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映画『その夜の侍』あらすじ・ネタバレ結末と感想

この記事では、映画『その夜の侍』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『その夜の侍』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『その夜の侍』の結末までのストーリー
  • 『その夜の侍』を見た感想・レビュー
  • 『その夜の侍』を見た人におすすめの映画5選

映画『その夜の侍』 作品情報

その夜の侍

  • 製作年:2012年
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:赤堀雅秋
  • キャスト:堺雅人、山田孝之、綾野剛、谷村美月 etc

映画『その夜の侍』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『その夜の侍』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『その夜の侍』のあらすじを紹介します。

中村(堺雅人)は町の小さな鉄工所を営んでいた。
子供はいなかったが妻と穏やかな暮らしをしている。
そんなある日、糖尿病の気がある中村がこっそりプリンをほおばっている所に妻(坂井真紀)から電話がかかってきた。
中村は留守電のままにして妻のメッセージを聞いていた。
それは「プリンを食べすぎるな。納豆はあるか?」といういつもと同じ平凡なもの。
しかしその後、妻は木島(山田孝之)が運転する車にひき逃げされ死亡した。

5年が経つも中村の心の傷は言えず、部屋の机の上には未だ墓に入れることが出来ない妻の骨壺がのっていた。
心が崩壊している中村は、妻の洋服や下着を抱きしめては涙する生活だった。
そんな中村を心配した妻の兄・青木(新井浩文)は、同僚を紹介する。
お見合いとして会わせるも中村は乗り気では無かった。

一方で、中村の妻をひき逃げした木島と助手席に乗っていた小林(綾野剛)は5年のうちに刑務所を出所、その日暮らしの生活だった。
そんな木島に毎日脅迫状が届く。
それは木島の妻がひき逃げされた8月10日に、木島を殺して自分も死ぬという内容だった。
木島はその犯人が中村ではないかと疑い、青木と連絡を取る。
青木は穏便にすませてくれと木島に言う。

しかし滅茶苦茶な生活をしている木島は青木さえも脅し、山中で暴力を振るい殺そうとする。
そんな木島に嫌気が差した小林は木島を殴り、青木と共に逃げてきた。
その日はいよいよ8月10日。
青木は工場に戻らない中村を心配していた。

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映画『その夜の侍』 結末・ラスト(ネタバレ)

大雨の中、遂に木島と中村が対面。
包丁を出そうと見せかけた中村は、同じく包丁を手にしている木島にぶつかっていく。

しかし中村は刺さなかった。
日本の法律は二人殺すと死刑、そのため自らを刺すように仕向けたのだった。
木島はそんな中村に驚き、殺す気など失せる。

そして二人で取っ組み合い殴り合った。
一通り終わると中村は手帳を取り出し、木島のここ最近の日常を話す。
「お前は何となく生きているのだ」と。

そして去っていく木島と中村。
家に帰った中村は大好きなプリンを食べるのをこらえ、あの日の妻の留守電を消去するのだった。

映画『その夜の侍』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『その夜の侍』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

堺雅人の演技力の凄さ

この主役を演じた堺雅人は凄い。
あのにやついた笑い顔も、何を考えているのかわからないひょうひょうとした感じも一切封印している。
ぱっと見たくらいでは誰だかわからないような気持ち悪ささえ出しているのだ。

この人の凄さは目の演技である。
物語の最初は恐怖を感じさせるほどの目つき、途中からは病的な目つき、そして終盤では吹っ切れたような目つき、そして最後のラストにようやく私たちがよく見る堺雅人の顔になる。
ラストで5年間聞き続けていた亡き妻の留守電を消すとき、我に返るような、明るい未来を少しだけ期待させるようなそんな顔になるのが救われる。
堺雅人だと言うことを忘れ。ドラマにのめりこめる映画である。

山田孝之が恐過ぎる

上で述べたように堺雅人の演技力はさることながら、相手役の山田孝之も相当凄い。
こんな人間が本当にいたら怖すぎる。
中途半端な演技力の俳優が演じたら木島の人間としての怖さは伝わらなかっただろう。
山田孝之だからこそ、こいつは本当に殺してしまうかもしれないという次のシーンへの恐怖心を持たせるのだ。

人間の種類を描いた物語

この映画はひき逃げの加害者と被害者をテーマに物語が進んでいく。
しかしこの物語は人間としての本質を描いている。
中村は妻への執着から相手を恨み続け、木島は悪びれもせずまた何となく生きる。
しかし小林は罪を改め平凡に生きなおしたいと願い、青木は中村と同じ妹を亡くした被害者なのに木島とも冷静に調子よく渡り歩く。
様々な人間をリアルの描いたことでより説得力の増す人間ドラマに仕上がっている。


登場人物から人間味を強く感じる作品で、こういう人とは関わりたくないけど実際にいるよな…と思ったり上手く生きていくのって難しいのかもしれないと感じました。山田孝之演じる木島の悪人っぷりが本当に凄くて見ていて怖くなるほどでした。人を殺したことに対してなんの反省もしていないような彼でしたが、実際にこういう犯人が存在することを考えると怒りが込み上げてきます。
復讐に燃える中村の行動も理解は出来ますが、心が壊れてしまうほど自分の人生を犠牲にして復讐ばかり考えているのがとても可哀想でした。(女性 30代)


妻を失った中村の喪失感が、全編を通して重くのしかかってきて胸が苦しくなりました。彼が復讐を果たすためだけに生きているような姿は痛々しいのに、どこか目が離せません。特に加害者の木島を追い詰めていく場面は、復讐という行為そのものが虚しさを抱えていることがよく伝わり、見ていて複雑な気持ちに。ラストで復讐を果たさず、自分なりに“前へ進む”ことを選んだ瞬間、静かに涙が流れました。救いが小さくても確かにある作品でした。(20代 男性)


中村の“怒りと悲しみの混ざり合った表情”があまりにもリアルで、観ているだけで胸が締めつけられました。妻を奪われた彼の絶望は計り知れず、その気持ちに共感してしまう自分にも恐怖を覚えました。木島に対する復讐を決行する直前、彼が震える手でナイフを握るシーンは涙が出るほどつらい。最後に復讐という道を選ばなかった結末は、人間の弱さと強さの両方を描く素晴らしい着地でした。(40代 女性)


この作品は“復讐”ではなく“喪失と向き合う過程”を描いていると強く感じました。中村の執念は狂気のようにも見えますが、その裏にある妻への深い愛情が痛いほど伝わってくる。木島の卑劣さにも腹が立ったけれど、彼の人間的な弱さが浮き彫りになるシーンも多く、単純な善悪では語れない構造が魅力。ラストで中村が涙を流しながら前を向くシーンは、胸が締めつけられるほど美しいものでした。(30代 男性)


観終わったあと、しばらく立ち上がれないほど心が重くなりました。それほどまでに中村の絶望と執念が画面から溢れていました。妻を亡くした男が“正義”と“復讐”の狭間で揺れる姿は、決して誇張されていないのに圧倒的な迫力があります。木島の浅はかな態度も見ていて腹立たしく、そのぶつかり合いの緊張感がすごい。最後に復讐を放棄する中村を見て、わずかながら救いを感じました。(50代 男性)


女性として、妻を失った中村の孤独に強く共感しました。怒りだけではなく、自分だけが取り残されてしまったような虚無感がひしひしと伝わってきます。木島を追い詰めていく過程は怖さもありますが、それ以上に中村の壊れてしまいそうな精神状態が痛ましい。ラストで復讐をやめ、涙するシーンは自身の痛みを認める瞬間のようで、静かで深い感動がありました。(20代 女性)


人間の弱さを容赦なく描いた作品で、どのシーンにも“痛み”が詰まっていました。中村の復讐心は理解できるけれど、同時にその行動が彼自身をさらに苦しめていることもよく分かり、見ていて歯がゆい。木島の最低な言動に怒りを覚える一方、その裏にある小心さが露わになる描写にも驚きました。ラストで中村が復讐を捨てた瞬間、彼の中でほんの少しだけ時が進んだように感じました。(30代 女性)


この映画は、表面的には“復讐劇”ですが、本質は“再生の物語”だと思いました。中村が妻を失った喪失感から抜け出すために、復讐という道にしがみついていたことが痛いほど伝わってくる。木島の卑劣さには腹が立ちますが、彼もまた弱い人間であることが描かれているのが興味深い。最後に復讐を選ばず、涙する中村の姿は、人としての強さを取り戻した瞬間に思えました。(40代 男性)


夫婦関係の描写が少ないにもかかわらず、妻への愛情が深く伝わるという構造が素晴らしい。中村の静かな狂気や、怒りを心に押し込めて生きる姿は念のようなものを感じさせ、見ていて心が揺さぶられました。木島の愚かさにも呆れつつ、彼もまた迷子のような人物であることが分かり、単純に憎めない複雑さが生まれている。最終的に復讐を手放すラストは、胸が締めつけられるほど美しかったです。(50代 女性)


中村の“復讐への渇望”があまりにもリアルで、観ているこちらも胸の奥がざわつきました。木島を追う姿は鬼気迫っていますが、同時に彼がどれほど深く傷ついているかが痛いほど分かります。復讐の瞬間を前にして涙が流れるシーンは、怒りの限界と悲しみの深さが入り交じった圧巻の演技。最終的に彼が刃を下ろさず、前に進むことを選んだことが救いであり、静かな余韻を残しました。(30代 男性)

映画『その夜の侍』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『その夜の侍』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

凶悪

この映画を一言で表すと?

“人間の闇を真正面から突きつける”圧倒的な実録系クライムドラマ。

どんな話?

雑誌記者の藤井は、受刑者・須藤から「まだ外に本物の悪党がいる」と告発を受け取る。調査を進めるほど、表向きは善人に見える不気味な“先生”の正体が露わになり、藤井自身も深い闇へと飲み込まれていく。正義と悪の境界線が曖昧になる恐ろしい実話ベースの物語。

ここがおすすめ!

『その夜の侍』同様、善悪では割り切れない“人間の本性”に迫る物語。静かに積み上がる恐怖と、登場人物の壊れていく様が圧巻。重厚な人間ドラマが好きな人に深く刺さる一本。

アヒルと鴨のコインロッカー

この映画を一言で表すと?

“罪と赦しの物語が静かに胸へ沁みる”ミステリアスな青春ドラマ。

どんな話?

引っ越してきた大学生の前に現れた青年・河崎。彼は突然「一緒に本屋を襲わないか」と誘うが、その行動には過去の痛ましい出来事が深く関わっていることが分かっていく。現在と過去が交錯する構造が美しく、観客を引き込むサスペンスドラマ。

ここがおすすめ!

“過去の傷が現在を縛る”というテーマが『その夜の侍』と強く重なる。衝撃的な真相と、切なさを伴うラストが心に残り続ける名作。静かな余韻を求める人におすすめ。

渇き。

この映画を一言で表すと?

“愛と憎しみが暴走する”極限の人間ドラマ。

どんな話?

失踪した娘を探す父は、捜索を進めるうちに娘の裏の顔と周囲の狂気を知ることになる。暴力、嘘、裏切りが渦巻き、父は正常と狂気の境界を越えていく。映像演出も刺激的で、観客の精神にも強烈な爪痕を残す。

ここがおすすめ!

『その夜の侍』の持つ“追い詰められた人間の危うさ”をさらに押し広げたような作品。エネルギーの爆発と、救いのない世界観が心を掴む。感情むき出しのドラマを観たい人に最適。

怒り

この映画を一言で表すと?

“疑う心と信じたい気持ちの狭間で揺れる”重厚な群像ミステリー。

どんな話?

ある殺人事件の犯人が逃走し、3つの街で“正体不明の青年”と暮らす人々が、それぞれに疑念を抱き始める。誰を信じるべきか分からなくなる不安、愛情ゆえの迷い、そして残酷な結末が観客の心を揺さぶる。

ここがおすすめ!

人間の弱さ、信頼の崩壊、そして取り返しのつかない後悔――『その夜の侍』に通じるテーマが詰まっている。深く考えさせられる映画が好きな方に強くおすすめ。

冷たい熱帯魚

この映画を一言で表すと?

“普通の人間が狂気へ堕ちていく恐ろしさ”を突きつける衝撃作。

どんな話?

平凡な観賞魚店の店主が、親切そうな男・村田と関わったことで、想像を超える犯罪の渦に巻き込まれていく。異常と日常の境界がないほど滑らかに侵食される恐怖が描かれ、観客の心を深くえぐる。

ここがおすすめ!

『その夜の侍』のような“普通の人間の壊れていく姿”をさらに極限まで描いた作品。観終わったあとに重い余韻が残るが、それこそが本作の魅力。強烈な人間ドラマを求める人向け。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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