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映画『スーサイド・ライブ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スーサイド・ライブ』の概要:人気司会者のアダム・ロジャースは、自殺を生中継するリアリティ番組の仕事を引き受ける。生と向き合うのが目的だと言いながら、番組は視聴率を稼ぐためにどんどん過激になっていった。

映画『スーサイド・ライブ』の作品情報

スーサイド・ライブ

製作年:2017年
上映時間:105分
ジャンル:サスペンス
監督:ジャンカルロ・エスポジート
キャスト:ジョシュ・デュアメル、ジャンカルロ・エスポジート、ファムケ・ヤンセン、サラ・ウェイン・キャリーズ etc

映画『スーサイド・ライブ』の登場人物(キャスト)

アダム・ロジャース(ジョシュ・デュアメル)
テレビの人気MC(司会者)。番組中に殺人事件が起きて罪悪感に苦しむ。その後、自殺を生中継する番組の司会を引き受ける。
メイソン・ワシントン(ジャンカルロ・エスポジート)
テレビ局で清掃員の仕事をしていたがクビになる。家族を養うために仕事先を探すが、高齢のためなかなか見つからない。
イラナ(ファムケ・ヤンセン)
番組のプロデューサー。視聴率を稼ぐために過激なシーンを求め、自殺の生中継番組を思いつく。
シルヴィア(ケイトリン・フィッツジェラルド)
番組のディレクター。最初は番組の仕事を断ったが、アダムと同じく立ち上げメンバーとなる。
カリーナ(サラ・ウェイン・キャリーズ)
アダムの妹。以前は薬物中毒であったが克服。看護師として真面目に仕事に取り組んでいる。

映画『スーサイド・ライブ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スーサイド・ライブ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スーサイド・ライブ』のあらすじ【起】

テレビのリアリティ番組の生放送中に殺人事件が発生し、犯人が自殺する。MCのアダムは出演者をかばう姿を生中継される。彼はワイドショーに出演し、テレビの有り方を痛烈に批判。過激な発言が視聴者に受け、時の人となる。ますます罪悪感で苦しむ彼を、看護師の妹カリーナは心配した。

一方、テレビ局で清掃員をするメイソンは、勤務時間が少ないと上司に不満をもらしていた。清掃の後はレストランで皿洗いをしている。彼の息子は足が不自由で、医療費も生活費も足りないのだ。住宅ローンも滞納しているが、子供の教育費は減らしたくないのが妻の望みだ。

プロデューサーのイラナはとんでもない新番組を考えていた。死ぬ権利が認められているカリフォルニア州ならば、自殺を生中継する番組を作ることが可能だと考えたのだ。視聴者はリアリティを求めているから、高視聴率を獲得できると自信満々だ。

アダムはMCで誘われる。当初は断ったが、次第に生きる意味を考える番組を作りたいと考え、引き受けることにした。番組のタイトルは「あなたの死にざま」に決まった。

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映画『スーサイド・ライブ』のあらすじ【承】

放送初日。防弾ガラスに囲まれたメインステージは、自殺志願の出演者だけが上がれる仕組みにした。ステージの前には観客席があり、自殺の様子を見届ける。アダムの軽妙なトークで生放送はスタート。夫のDVに苦しむ女性が登場し、娘に虐待する夫と別れたいが金がないと訴える。彼女は娘に寄付を呼びかけ、用意されたバスタブに入り感電死した。観客は静まり返るが、次の瞬間拍手に変わった。30万ドルの寄付が集まり、娘に届けられた。

メイソンは清掃員の仕事を解雇される。皿洗いの仕事のためレストランに行くと、酔っ払っているアダムを見つけ、思わず番組の批判をする。アダムはそのことを支配人に告げ口。メイソンは皿洗いの仕事も解雇されてしまう。

番組のSNSには批判のメッセージが殺到。カリーナも激怒してアダムの家に乗り込むが、ディレクターのシルヴィアと親密になっている姿を見て、呆れて帰る。カリーナが看病する小児がんのエリオットは、自殺の番組に興味を持ち始める。

番組は高視聴率を獲得し、よりショーアップすることに。出演者を3人に増やし、自殺に至った背景と死に方を競わせて、視聴者による投票で一番を決めることにした。

映画『スーサイド・ライブ』のあらすじ【転】

難病で苦しむティモシー、シリア難民に寄付するため自殺するエレン、妻の心臓移植のために死ぬ決意をしたデヴィッド。彼らの自殺は次々と生中継され、高視聴率を叩き出す。

アダムは収入が増え、妹に豪邸をプレゼントしようとした。しかし、血で汚れた家はいらないと断られる。彼はその夜の放送で、妹に罵られたと話す。それを見た妹は苛立ち、薬物に手が伸びそうになった。

メイソンは工事現場で働こうとしたが、高齢な上に重機の免許もないため断られる。彼は息子から、貧乏を一人で抱えていることを非難され、ショックを受けた。

次の放送は、一酸化炭素中毒で自殺をする女性。車で眠りホースを引き込んで死のうとしたが、ガラスが真っ白になり死ぬ様子を映せなくなった。シルヴィアは心臓の音を流し、徐々に音が途切れる演出で死んだように見せかけた。やらせの様子は観客に撮影され、たちまちSNSで拡散した。

駐車場に運ばれた車から、女性は逃げ出そうとした。それをアダムは無理矢理押し込めドアを閉めた。再び一酸化炭素が充満して女性は死亡。その様子は車内カメラに収められた。

映画『スーサイド・ライブ』の結末・ラスト(ネタバレ)

カリーナはエリオットが危篤になったことを知らされる。自殺番組の影響で死に取り憑かれていたと、母親に責められた。カリーナはついに薬物に手を出すが、上司にばれてクビになる。メイソンは「あなたの死にざま」のオーディションを受けて合格する。家族には仕事が決まったと嘘をついて家を出た。

番組にはFBIの捜査が入るが、生放送はいつも通りスタート。切腹をする出演者に、会場は大いに沸いた。アダムが次の出演者を呼ぶと、登場したのは妹のカリーナ。アダムは激しく動揺する。妹は「私で終わりにして」と言いながら自分の腕に注射をした。アダムは楽屋から回ってステージに上がるが、妹は彼の腕で息を引き取ってしまった。

アダムは観客に向かって「満足したか!」と怒鳴り散らして退場し、会場の雰囲気は重苦しくなった。次の出演者のメイソンは爆弾で死ぬ予定だったが気が変わり、「お金なんていらない!家に帰ろう!」と言いながら爆弾のスイッチを手放した。会場から励ましの拍手を送られると、彼はステージを走り去った。

アダムは妹の救急車に乗せてもらえず泣き崩れる。野次馬がカメラを向ける中、彼はFBIに連行された。

映画『スーサイド・ライブ』の感想・評価・レビュー

自殺を生中継するというショッキングなリアリティ番組を描いた作品。主人公のアダムと並行して描かれ、陰の主役となっているのが清掃員のメイソン。掛け持ちの仕事を次々とクビになるという姿がリアルで、中年失業者の悲哀が涙を誘う。彼を演じるジャンカルロ・エスポジートは、本作で監督も務めるという多才ぶり。実際にこんな番組があるわけがないけど、もしかしたらあるかもと思いながら、最後まで見入ってしまった。(MIHOシネマ編集部)


本作は、観客を入れたスタジオで自殺を生中継するという前代未聞の番組がエスカレートしていく恐怖を描いたサスペンス作品。
過剰に盛り上がる自身の番組にとうとう自分の妹が志願してきて、妹の自殺に司会者が大いに取り乱し、事の重大さに気付いて我に返るシーンにはいろいろと考えさせられた。
これは、大金目当ての志願者や、狂っていく司会者と番組関係者といった人々が様々な視点から描き、ネット社会のへの警鐘や人間の愚かさを感じさせる人間ドラマでもある。(女性 20代)


いくらテレビにリアリティに求めているからと言っても、人が亡くなる瞬間なんて自分だったら絶対に見たくないなと思った。なかなかショッキングなテーマを軸にした物語で、映画だと分かっていても最後まで見るのが心苦しかった。登場人物達の背景に「貧困問題」や「生と死」についての問題があり、深く考えさせられる物語になっていた。物語のラストが、あまりにも切ない。後悔先に立たずという言葉があるが、まさにその通りだと思う。(女性 30代)


人の考え方に正解なんてなくて、実際にこのような「自殺」を見せるテレビ番組があったら多くの人が鑑賞するのだろうなと思ってしまいました。いけないことだと分かっていても興味が勝って見てしまう人が多いと思いますが、中にはなんの罪悪感も感じず、ただ他人の自殺を楽しむ人も存在するでしょう。
この作品を見ただけでそんなことまで考えられてしまうのだから、現実にも歪んだ考え方をする人が多くいるのだろうと実感させられました。
自殺についてだけでなく、SNSなどの人との繋がり方など多くのことを考えさせられる作品です。(女性 30代)

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