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映画『歩いても 歩いても』あらすじとネタバレ感想

映画『歩いても 歩いても』の概要:現代日本映画界の中で、世界的に最も高い評価を得る是枝裕和監督によるホームドラマ。淡々と描かれる作品のトーンとは逆に、サスペンスフルな内容で根強い人気を誇る傑作。

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映画『歩いても 歩いても』 作品情報

歩いても 歩いても

  • 製作年:2007年
  • 上映時間:114分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:是枝裕和
  • キャスト:阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也 etc

映画『歩いても 歩いても』 評価

  • 点数:100点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『歩いても 歩いても』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『歩いても 歩いても』のあらすじを紹介します。

ある夏の暮れ。横山良多(阿部寛)は、最近再婚した妻のゆかり(夏川結衣)と彼女の連れ子のあつし(田中祥平)とともに電車で自分の実家に向かっている。というのも、この日は十五年前に亡くなった良多の兄、純平の命日だった。しかし良多は自分が今、失業中であることと、父・恭平(原田芳雄)とそりが合わないことなどから実家へ行くのにあまり乗り気ではなかった。そして、父がいつも期待していた優秀な兄と比べられてきたことが、いまだにコンプレックスなのだった。

実家に到着すると、すでに姉のちなみ(YOU)一家も来ており、みんなで食事の準備をしながら、子供時代の思い出話しに花を咲かせることになる。しかし、父は気難しい表情を浮かべ、自分の部屋にこもったまま出てこない。

午後、母(樹木希林)と良多の一家三人を合わせた四人で兄の墓参りへ行くことになった。墓参りを済ませ実家に戻ると、来客があった。彼は名を今井芳雄といい、純平が海で彼を救おうとして、亡くなったのだ。いい年こいて不器用な芳雄を見ると、恭平は息子の死がもったいないと怒鳴ったが、としこは来年も来るよう芳雄に話しかける。

ちなみ一家が帰り、良多一家と良多の両親だけの夕食。ふと母は思い出のレコードに針を落とす。流れてきたのは「ブルー・ライト・ヨコハマ」だった。母は思わず口ずさむ。「歩いても 歩いても 小舟のように 私は ゆれて ゆれて あなたの腕の中」と。

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映画『歩いても 歩いても』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『歩いても 歩いても』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

手に汗握るホームドラマ

ホームドラマと言う言葉を聞くとどうしても何気ない日常を切り取った作品が連想される。しかしながら是枝裕和監督が描くホームドラマは一味も二味も違ったものになっている。一言で本作の感想述べるならば、それは「恐ろしい」である。ぼーっと眺めて本作を鑑賞すれば、何気ない家族が実家に集まって話をするだけの話である。しかしながら本作はそんなに底の浅い話ではない。一人ひとりの発言の裏に隠されたその人物の真意やその人物がどうやってそういった人格を形成してきたのかと言う背景までを汲み取って鑑賞することこそが本作の醍醐味なのである。

それ故本作で描かれている人間が人間像は決してかっこいいものに終始することはなく、みっともない部分や目も当てられないような無様な部分があられもなく描かれている。今回本作の評論にあたってジャンルをサスペンスとした。ホームドラマなのにサスペンスというのは理解し難いものかもしれないが、人間同士のコミュニケーションというのは実にサスペンスフルなものであると言うことに改めて気づかされる。考えてもみてほしい。家族というものはそれぞれがそれぞれの役割をある種、家庭と言う舞台の中で演じ切ることによって成立しているのだ。現に父は父親らしく振る舞うことが求められ母は母親らしく振る舞うことが求められているのだ。ひとつの家庭の中でもこのようであるのに、複数の家庭が集まればその中にサスペンスが生じると言うのは当然のことといってもいいのかもしれない。

世界的にも評価

本作はカンヌ国際映画祭にも出品されたのだが、出品される前映画の製作陣は出品に対してあまり乗り気ではなかったと言う。それは、あまりに作品の内容が日本の家庭に固有のものに思えたからだという。しかし本作を鑑賞した審査員は、まるで自分の家庭を見ているようだったと語っている。

つまり本作は、極めて一般化された人間同士の心理戦を描いた傑作なのだ。


本作は、15年前に亡くなった兄の純平の命日に、実家へ集まった良多一家と妹一家の帰省風景を描いたホームドラマサスペンス作品。
誰にでもあるようなお盆の帰省風景だけれど、家族と親戚の嫌な部分も描かれていてとてもリアルで共感できた。
そして、個々の背景や思惑が渦巻く人間的な怖さを感じられ、絶妙な家族の距離感に最後まで引き込まれた。
特に、皆で食卓を囲むシーンが素敵だった。
凄くシンプルな一日だけれど、良いことばかりではないという人間らしさが際立つように感じられ、非常に心揺さぶられた。(女性 20代)


実家へ帰省した一日を描いていますが、家族の距離感がやけにリアルです。各々の毒気が時折垣間見えるため、思わずドキリとしたり気疲れしたりしました。つまり、それだけ出演者全員の演技が自然なのです。そして、会話や絶妙な間から、家族の思惑や性分等を容易に汲み取れるよう作られています。樹木希林の、普段は穏やかなのに、たまに怨念のような思いを吐露する演技が物凄く怖かったです。これぞプロの演技だと、改めて尊敬の念を抱きました。(女性 30代)


私は子供の頃から父親が嫌いです。父親が怖いわけではなく、家族に無関心で自分のことしか考えていない父親がとにかく嫌いです。そんな私がこの作品を見て思ったのは、子供の頃に形成された家族の形、親との確執、溝は大人になって自然と埋まっていくものでは無いのだと言うこと。私自身も大人になれば父親のことを理解できる日が来ると思っていましたが、今でもまだそうは思えていません。今作の良多も苦手な父のことは大人になっても苦手なままだし、どういう所が嫌なのか周りから見れば一目瞭然なのに、それに気付かない、気付こうとしない、悪いとも思っていない父親にもすごく腹が立ちました。
どの家庭にもこういった確執や溝は付き物なのかなと考えてしまいます。(女性 30代)


是枝裕和監督の描く1つの家族、そして彼らの距離感はリアルだなといつも思う。まるで現実にいる家族をそのまま描いたような、そしてどこか自分の家族と重なるような気持ちになる。役者たちのリアルな演技が、家族の危うさや厄介な部分を際立たせていて、どこか知っているような、既視感のある登場人物や彼らの会話にどんどん引き込まれた。見終わった後にほっこりするような明るい話ではないが、どこか懐かしく、自分の家族を思い浮かべてしまうような作品だ。(女性 20代)

映画『歩いても 歩いても』 まとめ

余談であるが、本作の主人公を演じている阿部寛の役目は良多である。記憶のいい人であればこの役目をどこかで目にしたことがあると感じるのではないだろうか。実はこの良多と言う役目は、「そして父になる」において福山雅治が演じた役名と一緒なのである。実はこの2つのキャラクターには共通するある側面がある。それは何かというと、父と言う巨大な存在に新顔とする息子という側面である。加えて言うならば、民放ドラマ「ゴーイングマイホーム」における主人公の役目も良多である。これらの作品はすべて是枝裕和監督による作品であることを鑑みれば、監督はこれら全ての作品において共通するテーマや人間性をキャラクターに盛り込んでいることがうかがえるのだ。

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