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映画『死ぬまでにしたい10のこと』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『死ぬまでにしたい10のこと』の概要:アンは仕事をしながら就職活動中の夫を助け、妻として、母として、何気ない日常を送っていたが、ある朝、突然の腹痛に襲われ倒れてしまう。病院で検査を行い余命2ヶ月の宣告を受ける。彼女は死ぬまでにする事を書き出し、誰にも伝えずに悔いのない人生を送ることを決める。

映画『死ぬまでにしたい10のこと』の作品情報

死ぬまでにしたい10のこと

製作年:2003年
上映時間:106分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:イザベル・コヘット
キャスト:サラ・ポーリー、スコット・スピードマン、デボラ・ハリー、マーク・ラファロ etc

映画『死ぬまでにしたい10のこと』の登場人物(キャスト)

アン・マトランド(サラ・ポーリー)
23歳と言う若さで余命2ヶ月の宣告を受ける。家族の事や自分のやり残したことを考え、最後まで懸命に生きようとする。
ドン・マトランド(スコット・スピードマン)
アンの夫。アンを愛し娘たちの事を大切に思っている心優しい男性。
ペニー・マトランド(ジェシカ・アムリー)
アンの娘。母親に対して口答えする等、生意気盛り。
パッツィー・マトランド(ケンヤ・ジョー・ケネディ)
アンの娘。まだ幼く、姉のペニーといつも一緒に居る。
リー(マーク・ラファロ)
アンと恋に落ちる不倫相手。
ローリー(アマンダ・プラマー)
アンの仕事仲間。常にダイエットの事を考えている。
トンプソン医師(ジュリアン・リッチングス)
アンの主治医で余命宣告をする。アンの願いを叶えようとする優しい一面もある。

映画『死ぬまでにしたい10のこと』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『死ぬまでにしたい10のこと』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『死ぬまでにしたい10のこと』のあらすじ【起】

夕焼けを眺めたり、月を見上げたり、そんな感傷的な事を今まではしなかったが、アンは降りしきる雨の中で傘も差さずに佇んでいた。

アンは仲間と楽しく話をしながら清掃の仕事をし、帰る時には仕事が終わった母を近くの家まで車で送って行く。母との会話は職を探しているドンへの小言や、聞いている音楽への文句ばかりで少しうんざりする。

アンが家に帰りベッドに入ると先に寝ていたドンが、冷えた体をじゃれあいながら温めてくれるのが嬉しかった。

朝、娘二人を着替えさせドンと出かけるのを見送る。そして、アンは突然の腹痛に襲われ倒れてしまう。偶然訪ねてきた母に救われる。

病院で検査を行うことになるが、子供を迎えに行かないといけないのが気がかりだった。母へ代わりに迎えに行って欲しいことを伝えて、と言うが看護婦は真剣に取り合ってくれない。逸る気持ちのアンに医者が告げたのは、卵巣にできた腫瘍が体のあちこちに転移している話だった。しかも、若い為に進行が速く手術が出来ない。余命は約2ヶ月。アンは頑張って平静を保とうとするが、あまりの事に涙が勝手に流れてくる

母に電話をして子供達を迎えに行ってくれた事を知る。だが、倒れた理由を貧血だったと嘘をついた。お酒も飲まず薬もしないのに、何故と言う気持ちだった。

夜、子供達に絵本を読んでくれていたドンにも貧血だと嘘をついた。ドンはプールの建設業の仕事が決まり1年間働ける事になった。子供達を寝かしつける。ドンと来月、家族で海に行く予定を立てる。

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映画『死ぬまでにしたい10のこと』のあらすじ【承】

アンは夜に1人コーヒーショップでコーヒーとチーズケーキを頼み、〝私が死ぬまでにしておくこと“をノートに書き出す。それは、家族の事、自分の事を考えてのリストだった。

朝、家族にいつものように朝食を作り娘達を学校へ送り出す。

美容院に行き髪の毛を切ってつけ爪を付けようとするが、したくもないブレードを進められ、爪の担当もいないので逃げるように店を後にする。

夜、仕事帰りの母を送る。体調の事を聞かれるが、治ったと嘘をつく。来週の天気の話や母の仕事の話など何気ない会話をする。

家族が寝静まるとアンは、嘘をついている毎日に淋しさと孤独感が押し寄せてくるのを感じる。コインランドリーに行く、と置手紙をし、化粧をしてバーに出掛けた。バーでは昼間の美容師にばったり出会う。自由な人で、話している最中にDJが知り合いだからと踊りに行ってしまう。

アンは眠たいのを我慢してコインランドリーへ向かう。すると、男性から声をかけられコーヒーを買ってきて貰う事になるが、待ちきれずに寝てしまう。男性はアンにそっと服を掛けてあげる

男性はアンの洗濯物まで畳み、アンの寝顔を見ながら起きるまで待っていた。男性は以前コーヒーショップで、アンがノートに何か書いているのを見ていたらしい。

男性はリーと名乗り、服を返す約束を交わす。アンの洗濯袋の中には見覚えのない本が入っており、電話番号が書かれていた。

映画『死ぬまでにしたい10のこと』のあらすじ【転】

世の中にはたくさんの衣服や食料などがお店にたくさん溢れて並んでいるけれども、それらを見てもアンが死を忘れるのは一時だけだった。

家に帰ると母が子供達の世話をしてくれていたが、母親が犠牲になる映画の話をしており、そんな話はしないでくれと口喧嘩をしてしまう。

仕事から帰ってきたドンに食事を出し、入れ替わるように自分も仕事に向かう。仕事が決まってドンは嬉しそうだった。アンは車の中で、ペニーとパッツイーの誕生日の為に、色んな日の為に、泣くのを堪えながら録音テープにメッセージを吹き込む。アンは車から出ると夜景を見ながら堪えきれない涙を流す。

アンは仕事をしている最中に吐き出してしまう。同僚はダイエットのせいだと思っているが、アンは本当のことを言えず代わりに自分の人生のうっ憤を話す。

雨が降りしきる日、アンは本を返す為リーに電話する。リーの家は家具が無く、がらんとしていた。お互いの家族の事などを話している時、リーはアンへ気持ちを伝える。音楽を聞く為に車へと乗りこんだ二人はキスをする。

アンは病院へ足を運ぶ。検査はやっても無意味だと拒否し、代わりに18歳になるまでの娘達への誕生日テープをトンプソン医師に託す。ドンはきちんと渡してくれるか心配な為、トンプソン医師から渡して欲しいと言うのだ。トンプソン医師はそれを了承する代わり、病院に来ることを約束させる。アンは死ぬまでの時間がないと一人焦っていたのだ。

映画『死ぬまでにしたい10のこと』の結末・ラスト(ネタバレ)

ドンは今の生活が幸せだと言い眠りにつく。アンはその横でドンの寝顔を見ながら愛してると声をかける。

隣の家に女性が引っ越してきた。名前は同じくアンと言い、子供達もすぐに懐いて嫌がらずに遊んでくれていた。隣の家のアンにそのまま子供達を預かってもらい、リーの元へ会いに行く。車から流れるテープをBGMに、二人は幸せそうに踊りながらキスをする。

引っ越してきたアンと話すが、彼女は子供が好きだけど産む気はないと言う。それは、看護師の研修の時、赤ちゃんがシャム双生児で医師と父親が死なせる決断を下した経験からだった。それを聞いたアンは心優しい彼女を来週の夕食に誘う。

アンはリーとの逢瀬を重ねる。リーが読んでくれた小説が、今のアンの事を書いているような話だったので思わず本を掴み投げてしまう。リーは突然の出来事に戸惑い、アンの事が10%もわからないと言うが、アンはこのままが良いと言う。

アンはネイルをしてもらい刑務所にいる父親に会いに行く。娘の写真を見せ、ドンの話をし、父の刑務所での仕事の話を聞く。子供の頃の話をしても触れる事が出来ないガラス越しでの会話が悲しかった。

アンは次第にしんどくて動けない日が出てきた。それでも決して本当の事は言わなかった。ドンや母にも録音テープを残す。

リーとデートをし色んな所に連れて行きたいと言う彼の話を聞くが、途中で辛くなってしまう。リーは主人を良い仕事に就かし、子供達を見守り、アンの傍にずっといたいと言うが、アンは何も答えられない。二人はキスをして別れる。リーは迎えに来た夫がどんな人物なのか車から見守る。

夕食に隣の家のアンが来てくれていたが、アンは辛さからベッドから動けなかった。しかし、隣の家のアンが家族に溶け込んでいる様子を見て、静かに自分のいない未来を重ね合わせる。

アンは死ぬ頃を見計り、リーにもテープを送っていた。彼が、アンがいなくなっても生きていけるように、愛しさに溢れたテープだった。

映画『死ぬまでにしたい10のこと』の感想・評価・レビュー

余命宣告をされた後の2ヶ月間、アンはしたいこと、やっておきたいことをリストアップし、行動にうつしていく。不倫関係に陥ったリーに対しても録画テープを残していることから、本気で愛していたのではないかと思わせる。23歳という若さではあるが、母親として、妻として、そして女としての責任や任務を、果たしているようにも見えた。穏やかにストーリーが流れていくため、見やすく分かりやすい内容だった。(女性 20代)


余命が2ヶ月と宣告されながらも、自分の周りの日常は当たり前に動いていて、その中で一人浮いてしまったような描写が何とも切ない。主人であるドンを愛しているが、コインランドリーで出会ったリーと恋愛的関係を持ってしまったりと、多少道徳的に反する行動があるが、浮ついた気持ちではなく、きっと、自分自身の残り少ない人生におけるわがままだったりするのだろう。最後の最後まで残された家族の事を思って行動したアンの人柄や母親らしさを見て、病気への憎しみよりも、生を全うしたアンの素晴らしさが伝わる映画であった。(男性 30代)


家族のことを思いながらも「7.夫以外の人と付き合ってみる」「8.誰かが私と恋に落ちるように誘惑する」がしたいことリストに入った気持ちは解るのですが、実行したのはちょっと解かりません。賛否両論あると思いますが、本気で愛していても、相手の男性にも辛い思いをさせることになったと思います。
余命2ヶ月~3ヵ月という話なのに、重苦しさがあまりなく観れました。
患者の顔を見て告知できないと言っていた医師が好きです。(女性 40代)


主人公の行動は全部が輝かしく見えて仕方が無かった。「そうか、人は死を目の前にしてもここまで残すことができるのか」と、そう思うと今の自分にだって何でもできるようなそんな気持ちになる。いざ、やりきれるかどうかは勇気なんだと最後にすごく感じさせられる。旦那じゃない男性との関係を断ちたくないと泣くあたりのシーンで主人公が目一杯「生きたい」と叫んでいるようにもわたしには捉えられた。

死を前にした作品の多くは苦しい展開が多いように感じるが、この作品は先のことを考えて描かれており希望的な物語だった。気づいたらエンディングであっという間であった。(女性 20代)


本作は、余命2か月を宣告された23歳の母親が死ぬまでにしたい10のリストを作り、悔いのない人生を歩もうと奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ作品。
ドキュメンタリーを見ているかのような距離感のあるカメラワークで、淡々としていて単調に見えてしまうシーンも多々あった。
夫以外の男との恋愛で本気になってしまうところも、自分に正直で本能のままに生きていてその人間らしさが好き。
精一杯生きる主人公の母であり女性としての強さに、自分も改めて後悔のないように生きたいと思え、勇気を貰えた。(女性 20代)


23歳で突然余命2ヶ月を宣言されるアン。まだ幼い娘たち、若くして子供ができたため、忙しさに追われる生活をしていたアンは、自分が本当にやりたいことをしてこなかったことに気づいた。死ぬまでにしたいことを書き出した彼女は、一つずつ実行していくのだった。もう残り少ない命と、その状態で考える、後悔しない生き方。そのような状態にならずとも、常に後悔しない生き方をしてほしいというメッセージが込められている作品だと、思わずにはいられない。(女性 30代)


主人公のアンが23歳という若さだからこそ、死について深く考えさせられる作品だった。アンは家族に心配させたくなくて余命のことを黙っていたのだと思うが、自分だったら彼女のようにはできないと思う。突然余命宣告を受けたら、もっと泣き叫んで人生を呪って絶望した気持ちのまま残りの日々を過ごしそうな気がする。アンは女性として、母として、人として、強い人だと思う。
余命宣告を受けた主人公の姿は見ていて辛いはずなのだが、人への優しさと愛に溢れていて温かな気持ちになれた。(女性 30代)


鑑賞後、この作品は何を言いたいのだろうと考えたが答えは出なかった。
邦題からイメージされるような「残りの日々を悔いなく過ごそう」という前向きな感じではない。主人公のアンはあまりに淡々としているし、達観しすぎている。家族の誰にも病気のことを知られずに死んでいくことなど可能だろうか。もし自分が残される側だったらやりきれない。

あんなに冷静でいるのは、逆に自分の死を受け入れられていないのではないかとさえ思える。若くして死ぬことの実感がないまま最期を迎えたような気がしてならない。(女性 40代)


23歳にして余命宣告を受けたアン。6歳と3歳の子供を持つ母親として残された2か月でやりたいことをピックアップしていく。内容がまた現実的で母親らしいことばかりだった。
余命宣告を受けてからの物語だが、特別泣かせる演出をするわけでもなく、母親という強い存在の勇姿を映しつつも自分の夫にも実の母親にさえ打ち明けることができない闘病者としての心情を交互に織り交ぜているこの作品は、同じ闘病者だけでなく「母親」という存在に多大な勇気を与えてくれるはずだ。(男性 20代)


23歳という若さで余命宣告を受けた主人公のアンが、死ぬまでにしたいことをリストにして、残された時間で一つずつ叶えていく物語です。寂しさや、はかなさの中に自分の周りにいる大切な人々に愛を届けることを諦めない強い女性が描かれています。子どもを愛し、夫を愛し、母を思い、父を思うごくごく普通の女性の希望はとてもシンプルで愛しくなります。自分がいなくなった後に、皆が悲しみだけを背負わないように。切ないけれど、とてもやさしい気持ちになる作品です。(女性 40代)

みんなの感想・レビュー

  1. きーもも より:

    死ぬまでにやりたいことって自分の命が当たり前にこれからもあると思っている時にはなかなか考えられるものではありませんよね。もし、自分の命があと2か月しか無かったら何をしたいだろうと考えると、まず浮かんでくるのは大切な人のこれからの人生でした。私が居なくても生きていけると思うし、居なくなって時間が経てば私の事なんて忘れてしまうかもしれません。それでも何かを残したい、感謝の気持ちを伝えたいと思うのはとても勝手かもしれませんが、余命僅かな人は皆思うのでしょう。
    自分の立場に置き換えて見ていると涙が止まりませんでした。