この記事では、映画『スリザー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『スリザー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『スリザー』 作品情報

- 製作年:2006年
- 上映時間:96分
- ジャンル:SF、ホラー
- 監督:ジェームズ・ガン
- キャスト:ネイサン・フィリオン、エリザベス・バンクス、マイケル・ルーカー、グレッグ・ヘンリー etc
映画『スリザー』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『スリザー』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『スリザー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『スリザー』 あらすじ【起・承】
グラント・グラント(マイケル・ルーカー)は森へ入ると怪しい卵の様な物を見つける。
棒でつついて調べていると、針の様な物が飛び出てきて刺されてしまった。
その卵の様な物は、ある日宇宙から落下してきた物体だったのだ。
刺されたグラントは倒れこむが、少し経って立ち上がり帰宅。
その日を境に、食欲旺盛となり、肉を大量に摂取していくと言う様な行動が出てくる様になった。
妻のスターラ・グラント(エリザベス・バンクス)は、夫の行動に不信感を抱き始める。
部屋に鍵をかけたり、顔に吹き出物が出来たりなど様子が変わってきた事から、幼馴染の警察署長であるビル・パーディ(ネイサン・フィリオン)と話す。
すると、妹のブレンダ・グティエレス(ブレンダ・ジェームズ)が行方不明で、その直前にグラントと会っていたらしいと言うのだ。
夫にさらに不信感を抱いたスターラは、鍵のかかった部屋をこじ開ける。
そこには最近話題になっていた「ペットの行方不明事件」で消えたはずの動物達の死骸があった。
恐ろしくなったスターラは、ビルへと連絡すると、グラントが帰ってきてしまい怒り狂いスターラを襲ってきた。ビルが訪れた事で、グラントは逃亡。
その後に牛が殺される事件が起こり、グラントが犯人だと睨んだビルは、ハンターのチームを組織する。
牧場でグラントを待ち構えると、犯人に睨んだ通りグラントがやってきたが、容貌が異形に変化していた。牛と警察官を殺して森へ逃亡したグラントを追い、ビル達は追った先で異臭のする山小屋を見つける。

映画『スリザー』 結末・ラスト(ネタバレ)
中へ入ってみると、そこには行方不明であったブレンダの姿が。しかし異常に太っている状態で、空腹を訴えるも体が破裂。その破裂した中からナメクジの様な集団が出て来て襲って来た。
襲われた警官達の内、何名かはこのナメクジ状の生き物が口の中に入られてしまう。
ビルはこの事態を知らせる為に牧場へと戻ったが、既に少女のカイリー以外は、このナメクジに襲われてしまっていた。襲われた事で、ゾンビの様に変貌してしまっていた。
山小屋に残っていたスターラと町長は、ナメクジに感染した警察官から逃げ、牧場の外へ。
ビルとカイリー、ステーラと町長は、車で町へと逃げる。
しかし、町も既に多くの住民が襲われており、寄生されゾンビ化していた。
しかもグラントの操り人形状態となっていた。ビル達も襲われ、町長とステーラはゾンビのよって誘拐されてしまう。
カイリーとビルは、逃げ延び警察署で手榴弾を調達する。そして、グラントの潜むゾンビ達の巣窟へと向かう。
グラントは姿こそ変貌していたが、ステーラへの気持ちはかわらず彼女を求めていた。
ステーラはグラントを刺して殺そうとするが、失敗、逆上したグラントに襲い掛かられる。
ビルが侵入し、助けようとした矢先に手榴弾と一緒に飛ばされ、グラントの触手の攻撃を受けてしまう。ビルは触手にガスを送り込む事に成功し、そのガスをステーラが銃で発火、グラントは爆死したのだった。
ビルとカイリー、ステーラは隣町の病院へと向かうが、その背後では宇宙からの謎の生物が今度は猫へと寄生する様子が描かれていた。
映画『スリザー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『スリザー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
変貌した姿が醜悪
夫である、グラントのささいな卵をつついた行為から始まったこのパニック。
すっかり変貌してしまい、最後には妻に撃たれてしまうグラントは何とも哀れだが、その分思い切りゾンビ化したモンスターとして暴れ切ってくれた爽快感はある。
皮肉ではあるが、醜悪さを増した変貌後の姿のグラントは行動的で開放感があるので観ていてせいせいする部分もあるのである。
お構い無しにブレンダをいけにえ状態の寄生主として扱い、町民を操り人形の様にするなどすき放題で、逆にここまで変貌してくれると気持ち良ささえある。
行動の大胆さと、姿の醜悪さのバランスが見ものである。
出来れば変貌前の、夫婦としての仲睦まじさをもう少しだけ描いていた方が、その後の結末までドラマチックに繋がったと思う。
逃げ惑う臨場感
ハンターチームでさえ、一瞬で寄生されてしまったり、誰が頼りになるかわからないパニックの中、どうにか逃げていくステーラがある意味頼もしい。
そして、危ないシーンできちんと相談に乗りつつ、時によっては助けに来てくれる幼馴染のビルとの関係性も距離感が丁度良い。
寄生され、ゾンビ化した町民達も混乱した姿が、のどかな景色とミスマッチな分、異常な雰囲気を醸し出している。
また、最後の最後、エンドロールの時に、次は猫に寄生、と言うエンドレスな終わり方がまだまだこんな物じゃないと言う粘着さをかもし出していて良い。
寄生生物の、しつこさがうまく出ていると思う。
研究者などが特別出て来ない為、この生物の詳細はあまり触れられていない為曖昧さは残るが、謎なままでもそこまで心残り感のない作品である。
旦那さんが急にお肉をもりもり食べるようになって、顔に吹き出物ができたり、身体が大きくなってきたらもう既に何かに寄生されているかもしれません。
めちゃくちゃ気持ち悪いけどその気持ち悪さが癖になる今作。グロ耐性が無い人にはかなりキツイ描写だと思うので、注意して鑑賞して欲しいです。卵をつついただけなのに、そんな好奇心が原因で始まる最悪の展開。特にグロすぎる見た目のグラントと、ナメクジ爆弾になってしまった女の子のシーンはかなり衝撃的で脳裏に焼き付きます。(女性 30代)
B級ホラーの皮をかぶった、愛と狂気の映画だと感じた。宇宙から飛来した寄生生物に取り憑かれた男が、怪物へと変貌していく過程はグロテスクだが、どこか哀愁がある。特に、愛する妻への歪んだ執着が物語の軸になっている点が印象的だった。スライム状の生物や人体破壊描写は容赦なく、笑いと嫌悪感が同時に押し寄せる。だが、その過激さの裏にあるブラックユーモアと80年代ホラーへの愛が伝わってきて、単なる悪趣味では終わらない。ホラー好きなら一度は味わう価値のある怪作だ。(30代 男性)
正直かなり気持ち悪い映画だが、そこが魅力でもある。寄生された人々が徐々に一つの意思に統合されていく展開は、ホラーとして非常に不安感が強い。一方で、会話や演出には笑ってしまうような間があり、グロとコメディのバランスが絶妙だった。特に保安官のキャラクターが良く、下品な冗談を言いながらも最後はしっかりヒーローとして立ち向かう姿が頼もしい。恋愛感情が怪物化していく物語としても読めて、意外と切なさが残る作品だった。(40代 女性)
スプラッターが苦手な人には全くおすすめできないが、好きな人にはたまらない内容だと思う。人体が異形へと変わっていく描写はかなり直接的で、目を背けたくなる場面も多い。ただ、その過激さが突き抜けているからこそ、途中から笑えてくる不思議な感覚があった。寄生生物が作る共同体の描写は、SF的にも面白い。ラストで怪物が完全に駆逐される展開は王道だが、後味は決して爽快ではない。強烈な印象を残すホラーコメディだった。(20代 男性)
低予算感は否めないが、その分アイデアと演出で勝負している映画だと感じた。特に寄生された人間たちが一体化していくシーンは悪趣味の極みでありながら、どこか悲哀がある。愛情が暴走すると、ここまで恐ろしい形になるのかと考えさせられた。ホラーでありながら、夫婦関係や執着といったテーマが意外と生々しい。下品な笑いが多いので好みは分かれるが、記憶に残る一本であることは間違いない。(50代 男性)
気持ち悪い描写が多く、観ていて何度も「無理かも」と思ったが、最後まで目が離せなかった。グロテスクなのにどこかユーモラスで、制作者のホラー愛が伝わってくる。特に、怪物側にも感情があるように描かれる点が興味深い。ただの侵略者ではなく、歪んだ愛を抱えた存在として描かれることで、物語に深みが出ている。怖いだけでは終わらない、不思議な余韻の残る映画だった。(30代 女性)
ホラー映画としてかなり攻めている作品で、現代の洗練された演出とは真逆のベタさが逆に新鮮だった。血と粘液にまみれた映像は容赦がなく、これぞB級という感じ。しかし、単なる悪ふざけではなく、ストーリーは意外としっかりしている。保安官とヒロインの関係性も分かりやすく、感情移入しやすい。ラストの決着も潔く、スプラッター好きなら満足できる一本だと思う。(40代 男性)
ホラーが得意ではない私にはかなり刺激が強かったが、ブラックコメディとして見ると面白かった。寄生された町の人々が徐々に異様な行動を取っていく様子は不気味でありつつ、どこか滑稽でもある。愛情が歪むと恐怖になるというテーマは、女性目線でも共感できる部分があった。グロ描写は多いが、そこに意味があるのがこの映画の良さだと思う。嫌悪感と笑いが同居する独特な体験だった。(20代 女性)
80年代ホラーへのオマージュを感じさせる作風で、懐かしさと新しさが同居している。寄生生物のデザインや特殊メイクは非常に凝っており、CG全盛の今だからこそ評価したい。物語はシンプルだが、キャラクターが立っているため退屈しない。特に保安官の不器用な正義感が、混沌とした物語の中で良い軸になっている。グロ耐性がある人向けだが、ホラー映画史の一角を占める怪作だと思う。(50代 女性)
とにかく気色悪いが、それを楽しめるかどうかで評価が分かれる作品だと思う。自分はその異常さに引き込まれた。人体が融合し、個が失われていく描写は純粋に怖いし、SFホラーとして完成度が高い。ラブストーリーとして見るとかなり歪んでいるが、それが逆にリアルで怖い。最後に希望が残るのも救いだった。万人向けではないが、刺さる人には強烈に刺さる映画。(60代 男性)
映画『スリザー』を見た人におすすめの映画5選
遊星からの物体X
この映画を一言で表すと?
疑心暗鬼が極限まで高まる、ボディホラーの最高峰。
どんな話?
南極観測基地を舞台に、未知の地球外生命体が人間に擬態し、隊員たちの中に紛れ込む。誰が人間で誰が“物体”なのか分からない状況で、疑心暗鬼と恐怖が連鎖していく密室型SFホラー。
ここがおすすめ!
人体変形のグロテスクさと心理的恐怖の融合は『スリザー』好きに直撃。特殊メイクによる異形描写は今なお語り草で、ボディホラーの完成度は歴史的レベル。
ナイト・オブ・ザ・クリーピーズ
この映画を一言で表すと?
寄生生物×ゾンビ×青春ホラーの痛快ミックス。
どんな話?
宇宙から飛来したナメクジ型寄生生物が人間に寄生し、ゾンビ化させていく。大学キャンパスを舞台に、若者たちが感染拡大を止めようと奮闘するホラーコメディ。
ここがおすすめ!
寄生・感染という設定や、グロと笑いの同居は『スリザー』の源流とも言える。80年代ホラーらしい悪ノリと愛情に満ちた一本で、B級好きにはたまらない。
ソサエティ
この映画を一言で表すと?
上流社会の裏側が崩壊する、悪夢のボディホラー。
どんな話?
裕福な家庭で育った青年が、自分の属する社会に強い違和感を覚え始める。やがて明らかになるのは、富裕層が隠してきた恐るべき秘密だった。
ここがおすすめ!
終盤の人体融合シーンは伝説級の衝撃。肉体の崩壊と社会風刺を結びつける感覚は、『スリザー』のブラックユーモアと相性抜群。
死霊のしたたり
この映画を一言で表すと?
狂気と笑いが暴走する、スプラッターコメディの金字塔。
どんな話?
死体を蘇らせる試薬を巡り、大学の研究室で次々と惨劇が起こる。理性を失った科学と、人間の欲望が暴走していく様子を描くカルトホラー。
ここがおすすめ!
過激なゴア描写とブラックな笑いの融合は『スリザー』と非常に近い。理屈抜きで楽しめるが、ホラー愛に満ちた完成度の高さも魅力。
ザ・フライ
この映画を一言で表すと?
愛と恐怖が溶け合う、究極の変身ボディホラー。
どんな話?
瞬間移動装置の実験事故により、科学者の身体が徐々にハエと融合していく。成功の喜びから、避けられない肉体崩壊と狂気へと転落する悲劇を描く。
ここがおすすめ!
肉体変化の恐怖を感情ドラマとして描く点が秀逸。『スリザー』の“グロいのに哀しい”感覚が刺さった人には、間違いなく心に残る一本。






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