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映画『死刑台のエレベーター(1957)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『死刑台のエレベーター(1957)』の概要:不倫関係の男と女は、一緒になるために女の夫を自殺に見せかけて殺害する。完璧なはずの殺人計画は、偶然から思わぬ方向へ展開する。ヌーヴェルヴァーグの旗手ルイ・マルの初期作。マイルス・ディヴィスが音楽を担当した。

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映画『死刑台のエレベーター』の作品情報

死刑台のエレベーター

製作年:1957年
上映時間:92分
ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
監督:ルイ・マル
キャスト:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリイ、リノ・ヴァンチュラ etc

映画『死刑台のエレベーター』の登場人物(キャスト)

ジュリアン・タベルニエ(モーリス・ロネ)
カララ社社員。カララ社の兵器ビジネスに協力し、秘密情報を収集している。社長夫人のフロランスとは不倫関係にある。大戦中は、落下傘部隊大尉として軍功を挙げた。
フロランス・カララ(ジャンヌ・モロー)
カララ社社長夫人。歳の離れた夫に愛を感じず、ジュリアンと許されぬ恋に落ちる。クールビューティーだが、ジュリアンの前では笑顔を見せる。
ルイ(ジョルジュ・ブージュリー)
ゴロツキの青年。定職につかず街をうろついている。運転は上手い。恋人ベロニクが憧れるジュリアンに嫉妬し、ジュリアンの車を盗む。
ベロニク(ヨリ・ベルダン)
ルイの恋人。カララ社近くの花屋の店員。未成年で子供っぽいところがあり、大人の男ジュリアンに憧れている。
サイモン・カララ(ジーン・ウォール)
カララ社社長。フロランスの年上の夫。秘密裏に武器販売を行っている。
モーリス(ジェラール・ダリュー)
カララ社警備員の気さくな男性。
ホルスト・ベンカー(イヴァン・ペトローヴィチ)
裕福なドイツ人観光客。高級なベンツで高速道路を走行中に、ルイとベロニクに出会う。
フリーダ・ベンカー(エルガ・アンダーソン)
ホルストの美しい妻。
シェリエ警部(リノ・ヴァンチュラ)
ベンカー夫妻殺人事件を担当するパリ市警警部。冷静沈着な中年男性。
ジュベビエ(ジャン=クロード・ブリアリ)
ジュリアンの友人。大戦中は、ジュリアンと同じ部隊に所属していた。

映画『死刑台のエレベーター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『死刑台のエレベーター(1957)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『死刑台のエレベーター』のあらすじ【起】

カララ社社員のジュリアンと、社長夫人フロランスは不倫関係にある。二人は、一緒になるために、フロランスの夫でカララ社社長のサイモンを殺害する計画を立てる。

ある土曜日。計画決行の直前、ジュリアンとフロランスは、電話で計画の詳細を確認し、愛を語り合う。

ジュリアンは、事務員の女性に残業を依頼してアリバイを作る。ジュリアンは革手袋を着け、自分のデスクの引き出しから、前もって用意しておいたサイモンの銃とロープを取り出す。ジュリアンは自室の窓から外へ出て、階上の柵に引っ掛けたロープをつたって社長室のある階へ上がる。

社長室の入ったジュリアンは、サイモンに兵器売買に関する秘密資料を渡す。ジュリアンはサイモンを射殺し、密室での自殺に見えるよう細工をして、資料を持って社長室を後にする。

ジュリアンはロープをつたって自室へ戻り、何事もなかったかのように、事務員や警備員のモーリスと共にエレベーターで一階まで降りる。

退社したジュリアンは、フロランスとの待ち合わせ場所へ向かうため、カララ社ビルの近くの花屋の前に停めてある高級車に乗り込む。ジュリアンは、柵にかけたロープを外し忘れたことに気づき、急いでビルに戻る。

ジュリアンがエレベーターに乗り込んで自室のある階へ向かう途中、モーリスはビルの主電源を落とす。エレベーターは停止し、ジュリアンはエレベーターの中に閉じ込められる。

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映画『死刑台のエレベーター』のあらすじ【承】

ゴロツキのルイは、ジュリアンが車から離れたときを狙って、ジュリアンの車を盗む。ルイの恋人ベロニクも同乗し、二人は街中を走り抜ける。

待ち合わせ場所のカフェから、フロランスは走り去るジュリアンの車と、助手席に乗ったベロニクを目撃する。フロランスは、ジュリアンがサイモン殺害に失敗し、浮気相手のベロニクと逃げ出したと誤解する。

高速道路へ向かう道中、ルイとベロニクは、車のダッシュボードから小型カメラと銃を見つける。

ジュリアンは自力で脱出を試みるが、どの方法も失敗する。いつまでも姿を見せないジュリアンを探して、フロランスは夜のパリを歩き回る。

高速道路で、ルイはドイツ人観光客ベンカー夫妻の乗るベンツと競り合う。ルイの運転の腕に感心したベンカーは、ルイとベロニクを自分たちが泊まるモーテルへ誘い、豪勢な晩餐に招待する。ルイは、自分はジュリアン・タベルニエだと身分を偽る。

ベロニカは、ジュリアンの小型カメラでルイやベンカー夫妻との写真を撮る。モーテルには写真店が付いており、ベロニカはネガを現像に出す。ベンカーは、ルイが身分を偽っていることを最初から見抜いている。

雨の中、フロランスは傘も差さずにジュリアンを探して彷徨い歩く。

映画『死刑台のエレベーター』のあらすじ【転】

ジュリアンは、エレベーターの床板を外し、エレベーター昇降用ケーブルをつたって扉の隙間から外へ出ようとするが、隙間は小さく体が入らない。

見回りに来た夜警が、ビルの主電源を入れる。エレベーターは降下を始め、ジュリアンはエレベーターからぶら下がったまま床に押し付けられそうになる。夜警が電源を切り、床までわずかというところでエレベーターは停まる。一命を取り留めたジュリアンは、エレベーター内に戻る。

ジュリアンの行きつけのバーで、フロランスはジュリアンの友人ジュベビエと出会う。ジュベビエの女友達は、先日ジュリアンが女と一緒にいるところを見たと話す。

夜明け前、ルイとベロニクは、モーテルからの夜逃げを企む。ルイはベンカーのベンツを盗もうとするが、ベンカーに発見され、ジュリアンの銃でベンカーと妻を射殺する。ルイとベロニカは、ベンカーの車に乗ってその場を急いで離れる。

日曜の朝、ルイとベロニカはパリ市内のベロニクのアパートに戻る。二人は、警察に捕まって離れ離れになってしまう前に心中しようと睡眠薬を飲む。

迎えの車を呼ぶため、フロランスはジュベビエに付き添われて警察署へ行く。フロランスは、ベンカー夫妻殺害事件を担当する警部シェリエから、ジュリアンが殺人容疑をかけられていることを知る。

新聞に、ジュリアンがベンカー夫妻を殺したという記事が大々的に掲載される。

映画『死刑台のエレベーター』の結末・ラスト(ネタバレ)

シェリエはモーリスを共にカララ社ビルへ行く。モーリスが主電源を入れると、エレベーターは動き出す。ジュリアンは1階に到着し、1日ぶりに外へ出る。ビルの外に停めてあるはずの車が無く、ジュリアンは徒歩でフロランスと待ち合わせていたカフェへ向かう。

シェリエ達は、社長室でサイモンの遺体を発見する。

カフェに着いたジュリアンは、自分が殺人犯として報道されている新聞記事を目にする。店員が警察に通報し、ジュリアンはその場で逮捕される。

シェリエは、ジュリアンが土曜の夜にどこにいたか尋問する。覚えていないというジュリアンに、シェリエは、フロランスが女と共に車で去るジュリアンを見たと証言をしていることを話す。シェリエは、ジュリアンとフロランスの中を疑っている。

ジュリアンは、一晩中エレベーターに閉じ込められていたことを告白するが、シェリエは信じない。

サイモンが自殺したとの連絡を受け、フロランスは、ジュリアンが計画を遂行していたことを知る。

花屋の主人からベロニクの住所を聞き出したフロランスは、ベロニクのアパートへ行き、自殺未遂で眠そうにしているルイとベロニカを見つける。フロランスは、ルイ達に犯行を暴くと言い放つ。

フロランスは、公衆電話から警察にルイとベロニクを通報する。フロランスに犯行がばれ、ルイは、証拠となるネガを回収するためにバイクでモーテルへ向かう。フロランスは車でルイを追う。

ベロニクが撮った写真は既に現像され、先回りしてモーテルに来ていたシェリエはルイを逮捕する。

ネガには、親しげなジュリアンとフロランスが写った写真も多数含まれている。ジュリアンとフロランスの関係を確信したシェリエは、ルイを追って写真店に入ってきたフロランスを、サイモン殺害の容疑で逮捕する。

フロランスは、これからのジュリアンに会えない長い年月を思い、呆然とする。

映画『死刑台のエレベーター』の感想・評価・レビュー

お洒落で繊細で緻密に作り込まれたサスペンス作品。私が今まで見てきたサスペンス映画の中で、1番ロマンチックで愛に溢れていた作品ではないでしょうか。愛の力が大きくなればなるほど、想像とは逆の方向に転んでしまった時の絶望感や喪失感は計り知れませんよね。それをとても美しく描いているんです。
雰囲気と音楽を楽しみ、見終わってからもしばらく余韻に浸ることが出来るこの作品は、何度も見返したくなるほど魅力的でした。(女性 30代)

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