映画『しあわせへのまわり道』の概要:2015年公開のアメリカ映画。人気書評家で離婚した女性が運転免許を取得するため、政治亡命をしてアメリカに来たインド人タクシー運転手に運転を教わることに。その教えは人生の教訓にも思える事が多い!?ヒューマンストーリーである。
映画『しあわせへのまわり道』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:90分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:イザベル・コイシェ
- キャスト:パトリシア・クラークソン、ベン・キングズレー、ジェイク・ウェバー、サリタ・チョウドリー etc
映画『しあわせへのまわり道』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『しあわせへのまわり道』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『しあわせへのまわり道』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『しあわせへのまわり道』 あらすじ【起・承】
マンハッタン、アッパーウェスト・サイド。
タクシー運転手をしているダルワーンはその場所までの乗客を乗せた。
最初に乗ったのが男性、その後無理矢理入って来たのが男の妻らしき女性だ。
どうも2人は喧嘩をしているらしく、ダルワーンは気まずかった。
2人の様子から見るに、男性は不倫をし、妻に別れを告げているよう。
そして妻は受け入れることが出来ない様子だ。
騒ぐ妻を残し男性はタクシーを降りようとする。
そしてダルワーンにアッパーウェスト・サイドまで送り届けるよう言った。
妻の名前はウェンディと言う。
人気書評家で忙しい彼女に対し、優しかった夫の心は完全に離れてしまう。
そして彼女の元を去り、不倫相手の元に行ってしまったのだ。
ここで彼女が気づいたこと。
それは自分が車を運転出来ないということ。
免許が無いのである。
ウェンディは娘にも押され、免許を取ろうと考えた。
そして先日乗ったダルワーンに連絡を取ることにする。
ダルワーンは運転手の他に、運転講師をしていたのだ。
初めての練習日。
恐怖で上手くいかないウェンディの運転に、色々とアドバイスをするダルワーン。
最初はうるさいと思いながらも、次第に彼の言葉に耳を貸すようになっていく。
映画『しあわせへのまわり道』 結末・ラスト(ネタバレ)
ダルワーンとの練習を繰り返す中で、ウェンディは自分の過去のことや夫に対する態度など、自分のあらゆることを見直し始めた。
今までのネガティブで保守的な思考から、少しずつ変化が生まれて来たのだ。
ダルワーンとの会話の時間に特別なものを感じ始めた矢先。
ウェンディは彼がインドにいる妹から紹介された女性と結婚することを知る。
空港に一緒に迎えに行き、妻になる女性・ジャスリーンを見たウェンディはどこかショックだった。
その後ダルワーンは結婚し、妻と一緒に暮らし始めたがアメリカに初めて来たジャスリーンは友人もいない、買い物の店も知らない、英語さえ話すことも読むことも出来ない。
仕事で家を空けることの多いダルワーンを待つだけの、孤独な毎日だった。
しかもダルワーンは理想が強く、趣味嗜好もはっきりしていたため、ジャスリーンに自分の考えを押しつける傾向があった。
そのせいかジャスリーンは心を閉ざすようになる。
そんな生活の中で、話が合うウェンディにダルワーンは惹かれ始めていた。
しかし彼の誠実さを尊敬しているウェンディは、妻のいるダルワーンを女性としては拒絶する。
本当は惹かれていたのかもしれないが、ダルワーンには誠実でいて欲しかったのだ。
ダルワーンはウェンディに書評家として「ジャスリーンに対し、どんな言葉をかけたら良いか」を尋ねた。
するとウェンディは言葉より大事なものがあるということを教える。
運転免許の試験の日。
1度落ちたため再試験のウェンディ、前回は緊張したが今回は上手くいった。
彼女は運転免許を取得したのである。
自分1人で新しいことを始め、習得し、新たな人生を歩もうとしていた。
一方でダルワーンはジャスリーンと言葉では無く態度を改め接し、わかり合うのだった。
映画『しあわせへのまわり道』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『しあわせへのまわり道』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
全体的に雰囲気映画
タイトルはとても良さそう、女性が好きそうなものである。
しかもインド人の運転手が白人の書評家に人生のノウハウを教えるという、いかにも良い話そうな物語。
しかし全体的に雰囲気だけで進んでいく感じがする作品であり、意外とぼんやりして輪郭が浮き彫りにならない。
男女の友情を描いているわけでもなく、それほど人生のノウハウを教えてくれるわけでもなく、かといって大恋愛を来る広げるわけでもない。
きっとこれが狙い通りなのかもしれないが、実は見終わった後何も頭に残っていないのもまた事実である。
特にダルワーンが運転方法を人生に見立てて話しているということも、いまいちピンと来ないまま終わってしまったという印象。
何となく2人並んだ絵が綺麗で、何となく言葉を探す雰囲気重視の映画だと思って鑑賞すれば裏切られないだろう。
理想と現実の恋愛
作品中でウェンディとダルワーンが上手くいって欲しいと願って見ていたのは自分だけでは無いはず。
2人が惹かれ始めているのは見ていてもわかるし、そうなって欲しいとは思う。
しかしよくよく考えてみるとこの2人には問題がある。
それは宗教であったり、人生そのものでもある。
今現在愛し合ったとしても、問題や喧嘩が後を絶たなそうなのは目に見えているし、自分に置き換えて考えるだけでも問題続出だ。
結果この2人は付き合わなくて良かったのである。
その変の描き方が絶妙で、夢物語ではないリアルな人間の壁を伝えている作品である。
ウェンディとダルワーンの不器用なもどかしい雰囲気がすごく良かったです。偶然出会った人と惹かれあって結ばれるなんて、映画の中のお話で現実的ではありません。今作の二人の関係はリアルそのものでした。
気になる存在だけど、だから何するわけでもなくて、教官と生徒として指導しながら、友人としての関係を築いていく感じがこれが現実だよな…と思わせてくれて好感を持てました。
派手なシーンや盛り上がりは無く、淡々と進んでいきますがそれが逆に心地よくて素敵な雰囲気の作品です。(女性 30代)
映画『しあわせへのまわり道』 まとめ
典型的オシャレ雰囲気映画と言っても良いだろう。
いかにも人生の教訓を教えますと言わんばかりの宣伝も良くない。
実はこの手の作品は言葉があまり深くなく、主役2人の雰囲気だけで酔わせる雰囲気映画なのだ。
実際運転している時のダルワーンの台詞にはぐっとくるどころか、ピンとも来ない。
感動する場所が分からなかったのである。
見終わった後は政治や宗教的なものの思考の壁を感じさせる変な現実だけが残り、いまいちな印象。
もう少しわかりやすく感動させる作品にしていても良かったかもしれない。
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