での一コマなど、名シーンが山盛りです。
『アナと雪の女王』や『塔の上のラプンツェル』と比較すると、ヒロインの扱いが全く異なることに気がつくでしょう。白雪姫は完全受け身で、自分では何も出来ない女性です。
老婆に化けた王女を家に招き、毒りんごを食べてしまうほど愚か。王子様のキスで目覚め、一生養ってもらうその後の人生。
今のディズニー映画にこんな奴が出てきたら大バッシングされますよ。
古き良き時代と行っていいのかわかりませんが、当時の女性の憧れが色濃く反映されているだけに、文句は言えませんね。
本作は1937年に公開されました。日中戦争の前です。信じられないクオリティですよね。
当時の日本では、ゾーイトロープと見間違うようなレベルのアニメーションが製作されていました。太平洋戦争中は『桃太郎 海の神兵』レベルのアニメーションしか制作できなかったんです。
アニメーターが次々と招集され、プロジェクトが破綻しかけた伝説の作品。面白いですけどね。アニメのクオリティはディズニーと雲泥の差です。
国力の差がアニメのクオリティにも反映されています。
ディズニー映画、長編アニメーション映画としての金字塔として今も賞賛を浴び続けている傑作です。死ぬまでに一度は見るべき!面白いです。鼻息荒いフェミニスト以外なら楽しめるのではないかと思います。
これだけの作品に対して何も言うことはありません。欠点がありませんから。背景にアニメーターの悪ふざけを探すのも楽しいものです。
圧倒的なクオリティのアニメーションを見ていると、現代のフルCGアニメーションに対する不満が湧いてきます。CGにお金をつぎ込むくらいなら、脚本のブラッシュアップに金を使えばいいのに。
アメリカでは日本と異なり、脚本は多人数で制作するのが当たり前です。ジョークのみを担当する脚本家までいるくらいです。金をつぎ込めばつぎ込むほど、いい脚本が出来上がる可能性が増すんですよ。
脚本は何よりも大切です。