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映画『ステーキ・レボリューション』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ステーキ・レボリューション』の概要:フランス人監督のフランク・リビエラは、パリで精肉店を営むイヴ=マリ・ル=ブルドネックと共に世界一美味しいステーキを探す旅に出た。2年に及ぶ取材の末、彼らは10店舗に絞ったステーキ店から世界一を決める。

映画『ステーキ・レボリューション』の作品情報

ステーキ・レボリューション

製作年:2014年
上映時間:114分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督:フランク・リビエール
キャスト:フランク・リビエラ、イヴ=マリ・ル=ブルドネック etc

映画『ステーキ・レボリューション』の登場人物(キャスト)

フランク・リビエラ
本作の監督。フランスの牛肉が世界一だと信じ生きてきたが、ニューヨークにある“ピーター・ルーガー・ステーキ・ハウス”で食べたステーキに感動し価値観を覆された。世界で一番美味しいステーキを探すため、各店のこだわりや畜産家達の取り組みを取材しながら各国を旅する。
イヴ=マリ・ル=ブルドネック
パリに自身の名を冠した精肉店を持つ経営者。監督と共に世界一美味しいステーキを探す旅へ同行する。フランス人ながら「世界最高の畜産家はイギリス人だ」と断言している。

映画『ステーキ・レボリューション』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ステーキ・レボリューション』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ステーキ・レボリューション』のあらすじ【起】

監督であるフランク・リビエラの実家では、シャロレー牛を育てていた。フランスの牛が世界一だと信じて疑わなかった監督だが、“ピーター・ルーガー・ステーキ・ハウス”で出会ったステーキに全てを覆されてしまった。

祖父から“ピーター・ルーガー・ステーキ・ハウス”を譲り受けた現経営者、ジョディ・ストーチは、自らが買い付けた「世界最高の」ブラック・アンガス牛を提供していると語る。

パリで精肉店を営むイヴ=マリ・ル=ブルドネックは、ブラック・アンガス牛はアンガス牛とは違い、より柔らかく味が分かりやすいように改良されていると言う。短期間で出荷できるブラック・アンガス牛に比べ、フランスのシャロレー牛やブロンド牛は出荷まで時間が掛かる上に味も比べものにならない。監督とイヴ=マリは、世界の牛肉に対しフランスが遅れている理由を探ろうと決めた。

監督は、“イヴ=マリ・ル=ブルドネック”で待ち合わせた農学者、ルネ・ラポルトに、フランスでステーキに向かない筋肉質な牛肉しか出回らないのは何故かとインタビューした。ルネは、脂肪を拒否する消費者意識を変えない限り、仔牛はイタリアへ出荷されるばかりで国内には年老いた牛しか残らないと考察した。

監督は、シャロレー牛やリムジン牛が、成牛になるまでに時間が掛かり過ぎるのを問題視していた。イヴ=マリも、フランスの雄牛にコラーゲンが多く、肉質が硬いことを嘆いていた。二人は、牛肉の消費量が多いアルゼンチンへ向かった。

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映画『ステーキ・レボリューション』のあらすじ【承】

第7位。アルゼンチン、ブエノスアイレスの“カバーニャ・ラス・リラス”。シェフのアルフォンソ・ニエヴァは、アルゼンチン人はリブステーキが一番好きで、家庭でもよく食べると言う。ルネによると、アルゼンチン人の肉の消費量は年間で一人60㎏にも及ぶという。アメリカ人は平均で一人25㎏、ヨーロッパ人は18㎏前後との統計がある。

第8位。ブラジル、サンパウロの“テンプロ・ダ・カルネ”。動物学者のダニロ・ミレン博士は、ブラジルでは一般的に、高級種ではないネローレ牛をよく食べると言う。同じく動物学者のマリオ・デ・ベニ・アッリゴーニ博士は、ネローレ牛はアンガス牛やヨーロッパの牛と違い、ブラジルの気候に適応しているため育ちやすいのだと言う。他国の牛では、暑さに弱く病気になりやすいのだ。

“テンプロ・ダ・カルネ”のオーナー、マルコス・バッシは、監督から「これまでで一番美味しかったステーキ」を聞かれ“ピーター・ルーガー・ステーキ・ハウス”のポーターハウス・ステーキを挙げた。

第4位。アメリカ、ブルックリンの“ピーター・ルーガー・ステーキ・ハウス”。経営者のジュディは、美味しさの秘訣は二度焼きだと語り、さらに牧草飼育の牛は味にクセがあるため仕入れないと明かした。

一方で、ニューヨーク州で農場と精肉店を経営しているトム・マイランは牧草飼育に拘っており、「工場型の畜産に未来はない」と語る。オーガニックは野菜や穀物だけでなく、食肉にも注目されていると言うのだ。

第5位。カナダ、モントリオールの“ジョー・ビーフ”。店員のフレッドとデビッドは、「柔らかいだけが良い肉ではなく、噛み応えがあっても美味い肉はある」と語るも「肉に関しては自然志向の波はまだ遠い」と嘆く。

監督とイヴ=マリは、脂肪を蓄えるのが特徴であるアンガス牛の源流を求め、スコットランドのゴードンへ向かった。

映画『ステーキ・レボリューション』のあらすじ【転】

純血アンガス種畜産家のアリソン・チュークは、140年ほど前から代々100%アンガス牛を守り続けているが、量産を考える市場の意見を汲み、近年は血統75%でアンガス牛と認定するようにしたと語る。精肉店を営むロビン・チュークは、牛肉の味を決める要素の一つ目は品種であり、二つ目は飼料の種類、三つ目は出荷時のストレスをいかに減らしてやるかだと語る。

スコットランドのマル島にあるグレンゴーム城は、ハイランド牛を育てる農場になっている。100年以上前から生息しているこの牛はフランスやドイツ、オーストラリアやアメリカなど広い範囲に子孫がいるが、源流はここである。

第2位。ロンドンの“ホークスモア”。マネージャーのリチャード・ターナーは、純粋なアンガス牛は入手が難しく高価なため、多くは地元産の牛肉を提供していると語る。

第3位。日本、東京の“築地さとう”。フランスと異なり一切脂身を隠さない和牛に圧倒された監督は、「舌の上で消えてしまう」松坂牛の飼育方法を探るため、松坂市の小西畜産を訪ねた。畜産農家の小西眞一と妻の睦美は、松坂牛とは雌の処女牛のみを言うと説明した。しかし、監督とイヴ=マリは、一日中穀物飼料を与える育て方は「問題だ」と感じた。

スウェーデン。バルト海沿岸で農場“アイ・ワギュウ”を経営する畜産家、アンダース・ラーソンは、純血の和牛を牧草のみで育てていた。「穀物で育つより圧倒的に味が良い」と語るアンダースだが、日本食品ベルギー支社の輸入販売担当者リュック・ホールナールトは、ヨーロッパに和牛が輸入された経緯には謎が多いと言う。日本は和牛の精子を輸出しておらず、不当な手段で運び込まれた精子が世界へ広まってしまったらしい。

映画『ステーキ・レボリューション』の結末・ラスト(ネタバレ)

第9位。スウェーデン、ストックホルムの“AGレストラン&バー”。スタッフのヨハン・ユレスゴーグは、“アイ・ワギュウ”が初めて屠畜した和牛は、1㎏700ユーロだったと語る。この店では、今でも1㎏400ユーロする和牛を仕入れて提供している。監督は、「肉はグリル」という世界の流行に応えるためには、穀物飼料を減らした上で早く育つ脂肪の多い牛が必要だと考えた。

第6位はフランス、オーブラックの“メゾン・ブラス”。続いて第10位は、イタリア、トスカーナの“オフィツィーナ・デッラ・ビステッカ”。精肉店の8代目であるダリオ・チェッキーニが経営するこのレストランでは、脂肪の少ないキアーナ牛を扱っている。パンツァーノ・イン・キャンティでキアーナ牛を飼育している畜産家、ジョバンニ・マネッティは、飼育数の減少を危惧していた。

第1位。スペイン、レオン県にある“ボデガ・エル・カプリッチョ”。この店では、ホセ・ゴードンが経営するヒメネス・デ・ハムスの農場から、ルビア・ガジェガ牛を仕入れて提供している。ホセは古くからいる地元の固有種を、昔ながらのやり方で飼育していた。彼の農場には10歳を超えた牛が多くおり、“ピーター・ルーガー・ステーキ・ハウス”のジョディは15歳の食用牛がいると聞き言葉を失った。アメリカでは、30ヶ月を超えた牛でさえ嫌厭されるのだ。

“ボデガ・エル・カプリッチョ”のシェフ、アルフレード・アストガーノ・ヴィダレスは、幸せに育った大人の牛の脂肪は十分に美味しいと断言する。監督とイヴ=マリが「和牛より美味い」と絶賛するルビア・ガジェガ牛の秘密は、ドライ熟成だった。

熟成させることで余分な水分を飛ばし、腐敗により組織が分解されて柔らかくなったホセのルビア・ガジェガ牛が、栄えある世界一に輝いた。

映画『ステーキ・レボリューション』の感想・評価・レビュー

ステーキ好きが高じて以前にも食い入るように鑑賞したので、これで二度目の鑑賞となる。細かにメモを取りながら観て気付いたが、畜産を通してエコを論じるのが主なテーマであって、美味しいステーキは副産物だった。

これは時代に逆行する考えだと自覚はしているが、ベジタリアンもヴィーガンもオーガニック食品も、わたしは「正解」とは思えない。美味い物をたらふく食いたいのだ。その美味い物は、大抵安価で高カロリーで体に悪いのだ。安上りな舌のわたしには、脂いっぱいの大量生産された牛肉の方がありがたい。(MIHOシネマ編集部)


とにかくステーキが食べたくなる映画です。食べ物をテーマにした映画は沢山ありますが、今作は「ステーキ」だけに焦点を絞っているので肉好きな方にはたまらないでしょう。
ただ美味しいステーキのお店を紹介するだけでなく、畜産のことも語られているので命をいただくことへの感謝の気持ちも感じられました。
どんな肉が好きかは人それぞれですが、好きなものを食べたい時に、美味しいと感じられる量食べるのが1番幸せかなと思いました。
これを見た日本人は皆、築地さとうに行きたくなったことでしょう。(女性 30代)

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