この記事では、映画『シャッター 写ると最期』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『シャッター 写ると最期』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『シャッター 写ると最期』の作品情報
上映時間:80分
ジャンル:ホラー
監督:アントン・ゼンコヴィッチ
キャスト:イリーナ・テミチェヴァ、アナスタシヤ・ゼンコヴィッチ etc
映画『シャッター 写ると最期』の登場人物(キャスト)
- アリョーナ(アナスタシア・ゼンコヴィッチ)
- ベラの妹でイリヤの彼女。運転中に鹿が衝突する事故で足を挟まれ、身動きが取れなくなる。
- イリヤ(ステパン・ユルパロフ)
- アリョーナの彼氏で、週末旅行の運転手。鹿に衝突して立ち往生し、アリョーナと車に残る。
- ベラ(ソフィア・ザイカ)
- ぽっちゃり女性。アリョーナの姉。イリヤに紹介されたガーキクに積極的にアプローチする。
- ガーキク(ガリク・ペトロシアン)
- イリヤの友人の中年男性。女の子を紹介されると期待して、おしゃれをして参加する。
- ユラ(イゴール・ハルラモフ)
- 金髪のワイルドな男性。車が立ち往生した後、ひとりで救助を求めに行く。
- ニック(サンジャル・マディ)
- 黒髪の男性。山小屋にあったポラロイドカメラで、何気なくガーキクを撮影する。
- イラ(イリーナ・テミチェヴァ)
- カフェに最後に現れる女性。皆が乗れる大きなワゴン車を用意している。
映画『シャッター 写ると最期』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『シャッター 写ると最期』のあらすじ【起】
霊能力者シュテルンは、直近の未来を予見するポラロイドカメラを開発した。軍事利用を企む将校の立ち合いの下、発表会が開催される。実験に批判的なアブリコソフ博士がシャッターを切ると、数秒後の未来が写し出された。さらに2度目のシャッターが切った直後、被写体となったシュテルンが急死する。
現在。男女7人が週末を別荘で過ごすために集合した。集まったのは恋人同士のイリヤとアリョーナ、ぽっちゃりのベラ、髭の男ガーギク、金髪のユラ、黒髪のニック、遅れて来たイラ。携帯の電波が届かない雪深い森を走っていると、野性の鹿が正面に衝突。車は半壊し、ガーギクはガラス片で怪我を負い、アリョーナは足を挟まれて動けなくなった。
アリョーナとイリヤを車に残し、ユラは救助を求めに引き返すことに。残る4人は避難場所を探すため、森の中を歩いた。すると間もなく、無人の山小屋を発見する。家の中は動物の骨や剥製が飾られた不気味な雰囲気で、一台のポラロイドカメラが置かれていた。

映画『シャッター 写ると最期』のあらすじ【承】
イラは電話を探すため、鍵の掛かった部屋をこじ開けて入った。その部屋の壁一面に貼られていたのは、人間や動物の死体を写した複数の写真。その一枚に、自分たちの事故の写真もあった。
ニックはポラロイドカメラで何気なくガーギクを撮影する。印画紙が排出され、間もなくガーキクの死体を写し出した。その直後、森を歩いていたガーキクは転倒し、鋭利なトラバサミで首をはねられる。ガーキクの返り血を浴びたベラはショック状態になりながらも、小屋に戻って血を拭き落とした。
イラはベラを慰めた後、金庫から古いフィルムを発見する。それは、アブリコソフ博士が1989年に撮影した、ポラロイドカメラによる時空連続体の変化を検証するフィルムだった。実験用のマウスは、そのカメラで撮影された直後に突然死した。映像はさらに続き、博士夫妻は暴漢の男に襲われる。「お前のせいで俺は、シュテルンを殺した罪で15年も服役したのだ」と博士を恨みながら、動かなくなるまで殴り続けるのだった。
映画『シャッター 写ると最期』のあらすじ【転】
カメラを手にしていたベラは、ドアの音に驚いてシャッターを切ってしまい、鏡に写った自分を撮影してしまう。その直後、毒蜘蛛が口の中に入って即死した。
残りの者たちは山小屋を逃げ出すが、野犬が現れたため車に避難する。野犬がフロントガラスに倒れている鹿の肉を貪り始めたため、彼らは車よりも安全な山小屋に戻ることにした。
山小屋の中。アリョーナはベラの死を悲しみ、イリヤに怒りをぶつけた。イリヤはベラが死んだのはポラロイドカメラのせいだと説明するが、アリョーナは信じず、カメラでイリヤを撮影する。イリヤは彼女を罵ると、現像液を冷やすため外へ飛び出すが、野犬に襲われてしまう。ニックが野犬を撮影すると、イリヤは野犬もろとも、倒れた電柱の下敷きになって死んだ。
ニックはカメラを破壊しようとしたが、イラは武器になるかもしれないからと制止する。真夜中、突然シャッター音が鳴り響き、イラかアリョーナのどちらかによってニックが撮影された。ニック2人の元を離れた直後、顔に鹿の角が刺さった状態で死んでしまう。
映画『シャッター 写ると最期』の結末・ラスト(ネタバレ)
朝を迎え、イラとアリョーナはどちらがニックを殺したのかと牽制し合う。アリョーナはイラを気絶させ、湖のボートで逃げようとしたが、そこに見知らぬ老人が現れて、殴り倒される。その老人はガルノフという元軍人だった。山小屋の所有者であり、ポラロイドカメラの持ち主、さらにイラの父だと言う。イラは若者を森におびき寄せる役目であった。
イラはガルノフが父ではないという真実に気付いていた。本当の父はアブリコソフ博士であり、ガルノフによって殺されたということも。ガルノフはかつて、ポラロイドカメラ発表会を指揮した将校であった。
イラはガルノフを撮影。その直後、ガルノフはアリョーナに殺される。アリョーナはイラに命乞いをするが、イラは始めたことはやり抜くと言い切った。フィルムを補充して湖に向けて撮影した直後、アリョーナは湖に落ちて水死する。
その後、ユラが警察隊を連れてやって来た。彼はポラロイドカメラで撮ってくれとイラに頼んだ。すると警察官にも呼び掛け、全員で集合写真を撮ることに。イラは彼らを真ん中に集めると、嬉しそうにシャッターを切るのだった。
映画『シャッター 写ると最期』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ロシア発のホラー映画。写ると死ぬというポラロイドカメラによって、若者がひとりずつ殺されていく恐怖を描いている。ロシアらしい寒々しい冬の森を舞台に、終始ダークな雰囲気が漂う。毒蜘蛛に刺されるとか野犬に襲われるとか、殺され方も一風変わっていた。80分という短さで、細かいことを気にせずに楽しむことができた。
死を招くポラロイドカメラを題材とした作品に、アメリカ映画の「ポラロイド」という映画がある。同じ題材なのに全然違っているので、比較して見ると面白いかも知れない。(MIHOシネマ編集部)
「写真に写ったら死ぬ」というホラーの鉄板ネタを、ロシア映画らしい重苦しい空気感で描いた一作。テンポはゆっくりだが、じわじわと恐怖が迫ってくる感じがよく出ていた。特に主人公が自分の姿が写った写真を見つけてからの展開は、緊迫感が一気に加速する。ラストに近づくほど登場人物が精神的に崩壊していく描写がリアルで、救いのない結末もまたロシア映画らしい。(30代 男性)
ホラーというより“呪いの連鎖”を描いたサスペンスとして面白かった。登場人物が次々と消えていく中、真相に迫っていく展開はミステリー風で緊張感が続いた。ラストで主人公が自分の罪と向き合うシーンは意外と感動的で、単なる恐怖映画では終わらなかった。恐怖の中に人間ドラマがあるタイプのホラーが好きな人にはおすすめ。(40代 女性)
最初は「よくある呪い系か」と思って観ていたけど、思った以上にストーリーがしっかりしていてびっくり。特に、幽霊がただの怨霊ではなく、過去の出来事に絡んでいるところがリアル。主人公が写真の中の“自分”を見つけた時の絶望感と、それを回避しようと足掻く姿が切なかった。映像も静かで不気味な雰囲気があってよかった。(20代 男性)
写真という身近なアイテムが恐怖の鍵になる設定が良かった。スマホ社会の現代だからこそ、この映画の題材はすごくリアルに感じる。特に印象的だったのは、写真の中に幽霊が写っていたのに誰も気づかないシーン。あれが後々、じわじわ効いてくる構成が上手い。ロシア映画ってあまり観ないけど、これは完成度が高かった。(30代 女性)
ジャンプスケアに頼らず、心理的な不安感でじわじわ怖がらせてくるタイプのホラーで好みだった。ラストの救いのなさは人によって評価が分かれると思うけど、私はあれで正解だと思う。因果応報というより、“何をしても逃れられない運命”のようなものを描いていて、むしろ哲学的。シンプルだけど記憶に残る映画。(50代 男性)
写真に写るだけで死ぬという設定は一見シンプルだけど、登場人物たちの恐怖と混乱がリアルに描かれていて引き込まれた。特に主人公が真相に気づいても、それを誰にも信じてもらえない描写がもどかしくて、ホラー以上に人間関係の冷たさが怖かった。後半は少し展開が早い気もしたけど、十分に楽しめた。(20代 女性)
ホラーにしてはかなり静かで、派手な演出よりも雰囲気重視の映画。人が写っているだけの写真が、どうしてあんなにも怖く感じるのか…演出の巧さだと思う。幽霊の正体が明かされてからも安心できず、ずっと不穏な空気が続くのが印象的だった。あのラストの“諦め”の描写には鳥肌が立った。(40代 男性)
最初から最後まで陰鬱で、気軽に見るタイプのホラーではないが、その分後味が深い。幽霊や呪いよりも、人間の罪や後悔がテーマになっているところに惹かれた。主人公が過去の過ちに引きずられ、写真を通じてそれに直面させられる展開は、単なる恐怖だけじゃない重みがあった。映像もセンスが良く、引き込まれる。(30代 女性)
テンポはゆっくりだけど、その分じわじわ来る不安感が心地良い。いきなり驚かすような演出は少なく、背筋がゾワッとするタイプの恐怖が好きな人には合ってる。特に、誰もいない部屋でシャッター音が鳴るシーンには本当にゾクッとした。設定自体はありがちだけど、見せ方が丁寧で飽きずに最後まで観られた。(10代 男性)
映画『シャッター 写ると最期』を見た人におすすめの映画5選
シャッター(2004・タイ版)
この映画を一言で表すと?
“写真に写る霊”が過去の罪を暴く、アジアホラーの金字塔。
どんな話?
カメラマンの主人公が撮影した写真に奇妙な影が写り始め、次第に自分の過去にまつわる恐ろしい真実と向き合うことになる。カメラと心霊現象がリンクする本格ホラー。
ここがおすすめ!
『シャッター 写ると最期』の直接的な先行作品。驚かせ方ではなく、じわじわと忍び寄る恐怖と、ラストの“重い余韻”が秀逸。アジア独特の湿った怖さを求める人に必見の一本です。
クレアのカメラ(2017)
この映画を一言で表すと?
写真が暴くのは、記憶と関係性。ミステリアスな日常ドラマ。
どんな話?
カンヌを訪れた韓国人女性と、写真を趣味とするフランス人女性クレアが出会い、彼女の撮った写真がやがて人間関係の意外な真実を明らかにしていく…。静かに進む不思議なドラマ。
ここがおすすめ!
『シャッター 写ると最期』のように“写真が真実を映す”という共通テーマを持つが、こちらは恐怖ではなく心理的な距離やズレを描く。ホラーとは違う角度で写真というメディアを深掘りしたい人に。
イット・フォローズ(2014)
この映画を一言で表すと?
見えない“何か”が確実に近づいてくる、逃れられない恐怖。
どんな話?
ある日、少女がセックスを通して呪いを“感染”され、何者かに常に追われるようになる。呪いを回避するには他人に“渡す”しかないというシンプルながら恐ろしい設定が魅力。
ここがおすすめ!
『シャッター 写ると最期』のように、不可視の力に追われる恐怖を描いており、じわじわとした心理的なプレッシャーが似ている。斬新な設定と映像センスも秀逸なモダンホラーの名作です。
パルス(2001・日本版)
この映画を一言で表すと?
ネット越しに広がる死の世界——静かで絶望的な終末感が怖い。
どんな話?
突然、死んだはずの人々がネットを通して現れるようになり、人間社会は静かに崩壊へと向かっていく。ホラーというよりは哲学的な恐怖がじわじわと染み込んでくる異色作。
ここがおすすめ!
『シャッター 写ると最期』同様、視覚的な媒体(今回はネット)を通じて恐怖が拡散していく構造。不穏な雰囲気と孤独感の演出が抜群で、思索的なホラーが好きな人におすすめ。
死霊館(2013)
この映画を一言で表すと?
家に取り憑く“何か”と戦う、実話ベースの極上ホラー。
どんな話?
霊能者夫妻が呪われた家を調査するうち、恐ろしい悪霊の存在が明らかになる。除霊やポルターガイストなどの定番要素に、実話の説得力が加わった名作ホラー。
ここがおすすめ!
『シャッター 写ると最期』のような「目に見えない恐怖」と、霊に取り憑かれるという点で通じる。重厚な演出と迫力ある展開、登場人物のリアルな恐怖反応も秀逸で、王道ホラーを求める人に◎。
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