この記事では、映画『少年H』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『少年H』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『少年H』の作品情報

上映時間:122分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:降旗康男
キャスト:水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝、花田優里音 etc
映画『少年H』の登場人物(キャスト)
- 妹尾盛夫(水谷豊)
- 少年Hの父親。妹尾洋服店を営むクリスチャン。
- 妹尾敏子(伊藤蘭)
- 少年Hの母親。穏やかな性格で困った人を見捨てて置けない。
- 妹尾肇(吉岡竜輝)
- Hと刺繍されたセーターを着ていることから少年Hと呼ばれているこの物語の主人公。
- 妹尾好子(花田優里音)
- 少年Hよりも2歳年下の妹。戦争中は田舎に疎開していた。
- うどん屋の兄ちゃん(小栗旬)
- 少年Hの近所に住んでいるお兄ちゃん。実は反政府主義者で国に逮捕されてしまう。
映画『少年H』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『少年H』のあらすじ【起】
時代は戦争前の1941年。神戸には少年Hとその家族が暮らしていました。Hという名前は勿論あだ名で、彼の名前、「はじめ」から来ています。少年Hが育った家は、父親が洋服の仕立屋である「妹尾洋服店」を営んでいた影響もあり、この時代にしてはかなり洋風な家庭でした。
少年Hも、当時まだ日本では珍しかった、はじめのHが大きく編み込まれたセーターを着用しています。また、一家はキリスト教を信仰していました。両親と少年H、そして2歳年下の妹の好子は毎週日曜日になると教会へ出かけ、神にお祈りを捧げています。
そういったこともあり、宣教師のステープルス先生と比較的近い中にあった少年Hですが、ある日そのステープルス先生が急にアメリカに帰ることが決まりました。それは、日本とアメリカの戦争がいよいよ始まろうとしていた為です。まだ幼かった少年Hはその事が理解できず、ステープルス先生に帰国の訳を尋ねますが、彼は答えてはくれませんでした。
映画『少年H』のあらすじ【承】
そして、ステープルス先生はとうとうアメリカへと帰って行きました。しかし、少年Hを気に入っていた先生は彼にアメリカにある100階建てのビルがプリントされた絵葉書を送ってくれました。少年Hは、アメリカにはこんな建物があるのか、と密かにアメリカに憧れを抱くようになりました。
一方、妹尾洋服店の近所にあるうどん屋には、少年Hよりも少し年上の男子が住んでいました。そのお兄ちゃんは、赤いラベルが貼られたレコードを大切そうに持っていました。ある日そのレコードを聞かせてもらった少年Hは大層その曲を気に入り、尊敬の意味も込めてお兄ちゃんに「今度から赤盤のにいちゃんって呼ぶよ!」と伝えます。すると、普段は温厚なお兄ちゃんが烈火の如く怒り出したのでした。
実はその赤ラベルとは、反政府主義者の証だったのです。そして、より戦争が現実味を帯びていく中、そのお兄ちゃんはアカ、すなわち反政府主義者として国に逮捕されてしまうのでした。
映画『少年H』のあらすじ【転】
そしていよいよ12月8日、日米戦争の火蓋が切って落とされました。少年Hの周りにいた大人達も、次々と兵隊として国に招集されて行きます。少年Hがオトコ姉ちゃんと呼んでいた人物もその1人です。元々オトコ姉ちゃんは女型として旅芸人をしていたのですが、開戦に伴い出征を余儀なくされたのです。
しかし戦場へと向かう道すがら、何とそのオトコ姉ちゃんの行方が分からなくなったのです。他の憲兵達と共に、少年Hはオトコ姉ちゃんの姿を探しました。そして何と、戦争に行く事を拒み一人首を吊って死んでいるオトコ姉ちゃんの姿を見つけたのでした。
また、スパイ容疑がかけられた少年Hの父親、盛夫が国に連行されてしまいます。それは、盛夫が着物ではなく外国人が着用している洋服を製作していること、クリスチャンである事、そして少年Hがステープルス先生から受け取った絵葉書を見られた為でした。その後盛夫は解放されますが、拷問を受けた盛夫の指はボロボロになっていました。
映画『少年H』の結末・ラスト(ネタバレ)
少年Hが中学生になってもまだ戦争は続いていました。戦争が続く中、妹の好子は疎開し、父親は消防隊員に、母親である敏子は町内にある隣組という団体の班長になっていました。少年Hも中学生になった事で、学校でいずれ兵士になれるようにと訓練を受けさせられるようになります。
しかし、物語の始まりから4年が経過した1945年、とうとう神戸にも空襲の魔の手が伸びていました。何とか逃げ延びた家族は奇跡的に全員無事でしたが、家も、商売道具も何もかも燃え尽きてしまいます。
そしてその年の8月、長きに渡った戦争が日本の敗北という形で終わりを迎えたのでした。少年Hは、一体この戦争は何だったのかと虚しさに襲われます。同じく絶望する家族の姿と、いつまでも続く貧乏な生活に、少年Hは一度は自殺を試みました。しかし生き残った少年Hは、ミシンを修理して新たな出発を切ろうとする父親の姿を見て、自分ももう一度立ち上がろうという決心をするのでした。
映画『少年H』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
実際の夫婦である水谷豊と伊藤蘭が夫婦役を演じた今作。妹尾家の暖かくて優しい雰囲気と、迫り来る戦争の壮絶さが対照的に描かれていて、戦争によって少年が感じた闇や苦しみがひしひしと伝わってきました。
家族みんなで暮らすことが当たり前では無くなってしまったり、近くに住む人が逮捕されたりと少年にとっては残酷で衝撃的すぎる出来事の連続だったでしょう。そんな苦しい状況を乗り越え、もう一度立ち上がろうとする強さと勇気を教えてくれる作品です。(女性 30代)
戦争を子どもの視点から描いた作品として、とても印象に残りました。神戸で仕立て屋を営む父と家族の穏やかな日常が、戦争によって少しずつ壊れていく様子が丁寧に描かれています。特に、父が特高に連行される場面は衝撃的でした。正しいことを言っていただけなのに疑われてしまう時代の怖さを感じます。Hが成長するにつれて戦争の現実を理解していく姿も切ないです。空襲のシーンでは、これまでの生活が一瞬で崩れてしまう恐ろしさが伝わってきました。家族の絆と戦争の残酷さを同時に描いた、心に残る映画でした。(30代 男性)
戦争映画というと激しい戦闘を描くものが多いですが、この作品は家族の日常を中心に描いているところが印象的でした。Hの目線で見た戦争は、最初はどこか遠い出来事のようですが、次第に生活の中に入り込んできます。父が反戦的な考えを持っていることで周囲から疑われる場面は、とても苦しく感じました。普通のことを言うだけで危険になる時代の怖さがよく伝わります。ラストでHが戦争の終わりを迎える場面は、安堵と同時に大きな喪失感も感じさせました。静かながら深く考えさせられる作品でした。(40代 女性)
少年Hは、戦争の恐ろしさを子どもの視点から描いている点がとても印象的でした。Hは最初、戦争についてよく理解していませんが、周囲の出来事を通して少しずつ現実を知っていきます。父が特高に捕まる場面は本当に衝撃的で、正しいことを言うことさえ危険な時代だったのだと感じました。空襲によって街が破壊されるシーンも強烈でした。平和な日常が一瞬で消えてしまう恐ろしさがよく表現されています。最後にHが成長していく姿を見ると、戦争が一人の少年に大きな影響を与えたことが分かります。(20代 男性)
この映画は戦争の悲惨さだけでなく、家族の温かさも強く描かれている作品だと思いました。Hの父はとても誠実な人物で、戦争に疑問を持っている姿が印象的です。しかしその考えが原因で警察に連れていかれる場面は、本当に理不尽だと感じました。母もとても強い女性で、家族を守ろうとする姿が印象的です。空襲のシーンでは街の風景が一変してしまい、観ていて胸が苦しくなりました。戦争が普通の家庭をどれだけ変えてしまうのかを、丁寧に描いた映画だと思います。(30代 女性)
戦争という大きなテーマを、少年の成長物語として描いているところがとても良かったです。Hは好奇心旺盛で元気な少年ですが、戦争が進むにつれて周囲の状況がどんどん変わっていきます。父が特高に捕まるシーンは、この時代の空気の重さを象徴しているようでした。誰もが自由に意見を言えない社会の怖さを感じます。空襲の描写もリアルで、神戸の街が燃えていく様子には衝撃を受けました。戦争の中で家族が支え合う姿が印象的な作品でした。(50代 男性)
戦争をテーマにした映画ですが、Hの視点で描かれているのでとても分かりやすかったです。最初は普通の少年の日常が描かれているのに、少しずつ戦争の影が生活に入り込んできます。父が連行される場面では、家族の不安が強く伝わってきました。正しいことを言っているのに疑われてしまう社会はとても怖いです。空襲のシーンは迫力があり、当時の人々の恐怖が伝わってきました。最後にHが戦争を乗り越えて成長していく姿が印象的でした。(20代 女性)
この映画を観て、戦争は戦場だけでなく普通の家庭にも大きな影響を与えるのだと改めて感じました。Hの家族は温かくて普通の家庭ですが、戦争によって状況が大きく変わっていきます。特に父が特高に捕まる場面は衝撃的でした。自由に意見を言えない社会の恐ろしさがよく表現されています。空襲によって街が破壊される場面も印象的で、戦争の残酷さが強く伝わってきました。Hの成長を通して、戦争の時代をリアルに感じられる映画でした。(40代 男性)
少年Hは、戦争の時代を生きた家族の物語としてとても印象に残りました。Hの父は反戦的な考えを持っていますが、そのせいで周囲から疑われるのが辛いです。正しいことを言うことが危険になる社会は、本当に恐ろしいと思いました。空襲のシーンでは、これまでの生活が一瞬で失われる様子が描かれていて胸が苦しくなりました。Hは様々な出来事を経験しながら少しずつ大人になっていきます。戦争の悲惨さと家族の絆の両方を感じることができる作品でした。(30代 女性)
この映画は戦争を題材にしていますが、あくまでHの成長物語として描かれているところが良かったです。子どもの目線から見た戦争は、最初は理解できないことばかりですが、次第に現実を知っていきます。父が特高に連れていかれる場面はとても衝撃的でした。普通の考えを持っているだけで危険視される社会は本当に怖いです。空襲によって街が燃えるシーンも強烈で、戦争の恐ろしさを実感しました。静かですが強いメッセージを持った作品です。(50代 女性)
映画『少年H』を見た人におすすめの映画5選
火垂るの墓
この映画を一言で表すと?
戦争の中で生きる兄妹の姿を描いた、胸を締め付けるほど切ない名作アニメ。
どんな話?
第二次世界大戦末期の神戸を舞台に、兄の清太と妹の節子が戦火の中で生き抜こうとする姿を描いた物語です。空襲で家や家族を失った二人は、親戚の家を出て防空壕で生活を始めます。しかし物資不足や周囲の冷たい現実に直面し、次第に追い詰められていきます。戦争の悲惨さを子どもの視点から描いた作品です。
ここがおすすめ!
戦争の残酷さを真正面から描きながらも、兄妹の絆が強く心に残る作品です。静かな日常が壊れていく過程が丁寧に描かれており、観る者に深い衝撃を与えます。少年Hのように、戦争を子どもの視点から描いた作品が好きな人には特におすすめの映画です。
この世界の片隅に
この映画を一言で表すと?
戦時下の日常を優しく描き出した、温かくも切ないヒューマンドラマ。
どんな話?
広島県呉市に嫁いだ女性すずは、戦争が激しくなる中でも前向きに日常を生きようとします。食料不足や空襲の恐怖など、厳しい状況の中でも家族や近所の人々と助け合いながら生活を続けていきます。やがて戦争は彼女の生活にも大きな影響を与え、平穏な日々が徐々に変わっていきます。
ここがおすすめ!
戦争の悲惨さを描きながらも、日常の小さな幸せや人の優しさが丁寧に描かれている作品です。主人公の前向きな姿が印象的で、静かな感動が広がります。少年Hと同じように、戦争時代の生活や人々の心情を丁寧に描いた映画が好きな人におすすめです。
永遠の0
この映画を一言で表すと?
戦争の時代を生きた一人のパイロットの人生を描く壮大な感動ドラマ。
どんな話?
祖父の過去を調べ始めた若者は、第二次世界大戦中に零戦パイロットとして生きた宮部久蔵という人物の存在を知ります。彼を知る人々の証言を通して、家族を愛しながらも戦争に翻弄された一人の男の人生が明らかになっていきます。戦争の中で人がどのように生きたのかを描いた物語です。
ここがおすすめ!
迫力ある戦闘シーンと、深い人間ドラマが融合した作品です。戦争という時代の中で人が何を守ろうとしたのかを丁寧に描いており、強い感動を与えてくれます。少年Hのように戦争の時代をテーマにした作品が好きな人には特におすすめです。
父と暮せば
この映画を一言で表すと?
原爆後の広島で生きる女性と父の魂の交流を描いた静かな名作。
どんな話?
原爆投下から数年後の広島。生き残った女性・美津江は、自分だけが生き延びたことに罪悪感を抱きながら暮らしています。そんな彼女の前に、亡くなった父の魂が現れます。父は娘に幸せになってほしいと願いながら語りかけ、二人の対話を通して心の葛藤が少しずつ解きほぐされていきます。
ここがおすすめ!
派手な演出はありませんが、登場人物の心の動きがとても丁寧に描かれた作品です。戦争が人の人生に与える影響を静かに考えさせてくれます。少年Hのように戦争の時代を人間ドラマとして描いた作品が好きな人におすすめです。
ラーゲリより愛を込めて
この映画を一言で表すと?
極限の状況でも希望を失わない人々の姿を描いた感動の実話ドラマ。
どんな話?
第二次世界大戦後、シベリアの収容所に送られた日本人兵士たちは、過酷な労働と寒さの中で生活を続けていました。そんな状況の中でも仲間を励まし続ける男・山本幡男の存在は、周囲の人々に希望を与えていきます。故郷への思いを胸に、人々が生き抜こうとする姿が描かれます。
ここがおすすめ!
厳しい状況の中でも人が人を支え合う姿が強く心に残る作品です。戦争の悲惨さだけでなく、人間の強さや優しさも描かれており、深い感動を与えてくれます。少年Hのように戦争の時代を背景にした人間ドラマが好きな人にはおすすめです。



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