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映画『ヴィーガンズ・ハム』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ヴィーガンズ・ハム』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヴィーガンズ・ハム』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ヴィーガンズ・ハム』の結末までのストーリー
  • 『ヴィーガンズ・ハム』を見た感想・レビュー
  • 『ヴィーガンズ・ハム』を見た人におすすめの映画5選

映画『ヴィーガンズ・ハム』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2021年
上映時間 87分
ジャンル コメディ
ホラー
監督 ファブリス・エブエ
キャスト マリナ・フォイス
ファブリス・エブエ
ジャン=フランソワ・キエレイ
リサ・ド・クート・テイシェイラ
製作国 フランス

映画『ヴィーガンズ・ハム』の登場人物(キャスト)

ソフィー(マリナ・フォイス)
ベルギーの片田舎で、夫のヴァンサンと共に肉屋を営む女性。
ヴァンサン(ファブリス・エブエ)
妻のソフィーと共に肉屋を営む男。売上げより肉の品質にこだわり、ソフィーを呆れさせている。
マルク(ジャン=フランソワ・ケ)
ヴァンサンとソフィーの友人で、肉屋のチェーン店を経営する男。
ステファニー(ヴィルジニー・ホック)
マルクの妻で、夫のおかげで優雅な生活が出来ていることを自慢している。
クロエ(リサ・ドゥ・クート・テイシェイラ)
ヴァンサンとソフィーの娘。
リュケ(ヴィクトール・ムトレ)
クロエの恋人で、ヴィーガン。

映画『ヴィーガンズ・ハム』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ヴィーガンズ・ハム』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ヴィーガンズ・ハム』のあらすじ【起】

ヴァンサンとソフィーの夫婦はベルギーの片田舎で肉屋を営んでいたが、売り上げより肉の質にこだわるヴァンサンの方針に、ソフィーは嫌気が刺し始めていた。そんなある日、肉の販売に抗議するヴィーガンの過激派が店にペンキを撒くという行動に出て、ヴァンサンは覆面をした過激派の1人を捕らえて覆面をはぎ取るものの、抵抗され逃げられてしまう。

その後2人は、友人で同じく肉屋を経営するマルクとステファニーの夫婦を訪ねる。ヴァンサンと違い、肉の品質を問わずに儲けを優先したマルクの肉屋は大繁盛し、幾つも支店を出していた。ステファニーは夫のおかげで優雅な生活が出来ていることを自慢げに語り、ヴァンサンもソフィーもうんざりする。

そんなヴァンサンにマルクは「今度ヴィーガンが来たらこれで撃退してやれ」と、ショットガンをプレゼントする。ショットガンを車に積んで自宅へ帰る途中、ソフィーはヴァンサンに「今の生活は続けられない」と離婚の意志を告げる。するとヴァンサンは車の後方から、自転車に乗った青年が近づいて来るのに気が付く。

映画『ヴィーガンズ・ハム』のあらすじ【承】

その青年の顔は、店が襲われた時にヴァンサンが捕まえ、覆面をはがしたヴィーガンの1人だった。ヴァンサンは車を停めてバックすると、その青年を轢いてしまう。脅かすつもりが青年を殺してしまったことがわかりヴァンサンは狼狽するが、殺人鬼を特集したTV番組のファンだったソフィーは、「死体はバラバラにして捨てればいい」とヴァンサンに提案する。

ヴァンサンは離婚したくない一心でソフィーの提案を受け入れ、死体を持ち帰りバラバラに解体するものの、捨てきれず店の奥に残したまま放置する。すると翌朝、ソフィーは奥にあった死体の肉片を仕入れた食用の肉だと勘違いし、スライスして客に売り出してしまう。

ヴァンサンはなんてことをと驚くが、死体の肉は美味しいと大好評で、噂を聞きつけた客たちが次々に来店する。ソフィーとヴァンサンも試しに食べてみると間違いなく美味で、2人はこれ以降ヴィーガンを狙ってショットガンで殺害し、店で「特別に仕入れた肉」として売り出すことにする。

映画『ヴィーガンズ・ハム』のあらすじ【転】

ヴァンサンとソフィーは肉付きのいい美味しそうなヴィーガンを求めて、ヴィーガンの集まりに参加する。そこでパンク風な1人の青年と出会い、肉屋を襲撃する計画だと聞き、一緒に襲撃するフリをして捕らえようと考える。

青年と待ち合わせた場所に行くと、青年は自分の他に仲間を3人連れて来ていた。青年が1人で来るものと考えていたヴァンサンとソフィーは躊躇するものの、結局青年と一緒に肉屋の襲撃に行くことになる。そして青年が標的にしていた肉屋は、友人のマルクが経営する支店のひとつだった。

ソフィーは友人の店は襲えないと見張り番に回るが、ヴァンサンは青年たちと一緒に店内に突入し、鬱憤を晴らすように店を荒らし回る。その後ヴァンサンとソフィーは素知らぬフリをしてマルクの家を訪ね、評判になっている「特別性の肉」をマルクたちに提供するが、ステファニーが肉の中から金属片を見つける。

ステファニーはその金属片が心臓に付けるペースメーカーではないかと考えるが、ヴァンサンは咄嗟に「家畜につける名札だ」と嘘をついて誤魔化す。

映画『ヴィーガンズ・ハム』の結末・ラスト(ネタバレ)

ヴァンサンとソフィーは再び「ヴィーガン狩り」を始めるが、自分達の娘・クロエの恋人でヴィーガンのリュカの命をも狙おうとするソフィーにヴァンサンは反感を覚え、家を出ていく。そして家で1人きりになったソフィーの元に、マルクの店を襲ったヴィーガンの青年がやって来る。

青年はヴィーガンの集まりでクロエと話すヴァンサンたちを見て、何か怪しいと感じて店を突き止めたのだった。青年とその仲間はソフィーを店の冷凍庫に監禁するが、そこにヴァンサンが戻って来て、飼い犬のペペールと共にヴィーガンたちに反撃を開始する。

ヴァンサンにヴィーガンの肉を与えられていたペペールは猛然と青年たちに襲いかかり、ヴァンサンはソフィーを救出することに成功する。ヴァンサンはソフィーと固く抱き合うが、その時すでに、警察の捜査が2人の間近に及んでいた。

ペースメーカーを見つけたステファニーとマルクの証言を元に、ヴァンサンとソフィーは遂に逮捕される。2人には終身刑が言い渡され、ソフィーは裁判で唯一後悔していることとして、ペースメーカーを埋め込んでいたヴィーガンを殺したことだと語るのだった。

映画『ヴィーガンズ・ハム』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ヴィーガン活動家を“食材”にしてしまうという倫理ギリギリのブラックコメディ。最初は冗談かと思う展開がどんどん加速して、笑っていいのか引くべきか分からないまま最後まで見入ってしまった。精肉店夫婦が開き直っていく姿がどこか痛快で、皮肉と風刺が詰まったフランスらしい一本だった。(30代 男性)


食肉業界、ヴィーガニズム、消費社会…あらゆる現代の対立をブラックユーモアでぶった切る作品。ヒューマンミートを売ってるのに「地産地消!」とアピールする姿に、狂気と笑いが入り混じる。倫理観が試されるが、コメディとして振り切ってるので意外と観やすい。シュールな味わいがクセになる。(20代 女性)


ここまで極端に人間を“食べ物”として扱う映画は久しぶり。『悪趣味』とも取られかねないが、風刺として非常に面白かった。特に店が繁盛していく様子は、皮肉が効いていて社会批判として秀逸。人間の欲や業をこんな形で描くなんて…フランス映画恐るべし。血と肉と笑いのバランスが絶妙。(40代 男性)


観てはいけないものを観てしまった感覚。でもなぜか目が離せなかった。ヴィーガンと肉食の対立をこんなにグロテスクかつ笑いで描く発想がすごい。しかも夫婦愛がテーマのひとつにあるのも面白い。最後までブラック一色かと思いきや、ラストの夫婦の姿にはちょっと感動すら覚えた。(30代 女性)


倫理を逆なでする映画でありながら、笑えるってすごい。お肉=人肉と気づいた時のインパクトは強烈。でもそれを普通に美味しそうに売るシーンは笑ってしまった。ヴィーガンを過激に描きすぎてるところは賛否あるけど、あえての風刺として捉えればかなり秀逸な皮肉映画。(20代 男性)


ヴィーガンを敵に回す内容だけど、それ以上に“現代社会の過激さ”そのものを笑っている印象。暴力や食欲、倫理観がねじれた世界で、登場人物たちがどんどん麻痺していく様子が恐ろしくも面白い。人間の“適応力”って怖いなと感じた。夫婦が仲良くなるのもまた、皮肉が効いていた。(50代 女性)


ブラックユーモア好きにはたまらない一本。人肉ソーセージが大ヒットっていう時点でヤバいけど、それを“愛”で乗り越えていく夫婦の話として観ると、意外と感情移入できてしまった自分が怖い。社会風刺も効いていて、観る側の倫理感をグラつかせる快作。笑っていいのか悩むけどクセになる映画。(40代 男性)


笑えないグロ系かと思いきや、ちゃんとユーモアがあってテンポも良くて楽しめた。確かにテーマは重いけど、そこを笑いでぶち抜くのが本作の面白さ。ヴィーガンVS肉食という構図にこだわらず、人間の“暴走する正義”が怖いと感じた。笑いの中にしっかり毒がある、フランスらしい一本。(20代 女性)


正直かなり好みが分かれる映画だと思う。でもこの作品が描いているのは、ただの残虐じゃなくて“人間の矛盾”。誰しもが“正しさ”を振りかざし、相手を断罪する。その結果がこれ。そんなメッセージが込められているように思う。暴力もユーモアも、紙一重ということを実感した。(30代 男性)


スプラッターなのにどこか品があるのがフランス映画らしい。人肉を取り扱ってるのに、セットや色彩はやけに美しくて、まるで“高級シャルキュトリ”のよう。映像の美しさとテーマのエグさのギャップがたまらなかった。ただの悪趣味映画で終わらず、ちゃんと風刺として成立しているのがすごい。(50代 男性)

映画『ヴィーガンズ・ハム』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヴィーガンズ・ハム』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ロウ 〜RAW〜

この映画を一言で表すと?

ヴィーガンの少女が“肉の本能”に目覚める、衝撃のカンニバル青春ホラー。

どんな話?

獣医学部に入学した生粋のヴィーガン少女ジャスティーヌが、入学儀式で肉を口にしたことで人肉への欲求に目覚めていく。姉との複雑な関係や成長の過程も絡み合い、暴走する本能を描くカルト的話題作。

ここがおすすめ!

『ヴィーガンズ・ハム』と同じく“肉を食べる”という行為に潜む本能とタブーをテーマにしており、倫理と欲望の境界線が崩れていく感覚が秀逸。思春期の葛藤とホラーが融合した異色の作品です。

デリカテッセン

この映画を一言で表すと?

廃墟アパートの住人が“ある肉”に群がる、不条理系ブラックコメディ。

どんな話?

食料が極端に不足したディストピア世界。とあるアパートの住人たちは精肉店の管理人が密かに供給する“謎の肉”に依存している。そこへ新たな住人が現れたことで、恐ろしい秘密が明らかになる。

ここがおすすめ!

フランス映画らしい奇妙で美しい映像表現が魅力。『ヴィーガンズ・ハム』のような人肉というショッキングな題材を、ユーモアと風刺で描いている。ブラックユーモア好きにとっては外せない名作です。

ゾンビーノ

この映画を一言で表すと?

ゾンビ×企業社会=ブラックユーモア満載の新感覚ゾンビ劇場!

どんな話?

ゾンビウイルスが蔓延した未来。ゾンビを“管理して労働させる”社会が築かれ、主人公は元ゾンビの恋人と再会する。だが、その社会の裏には大きなひずみがあった…。

ここがおすすめ!

“ゾンビを食肉のように扱う”という皮肉が『ヴィーガンズ・ハム』と通じており、倫理観と社会風刺が絶妙に混じり合った作品。切なさと笑い、グロとロマンスを一度に味わえる異色ゾンビ映画です。

バッド・テイスト

この映画を一言で表すと?

地球人を食材に!?ピーター・ジャクソン初期の狂気が炸裂するスプラッターSF。

どんな話?

地球にやってきた宇宙人が、人間をハンバーガー用の肉として狙っているというぶっ飛んだ設定。特殊部隊とのバトルもあり、血まみれギャグが全開の超カルト映画。

ここがおすすめ!

“人間=食材”という設定は『ヴィーガンズ・ハム』とも通じ、低予算ながらもアイディアと情熱に満ちた一本。グロ耐性のある人なら、笑いながら楽しめるバカホラーの金字塔です。

ソイレント・グリーン

この映画を一言で表すと?

未来の人類が食べているものの“正体”に背筋が凍る社会派ディストピア。

どんな話?

環境破壊と過剰人口によって食糧危機に陥った未来。政府が配給する栄養食品“ソイレント・グリーン”には、実は恐るべき秘密が隠されていた…。

ここがおすすめ!

『ヴィーガンズ・ハム』と同様、人間の倫理観と消費社会の狂気を問う作品。カニバリズムを真正面から扱わずとも、それに匹敵する衝撃のラストが待っている。食と社会問題をつなげた名作SFです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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