映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の概要:伝説的SF『スター・ウォーズ』シリーズ旧3部作の2作目。時系列的には5番目にあたる。ジェダイの卵ルークは、帝国軍を滅ぼすためヨーダの元で修行を積み始める。ダース・ベイダーがルークを執拗に追う衝撃の理由も明らかに。
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の作品情報
上映時間:124分
ジャンル:SF、アクション、ファンタジー
監督:アーヴィン・カーシュナー
キャスト:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、アンソニー・ダニエルズ etc
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の登場人物(キャスト)
- ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)
- 精神(フォース)の力で戦うジェダイの血を引く青年。勇気があるが、感情で行動してしまう未熟な一面がある。ジェダイの卵として、ジェダイマスター・ヨーダの元で修行を積み始める。父親はダース・ベイダーに殺されたと教えられている。
- ダース・ベイダー(演:デヴィッド・プラウズ / 声:ジェームズ・アール・ジョーンズ)
- 帝国軍の指令役で、皇帝シスの右腕。昔は大変優秀なジェダイだったが、闇(ダークサイド)に堕ちた。黒いマスクをかぶっており、強いフォースの力を持っている。ルークの父を殺したとされている。
- ヨーダ(フランク・オズ)
- 最後のジェダイマスター。ジェダイへの攻撃を逃れ、辺境の星で隠居生活を送っている。体は小さいが、その実力は計り知れない。ルークを最後の希望だとし、フォースの使い方を教え始める。
- ハン・ソロ(ハリソン・フォード)
- ミレニアム・ファルコン号を操る密輸業者。前作で反乱軍に協力して以来、反乱軍の下に身を置いていた。裏取引の大物ジャバ・ザ・ハットに借金を返す約束だったが、反乱軍にいたせいで返済が遅れている。レイア姫に思いを寄せているが邪険にされている。
- レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)
- 反乱軍を率いる勇敢な姫君。気が強く、ハン・ソロを前にすると素直になることができない。なぜかルークの存在を感じ取る事ができる。
- オビ=ワン・ケノービ(アレック・ギネス)
- ルークのフォースを見出したジェダイマスター。ダース・ベイダーが暗黒面に落ちる前は、彼の師匠だった。前作でダース・ベイダーに殺されているが、フォースの力により幻としてたびたびルークの前に現れる。
- ランド・カルリジアン(ビリー・ディー・ウィリアムズ)
- 惑星ベスピンにある空中都市クラウド・シティの執政官。ハン・ソロの旧友で元ギャンブラー。ミレニアム・ファルコンの元の持ち主でもある。
- チューバッカ(ピーター・メイヒュー)
- ハン・ソロとともにミレニアム・ファルコンに乗るウーキー族。
- R2-D2(ケニー・ベイカー)
- ルークとともに行動するドロイド。小柄で勇敢、向こう見ずな一面もある。
- C-3PO(アンソニー・ダニエルズ)
- 細身の通訳ドロイド。皮肉屋で愚痴っぽい。R2-D2と名コンビだが、今作では別れて行動する事となる。
- シス卿(クライヴ・レヴィル))
- 帝国軍の皇帝。いつもフードを被っており、その正体は謎に包まれている。
- ボバ・フェット(演:ジェレミー・ブロック / 声:ジェイソン・ウィングリーン)
- 賞金稼ぎ。ハン・ソロを捕らえるため、帝国軍に雇われた。ジャバ・ザ・ハットがハンの生け捕りにかけた賞金を狙っている。
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のあらすじ【起】
反乱軍は帝国軍の要塞デス・スターを破壊したが、帝国軍の猛追により秘密基地を離脱、雪の惑星ホスに拠点を移していた。ハン・ソロは遅れに遅れたジャバへの借金返済のため、反乱軍を離れることを決める。しかし、雪男に襲われたルーク・スカイウォーカーを助けているうちに、帝国軍が惑星ホスを発見してしまう。帝国軍の激しい攻撃を受け、反乱軍は撤退。ハン、チューバッカ、レイア姫、ドロイドのC-3POは、ハンの船ミレニアム・ファルコン号で脱出した。一方ルークとR2-D2は、師匠のオビ=ワンの幻に教えられた惑星ダゴバへ向かう。オビ=ワンの幻は、そこでヨーダという名のジェダイマスターに教えを乞うよう言っていた。
ファルコン号はダース・ベイダー率いる帝国軍に追われていた。しかしなぜか光速移動装置が働かず、小惑星群に逃げ込む。船の修理中、ハンはレイアといい雰囲気になるが、C-3POに邪魔されてしまう。一方ルークは沼地の惑星ダゴバに不時着し、奇妙な年老いた宇宙人に出会う。彼こそが探していたヨーダだった。ヨーダはルークを試すためぼけたふりをしていたのだ。オビ=ワンの声に説得され、ヨーダはルークにフォースの使い方を教えることにする。
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のあらすじ【承】
ダース・ベイダーの師で帝国軍皇帝のシス卿は、ルークが最強のジェダイ、アナキン・スカイウォーカーの子であると明かす。ダース・ベイダーは、ルークを殺さず仲間に引き入れるよう提案する。ダース・ベイダーはまずハンを捕まえるため、賞金稼ぎたちを雇う。未だ光速移動装置の動かないファルコン号は、帝国軍が出すゴミに紛れて脱出する。しかしそのあとを賞金稼ぎボバ・フェットがこっそりついてきていた。
修行の中でルークはフォースの暗黒面、ダークサイドを目の当たりにする。その中でルークはダース・ベイダーと戦う幻を見た。そのマスクの下に自分そっくりの顔を見てルークは恐れおののく。一方でルークは、フォースの持つ偉大な力も体感した。ヨーダが精神の力だけで戦闘機を持ち上げたのだ。ルークは厳しい修行に耐え、力をつけていった。しかしハンたちが捕らえられる未来を垣間見たルークは、ヨーダが止めるのも聞かず出発してしまう。
ハンたちは昔の悪友で元ギャンブラーのランド・カルリジアンに助けを求めることにする。ランドは今では、誰かからだまし取った鉱業都市の執政官だった。ランドはハンたちを歓迎する。しかし、部屋に案内される途中でC-3PO が姿を消してしまう。レイアは言い知れぬ不安を感じていた。
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のあらすじ【転】
チューバッカが廃材置き場でバラバラになったC-3POを発見した。ランドはハンたちを裏切り、都市の安全のためボバ・フェットとダース・ベイダーを呼び寄せていたのだ。ハンとレイアはダース・ベイダーに捕まってしまう。ダース・ベイダーは彼らをルークのおとりにしようとしていた。
ルークが向かってきているのを知り、ダース・ベイダーはハンを凍結することにする。ハンダース・ベイダーはランドとの取り決めを無視し、ハンをボバ・フェットに引き渡し、レイアを帝国軍に連れ帰ろうとする。次々とランドとの約束を反故にするダース・ベイダーに、ランドは怒り、自分の行動を後悔した。ランドはハンを助けるため、レイアたちと発着台へ急ぐ。しかし一歩間に合わず、ボバ・フェットはハンを連れて行ってしまった。
一方都市に侵入したルークの前には、ダース・ベイダーが立ちはだかる。2人の一騎打ちが始まった。ダース・ベイダーはダークサイドのフォースと言葉攻めで、ルークを撹乱する。まだ修行中のルークには、敵わない相手だった。
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の結末・ラスト(ネタバレ)
ランドとレイアたちはR2-D2と合流し、ファルコン号へ乗り込んだ。一方ルークは、まだダース・ベイダーと戦っていた。オビ=ワンの名を出されて怒りでフォースを乱したルークは、ダース・ベイダーに右手を切り落とされてしまう。追い詰められたルークをダース・ベイダーはダークサイドに誘う。そして、自分がルークの父親なのだと告白する。今まで父親をダース・ベイダーに殺されたと教わってきたルークにとって、これほどショックなことはなかった。仲間になれと手を差し出すダース・ベイダーを前に、ルークは空中都市から落ちてゆく。
かろうじて突起に捕まったルークの声を、レイアが感じ取った。ファルコン号はルークを救出する。惑星から脱出したファルコン号を、帝国軍が追ってきた。しかし光速移動装置は帝国軍に壊されていた。R2-D2の働きによって、光速移動装置を修理したファルコン号は、危機一髪帝国軍の魔の手から逃れる。
反乱軍の船にレイアとルークを残し、ランドとチューバッカはファルコン号に乗り、ハンを探すため出発した。ルークは右手を義手に変え、ファルコン号を見送る。惑星タトゥイーンで再会する約束を残して……。
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の感想・評価・レビュー
SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」初期三部作の二作目、苛烈になっていく反乱軍と帝国軍の戦いの中、主人公・ルークと宿敵・ダース・ベイダーとの対決に発展する。
いわばなりゆきで参加した反乱軍の中で自分の居場所を見つけたルーク、ソロ、レイアの関係性の変化に加え、劣勢に立たされる反乱軍、ルークがベイダーとの直接対決に敗北する。作品としてマイナス面が目立つ本作だが、続く「ジェダイの帰還」への壮大な布石として描かれている。そのなかで垣間見える人々の成長が見どころ。(男性 20代)
沼地でR2-D2が泥だらけになっていたり、ルークとヨーダが初めて会った時の、ヨーダの行動がおかしく、子供がいたずらをしているようでかわいかったです。バラバラになって修理と中のC-3POも相変わらずのおしゃべりで笑いました。鳴き声だけで言葉はしゃべらないチューバッカも良い味を出していて好きなキャラです。
倒すべき相手と対峙した時に、その相手が本当の父親だと知ったら…。どれほどのショックだったでしょうか?(女性 40代)
エピソード5はとにかく暗い。
しかも、もう反乱軍は帝国軍に勝機がないのではないか、どん底の中そのまま映画は終わる。
その暗さ、面白すぎ。
シリーズの中で一番好きな作品です。
ルークとダース・ベイダーの関係も明らかになりますしね。
ヨーダの初登場もこのエピソード5。
今では飛んだり跳ねたりする現役ジェダイの騎士ヨーダの姿もベビーヨーダも観られるけれど、伝説のキャラクターも初登場だけどヨボヨボです。(女性 40代)
ヨーダやボバ・フェットにジャバ・ザ・ハットなどシリーズを代表する人気キャラクターが登場する作品で、世界観がぐんと広がった興奮と面白さがある。しかし、ストーリーは中途半端な所で、しかも仲間が次々と捕虜にされて終わってしまい、消化不良も甚だしい。ここから次回作を待つことになった当時のファンたちは絶望に暮れたのではないかと偲ばれる。爽快感も少ないが個人的にはストーリーなどこの作品に期待していないので、たくさんのロボットや風景が観られて一番好きだったりする。(男性 30代)
何度見ても色あせることのない名作。ルークがダース・ベイダーに自分が父親だと教えられて動揺してムキになって攻め込んで腕を切られる場面は、シリーズ最大の衝撃ではなかろうかと思います。
サブタイトルの通り、全体を通じて帝国軍に反乱軍がやられっぱなしの展開だったにも関わらず、ラストでランドの乗るミレニアム・ファルコンを見送るルークとレイアの姿から、反乱軍がこの後、巻き返す予感を与えてくれ、後味もスッキリしている展開に、完成された作品と感じました。(男性 40代)
シリーズ第2弾。エピソード4~6の3部作としては中間の話の為、終わり方を中途半端と感じる人もいるかもしれない。しかしこの作品がある意味一番「宇宙」を感じるのだ。どこにも到達しないからこそ、宇宙から宇宙を漂う雰囲気を色濃く感じずにはいられない。その象徴の一つが空中都市だと思うのだがどうだろうか。
ストーリー的にもルークとダースベイダーの関係に触れたり、ハン・ソロが〇〇されたり、ヨーダも登場と実は盛りだくさん。見逃せない一本。(男性 40代)
ジョージ・ルーカスが贈るSF映画の最高傑作シリーズ。前作のデススターの攻防から3年後の話で、壮大な画づくりは今も色褪せていない。
今回は主人公・ルークの成長物語である。ジェダイマスターであるヨーダにフォースを学ぶことになったルークは、うまくそれを使いこなせず、度々暗黒面に引っ張られてしまう。こうしたシーンは人間の悪意であったり、欲の深さを表しているのだろう。その葛藤が共感できるのだ。
ラストでダースベイダーがルークへ「自分が父親だ」と告白するところは、エピソード1~3を観ていたとしても衝撃的なシーンである。(男性 40代)
懐古厨とか、スターウォーズの盲信者と言われても、個人的には名作だと思っている。作品の根幹に関わる重要な秘密を、ダースベーダーの口から語られた衝撃は今も忘れられない。完全に個人的な感想に過ぎないがこの衝撃を超えられる映画は、自分にはもう視聴することはできないのではないかと思う。
ジョージ・ルーカスはネタバレを避けるため、ダースベーダーのセリフをアフレコで差し替えるという手法をとったそうだが、素晴らしい判断だと思う。物語の結末が次作へ持ち越しになる点を除けば、完璧なサプライズを含んだ映画だった。(男性 30代)
シリーズ2作目となる今作。ダース・ベイダーやヨーダなど作品を見た事がない人でもキャラクターの名前やビジュアルは何となく見た事があって知っていますよね。しかし、今作に登場するヨーダは私が想像していたものとは少し違って、人形っぽさがすごいです。おじいちゃんのイメージでしたが、すばしっこくて、強くて、ちょっぴりお茶目なのが可愛いですよね。
なんでダース・ベイダーはルークのことをそんなに欲しがるんだろうと思っていた矢先のまさかの展開は、なんの知識も入れずに初見だった私にはかなり衝撃的で言葉を失いました。(女性 30代)
関連作品
前作 スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
次作 スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
みんなの感想・レビュー
前作における反乱軍の大勝利とは打って変わり、物語は氷河の惑星ホスでの拠点壊滅。更には、ルークをはじめとした反乱軍の英雄たちが散り散りになってしまうという、絶体絶命の危機に陥り、帝国との永く厳しい戦いが、前作以降も繰り広げられていることを感じさせる。
ルークは撤退の中で、ジェダイマスター・ヨーダと出会い、フォースを極める訓練を受けていくが、そこで描かれる心理的な描写で、ルークと宿敵ダースベイダーとのまさかの宿縁が描かれた。
オビ=ワンと出会ってからのルークにとって、父親とは偉大なジェダイの騎士であり、自分が目標とすべき存在であった。それが今作のラストでは自分が倒さなければならない存在として立ちはだかる。これは父親殺しのエディプス神話と、フロイトが提唱したエディプスコンプレックスを思わせるストーリーだ。そこにスターウォーズがしばしば神話に例えられる由縁がある。しかしここで疑問となるのが、エディプスにおける母親にあたる存在が何かという点である。フロイト曰く男児は母親に近親相姦的感情を抱くという。実はスターウォーズにもきちんと近親相姦要素も含まれてはいるのだがここではそれは置いておくとして、今作において母親に当たるのはフォースではないだろうか。フォースを求めるが故に、初めはジェダイの騎士としての父親に同一化を試み、ダースベイダーとしての父親を排除しようとし、そして腕を切り落とされる(去勢)。こうしてみるとスターウォーズが如何に丁寧にエディプスコンプレックスをなぞっているかが良く分かる。そしてフォースを母親に据えることで、よりオリジナリティ溢れるスピリチュアルな神話へと昇華しているのだ。
『スターウォーズ』の大きな魅力の一つがキャラクターの造形にあることは間違いない。だが彼らの発する「音」も忘れてはいけない。ダースベイダーの呼吸音に、R2D2の電子音はファンならずともすぐに頭の中で再生されるだろう。チューバッカの呻き声は見事に喜怒哀楽を表現しており、ハン・ソロとの掛け合いも実に自然に聞こえる。或いはライトセイバーの起動音なども実に印象的だ。こういった効果音が独自の世界観を構築していることにも是非注目して欲しい。シリーズ通して効果音を担当したベン・バートは一作目でアカデミー賞特別業績賞を受賞している。
今となっては作品を見ていない人でも、ダースベイダーが父親であることぐらいは知っているだろう。だが何も知らない当時の観客が受けた衝撃は計り知れない。そして本シリーズのストーリーに一層の深みが増したターニングポイントだ。またマスターヨーダやダーク・シディアスといったシリーズの重要人物が初めて登場したことも忘れてはいけない。まさにスターウォーズの世界が一気に広がった作品だと言える。
演出面で言うと惑星ダゴバの描写は見事だし、何よりライトセイバーでのアクションがかなり派手になっているのは大きな見所だ。恋愛描写も前作に比べれば幾分マシだ。しかしながら次へのつなぎの回となっているせいか、ストーリーの密度がやや薄いのは気になる。ホセでの戦闘や、ミレニアム・ファルコンの逃亡など本筋とはやや離れた所にだいぶ時間を割いておりバランスに欠ける。