映画『疾風スプリンター』の概要:自転車ロードレースの強豪チームへ同時期に加入した、正反対の2人の選手。身近なライバルとして切磋琢磨しながら、成長していく2人の行く末を追う一作。ダンテ・ラム監督がメガホンを取り、男同士の友情と絆を力強く描いている。
映画『疾風スプリンター』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ、スポーツ
監督:ダンテ・ラム
キャスト:エディ・ポン、チェ・シウォン、ショーン・ドウ、ワン・ルオダン etc
映画『疾風スプリンター』の登場人物(キャスト)
- チウ・ミン(エディ・ポン)
- ロードレースの世界チャンピオンに憧れを抱き、強気のプレーで注目を浴びる選手。友情に厚く不器用ながらにライバルたちへの気遣いも忘れない男。シーヤオに一目惚れし、猛アピールする。
- チウ・ティエン(ショーン・ドウ)
- ミンと同じタイミングでチームに加入した選手。情熱的なミンとは対照的に冷静で少し押しに欠ける。エースになりたい一心から誤った判断をしてしまい道を外す。
映画『疾風スプリンター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『疾風スプリンター』のあらすじ【起】
世界中のロードレーサーが夢見る「18のワールドチーム入り」。目立ちたがり屋のチウ・ミンと冷静なチウ・ティエンも同じ夢を描き、強豪チーム「チーム・ラディアント」に加入した。恵まれた環境と厳しい練習に充実した日々を送る二人は、チームのメンバーとして次の試合に向けて戦略会議に参加する。唯一のライバルは「ファントム」であり、エース・ジウォンを筆頭にアタックするタイミングを練るのだった。
レース当日。作戦通りジウォンをトップに送り出したミンはラスト500mの直線で勝負に出た。見事なアシストの後、監督の指示を無視し自身も速度を上げ2位を狙ったのだ。無事にメダルを獲得したミンだが、ジウォンに「自信は邪魔になる時もある」と忠告を受けるのだった。
チームは次々と好成績を残し、ミンとティエンは名を広げていく。二人は共にシーヤオに好意を寄せ、私生活でもライバルとして切磋琢磨する。慎重なティエンはプライベートで一緒に過ごす時間を作り、ミンは自信のあるロードバイクを通じて魅力を伝えようとするのだった。
映画『疾風スプリンター』のあらすじ【承】
自然条件に左右され、とあるレースでライバルチームに差をつけられてしまったミンたち。粘り強いミンの走りはライバルチームのエースにプレッシャーを与え、追い詰めていく。最後の直線で勝負に出たミンは、見事チームに勝利をもたらすのだった。その夜ミンはシーヤオを食事に誘い、想いを伝えた。二人が晴れて恋人になった一方でエースにはなれないティエンはロードレースを続けるべきか悩んでいた。さらにミンたちのチームは資金不足を理由に解散することになる。有名チームへの移籍を決めたミンだが、ティエンはそのチームからミンのアシストとして声をかけられた。ティエンは別チームを選択し、二人はライバルとなるのだった。
新たなチームではアシストとの相性が悪く「極悪スプリンター」と呼ばれてしまったミン。それでもミンは実力を発揮し、別チームでチャンピオンとなったジウォンのライバルとして注目を浴び続けた。恋愛も順調なミンに対して、ティエンは厳しい練習に身体がついていかず、悩みを抱えるのだった。
映画『疾風スプリンター』のあらすじ【転】
勝ち負けの重圧と闘い続けるミンは、ライバルチームに買収されたアシストの裏切りに激怒し暴力事件を起こしてしまった。さらに酔いつぶれたミンは、ハニートラップにハマってしまいシーヤオを裏切ることになってしまう。
傷ついたシーヤオと距離を縮め始めたティエンは、隠れてドーピングを続けいい成績を出し始めた。しかしシーヤオの気持ちはミンから離れることはなく、誤魔化すためにレースに集中するようになった。勝利に取り憑かれたティエンは無理が続き、試合中に倒れてしまう。検査でドーピングが発覚したティエンはチームを離れ、姿を消すのだった。
試合に全てを賭けていたシーヤオだが、あるレースで事故に巻き込まれじん帯に大きな損傷を受けた。活躍の場を失ったミンはホアンのために移植を決意し、共にリハビリに励んだ。行方不明となったティエンは韓国で競輪のレースに出場していた。その情報はミンだけでなく、以前のチームを再起させようと動いていたジウォンも掴んでいた。
映画『疾風スプリンター』の結末・ラスト(ネタバレ)
借金を抱えたティエンのためにも、ミンは再びチームメイトとしてタッグを組む決意をする。暴力沙汰を起こしたミンと薬物使用者となったティエンはロードレーサーとして再起を果たした。そしてホアンもまた、ボート選手となり不屈の精神を発揮するのだった。
有名チームとの移籍交渉中だったジウォンは全てを捨て「新星」というチームを結成する。そのチームはミンとティエンがエースとしてアナウンスされ、話題を呼ぶのだった。初戦は砂漠の中を走る過酷なレースである。大きなクラッシュが起こり、気温が46度になる厳しい環境で熱中症になる選手が続く。ライバルチームと一騎打ちになったミンとティエン。自然の猛威を前に、共倒れが心配される中ライバルチームにまで気遣いながらレースを展開させた。残り30メートルを残し、ティエンを先頭に押し出したミン。自分をおとりにして勝利を掴んだのである。
自らの課題を克服するため孤独な特訓の道を選んだティエンと、憧れの選手のアシストとなるチャンスを掴んだミン。数年後、二人は世界のレースで再会するのだった。
映画『疾風スプリンター』の感想・評価・レビュー
男性同士の絆や友情を味わい深く描いてきたダンテ・ラム監督作品らしい一作であった。引き立て役あってこその栄光は、翳りと常に隣りあわせである。輝かしい夢や避けきれない挫折をきっちりと描いているが、少し展開が煩雑な部分もある。エース役ジウォンとして起用されたSUPER JUNIORのチェ・シウォンやノースタントで挑んだというレースシーンなど話題になりやすい要素もあり、わかりやすい物語は同監督作品の中でも人に勧めやすいように思えた。(MIHOシネマ編集部)
自転車のロードレースがこんなにも危険で迫力があるものなんだと初めて知りました。競輪を見る時はギャンブルという目線で見てしまうので、選手それぞれと言うよりも、レースの結果に注目していました。
しかし、この作品ではレースそのものに注目するのはもちろん、選手一人一人にある想いや、熱い気持ちが描かれているので自然と感情移入してしまい、あらゆるシーンに感動してしまいます。
車やバイクのレースをテーマにした作品は見たことがありましたが、今作を見ると自転車のレースも奥が深くて面白いなと思えるでしょう。(女性 30代)
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