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映画『劇場版 新・ミナミの帝王』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』の概要:テレビドラマ「新・ミナミの帝王」シリーズの劇場版。ミナミの街に迫るショッピングセンター計画と、ネット動画に翻弄される女子高校生と老舗和菓子屋の行く末を追う。

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』の作品情報

劇場版 新・ミナミの帝王

製作年:2016年
上映時間:88分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:瑠東東一郎
キャスト:千原ジュニア、大東駿介、松井愛莉、板尾創路 etc

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』の登場人物(キャスト)

萬田銀次郎(千原ジュニア)
萬田金融を営む金貸し屋。ミナミの街では有名で「ミナミの鬼」と呼ばれていた。冷酷な発言と表情とは裏腹に、金を借りに来る者たちを思って仕返しを目論む切れ者。
坂上竜一(大東駿介)
銀次郎をアニキと慕い金融業を手伝っている。少しバカではあるが、純粋な男。銀次郎から信用を置かれ、熱意のある対応で街の人たちから慕われる存在。
薮田洋之助(袴田吉彦)
突如ミナミの街に現れた自称経営コンサルタント。しかし、商店街の人たちに親切にするのには裏の顔があり、政治と絡んだとある計画を企んでいた。
鶴丸美月(松井愛莉)
シングルマザーの母親と2人暮らしの中、亡くなった父親を忘れられずにいる。やってみた動画を投稿し注目されることで、満たされていたがある事件を起こしてしまう。
仲舘優花(光宗薫)
美月の同級生であり、動画投稿の仲間。最初は竜一を騙して動画を取るために近寄ってきた女子高校生。
植村周平(板尾創路)
ミナミの商店街で300年続く老舗和菓子屋の店主。緊急事態で初めて銀次郎を頼ってきた。先代のためにも店をたたむわけにはいかないと、必死になっている。
沢木英雄(赤井英和)
銀次郎と長年連れ添っているヤクザの組長。情報通で、銀次郎が困ったときには手を差し伸べてくれる存在。

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』のあらすじ【起】

ミナミの街を逃走する債務者・ナシモトを追う竜一。竜一の気迫に追い詰められたナシモトを待ち構えていたのは萬田銀次郎。銀次郎は竜一の兄貴分である。銀次郎の営む萬田金融は、誰にでも金額問わず金を貸してくれることで有名だが、一度借りると完済まで絶対に逃げることはできないとも言われている。利子すら返せないナシモトに「嫁を売るか、店を売るか選べ」と迫る銀次郎は「ミナミの鬼」という異名を持っていた。

竜一に襟元を掴まれながら連行されるナシモトに、経営コンサルタントの卵だという薮田が声をかけてきた。取り立てられていた利子を立て替えた薮田は、ナシモトと夜の町に消えていくのだった。メリットの見えない薮田の行動に疑問を抱く銀次郎。しかし、銀次郎は追及することはなかった。

萬田金融の拠点となる喫茶店には珍しい客が立て続けに来ていた。それは女子高校生の美月と優花。パソコンが壊れてしまい、親には頼めないので「5万円貸して欲しい」という美月。萬田金融は「トイチ」と呼ばれる法外な金利で商売をしているので、美月のことを考えた竜一は貸すことができないときっぱり断るのであった。さらに優花は「元カレとのキス動画を消したい」と10万円を借りに来ていたが、もちろん竜一は貸すことはない。慣れないことに不思議がる竜一。実は美月と優花は友達であり、ネットにある動画を投稿し小遣い稼ぎをしている仲であった。

銀次郎はケイコという女性から娘の修学旅行代金として5万円貸して欲しいと連絡を受けた。久保という男性が代わりに貸すというものの、ケイコは断り銀次郎からお金を借りた。去り際に財布にある限りの万札を置いていった久保の様子を見ていた銀次郎は、金利分を除いた4万5千円を渡し、久保が置いていったお金から元金を受け取り去るのだった。

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映画『劇場版 新・ミナミの帝王』のあらすじ【承】

一般のシングルマザーからも頼られる銀次郎は、商店街でも多くの人から頼られていた。帰り道に薮田と再会した銀次郎は、早々にミナミの街に馴染んだ薮田の様子に違和感を覚えるのだった。さらに、薮田の世話になり始め元金を返済する者が出てきたことにも疑問を抱いていた。

銀次郎は老舗和菓子屋の植村から融資を頼まれた。馴染みの仕入れ先から断られ、先代が体調を崩した中で職人が立て続けに辞めるという緊急事態に追い込まれていた植村。それでも300年続いた店を閉めるわけにはいかないという植村に、銀次郎は心打たれるのであった。

ある日、喫茶店の店員が話題になっている動画を銀次郎と竜一に見せた。それは植村の和菓子屋で購入した商品に虫が入っていたという内容であった。なんと投稿者は萬田金融のことも取り上げていた。内容を確認し、投稿者は優花だと確信した竜一。隠しカメラはクマのぬいぐるみに仕込んでいたのだと気付いた竜一は話を聞きに行こうとするが、銀次郎は止めるのだった。

植村の元を訪ねた銀次郎。店は誹謗中傷を受け、営業をできない状況に陥っていた。心配しながらも辛辣な言葉をかける銀次郎。その頃、竜一は優花と美月から真相を聞き出そうと会いに行っていた。

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』のあらすじ【転】

「金儲けのためにやっているのか?」と問いただす竜一に対して、“ジャーナリズム”だと言い切る美月。しかし植村の店が追い込まれた状況を竜一から聞き「胸が痛まないのか?」と問われた美月は優花を連れ逃げ出すのだった。

実はケイコの娘というのは美月だった。久保との食事会でも無愛想な態度を取り続けた美月は、クマのぬいぐるみを落としたことに気付く。亡くなった父親の形見であるぬいぐるみを探しにきた美月。ぬいぐるみを持って待っていた竜一に気付いた美月は人の温かさに触れ、すぐに植村の店の動画を消すのだった。しかしすでに動画は炎上してしまっていた。学校でも嫌がらせに遭い、美月は自宅に引きこもってしまうのだった。

竜一は連日美月の様子を伺いに自宅を訪ねていた。ケイコから本当にパソコンが壊れていることを知らされ、嘘つき呼ばわりしたことを反省する。優花からパソコンを買い与えた存在がいることを聞いた竜一は、「かこい」と呼ばれる男たちの正体を暴きだすのだった。美月にそのことを報告に行った竜一は、植村の店の動画に関してネタ提供した男がいることを知らされるのだった。

その頃、銀次郎は沢木から街にショッピングモールを作ろうとする動きがあることを知らされる。商店街は軒並み地上げの話を受け、その手切れ金で元金を返す者が多かったのだと疑問が解消された銀次郎。そんな中、植村だけは地上げに関して断固として断っていたという。

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』の結末・ラスト(ネタバレ)

植村から話を聞こうと店に向かった銀次郎と竜一は、店の前で礼を言う薮田の姿を見た。植村は300年同じ場所に根付いた店をたたむ決心をしていた。さらに美月は植村の店を潰したとしてネットで叩かれ、ミナミの街を出ることになったという。

薮田の元を訪ねた銀次郎。植村の店が最後の一件だったという薮田は、ショッピングモール計画が順調だと微笑むのだった。そんな薮田に久保を紹介した銀次郎。実は久保はミナミの街で多くの土地を所有する大地主だったのである。引っ越しに伴い所有した土地を売りたいという久保の話に、薮田はまんまと乗るのだった。

実はショッピングモール計画は表の顔で、薮田と政治家が組んだカジノリゾート計画が本来の姿であった。地上げに賛同した人たちは焦って土地を取り返そうと銀次郎を頼るが、断られてしまう。

順調に計画が進み、政治家と密談する薮田。そこへ土地の売買はできないと久保が断りに来た。実は薮田の事務所を訪ねたときにパソコンからデータを抜いていた銀次郎は、植村の店を狙うように指示したメールを証拠して用意していた。植村の店は「植村家」であるが「植村屋」と書く薮田の致命的なミスは言い逃れできないものとなり追い詰められる。さらにクマのぬいぐるみを使って盗撮された薮田とのやり取りをネタに、政治家も逃げられない状況となるのだった。責任を押し付け合う二人に「ミナミで生きる資格はない」と言い切った銀次郎。

地上げは頓挫し、商店街には平穏が戻った。竜一の配慮で植村に会う機会をもらった美月と優花は誠心誠意謝罪するのだった。笑顔で許した植村は「新作の試食をして欲しい」と優しく声をかけるのだった。

映画『劇場版 新・ミナミの帝王』の感想・評価・レビュー

「鬼」を人はこう呼ぶ「ミナミの帝王」と、締まりの良い物語。テレビドラマシリーズよりも逆転劇の爽快感が少ないのが残念な部分ではあるが、映像のクオリティとユーモアは増し増し。メインとなる千原ジュニアと大東駿介のコンビの安定感が良い味である。

現実に起こっていそうな題材である、地上げや政治と金の繋がり、ネット炎上商法などを盛り込みながら懸命に生きることへのエールも兼ねている一作。(MIHOシネマ編集部)


『ミナミの帝王』と言えばもちろん竹内力ですよね。それは皆思っていることですが、今作は比べる対象ではなく、別物として見るべき作品です。どうしたって竹内力のほうが迫力があって、アツいのは分かりきっていることなので。
千原ジュニアって微妙じゃない?と思っていましたが、あまり違和感はなくてこのセリフが棒読みな感じは彼の素なんだろうなと感じます。セリフの言い回しは『アウトレイジ』の北野武と同じような雰囲気です。
正直、テレビシリーズの方が面白かった気がします。映画にするほどでは無いのかなと。(女性 30代)

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